March 07, 2018
僕が見た立場と実力
僕、ブルゴーニュ。
2世ってばナンテ目をして僕らを見上げるんだろう。
総てを委ねる素直な瞳に僕らばかりならず、僕んちに出入りする人々もやられっちまってる。
だけれど2世は自分のことを可愛いなんて思ってもみないのさ。
2世の人生には可愛いかどうかなんて、ちぃとも問題じゃあなかったもの。
その日ハブに出会わなけりゃラッキーだし、苛められぬよう隠れてるのが見つからなきゃ御の字だった。
今みたく、ぬいぐるみさんと同じ安心顔でお昼寝なんて夢のまた夢だったろうからね。
僕が知らなくて2世が持ってる数少ない (ま、僕としては '非常に' 数少ない、と特記するけどね) 技能に、食べられる石の見分け方ってぇのがある。空腹で食べ物が見つからないと草の次には石を齧ったんだそうだ。
健気で純真な2世を皆が愛してるかってぇと
世の中ってのは其うしたものじゃあない。
明らかに2世に悪感情を持っている子たちが居る。
象とマンモス、それにトナカイだ。
以前象は毎日ご飯を見守ってもらい、しばしば我が家の話題にのぼった。新しい果物やお野菜があればすぐに差し出されてきた。
*お野菜の呟き
今だってご飯はもらえてるけど御座なりな感じは否めない。
お姉ちゃまは2世に構いながら、どちらかというと2世を遊んでやる一貫で一緒に餌やりをするのだあもの。彼らにゃあ面白くないことこの上ない。
トナカイに至っては過去にはボードレールの詩まで与えてもらったってのに
*トナカイの呟き
今じゃあご本を読むお膝には2世が顎を乗せてるのだあもの。
そりゃあ、お窓から覗いては舌打ちをしたくもなるさ。
お姉ちゃまが2世のご飯にサンルームへ出ただけで、見張りの象が騒ぎ立てる。彼らの縄張りに後から入ってきた2世が先にご飯を与えられてるのが我慢ならないのさ。
2世ばかりじゃなくお人形まで作ってもらって、フレンチフライポテトみたいなグミキャンディーとお皿の上で記念撮影ってな寵愛に、象たちはキィーってなってる。
そこで、2世がお姉ちゃまとお庭に出ると2世の頭の上を飛び回ってからかってくる。お前さんは飼われる立場になったか知らないが、実力は俺らのほうが上と言わんばかりだ。
其んな象たちを2世は優しげに見つめ、
ふんわりした表情で日向ぼっこをする。
お屋根の上で象たちの会議が始まった。
若い象たちは、2世の上にお空からプンプンを落としてやろうぜと息巻いた。長老は其んなことをすればすぐにお姉ちゃまに気づかれるぞと諌めた。
会議は続いている。
lasalledeconcert at 11:23││ ワンコと一緒16