動画:若者たちの節目
SEALDs最後の会見 「これで終わりじゃない」@朝日新聞2016/8/16より安全保障関連法や憲法改正に反対してきた学生団体「SEALDs(シールズ)」が16日、東京都内で最後の記者会見を開いた。15日の解散を受けて、約25人のメンバーが活動を振り返った。
中心メンバーの奥田愛基(あき)さん(24)は「若い人がイエス、ノーを言うのがこんなにもつらく、大変なのかと思った」と活動の苦しさを語った。
筑波大学4年の本間信和さん(21)は今夏の参院選で、野党4党の統一候補の応援演説で各地を回った。「若い世代が声を上げるのは勇気がいる。バッシングも受けたが、受け止めてくれる大人がいたからできた」。会見の中継をネットで見ている視聴者にはこう呼びかけた。「10代や20代、30代の人たち。何かの機会があれば一緒にやろう」
明治大学院生の千葉泰真さん(25)は「すべてを出し切り、すっからかん。だから悲壮感も後悔もない」。新しいデモや活動の形を作れたとしつつ、「最先端に2年も3年もいることはダサい。(別の誰かに)アップデートされた最先端の運動が出てきてほしい」。今後については「また勉強して自分の武器を作り、社会に問い続けたい」と話した。
さて昨年の安保法案から良くも悪しくも注目されてきたSEALDsが8月15日に正式に解散したそうです。
平和は罪だ@BLOGOS(赤木智弘)2016/8/21より
有り体に言えば、SEALDsというのは「サヨクのジジババが考える都合のいい若者像」でしかなかった。
この解散に関してロスジェネ論壇の主要メンバーとして知られる赤木智弘氏が論説を書いています。そしてこの「サヨクのジジババが考える都合のいい若者像」と言うのが多くの人達が感じたこの若者たちへの違和感を表す言葉ではないかと思います。
自民、比例第1党の勢い…10代の半数与党支持@読売新聞2016/7/6よりそしてその違和感が間違っていなかったことは7月に行われた参議院選挙で示されました。若い世代の多くはSEALDsの応援した野党連合ではなく与党を支持し、むしろ若い世代ほど所謂リベラルと言われる野党連合を支持しなかったのが象徴的でした。
読売新聞社が実施した終盤情勢調査では、比例選(改選定数48)は自民党が序盤情勢調査から伸ばし、2013年参院選に続いて比例選第1党をほぼ確実にする勢いだ。
与党で比例選過半数をうかがう。民進党など野党は反転攻勢をかけられていない。
自民党は13年参院選並みの18議席獲得も視野に入ってきた。年齢別に見ると、全世代で他党を上回る支持を得ている。特に若年層に強く、18、19歳は5割近くが自民党を支持している。18、19歳は安倍内閣の経済政策を6割弱が評価していて、30歳以上の世代よりも10ポイント以上高くなっている。
自民党は20歳代で4割強、30歳代でも4割弱の支持を集めている。
平和は罪だ@BLOGOS(赤木智弘)2016/8/21よりそして「サヨクのジジババが考える都合のいい若者像」ではないリアルな若者たちが直面している問題は何でしょうか?また赤木氏の言葉を借りるのですが、1つは経済の停滞によって押し付けられる経済的苦境、女子大生の売春やおれおれ詐欺などの犯罪に走る若い男の子たちはその象徴でしょう。
左派に限らないが、高度経済成長のもとでぬくぬくと経済成長してきたジジババたちは、若者に対して「子供の頃から、多くの物に囲まれ、豊かに育ってきた」という偏見を持っている。実際には、子供を豊かに育てたのはジジババたち自身の自尊心を満足させるために他ならず、成長した若者は経済の停滞によって、苦労ばかりを押し付けられるばかりで、収入面ではその多くが、ジジババたちの豊かな経済成長生活を超えることができず、酷く自尊心を奪われているのだが、SEALDsにはそうしたイメージが全く見られない。
若い女性は風俗嬢、老人は姨捨て山…一億総貧困時代が来た@DIAMOND ON LINE2016/6/17より
中村 社会の下層を取材していると、若い人たちに明らかな異変を感じます。普通の女子大生がカラダを売り、男の子たちも夜の商売やオレオレ詐欺みたいな犯罪に走り、意識の高い優等生層は宗教紛いの自己啓発にハマったりしている。気持ち悪い違和感を覚えることが多いですね。
【相模原19人刺殺】ニュースは決して報じない! 戦後最悪の殺人鬼・植松容疑者があぶり出した日本の最暗部@TOCANA2016/7/28 よりそしてもう1つ自尊心と言う意味では象徴的なのは先月起きた相模原の事件の容疑者、経済の停滞で大企業の正社員や公務員の様な安定した職が減少する中で増えてきたのはサービス業や、介護福祉など所謂ブラックな産業の雇用、私の友人で介護関係で働いている人がいるのですが彼が介護業界で働き始めた際に並行して始めたのは教員資格を取るために通信制の大学に通い始めた事でした。曰く「若い人を育てる方が希望がある」との事で非常に印象に残っています。そしてこの相模原の事件の容疑者も例えばバブル前後の景気の良い時代であれば目指していた教員の職につけた可能性があったと考えられるし、ここまでひどい職場でなければあそこまで凄惨な事件を起こしていたかと考えれば、その可能性は低かったのではと思います。
「事件現場となった施設は相模原から徒歩40分の距離の山奥にある。それが何を意味するか? 言い方は悪いですが、隔離施設です。都内のほかの施設で手に負えなくなった方々が最終的にそこに入ります。ひとりでは食事や排泄もできず、寝たきりで意思疎通できない方も多くいる。職員の気苦労は相当です」~中略~
植松容疑者は帝京大学卒業後、教員を目指したものの断念。その後紆余曲折を経て「津久井やまゆり園」で働くことになった。そこで見た“現実”に衝撃を受けたことは想像だに難くない。
さてSEALDsがもし若い世代の政治ニーズをリベラルの政治家に語りかける存在でありたいと考えるのであればやらなければいけなかったのは学費を売るために体を売る女子大生やおれおれ詐欺をやる若者たち、また相模原の事件での容疑者の様な悲惨な環境で働く若者とリベラルな政治家とをつなぐことでありリベラル政治家や高齢インテリたちの語るような安保反対、憲法改正反対を叫ぶことではなかったように思います。
リベラル勢力の結集にむけて@SEALDsよりそして彼らの努力の結果見えてきたのはむしろリベラルの活性化ではなくリベラルを標榜する野党勢力が若者をはじめとする世の中のニーズからいかに取り残された存在に成り果てていったかと言う点です。
私たちは、現政権の政治に対抗するために、立憲主義、生活保障、平和外交といったリベラルな価値に基づく野党勢力の結集が必要だと考えます。この野党結集は、市民の政治参加を促し、機能不全が嘆かれて久しい代表制を活性化させる、新しい政治文化を創出する試みです。
確かに参議院選挙での野党共闘は一定の成果を挙げたと言えるのですが、それでもあれだけ頑張って票を取りまとめても国会内で1/3強の議席しか確保できなかったというのは、世の中のニーズから取り残されていたというほかありません。
クリントン氏のリード縮小、トランプ氏に約3%ポイント差=調査@BLOGOS(ロイター)2016/8/8より[ニューヨーク 5日 ロイター] - 5日公表されたロイター/イプソスの世論調査によると、米大統領選の民主党候補ヒラリー・クリントン氏の支持率は約42%で、共和党候補ドナルド・トランプ氏は39%だった。
クリントン氏のリード幅はおよそ3%ポイントとなり、8%ポイント近かった前回調査から縮小した。
アングル:サンダース支持者「諦めない」、ヒラリー氏にそっぽ @BLOGOS(ロイター)2016/7/27より
[フィラデルフィア 26日 ロイター] - 米大統領選の民主党候補指名でヒラリー・クリントン前国務長官と争ったバーニー・サンダース上院議員は25日の党大会初日、11月の本選でクリントン氏に投票するよう自らの支持者らに呼び掛けた。ところが支持者の一部からはブーイングも上がり、サンダース氏がもはや自身が始めた「政治革命」をコントロールできなくなったことを印象付けた。
サンダース氏から支持表明を得たことはクリントン氏にとっては大きな勝利となったが、サンダース氏支持者の取り込みに不安を残した。
英EU離脱決定、次期首相にジョンソン氏の声も@BLOGOS(ウォールストリートジャーナル)2016/6/25より
【ロンドン】欧州連合(EU)離脱の是非を問う英国の国民投票では、離脱派を引っ張ってきた前ロンドン市長で、保守党のボリス・ジョンソン氏(52)に大きな勝利がもたらされた。同氏は、EU残留を訴えてきたキャメロン首相の有力後継者として浮上してきた。
そして日本では政治的リベラル勢力の縮小と言う比較的穏健な形で出ている現象ですが、海外ではより過激な形で出ています。アメリカでは極右と言われる共和党の大統領候補トランプ氏や極左と言われ民主党で最後までクリントン氏と候補を争ったサンダース氏の躍進、イギリスではEU離脱と言う現象はここ最近注目されましたし、フランスやドイツでも極右と言われる政治勢力の躍進が言われています。これらに共通しているのはこれまでリベラルに親和性の高いと言われていた層がそれぞれの政治現象の原動力になったと思われる点です。
そしてそれは赤木氏の指摘した点とも一致しています。
はっきり言ってしまうと今のままではSEALDsが応援してきたと思われるリベラル系の4党の前途は強いて共産党が多少可能性がある程度で厳しいと言わざるを得ません。参議院選挙では社民党及び生活の党はわずか1議席と風前のともしびになってしまったと言ってもよい状況で、民進党も大きく議席を減らしています。
彼らの復活に必要なのはSEALDsの様な耳に心地よい事を言ってくれる爽やかな若者でしょうか?そうでない事は最近行われた選挙ではっきりしています。
逆に厳しいが足りないものをきちんと指摘してくれる赤木氏の様な人材を三顧の礼で迎え、何が足りないかをきちんと把握すること必要なのではないでしょうか?