中小事業者の多くが、急激に経営を悪化させている様に思います。
私どもの新規のご相談でも、経営改善による事業再生が難しいと判断される状況がほとんどなのです。
事業の維持を図るにしても、資金繰り的にそんな余裕があるのか不安になる案件も少なくありません。
それほどに、一気に経営環境は悪化しており、中小事業者の経営劣化が著しく進んでいるという事になるのでしょう。
コロナ後の不況は、過去の不況に比べると、随分と異なる点が多いようです。
売上は増加したのに、利益が減少している・・・そんな中小事業者が少なくありませんが、過去の不況では無かったパターンになります。
売上が好調だと喜んでいたのに、どうも資金繰りが厳しく、収支を締めてみればとんでもない赤字だったという事業者が多いのです。
売上を基準に業績を理解するというのが、多くの中小事業者の傾向ですが、この状況では通用しません。
売上ではなく、利益がどうなっているかで、業績をチェックする必要があるでしょう。
しかし、利益といっても、財務においてはいくつかの意味の異なる利益が存在します。
それらの利益はそれぞれに意味を持っており、理解することで業績を確認できることになりますが、同時に資金繰りの確保についての可能性までも模索できるのです。
この特殊な経営環境では、各種の利益の意味を復習し、業績や資金繰りの可能性について具体的に確認をする必要があるように思います。
売上総利益 (粗利益)
売上高 − 原価 = 売上総利益・・・となります。
企業経営において、売上総利益は黒字であって当たり前だといえ、もしも赤字であれば、根本的な改善が不可欠なほどに厳しい業績だといえます。
当然、資金繰り確保も困難な状況ということになるでしょう。
営業利益
売上粗利益 檗“隆蛭顱 瓠 ̄超藩益・・・となります。
この営業収支の段階で赤字であれば、厳しい業績だといえますが、経営改善への取り組みで、まだまだ再生できる可能性があるといえるでしょう。
また、黒字であれば、経営危機という有事において、最終手段としての資金繰りが確保できる可能性があるといえます。
営業黒字であれば、資金繰りにおいて大きな負担であろう借入金の元本返済や利払いを待ってもらうことで、資金繰りがつながる可能性があるのです。
当然、リスクのある対応にはなりますが、事業継続の可能性があるのならば優先して取り組むべきではないでしょうか。
経常利益
営業利益◆ 棔 ̄超罰絢益 − 営業外費用 = 経常利益・・・となります。
経常収支の段階で赤字であっても、経営改善が成功する可能性が十分に有る業績だといえます。
黒字であれば、営業外費用で処理される借入金の利払いが可能ということになり、この経営環境ではなかなか頑張っているといえるでしょう。
また、リスケジュールに取組むことで、利払いをしたうえで資金繰り確保が可能ということにもなります。
税引き前利益
経常利益 + 特別利益 − 特別損失 = 税引き前利益・・・となります。
この段階で黒字であれば、中小事業者として心配するような業績ではないといえるのではないでしょうか。
また、リスケジュールに取組むことで、資金繰りは容易になるでしょうし、元本返済も視野に入れるべき状況だともいえます。
純利益
税引き前利益ぁ 檗\廼癲 瓠―稷益・・・となります。
事業者の業績を確認する場合の利益はこの純利益が対象となり、純利益が黒字であれば経営者として胸を張れる健全な業績だといえます。
また、損益計算書において、元本返済は損益計算書には計上されず、最終に残った純利益から支払われることになります。
したがって、純利益額から元本返済可能額が算定できるということになります。
資金繰り確保は、元本返済次第という事にはなりますが、健全な資金繰り確保の可能性は高いでしょう。
今、多くの中小事業者が、コロナ下でのゼロゼロ融資などの返済で資金繰りを悪化させています。
この、ゼロゼロ融資の返済さえなければ、資金繰りが安定的に確保できるのにと苦慮されている事業者が少なくないのです。
事業を守るため、どの様に資金繰りを確保するのか、またリスケジュールに取組むのかについて検討しなければなりません。
そんな時、各種利益の意味について理解し、資金繰り可能性についての理屈を頭に入れて対応するようにしてください。
経営危機では、一度、諦めたら、全て終わってしまうのです。
可能性がある限り、全力で取り組むことが大事ではないでしょうか・・・。
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