その日のミチコさんはふくよかな身体を黒のタイトなワンピースに包み、豊かそうな胸元を大胆に曝け出していた。もしかしてミチコさんは僕ともそういう関係になりたいと言い出すのかと思ってひやひやしていたけれど、そういうそぶりはまったく見せなかった。食事のあと、二人で電車に乗って東中野で降りて、そこで別れた。
ここ何日かで急に冷たくなった夜風を浴びながら、ほとんどの店がシャッターを下ろした東中野銀座の通りをアパートへと急いだ。
後ろからコツコツと急足のヒールの音がして振り返ると、ミチコさんだった。
こたに大将