お断りされる残念な「高学歴・収入」男性達の実態 食事・支払・会話でげんなり、女性の言い分とは

 
 婚活は生まれて初めてだったので、お見合いを申し込んできた男性には積極的に会うようにしていた。ところが、最初のお見合いを終えたときに、こんな感想を漏らした。

 「ホテルのラウンジカフェなんてこれまで行ったことがなかったのですが、お見合い客が多いのにはびっくりしました。私が5分前に行ったら、もう8人待ちでした。お相手の男性はまだのようでしたので、私の名前を入れました。お相手は時間ギリギリにいらして、20分待ちで入ることができました」

 気の利いた男性だと、予約できないカフェでのお見合いをする場合、20分から30分くらい前に到着している。混雑状況を確認して、あらかじめ席を確保しておき、時間になったら入口周辺などの待ち合わせ場所に女性を迎えに行く。

 さとえは、3〜4回お見合いをしていくうちに、予約のできないラウンジカフェのときには、自分が早めに出向いて席を確保するようになった。というのも、これまでお見合いで、その気遣いをしてくれた男性が1人もいなかったからだ。


 
そもそも、ホテルのラウンジカフェでお見合いするっての自体が問題だと、俺は思うけどな。

コーヒー代も何回もお見合いしたら大きな金額になるだろうし、待たないと入れないような混み合うところでお見合いするのは危機管理も試してるのならともかく、効率も悪いと思う。それだったら、ファミレスや安いカフェのチェーンで多くの人に会った方が良くないか? この慣習は本当にやめた方がいいと思う。根本的な問題として、ホテルのラウンジカフェでうまく立ち回れる男性は、お見合いなんてしなくても相手の女性が見つかるわけで、わざわざ印象が悪くなるアウェーな場所で、コストをかけて会っている気がするわ。


 どうしようかと思っていたときに、お見合い相手のまさる(47歳、仮名)がやってきた。上場企業に勤める年収も経歴もいい男性だ。現況を報告すると、まさるが言った。

 「僕は、ここじゃなくてもいいですよ。どこか知りませんか?  僕はこの辺は詳しくなくって。新宿は、歌舞伎町なら詳しいんですけどねぇ」

 この発言に、さとえはカチンときたという。

 時間ギリギリ、正確に言えば2分ほど遅れてやって来て、次のお見合い場所は私に丸投げで探せというのか。「新宿は、歌舞伎町なら詳しい」という言葉も癪に触った。

 
 2回目はランチデートだったという。都内のカジュアルイタリアンのお店に行ったようだ。ランチが税込みで1420円。食事が終わると、今回はまさあきが伝票を持って立ち上がった。

 「僕はカードで払います」というので、「じゃあ、これ私のぶんです」と1500円を渡した。

 すると、「あ、はい」と受け取り、自分の財布の中に入れてしまった。またもやお釣りがなかった。


 
この2人の男性はどうしようもないなと俺も思う。結婚しても幸せになれる気もしない。お釣りの件は細かいことと女性も言っているが、たぶんこの男性は一事が万事この調子なので、結婚しない方がいいわ。

 
 当日スカイラウンジに行くと、ウェイターが席まで案内してくれた。すでにしんたろうは来ていたのだが、テーブルを挟んで奧の席に座っていた。

 ティールームやレストランなどでは、奥の席は女性に譲るのが一般的なマナーだ。ほかにもお見合い客を含めて男女のカップルが何組もいたのだが、すべて女性が奥の席に座っていた。

 きよみの姿を見たら、席を立って奥を譲るのかと思ったら、しんたろうは動こうとせず座ったままだった。


 
まあ、これは奥の席に座ってた方が入口から顔が見えてわかりやすい時もあるように思うんよな。俺は知り合いと会う時、そう思ってあえて奥の席に座ることがある。それから、奥の席を代わるかどうかは、そのとき次第な気もするな。譲ろうとしても断る人も多いしさ。

 
 話が始まると、しんたろうの口からは、「仲人がこうしろと言った」「仲人がこう言っていた」という言葉が度々飛び出した。そして、1時間程度話すと、「じゃあ、そろそろ行きますか」と言いながら、背後から紙袋を取り出してきた。

 「これ、良かったら」

 それは、菓子の入った紙袋のようだったが、見合い中、しんたろうの尻と背中に当たっていたことを考えると、きよみは嫌な気持ちになった。ただ拒否もできないので、それを受け取った。

 そして、一緒にレジに行くと、しんたろうが言った。「あ、会計は僕が払うようにと仲人から言われていますから、大丈夫ですよ」


 
なんかめんどくさい奴だなと俺も思う。何か言われたら仲人のせいにしたいのかもしれない。なんにしても、結婚すべき相手ではないな。

こういう男性を見ていると、この国の教育過程の中に常識的な行動を教えるものがないと痛感させられる。

やはり異性とのコミュニケーション(上の男性はそれ以前の問題だが)を民間任せにしておくのは、誰のためにもならないと思うわ。価値観の押しつけという意見があったとしても無視して、公的な機関が異性とのコミュニケーションを教えるべきなんじゃないか。そうしないと、国民のコミュニケーション能力は上がらない気がするわ。

女性に関してはご馳走してもらってもお礼も言わないとか、財布を出すそぶりもしないとかあったな。そういう行動をして男性にどう評価されるかわかってないんだろ。本当は結婚したくないのならそれでもいいが、結婚したいのにそんな行動を取っているのなら、生きるための知恵がないな。