男性は、普段は威張っていても、有事の厳しい環境での対応は得意ではありません。

女性は、お淑やかなタイプでも、いざという有事の場面では強かさを発揮されることが少なくありません。

経営危機の場面において、この様な傾向は頻繁に見受けられ、気弱になった社長であるご主人が、経理担当の奥様に強く背中を押されて、経営の立て直しに奔走されている事例など珍しくもありません。

しかし、専業主婦である社長夫人の場合は、経営に関する具体的な情報がありませんから、ご主人の会社の経営が厳しくなると、得体のしれない不安に押しつぶされることになってしまいます。



経営危機という環境は、夫婦の本当の姿を晒し出してしまうのでしょうか。

先の見えない厳しい環境においては、理性という鎧を脱ぎ捨て、本音で素の対応をするようになってしまうのかもしれません。

経営危機のコンサルタントとして、経営危機でのご夫婦の、様々な場面に遭遇してきました。

経営危機という異常な環境が、ご夫婦の絆を強くすることも少なくありません。

  献身的に、身を粉にしてご主人をフォローされる奥様・・・。

  社長と一体となって、経営危機を打開しようとされるご夫人・・・。

  不足する生活費を補おうと、パートに出られる奥さん・・・。

これぞ、中小企業の社長夫人の鏡というような方も、沢山おられました。

逆に、ご夫婦がバラバラになってしまう様な、悲しい事例も少なくありません。

  旦那を罵倒し、今後の人生について、責任の追及をされるご夫人・・・。

  疲れ切ったご主人に、平然と離婚をチラつかせる奥様・・・、

  不安に押し潰され、精神的に病んでしまわれる社長夫人も・・・。

多くはありませんが、実際に離婚されてしまうこともあります。

経営危機という厳しい状況になってこそ、夫婦の本当の姿が見えてくるのかもしれませんが、ご夫人の対応は様々であり、余りにも違い過ぎるように感じます。

何故、この様な違いになるのでしょうか・・・。

当然、ご夫人の性格的なものや、過去のご夫婦間の問題などもあるのかもしれませんが、経営危機での不安の処理が大きく影響しているのではないかと思います。

ご主人は、経営者ですから、当然に会社の状況を具体的に理解されているでしょう。

今後についても、自ら率先して、経営危機を打開すべく対応されているでしょうから、おおよその展開は掴んでいると思います。

しかし、ご夫人は、何もわかっておられません。

ご主人から、厳しい経営状況について聞かされ、生活費さえ不足するという現実に直面するだけの辛い立場なのです。

具体的な状況も判らないまま、自ら何の対応も取れずに、主人を信じて付いて行くしかありません。

悪い情報ばかり入ってきますから、将来についての不安は増すばかりだと思います。

抱いた不安を解消する方法もなく、耐えきれずに、精神的に病んでしまっても仕方がないのかもしれません。

これが、ご主人の事業経営が厳しくなった時の、社長夫人が抱かれる不安という魔物なのです。

この、不安に圧し潰されそうになる環境において、ご主人がご夫人に対して、どの様な対応を取られるかが、ご夫人の対応の違いに結びつくのではないでしょうか。

不安を持って当たり前の環境だということを、ご主人がしっかりと理解し、安心を与えられる様な最善のフォローする必要があります。

このフォローが、出来ているかが、夫人の対応を決定づけるのだと思います。



たしかに、プライドの高い中小企業の経営者が、会社の経営が厳しいことを、ご夫人に話すのには勇気がいるのかもしれません。

ご夫人に状況を説明するとしても、どこまでお話すべきなのかというのも難しいでしょう。

しかし、人生の相棒であるご夫人には、ある程度の厳しい内容を伝えるべきだと思います。

そのうえで、素直に現状に理解をしていただき、厳しい状況を打開するために協力を仰ぐべきではないでしょうか。

ここまでは、中小企業経営者のご夫婦としては当然のことなのですが、大事なのはここからになります。

奥様の不安を、どれだけ解消できるかが、今後のご夫人の対応や姿勢に影響し、夫婦関係を決定づけることになります。

経営者であるご主人も、経営危機という未知の環境ですから、不安になって当然だと思います。

しかし、その不安を、家庭でストレートに表現してしまうのは最悪です。

頭を抱えて、ネガティブに不安に怯えてしまっては、ご夫人を不安のどん底に陥れてしまいます。

ここは、意地の見せ所であり、不安は不安として表現したとしても、怯えることなどなく、ご自身の意志をしっかり示してください。

  『大丈夫・・・』
  『必ず何とかする・・・』
  『安心して・・・』

今は大変だが、経営危機は打開してみせるから安心をして・・・という様な、ポジティブな表現をするようにしてください。

その自信が、無かったとしてもです・・・。

厳しい経営状況という不安の中で、安心を与える努力が求められるということになります。

家庭を維持するためには、この様な努力をすることが大事であり、ご夫人の対応を決定づけるのです。

ご主人も不安でしょうが、それ以上に、ご夫人は不安であるという事を忘れないでください。



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