高知新聞:中村に恩返し 黒潮FC万條さん 


kurosio_nakamura

中村に恩返し 黒潮FC万條さん
2013年01月22日08時38分
 サッカーの社会人四国リーグ「黒潮FC」(高知市)と高知県リーグ1部「中村クラブ」(四万十市)のチャリティーマッチが20日、幡多郡黒潮町入野で開かれた。「黒潮」の主力選手ながら四万十市在住のため、普段は「中村」で練習する万條智哉さん(24)が、「中村」と地域に「恩返ししたい」と企画。リーグが異なる両チームは、普段は対戦することがないだけに、約250人が訪れて歓声を上げた。 
 万條さんは、香川県出身。サッカーは小学時代から続けており、2011年4月に四国電力に入社し、高知県赴任を前提に黒潮入りした。 
 ところが、初任地は四万十市内となり、日々の練習参加が困難になった。そこで、普段は中村の練習に参加。試合や週1回の高知市での練習は黒潮で行っている。 
 こうした現状に「お世話になっている地元のために何かしたい」と、親善試合を発案。サッカー振興につながるよう、企業の協力で観戦無料とし、少年サッカー教室も開くことを企画。会場で協賛企業名入りの特製Tシャツを販売し、売上金を地元に寄付することも決めた。 
 先月から、中村の選手らと協賛企業を募ったところ、四万十市を中心に13社が協力。この日の開催にこぎ着けた。 
 試合は、黒潮が再三ゴールを狙い、優勢に試合を展開したが、後半終了間際、2点を追う中村が右サイドのクロスに合わせて意地の得点。詰め掛けたファンを沸かせた。 
 試合後のサッカー教室には、四万十市内などの3チームの子ども約90人が参加し、黒潮の選手が熱心に指導。Tシャツの売上金約13万円は自然環境の保全のため、同市に全額寄付するという。 
 万條さんは「突っ走って企画したが、たくさんの協力で実現した。継続的な活動になれば」と感激していた。

  【写真】250人の観客が見守ったチャリティーマッチ。「8」番の選手が万條智哉さん(黒潮町入野)