2007年11月29日
在来種・シリケンイモリ カエルツボカビに感染
在来種である野生のシリケンイモリ2匹が、カエルツボカビに感染している可能性が高いことが明らかになった。
シリケンイモリは国頭村と大宜味村に生息する南西諸島の在来種で、沖縄県のレッドデータブックでは、準絶滅危惧種に指定されている。
環境省が6月から全国で行っているカエルツボカビ感染調査について、同省那覇自然環境事務所が報告した。
調査によるとシリケンイモリ2匹からカエルツボカビ菌が持っているDNAの断片と同じものが検出され、野外にカエルツボカビがいる可能性が非常に高いことが分かった。
これまで県内では流通・飼育されていたシリケンイモリや外来種のカエルなどへの感染が報告されていたが、北部の山地で見つかったことについて同事務所は「なぜそこで見つかったのかはまったく分からない」と述べており、感染経路や感染のメカニズムは謎だという。
シリケンイモリは国頭村と大宜味村に生息する南西諸島の在来種で、沖縄県のレッドデータブックでは、準絶滅危惧種に指定されている。
環境省が6月から全国で行っているカエルツボカビ感染調査について、同省那覇自然環境事務所が報告した。
調査によるとシリケンイモリ2匹からカエルツボカビ菌が持っているDNAの断片と同じものが検出され、野外にカエルツボカビがいる可能性が非常に高いことが分かった。
これまで県内では流通・飼育されていたシリケンイモリや外来種のカエルなどへの感染が報告されていたが、北部の山地で見つかったことについて同事務所は「なぜそこで見つかったのかはまったく分からない」と述べており、感染経路や感染のメカニズムは謎だという。
2007年10月25日
ツボカビ菌 陽性反応 田辺市の外来カエル 和歌山
本年6月28日、田辺市新庄町鳥ノ巣のため池で、写真家により生息が確認されたアフリカツメガエルのオタマジャクシ。
その後の調査で、環境省の要注意外来生物アフリカツメガエルが繁殖していることが正式に確認された。(7月)
鳥ノ巣周辺のため池5ヶ所でも生息が確認されたが、さらに10月の調査で捕獲されたアフリカツメガエルの成体11匹中3匹からツボカビ菌の陽性反応を確認した。
周辺のため池に広がる恐れがあるという。
今後、和歌山県自然環境研究会は在来種への感染や発病などのメカニズムを解明するため、本格的な検査研究を進める。
県は「今後、国と協議しながら対応していく。捕獲は池の水を抜いて行うため、所有者の許可も必要。今冬以降になる」と話す。
アフリカツメガエルは実験材料としてよく用いられ、古くは女性の妊娠判定用の実験動物であったが 利用される理由は
・核酸等を注入してその発現を調査することが容易。
・幼生を成体にまで成熟させ、成体は何年も使用できる。
・性腺刺激ホルモンの投与により季節に関係なく大量の受精卵が得られる。
・卵が大きく実験発生学的な手術が容易。
外来魚ラロワナ等の餌さとしても養殖・販売されている。
・養殖販売業者
尚、アフリカツメガエルはツボカビ菌に感染しても、発症せず保菌者となる。
その後の調査で、環境省の要注意外来生物アフリカツメガエルが繁殖していることが正式に確認された。(7月)
鳥ノ巣周辺のため池5ヶ所でも生息が確認されたが、さらに10月の調査で捕獲されたアフリカツメガエルの成体11匹中3匹からツボカビ菌の陽性反応を確認した。
周辺のため池に広がる恐れがあるという。
今後、和歌山県自然環境研究会は在来種への感染や発病などのメカニズムを解明するため、本格的な検査研究を進める。
県は「今後、国と協議しながら対応していく。捕獲は池の水を抜いて行うため、所有者の許可も必要。今冬以降になる」と話す。
アフリカツメガエルは実験材料としてよく用いられ、古くは女性の妊娠判定用の実験動物であったが 利用される理由は
・核酸等を注入してその発現を調査することが容易。
・幼生を成体にまで成熟させ、成体は何年も使用できる。
・性腺刺激ホルモンの投与により季節に関係なく大量の受精卵が得られる。
・卵が大きく実験発生学的な手術が容易。
外来魚ラロワナ等の餌さとしても養殖・販売されている。
・養殖販売業者
尚、アフリカツメガエルはツボカビ菌に感染しても、発症せず保菌者となる。
2007年08月16日
「ツボカビ菌」 山梨淡水生物会 カエル3種200匹調査
8月15日7時50分配信 (産経新聞)
カエルなどの両生類を世界で絶滅に追いやっている「ツボカビ菌」が国内でも確認されたことを受け、「山梨淡水生物調査会」(窪田茂会長)が今月初旬から、県内全域で野生カエルの皮膚サンプルを採取している。環境省の全国調査の一環で、サンプルは国立環境研究所(茨城県つくば市)で感染の有無を調べられる。
ツボカビ菌は両生類の皮膚に含まれるケラチン等を分解するカビの一種。発症すると皮膚呼吸ができなくなる。種類によっては90%以上の高い致死率を持ち、世界で100種以上の両生類を絶滅させたといわれている。
国内では平成18年12月に、輸入されたカエルから初めて菌が確認され、今年6月には神奈川県内の公園の池で野生のカエルからも感染が確認された。人体に影響はないが、水を介して他の両生類に感染するため、感染したペットが自然界に放されることで、在来種への広がりが懸念されている。
そこで、環境省は全国の研究者らに実態調査を依頼。市街地のカエルを捕まえ、綿棒で皮膚の表面をぬぐって粘膜のサンプルを取り、感染がないかを調べる。県内では、両生類や魚類の専門家で作る「山梨淡水生物調査会」が調査を担当。これまでに甲府市、甲斐市、中央市などの市街地の田んぼ付近でアマガエルなど3種、200匹以上を捕まえ、菌が一番発見されやすい太ももや指先からサンプルを取った。
県内では今のところ感染は見つかっていないが、調査会では「ペットショップやインターネットで購入した両生類を近くに放すことが最も危険」と注意を呼びかけている。
カエルなどの両生類を世界で絶滅に追いやっている「ツボカビ菌」が国内でも確認されたことを受け、「山梨淡水生物調査会」(窪田茂会長)が今月初旬から、県内全域で野生カエルの皮膚サンプルを採取している。環境省の全国調査の一環で、サンプルは国立環境研究所(茨城県つくば市)で感染の有無を調べられる。
ツボカビ菌は両生類の皮膚に含まれるケラチン等を分解するカビの一種。発症すると皮膚呼吸ができなくなる。種類によっては90%以上の高い致死率を持ち、世界で100種以上の両生類を絶滅させたといわれている。
国内では平成18年12月に、輸入されたカエルから初めて菌が確認され、今年6月には神奈川県内の公園の池で野生のカエルからも感染が確認された。人体に影響はないが、水を介して他の両生類に感染するため、感染したペットが自然界に放されることで、在来種への広がりが懸念されている。
そこで、環境省は全国の研究者らに実態調査を依頼。市街地のカエルを捕まえ、綿棒で皮膚の表面をぬぐって粘膜のサンプルを取り、感染がないかを調べる。県内では、両生類や魚類の専門家で作る「山梨淡水生物調査会」が調査を担当。これまでに甲府市、甲斐市、中央市などの市街地の田んぼ付近でアマガエルなど3種、200匹以上を捕まえ、菌が一番発見されやすい太ももや指先からサンプルを取った。
県内では今のところ感染は見つかっていないが、調査会では「ペットショップやインターネットで購入した両生類を近くに放すことが最も危険」と注意を呼びかけている。
2007年07月17日
神戸新聞社説 ツボカビ症/カエルやイモリが危うい
2007/06/17
カエルは小さな昆虫を食べ、そのカエルをヘビが狙う。ヘビには鳥などの天敵がいる。自然は食物連鎖という微妙なバランスの上に成り立っている。
ところが、その摂理を脅かしかねないカビの一種が、国内の野生のカエルで見つかった。「ツボカビ」だ。耳慣れないが、カエルやイモリなど両生類に感染し、絶滅などの危機を引き起こす恐れがあるとされている。実態調査と併せ、感染拡大を阻止する早急な取り組みが欠かせない。
麻布大などの研究グループが国内五県で予備調査を行ったところ、イモリやアマガエルなど百三十二匹のうち、四十二匹でツボカビ症に感染していることがわかった。三十八匹は売買目的で捕獲されるなどして、人の手を経ていたが、残り四匹はまったくの野生のウシガエルだった。
昨年末、東京都内の愛好家宅で感染ガエルが見つかったのをきっかけに、研究グループが調査を行っていた。
ツボカビはアフリカを起源とし、アフリカツメガエルが世界へ輸出されたのに伴い各国に広がったといわれる。感染した皮膚などで増殖し、主に水中を伝って他の両生類に拡大する。カエルがツボカビに感染すると、動きが緩慢になり、筋肉の委縮や皮膚の脱落などの症状が現れるという。
水中にすむ天然記念物のオオサンショウウオなどへの感染も懸念され、警戒が必要だ。カエルを常食とするイリオモテヤマネコなどの希少動物は、絶滅などで餌の供給が断たれると一気に数を減らしかねない。重点的な環境調査を急ぐべきだろう。
カエルがいなくなれば害虫が増え、生活環境に悪影響を及ぼすかもしれない。広い視野で影響や対策を考えるべきだ。
ツボカビは人に感染しないが、感染したカエルに衣服が触れたり、手で触ったりすると病原体を移動させることになる。生息地に立ち入る場合は消毒の徹底を怠ってはならない。カエルやイモリは、ありふれた生きものだ。だれもが目にし、接触する可能性がある。被害が広がれば、感染個体の見分け方や取り扱い方の注意喚起をどう進めていくかも、重要な課題になる。
日本にすみついた外来生物は、二千種を超えるといわれる。ウシガエルもその一つだ。一昨年六月、環境への害が大きい動物の持ち込みを規制する「外来生物法」が施行されたが、環境保護団体などが約三百種の規制を求めたのに対し、実際に規制の対象になったのは十分の一にすぎない。
ツボカビの動向から目をそらさず、さらなる規制強化の検討を急ぐべきだ。
カエルは小さな昆虫を食べ、そのカエルをヘビが狙う。ヘビには鳥などの天敵がいる。自然は食物連鎖という微妙なバランスの上に成り立っている。
ところが、その摂理を脅かしかねないカビの一種が、国内の野生のカエルで見つかった。「ツボカビ」だ。耳慣れないが、カエルやイモリなど両生類に感染し、絶滅などの危機を引き起こす恐れがあるとされている。実態調査と併せ、感染拡大を阻止する早急な取り組みが欠かせない。
麻布大などの研究グループが国内五県で予備調査を行ったところ、イモリやアマガエルなど百三十二匹のうち、四十二匹でツボカビ症に感染していることがわかった。三十八匹は売買目的で捕獲されるなどして、人の手を経ていたが、残り四匹はまったくの野生のウシガエルだった。
昨年末、東京都内の愛好家宅で感染ガエルが見つかったのをきっかけに、研究グループが調査を行っていた。
ツボカビはアフリカを起源とし、アフリカツメガエルが世界へ輸出されたのに伴い各国に広がったといわれる。感染した皮膚などで増殖し、主に水中を伝って他の両生類に拡大する。カエルがツボカビに感染すると、動きが緩慢になり、筋肉の委縮や皮膚の脱落などの症状が現れるという。
水中にすむ天然記念物のオオサンショウウオなどへの感染も懸念され、警戒が必要だ。カエルを常食とするイリオモテヤマネコなどの希少動物は、絶滅などで餌の供給が断たれると一気に数を減らしかねない。重点的な環境調査を急ぐべきだろう。
カエルがいなくなれば害虫が増え、生活環境に悪影響を及ぼすかもしれない。広い視野で影響や対策を考えるべきだ。
ツボカビは人に感染しないが、感染したカエルに衣服が触れたり、手で触ったりすると病原体を移動させることになる。生息地に立ち入る場合は消毒の徹底を怠ってはならない。カエルやイモリは、ありふれた生きものだ。だれもが目にし、接触する可能性がある。被害が広がれば、感染個体の見分け方や取り扱い方の注意喚起をどう進めていくかも、重要な課題になる。
日本にすみついた外来生物は、二千種を超えるといわれる。ウシガエルもその一つだ。一昨年六月、環境への害が大きい動物の持ち込みを規制する「外来生物法」が施行されたが、環境保護団体などが約三百種の規制を求めたのに対し、実際に規制の対象になったのは十分の一にすぎない。
ツボカビの動向から目をそらさず、さらなる規制強化の検討を急ぐべきだ。
高知新聞 社説より カエルが泣いている
【ツボカビ確認】カエルが泣いている 2007年06月17日08時20分
カエルは昔から身近な存在だ。歌に登場しイラストにもよく使われている。そんな動物がいなくなると、日本の梅雨の心象風景も大きく変わるに違いない。
ところが中米やオーストラリアではカエルの激減が伝えられる。その主因としてカエルツボカビが挙げられている。カエルなど両生類に感染し、致死率は90%以上とされる。人を含め哺乳(ほにゅう)類や鳥類などへは感染しない。だが、カエルがいなくなれば食物連鎖が乱れ、生態系が壊れる恐れがある。
そのツボカビに神奈川県内で捕獲した野生のウシガエル四匹が感染していることを、麻布大と国立環境研究所などのチームが確認した。国内の野生のカエルでは初めてだ。
また千葉、茨城などで捕獲し業者が一時的に飼育していた野生のカエルとイモリ計三十八匹からもツボカビ遺伝子を検出した。飼育中に感染した可能性もあるが、野生での感染も否定できないという。
ツボカビは昨年末、東京都内の愛好家が飼育するカエルから国内で初めて確認された。これを受け、世界自然保護基金(WWF)ジャパンや日本野生動物医学会など関係団体は連名で「緊急事態宣言」を発表している。放置すれば生物多様性に取り返しのつかない影響を及ぼしかねないという危機意識からだ。
中米などではカエルが激減した一方で、北米や欧州では感染個体がいても比較的小さな被害にとどまっているという。もちろん、それが日本での安心を意味するものではない。国内はどのような影響がでるか分からないだけに、最悪を見据えた的確な対応が欠かせない。
環境省は今夏、研究機関や自治体と協力して全国調査を実施するという。国内の感染実態を把握し、監視することは対策の基本となる。
また輸入販売業者や飼育者らの責任のある行動が求められる。感染していても野外に出さなければ消毒や治療も可能という。ツボカビは水中を浮遊するため、特に水の管理は重要と指摘されている。
日本では他地域から人為的に持ち込まれた外来種の動植物二千種が定着しているとされる。地域固有の在来種が減るなどの影響がでている。生息環境の悪化から、野生生物が農作物を荒らしたり人に危害を加えるなどの被害も報告される。
自然の変化は人間の生活環境と無関係ではない。早期の広範な対応が必要だ。
カエルは昔から身近な存在だ。歌に登場しイラストにもよく使われている。そんな動物がいなくなると、日本の梅雨の心象風景も大きく変わるに違いない。
ところが中米やオーストラリアではカエルの激減が伝えられる。その主因としてカエルツボカビが挙げられている。カエルなど両生類に感染し、致死率は90%以上とされる。人を含め哺乳(ほにゅう)類や鳥類などへは感染しない。だが、カエルがいなくなれば食物連鎖が乱れ、生態系が壊れる恐れがある。
そのツボカビに神奈川県内で捕獲した野生のウシガエル四匹が感染していることを、麻布大と国立環境研究所などのチームが確認した。国内の野生のカエルでは初めてだ。
また千葉、茨城などで捕獲し業者が一時的に飼育していた野生のカエルとイモリ計三十八匹からもツボカビ遺伝子を検出した。飼育中に感染した可能性もあるが、野生での感染も否定できないという。
ツボカビは昨年末、東京都内の愛好家が飼育するカエルから国内で初めて確認された。これを受け、世界自然保護基金(WWF)ジャパンや日本野生動物医学会など関係団体は連名で「緊急事態宣言」を発表している。放置すれば生物多様性に取り返しのつかない影響を及ぼしかねないという危機意識からだ。
中米などではカエルが激減した一方で、北米や欧州では感染個体がいても比較的小さな被害にとどまっているという。もちろん、それが日本での安心を意味するものではない。国内はどのような影響がでるか分からないだけに、最悪を見据えた的確な対応が欠かせない。
環境省は今夏、研究機関や自治体と協力して全国調査を実施するという。国内の感染実態を把握し、監視することは対策の基本となる。
また輸入販売業者や飼育者らの責任のある行動が求められる。感染していても野外に出さなければ消毒や治療も可能という。ツボカビは水中を浮遊するため、特に水の管理は重要と指摘されている。
日本では他地域から人為的に持ち込まれた外来種の動植物二千種が定着しているとされる。地域固有の在来種が減るなどの影響がでている。生息環境の悪化から、野生生物が農作物を荒らしたり人に危害を加えるなどの被害も報告される。
自然の変化は人間の生活環境と無関係ではない。早期の広範な対応が必要だ。
2007年07月12日
沖縄タイムス社説 [カエルツボカビ] 徹底した防御策が必要
(2007年6月12日朝刊)
沖縄や千葉、茨城、埼玉の各県で捕獲され、業者が一時的に飼育していた野生のカエルとイモリ計三十八匹から両生類を90%以上の高率で死なせるカエルツボカビが確認された。
麻布大学の宇根有美准教授によると、県内では、今年一月から二月にかけて複数のペットショップで購入したカエル四種類十四匹のうち、二種類四匹が「陽性」、一匹に「擬陽性」の反応が出たという。
同大学の調査では、実験用のカエルで約98%、魚などの餌になるカエルで約55%の高率でカエルツボカビを検出。ペット用では九種類四十五匹で発症を確認している。
また、ネットで購入した南アフリカ原産でカエルツボカビへの耐性があるアフリカツメガエルを検査したところ、五十二匹中五十一匹が陽性だった。
昨年十二月に国内で初めてカエルツボカビが確認されてから半年。今回の調査で判明した発症固体数は、感染が拡大していることを示している。
飼育中に感染した確立が高いが、もし野生で感染したのであれば、ツボカビ発生地域の生態系には既に異変が起きている可能性も否めない。
事態は深刻であり、感染拡大を防ぐためにも徹底的に調査する必要がある。それにはまた、ペットショップや愛好家の理解と協力も必要だ。
飼っているカエルやイモリなどに飽きたからといって、池や川に放流すべきでないのは言うまでもない。
ペットショップや飼育者の場合、両生類が死んだら捨てたり埋めたりせず、焼却することだ。飼育ケースの水もそのまま流すのではなく、一度沸騰させてから捨てることが重要となる。
それがツボカビを“外”に出さず、封じ込める手だてになるからだ。
県の天然記念物であるイシカワガエルやホルストガエルをはじめ国内で絶滅が危ぶまれている九種類のうち、八種類は南西諸島に生息している。
この地域にはまた、イボイモリなどカエル以外の貴重な両生類も多い。
カエルツボカビは人間に直接害を及ぼさず、鳥類や魚類にも影響しない。
だが、野外で拡大した場合、まずカエルなどに害を及ぼし、両生類が絶滅したり減少すると、それを捕食するサギなど鳥類が減るのである。
食物連鎖であり、さまざまな生き物が深いところでつながる生態系と言っていい。
いずれにせよ、カエルツボカビが野外で繁殖してからでは遅い。生態系を守るのは私たちの責任なのであり、官民が協力して徹底した調査を基に防御策を講じていきたい。
沖縄や千葉、茨城、埼玉の各県で捕獲され、業者が一時的に飼育していた野生のカエルとイモリ計三十八匹から両生類を90%以上の高率で死なせるカエルツボカビが確認された。
麻布大学の宇根有美准教授によると、県内では、今年一月から二月にかけて複数のペットショップで購入したカエル四種類十四匹のうち、二種類四匹が「陽性」、一匹に「擬陽性」の反応が出たという。
同大学の調査では、実験用のカエルで約98%、魚などの餌になるカエルで約55%の高率でカエルツボカビを検出。ペット用では九種類四十五匹で発症を確認している。
また、ネットで購入した南アフリカ原産でカエルツボカビへの耐性があるアフリカツメガエルを検査したところ、五十二匹中五十一匹が陽性だった。
昨年十二月に国内で初めてカエルツボカビが確認されてから半年。今回の調査で判明した発症固体数は、感染が拡大していることを示している。
飼育中に感染した確立が高いが、もし野生で感染したのであれば、ツボカビ発生地域の生態系には既に異変が起きている可能性も否めない。
事態は深刻であり、感染拡大を防ぐためにも徹底的に調査する必要がある。それにはまた、ペットショップや愛好家の理解と協力も必要だ。
飼っているカエルやイモリなどに飽きたからといって、池や川に放流すべきでないのは言うまでもない。
ペットショップや飼育者の場合、両生類が死んだら捨てたり埋めたりせず、焼却することだ。飼育ケースの水もそのまま流すのではなく、一度沸騰させてから捨てることが重要となる。
それがツボカビを“外”に出さず、封じ込める手だてになるからだ。
県の天然記念物であるイシカワガエルやホルストガエルをはじめ国内で絶滅が危ぶまれている九種類のうち、八種類は南西諸島に生息している。
この地域にはまた、イボイモリなどカエル以外の貴重な両生類も多い。
カエルツボカビは人間に直接害を及ぼさず、鳥類や魚類にも影響しない。
だが、野外で拡大した場合、まずカエルなどに害を及ぼし、両生類が絶滅したり減少すると、それを捕食するサギなど鳥類が減るのである。
食物連鎖であり、さまざまな生き物が深いところでつながる生態系と言っていい。
いずれにせよ、カエルツボカビが野外で繁殖してからでは遅い。生態系を守るのは私たちの責任なのであり、官民が協力して徹底した調査を基に防御策を講じていきたい。
2007年06月11日
遂に自然界に 感染広がる カエルツボカビ
感染するとほとんどの個体が死亡するといわれている「カエルツボカビ症」が国内の野外で確認された。
これは昨日、神奈川県相模原市で開かれたシンポジウムで、麻布大学の宇根有美准教授らの研究グループが最新の調査結果を発表したもの。
9都県で捕獲された132匹のカエルとイモリのうち
神奈川県
千葉県
埼玉県
茨城県
沖縄県
上記で捕獲した、ウシガエルやアマガエルなどあわせて42匹からツボカビが検出された。
野生種から検出されたのは今回が初めて。〜〜〜
感染が自然界に拡大し、カエルが急激に減ると害虫が増えるなど農業被害などにつながるおそれもある。
宇根准教授は「野生種からもツボカビが確認されたことで『ペット類の感染が野外へ拡大しないように』と講じてきたこれまでの対策を見直さなければいけないとコメントした。
感染経路の調査と国の早急な対策が求められる。
もう止められない。
自然界の水系に感染が広がれば、もはや根絶は不可能です。
いかに感染速度を遅くするか、また地域バリアーをいかに対策するかを検討しなければならない。
ウシガエルや可愛いアマガエルに会えない日がやって来る。
WWF
★カエルツボカビフォーラム2007を開催!
これは昨日、神奈川県相模原市で開かれたシンポジウムで、麻布大学の宇根有美准教授らの研究グループが最新の調査結果を発表したもの。
9都県で捕獲された132匹のカエルとイモリのうち
神奈川県
千葉県
埼玉県
茨城県
沖縄県
上記で捕獲した、ウシガエルやアマガエルなどあわせて42匹からツボカビが検出された。
野生種から検出されたのは今回が初めて。〜〜〜
感染が自然界に拡大し、カエルが急激に減ると害虫が増えるなど農業被害などにつながるおそれもある。
宇根准教授は「野生種からもツボカビが確認されたことで『ペット類の感染が野外へ拡大しないように』と講じてきたこれまでの対策を見直さなければいけないとコメントした。
感染経路の調査と国の早急な対策が求められる。
もう止められない。
自然界の水系に感染が広がれば、もはや根絶は不可能です。
いかに感染速度を遅くするか、また地域バリアーをいかに対策するかを検討しなければならない。
ウシガエルや可愛いアマガエルに会えない日がやって来る。
WWF
★カエルツボカビフォーラム2007を開催!
2007年05月28日
【カエルツボカビフォーラム2007】 開催予定
「一人ひとりが、カエルを守ろう! 自然を守ろう!」とのキャッチフレーズにもと、麻布大学とカエルツボカビフォーラム2007実行委員会主催の【カエルツボカビフォーラム2007】が開催されます。
入場は無料。
「カエルツボカビ症」の発症が、2006年末、日本でも確認された。
万一、この病気が野外に広がった場合、日本の両生類、そして自然の生態系がどのような影響を受けることになるのか、誰にも分かりません。
絶滅の危機に直面していることは確か。
イベント情報:カエルツボカビフォーラム2007
日時 :2007年 6月10日(日)9:00〜18:00
場所 :麻布大学(JR横浜線矢部駅北口徒歩4分)
大教室及び3号館談話室
内容 :WWFホームページ参照
カエルツボカビ症について
カエルツボカビ症は、強い感染力を持った病気です。現在のところ、野外での発症は確認されていませんが、今後、野生の両生類にこの病気が広がった場合、日本の自然環境や農林業は、深刻な影響を受ける可能性があります。この問題が、深刻な事態を全国で引き起こすことになるかどうかは、現時点で拡散の予防が徹底できるかどうかにかかっています。
入場は無料。
「カエルツボカビ症」の発症が、2006年末、日本でも確認された。
万一、この病気が野外に広がった場合、日本の両生類、そして自然の生態系がどのような影響を受けることになるのか、誰にも分かりません。
絶滅の危機に直面していることは確か。
イベント情報:カエルツボカビフォーラム2007
日時 :2007年 6月10日(日)9:00〜18:00
場所 :麻布大学(JR横浜線矢部駅北口徒歩4分)
大教室及び3号館談話室
内容 :WWFホームページ参照
カエルツボカビ症について
カエルツボカビ症は、強い感染力を持った病気です。現在のところ、野外での発症は確認されていませんが、今後、野生の両生類にこの病気が広がった場合、日本の自然環境や農林業は、深刻な影響を受ける可能性があります。この問題が、深刻な事態を全国で引き起こすことになるかどうかは、現時点で拡散の予防が徹底できるかどうかにかかっています。
2007年05月12日
イベント情報: カエルツボカビフォーラム2007
一人ひとりが、カエルを守ろう! 自然を守ろう!
いま、地球規模でカエルをはじめとする多くの両生類が、絶滅の危機に直面しています。この危機の原因の一つと考えられているのが、感染力の強い両生類の感染症「カエルツボカビ症」です。
この「カエルツボカビ症」の発症が、2006年末、日本でも確認されました。
確認されたのは、 ペットとして飼育されていたカエルで、野外での感染例は幸い今のところ報告されていませんが、万一、この病気が野外に広がった場合、日本の両生類、そして自然の生態系がどのような影響を受けることになるのか、誰にも分かりません。
これから先、日本に生息する両生類と生物多様性を保全するためにも、「カエルツボカビ症」対策についての取り組みの大切さを、広く伝えてゆくことが、今必要とされています。
この問題に関心を寄せ、感染の拡大防止に取り組む、研究者や獣医師、動物園関係者、ペット業界関係者、環境団体などは、「カエル」そして「自然」を守ることへの関心・意識の向上を図り、さまざまな分野の人々に協力を呼びかけるため、「カエルツボカビフォーラム2007」を開催することにしました。
イベント情報:カエルツボカビフォーラム2007
日時 2007年 6月10日(日)9:00〜18:00
場所 麻布大学(JR横浜線矢部駅北口徒歩4分)
大教室及び3号館談話室
地図はこちら(麻布大学のサイト)
内容 【I】講演プログラム 大教室
午前の部:10時〜11時
【1】カエルと日本人: 相模原市立博物館 学芸員 秋山幸也
【2】生態系から見た日本におけるカエルの存在
1)南の島の両生類:自然遺産としての価値、
島嶼生態系の中での役割とその脆弱性
琉球大学熱帯生物圏研究センター 教授 太田英利
午後の部:12時30分〜17時30分
2)世界から見た日本の両生類:その多様性、
固有性と保全上の位置づけ
京都大学 教授 松井正文
【3】世界におけるカエルツボカビの現状
広島市安佐動物公園 管理課長 桑原一司
【4】日本におけるカエルツボカビの現状
1)飼育下(一般愛好家、流通過程)での汚染の状況と
その対策、問題点
麻布大学 准教授 宇根有美
2)野生下での状況とその対策、問題点
慶応義塾大学 准教授 福山欣司
3)南西諸島におけるカエルツボカビ対策の状況
環境省自然環境局 澤志泰正
【5】カエルツボカビの特徴と問題点
神奈川県衛生研究所 黒木俊郎
【6】国内におけるカエルツボカビの検査体制
独立行政法人国立環境研究所 五箇公一
【7】カエルツボカビの治療の実際とその問題点、飼い主の立場
田園調布動物病院 院長 田向健一
その他の詳細
いま、地球規模でカエルをはじめとする多くの両生類が、絶滅の危機に直面しています。この危機の原因の一つと考えられているのが、感染力の強い両生類の感染症「カエルツボカビ症」です。
この「カエルツボカビ症」の発症が、2006年末、日本でも確認されました。
確認されたのは、 ペットとして飼育されていたカエルで、野外での感染例は幸い今のところ報告されていませんが、万一、この病気が野外に広がった場合、日本の両生類、そして自然の生態系がどのような影響を受けることになるのか、誰にも分かりません。
これから先、日本に生息する両生類と生物多様性を保全するためにも、「カエルツボカビ症」対策についての取り組みの大切さを、広く伝えてゆくことが、今必要とされています。
この問題に関心を寄せ、感染の拡大防止に取り組む、研究者や獣医師、動物園関係者、ペット業界関係者、環境団体などは、「カエル」そして「自然」を守ることへの関心・意識の向上を図り、さまざまな分野の人々に協力を呼びかけるため、「カエルツボカビフォーラム2007」を開催することにしました。
イベント情報:カエルツボカビフォーラム2007
日時 2007年 6月10日(日)9:00〜18:00
場所 麻布大学(JR横浜線矢部駅北口徒歩4分)
大教室及び3号館談話室
地図はこちら(麻布大学のサイト)
内容 【I】講演プログラム 大教室
午前の部:10時〜11時
【1】カエルと日本人: 相模原市立博物館 学芸員 秋山幸也
【2】生態系から見た日本におけるカエルの存在
1)南の島の両生類:自然遺産としての価値、
島嶼生態系の中での役割とその脆弱性
琉球大学熱帯生物圏研究センター 教授 太田英利
午後の部:12時30分〜17時30分
2)世界から見た日本の両生類:その多様性、
固有性と保全上の位置づけ
京都大学 教授 松井正文
【3】世界におけるカエルツボカビの現状
広島市安佐動物公園 管理課長 桑原一司
【4】日本におけるカエルツボカビの現状
1)飼育下(一般愛好家、流通過程)での汚染の状況と
その対策、問題点
麻布大学 准教授 宇根有美
2)野生下での状況とその対策、問題点
慶応義塾大学 准教授 福山欣司
3)南西諸島におけるカエルツボカビ対策の状況
環境省自然環境局 澤志泰正
【5】カエルツボカビの特徴と問題点
神奈川県衛生研究所 黒木俊郎
【6】国内におけるカエルツボカビの検査体制
独立行政法人国立環境研究所 五箇公一
【7】カエルツボカビの治療の実際とその問題点、飼い主の立場
田園調布動物病院 院長 田向健一
その他の詳細
2007年03月27日
カエル不正輸入 東京の水産会社捜索
不正に輸入されたのは、東南アジア原産の「ヘリグロヒキガエル」という種類のカエル。
国内の生態系に影響が出るおそれがあるため輸入が規制されている。
去年12月、東京・町田市のペットショップがインターネットのオークションに出品していた。
警視庁が調べたところ、規制の対象ではない別の種類のカエルを装って、国に届け出をしないままインドネシアから輸入された疑いがあることが判明。
警視庁は、国内の生態系を守るため輸入する生物を規制する外来種被害防止法違反の疑いで、輸入元とみられる東京・港区の水産会社とペットショップなどを関連先として捜索した。
国内では、去年12月以降、両生類に壊滅的な打撃を与えるツボカビという菌が別の輸入されたカエルなどから相次いで見つかっていて、環境省が調査を進める。
警視庁は、カエルの不正輸入が国内でのツボカビの感染拡大につながるおそれがあるとして、実態の解明を進める方針。
国内の生態系に影響が出るおそれがあるため輸入が規制されている。
去年12月、東京・町田市のペットショップがインターネットのオークションに出品していた。
警視庁が調べたところ、規制の対象ではない別の種類のカエルを装って、国に届け出をしないままインドネシアから輸入された疑いがあることが判明。
警視庁は、国内の生態系を守るため輸入する生物を規制する外来種被害防止法違反の疑いで、輸入元とみられる東京・港区の水産会社とペットショップなどを関連先として捜索した。
国内では、去年12月以降、両生類に壊滅的な打撃を与えるツボカビという菌が別の輸入されたカエルなどから相次いで見つかっていて、環境省が調査を進める。
警視庁は、カエルの不正輸入が国内でのツボカビの感染拡大につながるおそれがあるとして、実態の解明を進める方針。