政府は、中小企業の事業再生についての支援を、ついに諦めてしまったのでしょうか。
コロナ終息後に向けて、新たな施策が発表をされていますが、中小企業を直接的に支援するための施策とは思えません。
今までの施策は『事業再生』のためでしたが、最近の施策は『整理』を視野の真ん中に入れたものになっているのではないでしょうか。
まるで、中小企業の多くは、倒産しても仕方がないと考えているかの様なのです。
政府は、これから中小事業者の支援について、どの様に考えているのでしょうか・・・。
今まで通り、最善の支援策を様と実施して、経営維持や再生を図ろうとしていると考えたいところです。
ところが、最近の政府の施策を見ていると、どうも違う方向に動いている様にしか見えてきません。
このままでは、中小事業者の経営は更に厳しくなり、多くの事業者が倒産に至るだろうと考えている節があります。
何よりも、今までの様に、経営の維持を図る支援策を実施する気配が感じられません。
まるで、倒産を容認するかのような姿勢が見受けられ、その先に向けての施策を準備しようとしている様なのです。
具体的には、ある程度の中小事業者が倒産したり整理したりするのは仕方がないが、事業だけは維持できるようにしようという様な施策が続いています。
そう、コロナ禍においては経営維持や事業再生の施策が続いていましたが、行動制限を止めて経済優先の姿勢を明確にして以降、整理や事業維持を視野に入れた施策に転換しているのです。
ちょっと信じられない様な話ですが、これが現実だということを確認してみたいと思います。
まず、今まで政府の施策は、どの様に実施をされていたのでしょうか。
1. コロナ流行初期…中小事業者の経営維持を最優先に、あらゆる政策を断行
2. コロナ長期化で…中小事業者支援の政策が弱体化・形骸化する
3. 行動制限撤廃で…金融面での支援策を中心に効果的な政策が終了
4. 経済優先に転換…直接的な金融支援策を喪失し、経営維持から事業維持に
コロナウイルス発生後から今迄において、政府の中小事業者支援は、この様に転換をしてきました
そして、政府の支援施策の転換を顕著に感じるのが、最近の中小事業者向け主要施策になります。
中小企業の事業再生等に関するガイドラインが、昨年3月に運用開始されました。
債権放棄・債務減免が現実になるということで期待していましたが、メインテーマは事業再生ではなく、第3者への事業譲渡により事業の維持を図る内容になります。
現在の会社などは整理をすることになり、中小事業者にとっては嬉しい選択ではないでしょう。
私的整理円滑化法が準備されています。
今まで、債権放棄は全債権者の同意を前提としていましたが、過半数の同意で認められるように準備されています。
上記,離イドラインが、より効果的に活用できるための補填的制度だといえるでしょう。
経営者保証改革プログラムが実施されます。
融資時に経営者の個人保証が不要になり、創業や投資が活性化することなどを目的にしています。
欧米化した制度であり、倒産するなどしても再生が図りやすくなり、事業の新陳代謝が旺盛になると考えられます。
これらの施策から、今後の中小事業者の経営環境に関しての、政府の思いが透けて見えるのではないでしょうか。
今後、経営環境は回復するのか・・・
事業者の自立再生は可能か・・・
⇒ 極めて困難だと考えられる
このままでは倒産が増加するが・・・
⇒ 倒産防止の効果的な対策はない
せめて事業だけでも維持し、社会への影響を最小限に・・・
⇒債権放棄を活用し、事業譲渡などにより維持を図る
この様に捉えて理解すると、最近の政府の施策と整合性が取れるようになります。
政府は、この様に状況を認識し、最善と思われる方向で施策を実施しているのではないでしょうか。
たしかに、それほどに厳しい経営環境になってきているのは間違いありません。
事業再生という意味合いで、事業を譲渡してでも、雇用などを維持しろというのも理解できないことはありません。
しかし、中小事業者にとって、自らの会社は命であり、最優先で維持を図りたいものだといえます。
何とか、自らの力で、会社を、そして事業を守りたいというのが中小事業者なのです。
事業を譲渡して第3者に委ねるよりも、自ら苦労して育てた事業は、自らの力で守りたいと思う者ではないでしょうか。
より厳しくなる経営環境において、政府が最善と考えて用意した施策を、果たして、中小事業者は受け入れることができるのでしょうか・・・。
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