ハル(214)
僕の中でにわかに答は出なかった。ユキヨのことは好きだけれど、ここで結婚して子供をもうけたらユキヨも僕も何か別の不幸に見舞われるような予感がした。
とはいえユキヨと離れる気もない。ここはひとつ、自分の運を改めて天に委ねてみようと思った。もしも子供ができたら、僕はここでずっとユキヨと暮らそうと。
「わかった」と僕は言って薄皮を取り除いてからまたユキヨとひとつになった。「子供ができたら結婚しよう」
「ほんと?」とユキヨは目をまるくして言った。「なら、ポンポン産むよ!」
営みはより激しくなった。
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