ハル(204)
「一緒にいてあげる」
ユキヨはそう言って、半ば強引に僕をホテルから引きずり出すように車で彼女の家に連れていった。家はコールガールの胴元がある札幌ではなく苫小牧にあって、比較的新しい1DKの小綺麗なアパートだった。
「ここだったら宿泊費もかからないわ」とユキヨは言った。「いたいだけいていいわよ。ただし」
「ただし?」
「エッチだけは有料だからね。私もいちおう商売だからさ」
「わかった」
「1回1万ね」
「了解」
とは言ったものの、じっさい最後までユキヨは僕に料金を請求することはなかった。
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