経営の命綱は、金融機関が握っていると言います。
それが、来年4月以降の中小企業金融円滑化法終了後、中小零細企業にとっては、ますます顕著な状況になっていくのだろうと思います。
前回のブログに引き続き、11月1日の金融担当大臣の談話により、来年3月末日で中小企業金融円滑化法が終了しても、返済条件の変更に関する対応方法が何ら変わらないというテーマについて考えてみたいと思います。
中小企業金融円滑化法は、その成立や延長について、あれだけ様々な理由で、様々な立場から批判を浴びてきました。
有事にだけ許される時限立法として、財務体質を弱体化させた中小零細企業を救うために、特別に許され成立した法律だったのです。
それが、来年3月末で終了するのですが、その後も、金融担当大臣の談話だけで、なんと、今までと変わらず継続するというのです。
法律の成立や延長についてもあれだけ揉めたのに、知らぬ間に任意の金融担当大臣の談話だけで法律と同じように通用するのですから驚くしかありません。
これが、行政なのでしょう。
しかし、今までと変わらずと金融庁は言いますが、現実的には金融機関により配慮された内容になっているのが現実であり、こんな言葉を真に受けては大変なことになります。
経営改善の進捗を前提に、返済条件の変更に関し、金融機関への決定権限が強化されているのです。
しかも、今まで通り、返済条件の変更をしても不良債権として扱わないというのですから、金融機関の財務内容を悪化させることがありません。
金融機関の特典は残して、さらに金融機関の意向を反映できるような都合の良い内容になってしまっています。
判り易く言えば、返済条件の変更は、金融機関の腹一つで決まってしまうということになります。
来年4月以降の返済条件の変更交渉に関して、金融機関は、当然、『利益の徹底確保』と『債権回収の至上主義』という金融機関の本質を露わにして対応してくるでしょう。
具体的には、中小企業金融円滑化法の施行前の状況に近づき、『リスケ』と呼ばれた交渉に似たものになるでしょうが、リスケと違い、金融機関には正常債権であるというキーワードがありますから、金融機関は様々な条件を付け、強気な交渉をしてきます。
・元金100%の棚上げは難しくなるでしょう・・・たとえ僅かでも、元金返済を要求してくると思います。
・また、経営改善の目途が立たない場合は、返済猶予をしてくれなくなります・・・その場合、貸し剥がしや債権回収を始めることが考えられます。
・金融機関として、支援を続けるか債権回収に移るかという色分けが、はっきりとすね可能性は高いでしょう。
・返済条件の変更期間についても、今までのように1年とかいう長期ではなく、半年や3カ月という短期になる傾向です。それにより、金融機関から常に経営状況を確認それ、プレッシャーを受けることになります。
・返済条件の変更の交渉に当たり、様々な条件を付けられることが多くなるでしょう・・・金利を上げられるのも珍しくなくなります。
金融機関は経営改善について指導し、プロとして積極的に関与をしろというのが金融庁の指導ですから、これを建前にして金融機関も絡んでくることになり、結局、返済条件の変更を受けるということは、金融機関に監視をされるということになってしまいます。
中小企業金融円滑化法という法的裏付けが無くなり、あくまでも当事者間の任意対応になるわけであり、
しかも、相手方は債権者のプロとしての金融機関なのですから、金融庁の言う様に『今までと変わらず』など実現するはずもありません。
今まで以上に、返済条件の変更に関する理屈を理解して対応しないと、金融機関に言い様にされてしまう結果になるでしょう。
返済条件の変更は、来年4月以降も継続はします。
しかし、債権者である金融機関の、様々な思惑が絡んでくるでしょう。
したがって、いかに金融機関の意向を読み取るかが、返済条件の変更についての可否を左右することになると思います。
これが、平成25年を乗り切るポイントになるのかもしれません。
今年もお世話になりました。
訳のわからないままに、ズルズルと経営環境が悪くなった1年ではなかったでしょうか。
そんな環境でも、歯を食いしばって頑張られ、苦難の1年を乗り越えられたのです。
来年は、新政府が手段を選ばずに経済高揚政策を実施しようとしていますから、景気は必ず回復基調になると思います。
経営者として、その動きをしっかりと掴んで上昇気流に乗り、久しぶりに前向きな経営を実行できる1年にしたいものです。
来年も宜しくお願いをいたします。
そして、笑顔で過ごせる1年にしましょう。
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