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先日YouTubeにアップされた岡崎体育さんの「MUSIC VIDEO」という楽曲が話題となっています。
「ミュージックビデオの"あるある"」についてユーモアたっぷりに表現している楽曲で、公開1週間で瞬く間に100万再生を突破しました。

岡崎さんはインディーズバンドを中心に「ミュージックビデオ"あるある"」を洗い出していったそうなのですが、果たしてこれはアニソンにも当てはまるのだろうか?という一つの疑問が。
というわけで、気になったので調べてみました。

まずは岡崎体育さんの「MUSIC VIDEO」を見てもらいましょう。


ここで挙げられた ”あるある” をまとめると、
(1)カメラ目線で歩きながら歌う
(2)急に横からメンバーが出てくる
(3)突然カメラを手で隠して 次のカットで場所を移動している
(4)倍速になる
(5)スローになる
(6)コマ撮りになっている
(7)モノクロの映像がある
(8)淡い映像がある
(9)わざとざらついた映像がある
(10)無意味に分身している

MVに出演している女優のしぐさ
(12)泣かせる
(13)踊らせる
(14)音楽を聴かせる
(15)窓にもたれさせる
(16)倒れさせる

(17)2分割で男女を歩かせて最終的に出会わせる
(18)関係者や友達を別撮りで歌わせる
(19)アナログテレビを何台か置いて砂嵐を流す
(20)ラーメン屋の見習いが店の前で落ち込んでいる
(21)おしゃれな夜の街が映っている
(22) →さらに光をボケさせている
(23)果物を手に持っている
(24)ケーキを顔面にぶつける
(25)歌詞を画面いっぱいに貼りつける
(26)ビンタされる
(27)交差点の真ん中に立っている
(28)オフショット映像を紛れ込ませている
(29)物を壊す
(30)物を燃やす
(31)フェンス越しに儚げな顔を映す
(32)浜辺を歩く
(33)外でギターを弾いている
(34)何かを拾って振り返る
と、計34項目ありました。
1つのMVですべて当てはまることはないにしろ、
これだけ挙げればどのMVにもそれなりに当てはまるんじゃないだろうか?

さて、管理人が調べたアニソンの実写MVは50曲。
選んだ基準としては
 ・フルver.、もしくはほぼフルに近い状態の楽曲が見れること
 ・直近10年までの楽曲であること
 ・ある程度知名度がある楽曲であること
そして、なるべく多くのアーティストのMVを見たかったので、1組のアーティストの調査楽曲は多くても2曲までにしています。


『Can Do』 / GRANRODEO



0:32でいきなり「(5)スローになる」、そして1:26で「(25)歌詞を画面いっぱいに貼りつける」が!
これは幸先が良いぞ!

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と思ったものの、これ以降他の項目が出ることはありませんでした。
後ろのチアリーダーを「(13)踊らせる」にカウントしても最大で3つ。
3÷34 = 9.1% と意外と少ない…。


いや、たまたま「Can Do」が少なかっただけかもしれません。
飯塚さんがギター弾いてるから場面切り替えもしづらいため、GRANRODEOだと当てはまりにくいという側面もあるかも。


それじゃバンドスタイルじゃないアーティストはどうだろう?ということで…、

THE HERO!!~怒れる拳に火をつけろ~ / JAM Project



これならバンドは出てこない!
と思ったらバックにバンドがいるじゃないか!w
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最終的に「(5)スローになる」「(8)淡い映像がある」「(21)おしゃれな夜の街が映っている」「(22)さらに光をボケさせている」の4つが当てはまりました。
「(33)外でギターを弾いている」はバックバンドの演奏は"あるある"の趣旨とは違っていたのでカウント集計外。

うーん、4÷34 = 12.1%と先ほどよりは増えたけど思っていたよりも少ないのは変わらず。
それでは視点を変えて女性アニソン歌手はどうだろうか?
ということで…

楽園Project / Ray



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開始40秒で「(1)カメラ目線で歩きながら歌う」「(5)スローになる」「(6)コマ撮りになっている」「(13)踊らせる」「(23)果物を手に持っている」「(32)浜辺を歩く」と6項目をクリア!
最終的には「(8)淡い映像がある」「(16)倒れさせる」の2項目も追加され、計8項目となりました。
8÷34 = 24.2% と、今までに比べるとかなり高い数字!

このシーンは「(24)ケーキを顔面にぶつける」にギリギリならなかったですねw 惜しかった。
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ちなみにRayは「はじめてガールズ!」のMVでも7項目が当てはまり、まずまずの結果に。


禁断のレジスタンス / 水樹奈々



それではアニソン界の女王・水樹奈々はどうだろうか?
MVは結構ファンタジーな世界観が多いのですが…

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ない。

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ない…。

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ないっ…!

というわけで、「(5)スローになる」「(8)淡い映像がある」の2項目のみ。
淡い映像もちょっと微妙なところなので、実質1項目。
水樹奈々は「PHANTOM MINDS」でも2項目、「深愛」では0項目だったりと、この法則には当てはまらない楽曲が多めでした。
ポップな楽曲ではまた違ってくるんでしょうけどね。

それでは女性声優でもユニットならどうでしょう?

ブルー・フィールド〜Finale〜 / Trident



この楽曲は街中での撮影も多かったので、きっと当てはまる項目も多いはず。

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結果、「(1)カメラ目線で歩きながら歌う」「(3)突然カメラを手で隠して 次のカットで場所を移動している」「(8)淡い映像がある」「(13)踊らせる」「(14)音楽を聴かせる」「(15)窓にもたれさせる」の6項目をカウント。

対して、同ユニットの楽曲「Blue Snow」は2項目と少なめ。それでも踊りは絶対に入れてくるのね。
これは他の声優ユニットも多いのではないだろうか?

タチアガレ! / Wake Up,Gilrs!


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こちらも「(1)カメラ目線で歩きながら歌う」「(4)倍速になる」「(5)スローになる」「(8)淡い映像がある」「(9)わざとざらついた映像がある」「(13)踊らせる」「(14)音楽聴かせる」の7項目がヒット!

同じように、声優ユニットではミルキィホームズ「ミルキィ100ワールド」が5項目、みかくにんぐッ!「とまどい→レシピ」が4項目、ハート♡インベーダー「好感win-win無条件」が4項目とそれなりに高い数字に。



しかし、結局50曲ものMVを見たにもかかわらず、Ray「楽園Project」の8項目が最多なのは変わりませんでした。
上に挙げた以外で多かったのはナノ feat. MY FIRST STORY「SAVIOR OF SONG」の7項目。
Kalafina「Magia」「ひかりふる」AKINO with bless4「エクストラ・マジック・アワー」TRUE「DREAM SOLISTER」などは1項目、
fhána「divine intervention」に至っては0項目とまったく当てはまりませんでした。



「なぜ、J-POPやインディーズバンドにありがちなミュージックビデオの表現が、アニソンには当てはまりづらいのか?」


まずJ-POPとアニソンの大きな違いを挙げると、「アニメの主題歌か否か」というところが大きく関わってくると思います。
そのため、アニソンはアニメのOP映像が楽曲のミュージックビデオとなっているに等しいと考えることができます。
よって、「楽曲のプロモーションをMVのみに頼らせなくてもいい = MVでは歌っているアーティストを前面に押し出せばよい」という考えになってくるのだと思います。
「"あるある"」の(16)(17)(20)(24)(26)(27)(33)(34)あたりは、MVをドラマ仕立てにしないとクリアできない項目ですし、
アニメ作品の楽曲という縛りがある以上、「(18)関係者や友達を別撮りで歌わせる」「(28)オフショット映像を紛れ込ませている」といった、制作の裏側は映しづらい。
なので、最多でも8項目(25%)という結果になったんではないかと。

ん?金がないから当てはまりづらいんじゃないかって?
そんなのインディーズバンドでもお金がないのは同じなので、それが原因ではないでしょう。


しかし、数少ない当てはまった項目の中でも、よく出てきたのはこれらの表現。
「(4)倍速になる」
「(5)スローになる」
「(8)淡い映像がある」
「(13)踊らせる」


特に女性アニソン歌手と女性声優の踊る率は高すぎ!w
最近のトレンドというのもありますが、とりあえずアニソンのMVは映像の速度を調整して踊らせておけばある程度見れるものになるということになりますね!(暴論)
ちなみに、"あるある"の項目にはありませんでしたが、「カメラが演者の周りをぐるぐる回る」「よくわからないCGが出てくる」も意外とアニソンMVには多かった。


そういえば、実写MVだけで考えてましたが、アニメでもミュージックビデオがあったような…。

君のこころは輝いているかい? / Aqours



やっぱり「(5)スローになる」と「(13)踊らせる」はこちらも健在w
もう全員踊ればいいんじゃないかな?w