ワンコと一緒10
November 18, 2012
僕が見た楽屋と本番
(撮影者:小槇様)
僕、ブルゴーニュ。
やっと僕がブログ書く番だね。
今朝お姉ちゃまは御ミサへゆく予定をしてたけど昨夜から加減悪くってお休みなんだって。だからブログも僕の番になったね。
今日はね僕が見たデュオ楽屋のお話をするよ。
**
僕のお姉ちゃま、後輩ちゃんや生徒ちゃんの面倒見が随分良いけど、相方さんにはもっと凄いんだ。
なにしろデュオコンサートの持ち物は此れだあもの。
*ピアニストの七つ道具(1)
僕ね楽屋でいつもびっくりしちっまうの。
先日のPJの日だってすごかったさ。
相方さんは録音機を出し、あっ! てお宙を見た。
お姉ちゃま黙ってポーチから電池を出し、コツンと音を立てて目の前に置いたよ。
相方さん感心しなさってから、電池を買わなきゃと思ってたのに忘れたことを報告した。
お姉ちゃまは知ってましたと言った。
相方さんはお着替えでお袖口をごそごそ始めた。
お姉ちゃま黙ってポーチからパパのブラックパールのカフスを出し、コツンと音を立てて目の前に置いたよ。
相方さん感心しなさってから、色が合わないカフスを持ってきてしまったと報告した。
お姉ちゃまは知ってましたと言った。
次には上着を着込んだ相方さんの空ポケットを見た。
お姉ちゃま黙ってポーチからドレスの共布を出し、ふわりと目の前に置いたよ。
相方さん感心しなさってから、ポケットチーフの入れ方ってわからないんですよと報告した。
お姉ちゃまがギャザーを寄せてチーフを入れ直してあげた。
僕ね、僕なんか毎日もっと面倒見てもらってるけどね。
お姉ちゃまってあれこれ面倒見るのが好きだからね。
お陰で僕は箱入りブルゴーニュなんて呼ばれてる。
うへっ
うんとたくさん気持ちを汲んで心をかけて大きくしてもらったってお姉ちゃま思ってて、だからしてもらって嬉しかった風に周りのお人にするのが好きなんだって。要するにお節介なんだ。
お姉ちゃまは相方さんに其ういった風には言わないし
相方さんも電池やカフスに特別なお礼を述べはしない。
けどさ、本番ではね
プーランク演奏の前に
相方さんお客様に向ってお話したよ。
随分と前に初めてお姉ちゃまと合わせた1曲目が
プーランク歌曲でした、ってさ。
ピアノ前で、え? ってお顔を上げてから、ああそうだったワって思い出したみたいだった。もうせん遠い事だのに、お初の曲を大事に憶えててもらってとっても嬉しそうだった。
嬉しかったみたいだのに終演してもお初のプーランクについては述べ合わなかった。
述べ合わずしみじみしてたね。
しみじみお姉ちゃまがありがとうと言い
相方さんが此方こそありがとうと言った。
其んな感じだ。いいデュオだねって僕は思うね。
次は12月9日に花鳥園でクラリネットババールだよ。
アルマジロ君との演奏だよ。此方も聞きに行ってあげてネ!
僕また宣伝書かされただけかなあ?
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*黄色いハンカチーフとマメマメ
lasalledeconcert at 06:50|Permalink│
November 01, 2012
僕が見た喧嘩
僕、ブルゴーニュ。
お姉ちゃまがコイビートの人と口喧嘩した。
うんとこさ些細なことが原因だった。
コイビート同士の喧嘩なんて些細な原因と相場が決まってる。
僕もパーシモンとこの前喧嘩んなったんだよ。
僕らドングリを分け合っていたの。僕ねドングリの傘はどんな具合に勘定に入れようか? って問うたんだ。パーシモンは傘は勘定しないものだと言い、僕は傘も勘定に入ると思った。
僕らは33グリずつ分け合って、余ったのは傘が12グリと、傘つきドングリが6グリだった。
僕は其れらも正確に分けようとしたの。するとパーシモンは思い通りに傘つきばかりが貰えないからといってヒステリーを起こしたんだ。
そんなら初めから傘つきばかりが欲しいと言えば上げたのに、興味ないフリをして勘定しないと言い張るなんてさ。女の子ワンコの心理は難しいや。男の子ワンコは言ってくんなきゃあわかんないんだのにね。
**
僕らのドングリよりもっと些細な事でお姉ちゃまは喧嘩した。
プルーストの普及が増えてるか減ってるかで喧嘩してんの。
あ〜あ〜・・・
喧嘩と言ってもお姉ちゃまが勝手に1人怒ってムキになり、フランス純文学の素晴らしさを長々演説ぶっていたの。
いやいやいや・・・
素晴らしいかもしんないけれどさ、読書人口に繋がるとは限んないじゃあないか。だいたいさ、フランス・ベルエポック社交界のお話が日本でどんくらい読まれてるかって、喧嘩するほど重要なの?
コイビートの人は目をしばしばさせて聞いていた。
僕はお耳の後ろを掻いてみた。
お姉ちゃまは一頻り演説をぶつと、後5分っぱかり膨れっ面をしてたんだ。
**
膨れっ面で気が済むとすぐに機嫌を直し、其の日は楽しく過ぎた。けれどもお姉ちゃまも密かに反省していたんだね。
あとでコイビートの人に謝ったよ。
"さっきは、ぷんぷんしてごめんなさい。" ってね。
コイビートの人はわからぬ様子で、いつ? 何の事? って問うた。
お姉ちゃまはほらプルーストのお話でぷんぷんしちゃっていけなかったです、ごめんなさいってお答えした。
コイビートの人は、ああアレ? と思い出した風に言った。
"ああいうのは・・・"
コイビートの人は皆まで言わずに区切ってお姉ちゃまを見た。
僕は少し怖くなったよ。叱られるに違いないって思った。
ああいうのは困るんだ、とかね
ああいうのは女の人らしくない、とかね
ああいうのは好きじゃないよ、とかね
きっと腹を立ててらっしゃる、叱られる、って思った。
なにしろとても良くない有様だったのだからね!
お姉ちゃましっかり反省しなきゃなんないよ!
コイビートの人は考えるお顔になった。
お姉ちゃまはシュンとしてもう1度ごめんなさいと言った。
-- ああいうのはさ・・・
コイビートの人は再び言った。
-- 桜ちゃんは怒ってる、って認識すればいいの?
は・・・?
お姉ちゃまも僕もポカンとなった。
-- あれって怒ってたの?
いやいやいや・・・
**
よくわかんないけど、すごいなあ・・・
僕ね、僕は心からコイビートの人を尊敬した。
鈍感力ってものが普通じゃないんだってお姉ちゃま言ってた。
お姉ちゃまは素知らぬお顔で急いでお答えした。
"ううん怒ってなんかなかったワ。"
嘘っこだ! 嘘っこばっかり!
お姉ちゃまはこうして嘘っこばっかつく。
?僕が見た素面の事件
?ぴょんきち君と僕が知ってる秘密
lasalledeconcert at 06:32|Permalink│
September 25, 2012
僕が思う恥ずかしい写真
僕、ブルゴーニュ。
コイビートの人が隠し撮ったんだ。
どんだけ嬉しそうなお顔してんのさ。
恥ずかしいね恥ずかしいね。
僕ね、僕は日頃から言ってるんだの。
カッフェーやご飯屋さんでぺっとりお隣に座って貼り付くのはお止しよってね。
其ういったお行儀悪い仕業は、お若いカップルか、フランス人か、若くもなくフランス人でもない僕のお姉ちゃまか3つのパターンのお人っきりやらないものだよ。
こりゃお膝で下のほうっから撮られてるね。
人生半ばを過ぎた女の人を下から撮っちゃあいけないんだよ。
加齢の下降とかいう諸事情が丸出しになるからね。
右腕はお姉ちゃまに絡められてっから左手撮りカナ。
この日も酷い馬鹿ップルぶりだった。
僕はうんざりしちまったよ。
大阪でお勤めが終わると待ち合わせのお約束をしてた。
朝からおうちを出ての弾き続けに、夜にはへたばってたね。
ところがさコイビートの人に会うなりお顔に赤みがさして、
うんとこさ元気になってんの。うへっ
注文を取りに来なさったウエイトレスさん、其方のお席でいいですか? って気遣いをされたよ。並んで座るならばと大きなお椅子を勧めてくださったの。
僕ね恥ずかしい思いをしながら気遣いにお礼を述べた。
ウエイトレスさんありがとね。大きなお椅子だとコイビートの人との間に隙間が空くと言って寂しがるんだ。頭ん中がお利口じゃないんだ。お店に馬鹿ップルが来ちゃってごめんねごめんね。
僕はね、考え違いをしてたみたい。僕のお姉ちゃまって少しは知的な音楽家で売ってんのかと思ってたの。知性も何もあったものじゃない姿をお外で晒してんだね・・・
なんか頭悪そうだなあ・・・
lasalledeconcert at 06:31|Permalink│
September 20, 2012
僕が思うトーテムポール
僕、ブルゴーニュ。
うへっ、お店のテーブルの様子だよ。
僕ね、お買い物にお出掛けするって教わったの。
それったから楽しみにしてたんだよ。
けれども待ち合わせ場所に相方さんを発見し悟ったね。
こりゃあ面白くない午後になりそうだぞってね・・・
案の定お買い物ってばリードを作る材料だった。
やっぱり。
お姉ちゃまと相方さんが一緒にお買い物なんて
どうせ其んなことだろうと思ったよ・・・
**
リード材のお買い物がつまんないのは想像できたよ。
けれどね、あすこまでつまんないとは知らなかった。
テーブルにお山のように材料の葦を広げ、
1本1本光に透かして繊維の具合を調べてんだ。
アイスキャンディーの棒ならばお味がする分まだ良いよ。
リード材なんて食べられないし綺麗でもないんだの。
と、お姉ちゃま "わぁ綺麗♪ " って声を上げた。
相方さんが覗き "あ、ほんと。" って同意した。
透かして均一な繊維を綺麗と言ってるみたいだ。
なんだかなあ・・・
僕は退屈で死にそうだったけどお顔には出さなかった。
飼い犬の立場ってものがあるからね。
お初にはお姉ちゃま、選んだ材料を相方さんにチェックして下さいとお願いしてた。けれどもすぐに、完璧だからお任せしますよと言われてメーカー毎の分担作業に変わったの。
なんだかなあ・・・
嬉々として延々と仕分け作業をしながら
地獄のようにつまんないお話をしていたよ・・・
材料の左右の中心がどうだとか
影の入り方がどうだとか
組んだ時の上下バランスがどうだとかさ。
僕は退屈のあまり気を失いそうだった。
**
トーテムポールから20本選んでください、ってお願いされた。
え? お姉ちゃま何? トーテムポールじゃないの?
何? ノーランテール? あ、そう。
ノーランテールから20本選んでください、ってお願いされた。
それでもってお買い物に意見までしてんだ。
ノランテ20本も要ります? ナンテね。
僕ね相方さんの物なのだからお任せするが良いって思ったけど
包容力あるリーガーのほうがプログラムに合うとか主張した。
うへっ
幾十本かのリーガーを選んだあと
今度は可愛めな調子でおねだりを始めた。
リゴティも何本か試して下さるんでしょう?
そこで僕はまた悟った。
こりゃあお姉ちゃまの好みの音のためのお買い物だってね。
最後には僕は退屈しきって伸びっちまって
2人は嬉しそうに材料を並べ数えて喜んだ。
相方さんはガッツリ万札数枚でお支払いした。
アイスの棒みたいな材料はお高いお品って僕は知った。
蝶番君が一等お金をかけるのがリード材料みたいだ。
地味だ。地味過ぎる。
お姉ちゃまは帰り道、ああ楽しかった〜♪ って大喜びしてた。
僕はできたらもうあんまり行きたくないなって思った。
お口には出さないけどね。
飼い犬の立場ってものがあるからね。
*試奏の記録
*ファゴットリードのお話
?僕が見たリード愛
?お姉ちゃまファゴットを吹く
?僕が聞いたリードの行方
?僕が見たモツレク
?僕が聞いたお誘い
?僕が知ってるオフィシャル
?僕が見た虫下し
?僕が見たお客様
?僕が見た試奏会
?僕が聞いたiTunes
?僕が客席で見たこと
?僕が知った新年の習わし
?僕が見たお鍋
?僕が見たブローチ
?僕ができなかった球拾い
?僕が聞いた常連様との会話
lasalledeconcert at 06:14|Permalink│
September 14, 2012
僕が聞いた常連様との会話
僕、ブルゴーニュ。
コレ何かわかる?
リードケースだよ。
合わせにいらっした蝶番君がリードケースを開けて仰った。
-- さてクイズです。
僕ね謎解きが好きだからね、なぁに? って乗り出したよ。
-- 昨日話したリードはどれだと思いますか?
ガクッ
な〜んだ全然面白くないや。
こんなリード皆までも同じにしか見えないしね。
嬉々として覗き込むのは変態さんのお姉ちゃまったけさ。
昨日話したリードってのもさ、変態さんなお話なんだヨ。
蝶番君てばお電話で良いリードが育ってると嬉しがってたの。
どういったタイプの音が出るか熱心に説明してんだ。うへっ
正直、なんて変態さん的なお電話だろうって思った。
音の説明を聞いたリードがどれかなんて判るわけ・・・
"中音に伸びがあるって言ってたわね。此の子? "
怖い怖い・・・
まさか判ると思わなかったのか蝶番君もビックリ眼になった。
"それで此の子が前の本番に使った子? "
怖い怖い怖い・・・
す、すげ〜! って茫然とする蝶番君に僕は、
ごめんね、僕のお姉ちゃまちょっとおかしいんだ、って囁いた。
2度目の謎解きはお姉ちゃまも迷った。
過ぎた本番に使用したリードを問われ、悩んでた。
2本に絞って手に取り、リードの先をしげしげ眺めて呟いた。
"あの時の音は、こっちの子ほどは先を薄く削ってなかったんじゃあないかしら。"
僕ねやっとわかったの。
記憶の中の音色を耳の内で再現しながら、
振動が変わる厚みやカットの深さが
どのリードに当て嵌まるか見てるらしいねってさ。
わかったからって面白いわけじゃあないけどね。
なにしろババール2人は変態さんなお遊びをしてるんだ。
**
自分たちだけで楽しむに留めればいいんだのにね
お姉ちゃまってばお客様に変テコを言っちまったの。
サロン演奏のリハーサル時、常連のお客様にお出会いした。
いつも聞いて下さるお方には特別なサービスをするんだヨ。
開演前に常連様と偶然お顔を合わせた場合には、
演奏の聞きどころをお伝えしてるのだって。
本日のオススメってやつだねっ! 準備なく聞くよりも、
演奏家自らが耳打ちする聞きどころを知れば一層楽しかろうネッ!
お姉ちゃまはニッコリお客様の側へ寄って囁いた。
"今日の聞きどころは、中音のH音なんです。
今回のリードはHの響きにシビレますヨ♪ "
いやいやいや・・・
お客様退いてらっしゃる!
完全に退いてらっしゃるじゃあないか。
聞きどころって其んな変態さんなポイントなの?
なにしろね、ババールの常連様になると此うして
聞きどころポイントを事前に教えてもらえるらしいヨ。
正直僕は希望者なんて居ないって思うけどね。
*試奏の記録
*ファゴットリードのお話
?僕が見たリード愛
?お姉ちゃまファゴットを吹く
?僕が聞いたリードの行方
?僕が見たモツレク
?僕が見た虫下し
?僕が見たお客様
?僕が見た試奏会
?僕が聞いたiTunes
?僕が客席で見たこと
?僕が知った新年の習わし
?僕が見たお鍋
?僕が見たブローチ
?僕ができなかった球拾い
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September 08, 2012
僕が見たアサリ君の沈黙
僕、ブルゴーニュ。
アサリ君に差し上げた本たちダヨ!
ママの読み古しだってさ。
お姉ちゃまは東洋的な考えが徹底的に苦手だからね、
日本哲学もお読みのアサリ君に回すんだ。
アサリ君が見守ってくれた恋のお話の続きを書かなきゃあ!
**
世の女性ってものは身近な男性の行動に聡いものだよ。
実に勘良く、私って好かれてるんじゃあないかしらんって
感付くものだって聞いたよ。
中には違った女の人も居るんだね・・・
勘も悪けりゃあ頭ん中もどうかしてる、酷く鈍感なお人が居る。
僕のお姉ちゃまが其れなんだ。
恥ずかしいね恥ずかしいね。
お姉ちゃまは鈍感の限度を
完全に超えっちまってた。
完全に超えっちまってた。
僕ねコイビートの人に感謝しているんだ。
あすこまでワカランチンのお姉ちゃまを
よくぞ投げ出さずに居てくれたってね。
何しろお姉ちゃま自分が好かれるなんざ思ってもみなかったの。
ワカランチンを此れでもかってほども繰り返してたよ・・・
*シフォンのお返し
?僕が知ってるアサリ君と恋
**
其の頃お姉ちゃまはアサリ君に頻繁に会ってたの。
恋を諦めるためのワカランチンな相談にね・・・
トンチンカンな訴えにもアサリ君は誠意を持って丁寧な応答で付き合って下さってね。有難いねえ。
2人は北野でご飯を食べていた。お姉ちゃま、アサリ君のおかずを横取りしながら大きな溜息をついたよ。
当時片想いで現在コイビートの人のコト一杯お話ししたね。
とかく接近癖のあるお人でドキドキしちゃうのヨって言った。
女の子風なアサリ君と此のように女子会をするのが好きなんだ。
*アサリ君の訪問
アサリ君は少ぅしお顔を赤らめて、恋バナを聞く女の子ちゃんのように頷いて聞いていた。其れっから、接近ってどれくらい近いんですか? と問うた。
-- 同じお椅子に座りなさったりヨ。
大きめの椅子に私が座ると隙間ができるでしょう?
其処に座りなさるの。近いわよね・・・?
近っ!!
近い近い近いっ
"近いわよね・・・? " のレベルじゃないよ!
さすがのアサリ君も思わず "は? " って言っちまったけど
気を取り直して丁寧に質問を変えた。
"そのとき落合さんはどうなさるんですか? "
-- もちろん立つわよ。決まってるじゃない。
其の椅子に腰掛けたいのなら、お譲りしなきゃ。
アサリ君は沈黙してから、なるべく礼節を保って言った。
"落合さんは本当に、その方はただ椅子に座りたいから
隣に腰掛けていらっしゃると感じられるんですか?"
今度はお姉ちゃまが "は? " と言う番だった。
-- 座りたいから腰掛けるんでしょう?
質問の意味がわかんない。
いやいやいや・・・
意味わかんないの、お姉ちゃまでしょう!
コイビートの人はなんて気の毒だったんだろう。
お姉ちゃまと1つのお椅子に座る試みをするごと
お姉ちゃまはお席を譲ろうと立ち上がるなんてさ
メゲるよ・・・
絶対メゲるね・・・
僕なら考えられないよ。
アサリ君はお姉ちゃまのあんまりに鈍感な有様に困惑して
質問を変えて問い進んだ。お姉ちゃまは答えて語った。
-- 一等近いとき? そうね、前髪が当たるくらい。
"前髪? 前髪ですか? 前髪が何処に当たるんですか? "
-- 彼の前髪が、私の前髪によ。
どうして前髪を当ててくるんだろうって・・・
近っ!!
寄り目んなっちまうっくらい近っ
その近さでする事は1つっきりないじゃないか!
さすがのアサリ君も、ちょっとイラッとしたようだけれど
できる限り穏やかに言葉を選んだ。
"前髪を当ててらっしゃるんじゃないです。
絶対に違うと思うんですね。
人様の行動を断言できませんが僕間違ってないと思います。
前髪を当てに行く人は居られないと思うんですね。
その方が前髪を当ててると思われてるんですか?
そのとき落合さんはどうなさったんですか? "
-- どうもしないけど・・・?
ナイナイナイ・・・
どうせお姉ちゃまボーっとしてたんでしょ。
ワカランチンにも程度ってものがあるよ。
アサリ君だって沈黙しちまったじゃあないか。
お姉ちゃま余程に自信がなかったようで、自分は問題外で恋愛対象になんないって思い込んじまってたからね。
アサリ君も茫然としたけれど、コイビートの人はもっと困り果てたろうってね、同情するよ。
前髪同士が当たるところまで頑張っても、ハテナなお顔でボーッとされっちまうなんてさ。最悪だよ!
ワカランチンのお姉ちゃまに、コイビートの人はよくぞメゲずに根気をもってトライしてくれたって僕は感謝してるの。
僕コイビートの人に言いたいよ。
あの頃は本当に・・・
お疲れさまでした!
lasalledeconcert at 06:29|Permalink│
September 05, 2012
僕が知ってるアサリ君と恋
僕、ブルゴーニュ。
お姉ちゃまが忘れてるお写真upしといてあげよっと。
先日の記事からアサリ君ってば人気急上昇だよ。
*シフォンのお返し
僕もアサリ君好きさ。
アサリ君は礼儀正しくってご親切なんだ。
そうしてゆうるりとしてる。
間合いがゆったりなお友達が多いよね〜。
きちんとしていて悠揚でソフトだね。
お姉ちゃまが多少のおイタをしても気にしない風なね、
気長に面倒見てくれるお友達ばかりさ。
ねえお姉ちゃま、有難いと思わなきゃあなんないよ。
アサリ君には本当に面倒ばかりかけているんだからね。
?僕が吉野家で見たこと
?僕が栄町で見たこと
アサリ君は色んなところで弟分として活躍してるの。
シジミちゃんとのコンサートでアシスタントをしてくれたり
ズワイガニ姫とのコンサートで譜めくりをしてくれたりね。
僕のお姉ちゃまお人遣いが荒いからね。うへっ
今日はね片想いしてた頃のお姉ちゃまと、見守ってくれたアサリ君のお話をするよ。思えば時が経ったものだね。
**
号泣しながらアサリ君にお電話したのは
ミンティアの日の帰り道だった。
*不思議な駅(7)ミンティアの味
道の真ん中で派手に泣いていたね。
僕はねお人通りの多い処で騒ぐのは好きじゃあないけど黙っておいた。僕はお姉ちゃまの方式に逆らわないことにしてるからね。
特別じゃあないと知って諦めるためにお出掛けしたのに
特別扱いされてる気がしたと酷く泣いっちまってさ。
なんだかなあ・・・
一刻も早く諦める目的っきりないみたいだった。
それ以外の可能性なんか頭にありやしないんだあもの。
僕のお姉ちゃま頭ん中があまりお利口じゃないの。
**
アサリ君は普段のように "お電話アリガトウゴザイマス♪ " って
ご親切な応答をして迷惑顔一つせずに聞いてくれたよ。
1日の出来事をかいつまんで語ったのちに言った。
-- それでね、あんまり辛くって場を出てきちゃった・・・
泣き過ぎてお声を引っくり返しながら聞き取り難い発音をした。
そうなんだよ、僕びっくりしちまったんだけどね、悲しくてならなくなったお姉ちゃま、コイビートの人にご挨拶もせずにいきなりお集まりを逃げ出しちまったんだ。それでもって道でワァワァ泣きながらアサリ君にお電話してんの。
なんだかなあ・・・
アサリ君は長年お姉ちゃまの面倒見てるだけのことはあるね。
勝手に出てきていけなかったと思う? なんて大ボケのお尋ねをするお姉ちゃまに驚きを上手に隠した。
"いけなくないですね。いけなくないんですけどね・・・"
困りながらも慰めを言い、明るい考えを施しなさった。
"敏感なかたでしたら、急に居なくなられたら
どうしてだろうって考えられると思うんですね。
出てきてしまった落合さんの気持ちを
解って下さる方じゃないでしょうか。"
僕ぁ感心しちまったね。アサリ君はまだお若いのにさ
お姉ちゃまの無茶苦茶を徹底的にフォローできるんだ。
いつも丁寧で礼儀正しく懸命なフォローだ。偉いなあ!
-- 私べつに恋愛相談したいんじゃあないんダ。
諦めなさいって言ってほしいだけなのよ。
対してお姉ちゃまはやさぐれてワガママを言った。
では諦めなさいって言うための材料はありませんかと問われた。
-- お好きな女性が居るのよ。せんに問われたもの。
かなりアプローチしてるのに全然気づいてもらえない時は
どうしたらいいのか、って。
お姉ちゃまはお鼻を啜った。
僕はお耳の後ろを掻いた。
アサリ君は少し沈黙してやっと言った。
"あのう落合さんは何てお答えになったんですか?"
-- さあ。って答えたワ。
私に相談されても情けないだけだもの。
お答えのしようがないでしょう?
アサリ君は遠慮深い調子で "あのう・・・" と言葉を濁した。
"其れは・・・あのう・・・"
アサリ君お姉ちゃまの目を覚ましてやっておくれよ、って
僕はうんざりしながら願ったんだったよ。
**
アサリ君のお話はまだ続くよ。
今日は僕忙しいからまたネ!
lasalledeconcert at 06:23|Permalink│
September 01, 2012
僕が知ってるオーブン・ヒストリー
僕、ブルゴーニュ。
今年の夏は暑かったね!
お姉ちゃまは夏キャミソールっきり着ないんだの。
半袖でお肩を覆うと暑くってたまんないんだって。
僕ね、僕なんか毛皮着てるんだからね。
僕のお肩が何処かはっきりとはわかんないけどさ。
新しいオーブンのお話さ・・・
*シフォンのお返し
僕いきさつを知ってるよ。
ある時蒸しケーキをお出しして、お話をはじめたの。
"ケーキ蒸したんです。オーブンが家出したから。"
家出?! って僕は驚いっちまってね、
お姉ちゃまどうかしたかと思ったよ。
普段っからどうかしてるけどさ、
家出はナイよって思った。
けれどもコイビートの人はオトナなんだね。
そうかぁ、と深刻そうに頷きなさった。
じゃあもうオーブンはないの? って問われたね。
"形はあるけど、あれは脱殻なの・・・
心はもうおうちを出ていってしまったみたい。
私ね、お手紙受け取ってすごくショックだった。"
僕ぁ何がなんだかわかんなくってお耳の後ろを掻いたね。
コイビートの人は此んなお姉ちゃまに付き合ってあげた。
オーブンに手紙を貰ったの? ってね。ご親切だね。
"そう。本当はもうせんから働くのが嫌になって一生懸命話そうとしてたのに少しもわかってくれなかった、って。毎日フルにこき使われて辛かった、って。他のオーブン仲間は毎日も働かずに済むんだのに、うちではあんまりな使われようだった、って。
それでも必死に働いて、年をとって段々身体が利かなくなっていたのに私が気づこうとしなかった、って。そればかりかトレイを回さなくして疲れたと訴えても、サーモスタットの具合を悪くしてもう休ませてと願っても無理に働かせた、って。
随分・・・私のことを恨んでるお手紙だった・・・
可愛がってるつもりだったの。いつまでも一緒にお料理したかったの。其んなにも嫌がられてたなんて知らなかった・・・。
話してくれたから謝ろうと呼んでみたけど脱殻になってたのよ。
ねえ・・・最後は酷い事になったけれど、あの子はじめにうちへ来た時は幸せだったかしら? 私を嫌いじゃなかったかしら? "
いやいやいや・・・
要するに壊れたんでしょ?
何だってヒストリーにしちっまうんだからね。
いいからさっさと買い替えようよ!
"だからごめんね、今日は蒸しケーキなの。
貴方の大好きなサブレももう焼けない・・・"
何だかなあ・・・
馬鹿馬鹿しいオーブン・ヒストリーはどうでもいいよ。
けれどもコイビートの人はオトナだからね、
どうでもいいヒストリーにちゃんと答えてあげていた。
-- No Sable No Life、困るね。
**
お姉ちゃまは時々寸劇風の変テコなヒストリーを繰り広げる。
1つわかるのは、恋のお話は大概に音楽解説ネタだってことだね。
僕もう段々わかってきたよ。
後で決まってガッテン引水しちまうんだ。うへっ
lasalledeconcert at 06:48|Permalink│
August 26, 2012
僕が見た素面の事件
僕、ブルゴーニュ。
いや〜参った参った。
とうとう事件のコトを書かなきゃあなんないみたい。
よっくお友達がコイビートの人の人柄を問うんだ。
昨日のはお答のつもりだったろうね。
*夜とマカロン
僕も本当にコイビートの人を尊敬してるんだヨ。
理由については少ぅし足さねばなんないね。
**
僕のお姉ちゃまね、悲しいことに躾が悪いんだ。
きちんとしたワンコ学校を出ていないからね
お行儀を教わっていないの。気の毒だね。
僕は自慢じゃあないけどワンコ学校優等で卒業したけどね。
僕と違ってお姉ちゃまは・・・
ワンコ学校で躾を受けなかった上に殆ど外国人だからね・・・
日本の常識を越えてひどく好戦的でヤンキーでね。
?僕が知ってる "いじょう"
僕は恥ずかしい思いばかりしているけれど、コイビートの人も酷く恥ずかしい思いをしなさる事件があったんだよ・・・
**
僕のお姉ちゃま良く言えば音楽に真面目なの。悪く言えばちょっとしたキの印がついている。おばあちゃんもお姉ちゃまのコト、おキっちゃんって呼んだっけね・・・
?僕が知った昔の呼び名
ある日お姉ちゃまは善からぬクラシック音楽に出会った。
少なくともお姉ちゃまは冒涜と感じ、演奏者を許容できなくなったんだ。
あの人ってば此んなだからね・・・
*分かち合いと本
アッという間にぶちっ切れたね。
いけないね、いけないことだね。
もっといけないことにご本人にぶちっ切れただけじゃあ収まらず
数日後に思い出して路上事件を起こしたんだの・・・
あ〜あ〜・・・
**
なにしろ僕はパリィで暮らしていたからね、
あすこの女の人に関しちゃあ少しは知ってる。
お姉ちゃまは灰色のフランスもとても愛してるけど
《マールを啜る人達が大声でフットボールを野次る・・・
不衛生とヒステリー女性と狭量と閉鎖のパリの姿》
*街の色
*映画 "アメリ" (1)好きなもの
僕は正直、道端でヒステリーを起こして誰彼無く喚いたりするパリィの女の人が少し苦手だったよ。其ういった路上ヒステリー騒ぎはしばしば目にしたけどね、お姉ちゃまのように面白がって感想を返したりする気にはなんなかったんだ。
僕は平和が一番だって思うしね。
それったから他人様がすぐ其処いら辺りで泣くわ喚くわのパリィの広場や道端ってものは、どちらかと言えば避けたかったよ。
けどね、けどさ・・・
騒ぎの中心がお姉ちゃまって場合は
こりゃもう避けられっこないんだ。
どんなに恥ずかしくても
どんなにビックリでも
我慢するっきり仕方なかったの。
何どきも寄り添っておくのが
飼い犬のお勤めってものだからね。
**
夜の大通りを僕らは歩いてた。
僕とお姉ちゃまとコイビートの人と一緒にね。
お姉ちゃまは音楽の冒涜を思い出し訴えはじめた。
ご説明する内、生々しい記憶にぶちっ切れはじめた。
ヤバいヤバいヤバい・・・
少ぅしも悪くないコイビートの人にお話しつつ興奮したんだね。
お声はどんどんと大きくなり、怒りに任せ喚き散らした。
最後は真夜中の大通りで、喉も避けよと絶叫して怒りを撒いた。
うわうわうわ・・・
ナイナイナイ・・・
絶対あり得ないったら。
酔っ払いさんが喚きなさってる場にはたまにゆき当たるよ。
でもね、でもさ、1滴も飲まず素面で酷い騒ぎだあもの。
ムリムリムリ・・・
僕はね、コイビートの人がどうお思いだろうと心配でたまらず
通行人にジロジロ見られるのも恥ずかしくってたまらず
どうして良いかわかんなくってパニックしてた。
僕の可愛い小さな心臓は、バクバクなったよ。
怖さと恥ずかしさで、お背中がぞわぞわしたの。
お姉ちゃまは、へとも思ってないみたいだった。
僕は不安で不安でコイビートの人のお顔を見ることができなかったよ・・・。きっと腹を立てているに違いないもの。此んな酷い爆発をしでかしたらば、お姉ちゃまきっと振られっちまうに違いないって僕泣きそうんなったの。
**
僕はさ、素面で怒り狂って酔っ払いさんのように大通りで絶叫してるような女の人なんかね、とんでもないって思うんだの。男の子君は誰だって其うだよネッ。
お姉ちゃま、間違いなく嫌われっちまうって思った。
万が一許して頂けるなら2度と躾の悪い態様はしませんって
硬くお約束をしなければなるまいね?
**
何事もなかったかのように、コイビートの人との日々は過ぎた。
お姉ちゃまもさすがに路上事件は申し訳なかったと思ったか
随分経ってから、そっと謝罪を試みたんだよ。
"ぶちっ切れたりは改めようって反省してます。" ってね。
僕は内心、もう遅いやい! って思った。
殊勝に今更、気をつけますと言われてもね、
おまわりさん来そうな騒ぎを起こしておいて
そりゃあないよ、って呆れっちまった。
そして祈ったよ。
どうかコイビートの人が許してくれますようにってね。
僕ね、どきどきしながらお返事を待ったんだよ。
**
コイビートの人は他人事のように答えた。
"ふ〜ん、そうなの?
僕はアグレッシヴな桜ちゃんって
見たことないからわからないけど。"
ええ?!
いや・・・
ええええ?!
僕さ、僕ね、心底たまげたよ。
僕がコイビートの人を心から尊敬した瞬間だったよ。
?僕が知ってる恥ずかしい仇名
?僕が知ってる "いじょう"
?僕が知った昔の呼び名
?僕がいじめられるコト
?僕が聞いた怖いCD
lasalledeconcert at 06:48|Permalink│
August 22, 2012
僕が知ってる8月の嘘っこ
僕、ブルゴーニュ。
お姉ちゃまのキャミソールだ。
大学ん時のワンピースを細工したんだよ。
お裁縫からっきしだのに作りたがるんだあもの。
下手っぴだし古過ぎんじゃないの? って思うけど、
お姉ちゃまが気に入ってるから僕は何も言わない。
**
ところで昨日のブログってば随分真面目なお人の風だね。
*Macへ行こう(12)8月とLion
書いてあるコトは本当さ。けどね書いてないコトが多いね!
お姉ちゃまってば都合の良いことっきり書かないのだあもの。
嘘っこじゃないけど嘘っこなんだ。
夜、僕が眠ろうとしてるとコイビートの人からお電話があった。
ガクッ
僕ね、またしゃべんの? って呆れっちまったよ。
一昨日も随分お電話でたくさんお話してなかった?
日中は日中でびっくりな量のメールをやり取りしてなかった?
よっくお話することがあるねぇって僕ちょっと皮肉を言ったの。
おしゃべりに夢中で僕の皮肉は聞かれてないようだった。
僕つまんなくって、うとうとしながら待ってたんだからね。
ずぅっと待ってるんだのに2時間っぱかりもお話してんだ。
お電話終わって僕やっと一緒に眠れるって思ったんだよ。
したらさ、おしゃべりし忘れた話題にメールを始めたの。
ガクッ
いい加減にするがいいねってヤんなってきた。
僕クタクタんなって、寝不足で弱っちまうよ。
最終に受け取ったメールは3時にもなろうって時刻だっけね。
お姉ちゃま再びお電話をとって、まだ起きてた? ときたものだ。
ガクッ
僕ね、僕は寝ちまうからねっ!
ベタベタしてるなあ、もぉ。
夜が明けそうな時刻まで2度目のおしゃべりを聞かされて、僕ヘトヘトだよ。まったく馬鹿ップルには付き合い切れないね。
**
其うとしたわけでね、僕は大変なんだ。
幾晩か僕はコイビートの人とのおしゃべりのせいで眠れず、
次にはLionアプリケーションのせいで眠れなかったんだの。
僕とうとうお姉ちゃまに進言したよ。
もう少し眠んないと僕病気になっちまうよってね。
お姉ちゃま、眠る時間がないんですものって言うけどさ
馬鹿ップルやってたらば時間が足りないのも当然さ。
濃厚なヴィルモラン詩を次のコンサートにも入れているから
恋の曲を盾にとり、知っておかなきゃネ! と都合良くお言いだ。
10月13日大阪天王寺のYMCAでお披露目だって。
あれ? 結局僕また宣伝書かされただけかなあ・・・
?嘘っこと肉食
?僕が見た火垂の墓
?嘘っこと赤い実
?僕が30周年で見たこと
?僕が見たお別れとリスク
?僕が見た餃子
?僕が見た恥ずかしい旅行
?嘘っこと籠バッグ
lasalledeconcert at 06:24|Permalink│
August 19, 2012
僕が見たエリュシオン
僕、ブルゴーニュ。
先月のお写真だね。
お姉ちゃまが忘れてるから、僕がupしといてあげよっと。
**
お姉ちゃまには、スズメちゃんとウズラちゃんっていう2人組のお友達が居る。僕ね別々に会ったことがないよ。いつだって2人組なんだ。
それでもって2人してコンサートを楽しみに来てくれる。
一等の楽しみはピアノじゃあないみたい、って僕思うね。
僕のお姉ちゃまのコンサート、時々恥ずかしいの。
懸命に取り組んだ曲の演奏中に汗で緩んだイヤリングが勝手に飛んでゆく。弾き終わって床のイヤリングを拾ってテヘヘと照れてる。
イヤリングが飛ばない日に僕がホッとしてたらば、解説に立ち上がるとアラ脚が攣っちゃったと屈んじまう。
はあ・・・なんだかなあ・・・
スズメちゃんとウズラちゃんは其ういった事も期待してる風だ。
**
エリュシオンでは幸いイヤリングも飛ばず、脚も攣らなかった。
飼い犬の欲目で見れば、なかなか素敵さんな第一部だったよ。
僕は胸を撫で下ろしたね。なにしろリハーサルん時はお顔にお水撒いてたからね・・・。やれやれ。
?僕が見たリハーサルの隙間
お姉ちゃまがスットコドッコイしないでコンサートを進めるので僕は安心した。スズメちゃんとウズラちゃんは残念に思ったに違いないけど、お姉ちゃまだってそういつもスットコドッコイじゃないさって僕は言いたいね!
**
第二部が始まった。お姉ちゃま達が出てきたよ。
さぁさ、拍手拍手〜
お姉ちゃま舞台段の階段で裾踏んでカクッとなった。あ〜あ〜
無かったことにして、拍手拍手〜
お姉ちゃまマイクを持った。プーランクの解説だね!
楽しみだね、拍手拍手〜
するとお姉ちゃま言ったんだ。
"第二部は衣装替えと申しますかドレスに模様が・・・"
僕のお姉ちゃま何言ってんのかなあって見れば、確かにドレスには大きな模様がついてるじゃあないか。
楽屋でうっかりお水かぶっちまったって。
終演までには乾いて模様がなくなるでしょうって。
ガクッ
ちらと客席を見れば笑ってらっしゃるお客様の中で、
スズメちゃんとウズラちゃんがひと際ウケてた。
ふう。
僕ね、僕のお姉ちゃまに素敵さんになってほしいの。
次はスットコドッコイがないと良いなあって思うけどあまり強くは言えないんだ。飼い犬の立場ってものがあるからね。
lasalledeconcert at 06:05|Permalink│
August 15, 2012
僕が見たリハーサルの隙間
(撮影者:ヨメスキー様)
僕、ブルゴーニュ。
僕が楽屋で見たコトおしゃべりするよ。
やっとこさ僕の出番なんだあもの。
待ちくたびれっちまったよ。
コンサート前後はお初のお客様のアクセスが増えるから、
最初にご覧になるのが僕のブログじゃあ困るって
なかなか書かせてもらえなかったの。うへっ
お澄ましだね。お澄まししてっけど
始まる前のリハーサル中は此んなじゃあなかったね。
設営の微修正やたくさんのプログラムを演奏するリハ中に2人は
根をつめて疲れ過ぎぬようにと館外へ空気を吸いに出た。
お姉ちゃまは当然のように、その辺の道端にお座りした。
蝶番君も習った。
お初の頃には、地べたに座るお姉ちゃまに驚かれたろうけれど
今じゃあすっかり当たり前となっている。
思い起こせば2010年だったねえ。
*僕が路上で見たこと
お姉ちゃまは蝶番君が持って下さってたお水の2Lボトルを
当然のように抱えてゴクゴク飲んだ。うへっ
僕ね、コップに移して飲んでほしいなあって、いっつも思うの。
地べたに座って2Lボトルに直接お口つけてゴクゴクなんてね、
僕、恥ずかしいからちょっと他人のフリをした。
ふと目の前に、お姉ちゃま達と同じ風に珍しく地面にお座りしてる何かを発見した。
"あ、あ、あれは、もしや、何? " って変テコな日本語で尋ねた。
-- 蝉ですね。
ギヤ〜ッ!
お姉ちゃま、蝶番君の後ろへ逃げようと藻掻いた。
ペットボトルのお水がお顔にバッシャーンって掛かった。
あ〜あ〜、恥ずかしいね恥ずかしいね。
僕のお姉ちゃま、蝉が大の苦手なの。
お水がっ、ギエ〜ッ、ブハッ
すっかり動転してお水をお顔に撒き散らしながら逃げ惑った。
けれども蝉は叫び声にもっと驚き動転した。
混乱した蝉はお姉ちゃまの声の方へ飛んできたんだ。
ギョボーーーーーッ!!!
**
はあ・・・
なんだかなあ・・・
蝉が逃げてった後、お姉ちゃまはお水を垂らしたお顔で涙を溜めて茫然としてた。恥ずかし過ぎるよ! 僕もある意味茫然となった。
蝶番君はちょっと笑って眺め、何事も無かったように再びペットボトルを持ってくれた。やっぱお姉ちゃまなんかの相方さんは此うじゃなきゃ勤まんないのかもしんないね。
**
此の本番の日、もう1度お水をかぶることになるなんてね。
僕ね、僕またすぐ書くからね。バイバ〜イ
lasalledeconcert at 06:29|Permalink│
August 02, 2012
嘘っこと籠バッグ
僕、ブルゴーニュ。
お姉ちゃま嘘っこ書いてる!
お姉ちゃまのブログってば時々間違ったこと書いてあるからね、
よくチェックして僕が書き直さなきゃあなんないの。
籠バッグのこと、ちょっとどうかと思う。
楽譜が重たいから斜め掛けになんてさ・・・
*籠バッグ改造
籠バック持ってる写真は嘘っこだ!
お姉ちゃま、バッグなんて持っちゃいなかったよ。
蝶番君がずぅっと持って下さってたんだからねっ。
写真を撮るときったけ、"バッグ持ってないと格好悪いから" って
受け取ったんだよ。さも自分で運んできた風なお顔でさ。
それでもって写真が終わったらばすぐお返しして持って頂いた。
いっつもなんだ。僕知ってる! 嘘っこの写真なんだ。
蝶番君は幾kgかのファゴットも持ちなさってるのにさ。
お姉ちゃま最低だなあ、って内心思ったけど黙っておいたよ。
僕はお姉ちゃまの方式に逆らわないことにしてるの。
飼い犬の立場ってものがあるからね。
**
今日はレッスンが多い1日みたい。
僕ね生徒ちゃんのお出迎えのお勤めがあるから忙しいんだ。
?嘘っこと肉食
?僕が見た火垂の墓
?嘘っこと赤い実
?僕が30周年で見たこと
?僕が見たお別れとリスク
?僕が見た餃子
?僕が見た恥ずかしい旅行
lasalledeconcert at 06:59|Permalink│
July 23, 2012
僕が聞いたゴキブリ
僕、ブルゴーニュ。
郵送で頂いた写真だヨ。
縮小でバランスが変テコだからね、1度クリックした写真をもう1度クリックすると良いんだって。って姉ちゃまに言われたから一応書いたけどさ、ま、正直変わんないって思う。
終演してお客様お見送りしてるとこなんだって。
お姉ちゃま疲れすぎてて此のシーンにあまり記憶がないみたい。
2人とも写真撮られてるのもわかってないしねえ。
作曲家の矢野正文センセとお話してる場面カナって言ってる。
**
この日の相方さんはタキシードだね。僕ね、次のエリュシオンの園のお衣装を相談してるの聞いたの。相方さんね、お姉ちゃまのドレスに合う燕尾服は似合わなさ過ぎると凹んでた。
暗い面持ちでぼっそりと仰ったね・・・
燕尾をゴキブリみたいって言われたことがある、ってさ。
ゴ、ゴキブリ・・・酷いね、酷過ぎるね。
き、気の毒だね、気の毒だね・・・
僕ね、どう言って慰めてあげようか困っちまった。
此んな時、なんて慰めれば良いものかなあ?
ゴキブリじゃないから大丈夫だよ、ってのも変テコだしね。
困ってお姉ちゃまをチラと見ようとする前に声が響いた。
きゃははは! ゴキブリ〜?
僕は慌てた。笑っちゃ失礼だよってお姉ちゃまをつっついた。
傷ついてるんだから慰めてあげなきゃって思った。
でもお姉ちゃまの考えは違ってるみたい。どうせお姉ちゃまは
ゴキブリなら一等燕尾が似合いそうだから素敵じゃない? とか
考えてるに違いないんだ。
それにゴキブリの何が悪いの? とか思ってるんだ。
僕のお姉ちゃまってば変わってて、矢鱈と生命力強いものが好きなんだ。勝手に "ゾラの実" なんて上等なお名前で呼んでるヘクソカズラだろうとね。
*ゾラの実
*白いどくだみ
*強い花
ゴキブリだって、恐竜よりも前から棲息して絶えなかった強さだけは尊敬してるに違いないの。
**
お姉ちゃまの考えはさ、例えばだけど・・・
ゴキブリって酷いコト言われたとして
ゴキブリじゃないヨって慰めは
適切と限らないってお話みたい。
ゴキブリは私にとっては悪口の象徴じゃないワって
ゴキブリはピカピカの燕尾服着てるワって
心底思ってあげる方が大事ってわけさ。
ゴキブリを否定と置いたまま気なぐさみに打ち消しても
ゴキブリって言われた記憶は変わらないなら
別の考えを仕入れましょって寸法なんだ。
**
ま、ゴキブリ発言に限っちゃ上手いこと言うわねとウケてて
どうでも良い風だけれどさ。
《慰めの道理は気休めじゃない》って力込めてた。
すぐ道理とか言うんだあもの。うへっ。
此のお話ってばきっと何かに続くに違いないね。
僕ね、僕は気休めもほしいけどね。
お腹が空いた気休めにワンコガムとか好きだけどナ。
lasalledeconcert at 06:42|Permalink│
July 17, 2012
僕ができなかった球拾い
僕、ブルゴーニュ。
また嘘っこ書いてる!
昨日書いてた合わせのお話さ。お姉ちゃまは都合の悪いコトは書かないんだからね。嘘っこじゃないけど嘘っこなんだ。
あの日、相方さんはお腹が痛かったんだよ。気の毒だね。
腹痛を知るとお姉ちゃま、まぁ大変・・・と同情を込めて見つめた。そうだよね、お姉ちゃま。此んな時は合わせは少ぅしにして休ませてあげるが良いネって僕思った。
大丈夫? って優しく問い、大丈夫ですよと弱々しく答えなさる相方さんにハキハキ宣言した。
"お腹くらい痛くても合わせはガンガンいきますからね。
今日はフルプログラムをやりますから。"
うへっ
お姉ちゃまもお姉ちゃまなら相方さんも相方さんで、合わせしてるうちにすっかり元気になりなさった。
元気がなくなったのは僕で、同じところばかり繰り返されてウンザリしちまった。リピートがやっと済んだと思ったら、"じゃあ戻って通しましょうか" と嬉々として頷きあった。
ガクッ
**
そう言やあ先日お姉ちゃまは蝶番君に、私たちもピンポンをしてみましょうよと誘ったの。此れまで2度教わったピンポンが大好きんなってさ、もっと球を打ちたがっているんだ。
実はお姉ちゃま、5時間打ちたがってるんだけどさ・・・
僕のお姉ちゃまって、頭ん中どうかしちまってるんだ。
?僕が知ってるトリオとメガ
本当はね先生のツバメ君からは、初心者同士で打ち合うと悪い癖がつくので止したほうが良いって止められているの。だのに内緒でコッソリ打ちにゆきたいみたいなの。
僕ね、僕は取りあえず賛成した。
先生のお言い付けを反古にするのはいけないけれど、僕としちゃあ1日中ファゴット聞かされて弱っちまうより、ピンポンに連れてってもらうほうが楽しいに決まってるもの。僕ね自慢じゃないけど球拾いにかけちゃあ自信あるんだ。
蝶番君は答えなさった。
ピンポンも楽しそうだけれど
その時間があるくらいなら
もっと合わせをしたい、とね。
ピンポンも楽しそうだけれど
その時間があるくらいなら
もっと合わせをしたい、とね。
いやいやいや・・・
そんなにまで合わせが好きなの? って
僕、遠い目んなった。
この人たち絶対普通じゃないって思った。
怖い怖い怖い・・・
お姉ちゃまを見れば本当にそうね、と激しく納得して
また合わせをすることに決まった。
ガクッ
**
演奏してる人たちは変態さんだけど
うんと素敵さんなプログラムだから
聞きに行ってあげておくれね。
8月12日だよ!
で、僕の球拾いは?
lasalledeconcert at 06:21|Permalink│
July 08, 2012
僕が見たウザい女
僕、ブルゴーニュ。
新しくバレエシューズをおろしたね。
ほら、あの時買った2足3000円の片割れだヨ。
*僕が見た2足3000円
お姉ちゃまは新しい2足3000円を履いてコイビートの人とお出掛けした。それでもって僕の予想通り、2足3000円だったと自慢そうに発表した。あ〜あ〜・・・
**
大っきなお声じゃあ言えないけどね、僕前っから思ってたの。
僕のお姉ちゃま、恋愛も変態さんぽいなあってね。
コイビートの人が使ったクズを集めっちまうのは、おうちん中のコトだからいいけどさ
?僕が見た小箱の中身
お外じゃあ僕恥ずかしいの。
お別れのたび毎に泣きそうんなってさ。うんとこさお名残を惜しむんだ。
1年も南極観測へ旅立っちまう風なありさまだからね、僕お友達に問われっちまったの。あまりしばしばは会うことができないの? いつも駅のお別れだけど遠距離恋愛なの? それとも何か事情があるの? ってね。
いやいやいや・・・
遠距離でもなければ、これっぽっちの事情もありやしないんだ。
3日もすれば会えるんだのに涙を浮かべてお別れを惜しむんだ。
なんだかなあ・・・
みんなも駅ホームで涙を溜めて電車を追いかけてるお姉ちゃまが居たらば、見て見ぬふりをしてやっておくれね。
*不思議な駅(11)2度目の出逢い
《私は階段を駆け上がる。
ホームに現れる姿を
見逃さぬよう駆け上がる。
階段下で背中を送った寂しさの分、
数秒後にホームを隔て再会するのが嬉しい。》
ホームに現れる姿を
見逃さぬよう駆け上がる。
階段下で背中を送った寂しさの分、
数秒後にホームを隔て再会するのが嬉しい。》
なんだそりゃ? 怖い怖い怖い・・・
ただの変態さんのウザい女ってやつだね。うへっ
**
自動車ん中じゃあ景色も見ずに運転席を眺め、
電車ん中じゃあお席が空いていてもペットリ詰めて、
おまけに両腕まで絡めて座っちまう。
ウザッ
大抵のフランス人なんて此うとしたものだけどね、
日本人なんだから四六時中ベタベタするのは止しなよって
僕忠告したのに聞いちゃいないんだ。
ご飯屋さんでもカッフェーでもペットリとお隣同士に座り、
挙げ句にはお茶を飲むにも腕を絡めなきゃ済まないらしい。
ウザいってば
僕、お姉ちゃまってもっとキリッとしたお人かと思ってたよ。
いい加減にしてほしいよね。僕ヤんなっちまう。
**
兎に角そうした内訳さ。
あまりウエットな調子で恋心を綴ると
不幸な恋かとご心配されっちまってね。
いやいやいや・・・
ぜんぜん違うんだ。
ベタ惚れしちまってるだけなんだ。
恥ずかしいね恥ずかしいね。
せんには朝に、早く会いたいのと泣いていたよ。
僕ね、慰めてあげながら次はいつ会うのって問うたんだ。
したら "今から" って答えるじゃあないか。ガクッ
僕すっかり馬鹿馬鹿しくなったけど、お顔には出さなかった。
飼い犬の立場ってものがあるからね。
要するに首ったけなんだ。
それでもってちょっぴり悲しい片想い風に綴るから
僕こうして解説を書くハメになるんだからね。
心配ないよ。
ただの馬鹿ップルなのさ。
lasalledeconcert at 06:38|Permalink│
June 23, 2012
僕が見た小箱の中身
僕、ブルゴーニュ。
女の人ってのは、どうして記念品を欲しがるんだろうね?
僕はワンコガムを貰うと一どきに食べっちまうけど、
パーシモンはちょっぴりだけを残して埋めておくんだ。
それでもって掘り返しては眺めて喜ぶの。
ワンコガムなんてものは食べる他には遣い道がないんだのにね、
女の子ワンコはどうやら取っておいて眺めるのが好きなんだ。
僕にはさっぱりわかんないけどね。
**
お姉ちゃまはワンコガムはプレゼントされてないけど
代わりにお土産のお団子なんかをよく頂く。
ワンコガムが一等美味しいのに、貰えなくて気の毒だね。
*お土産のエピソード
頂き物の外箱を取り置くのはね、まだいいよ。
頂いてない物を取り置くのはね、ちょっとどうかなあ。
僕ね、お姉ちゃまが大事にしてるフランスアンティーク小箱の中身にびっくりたまげた。酷く変態さんっぽい感じなのだあもの。
この銀紙の屑ってば何さ? って恐る恐る問うたの。
したらね、したらさ、やっぱり変態さんなお答えだった。
コイビートの人が遊びに来た日にテーブルに残した煙草の紙と言うじゃあないか。
いやいやいや・・・
怖い怖い怖い・・・
煙草を剥いた銀紙の切れっ端だよ?!
どうして屑を取り置くの? って僕泣きそうになって聞いた。
僕は素敵さんなお姉ちゃまが好きなのだあもの。
僕のお姉ちゃまが変態さんだなんて嬉しくないのだあもの。
けどお姉ちゃまは言うんだ。
煙草を開けて、銀紙を取払って、くしゃって捨てる性質と違ってるのが見えるから捨てられないんだってさ。無造作だけど汚らしくしない銀紙は、物じゃなくって、考えや性質の一端なんだとか言っちゃってさ。
僕にはよくわかんなかったけど、お姉ちゃまの方式に逆らわないことにしてるから黙っておいた。
最近じゃチョコレートの包み紙を宝物箱に増やしたね・・・
青い小さな包み紙がやっぱり綺麗に折られてたものだからね。
アリンコが来ても知んないよって言っておいた。
僕はお姉ちゃまの宝物が理解できないけどね、
1つだけわかるのは、変態さんなくらいに
コイビートの人が大好きだってコトだよ。
思い立ってパーシモンに問うてみたよ。
"僕が遊んだ小枝やなにかも大切に埋めてる? " ってね。
他所のワンコが埋めてっと気味が悪いけれど、僕の可愛いパーシモンが僕の物を埋めたり掘り出して眺めたりしてくれるのは笹薮じゃない。違ったかな、薮笹じゃないっていうんだっけね。
パーシモンは美味しそうな物しか埋めないって答えた。
僕ちょっとだけ、つまんない気持ちになった。
lasalledeconcert at 06:26|Permalink│
June 19, 2012
僕が見た恥ずかしい旅行
僕、ブルゴーニュ。
小町ってお名前の八重紫陽花だ。
僕らテレビを見てたらば言ってたよ。
電車ん中で、詰めれば座れそうな隙間があったらどうする? ってね。タレントさん達はおよそ同意見を仰ってた。
絶対言えないから我慢をするだとか、前に立って疲れた感じをアピールしてみるけど言うのは無理だとか、それでもって気づいてもらえないとムカっ腹が立つだとかね。
僕ワカルなあ!
思ってても言葉ってなかなか出てこないしね、
僕お座りしたいナンテお願いするのは恥ずかしいしさ、
ワンコは床でお座りなさいって言われるのが山の里だ。
違ったかな里の山だっけね。
お姉ちゃまは実に簡単だ。
"すみませ〜ん、詰めて頂いていいですか? "
即座に言っちまって、譲って頂くと
"どうもありがとお! "
って座席の左右全体に大っきなお声でお礼を言う。
それでもってさっさとご本を開くんだ。ノンストレスだ。
自分が座ってて、前にお人が立った場合も変わんない。
左右の座席へハキハキ言ってるね。
"ねえ少し詰めましょうか? "
それでもって立ってるお人にどうぞをする。
人間は自由だからね・・・
言いたくても言えない僕たちワンコとは違うんだ。
**
北陸デートでもやってたよね・・・
僕ね酷く恥ずかしい思いをしたんだよ。
時刻が不確定だった帰りは自由席で、半ば混み半ば空いていた。
2人掛け椅子が1席ずつ埋まってる具合だったよ。
ゆっくり車内を進みながら、小さいけれどハッキリ聞こえるお声で言い歩いた。
"ふたぁつ並んで空いてるトコロないかなあ? "
"お隣同士で座れるお席を探してまぁす。"
いやいやいや・・・
ダメダメダメ・・・
列車はお勤めに長距離特急を利用される男性ばかりでね、
彼らにとっちゃ、折角空いているのにわざわざ自分と同じ
オジチャンのお隣なんかに詰めたかないんだあもの。
我慢しなきゃなんないよね。
僕ら後から行ったのだからね。
み〜んな、お疲れで眠ってらっしゃるようだしね、
オジチャン同士で座る風に無理強いできないよね。
みなまでも車両を見歩いたけれど
いずれも2席の片側だけが塞がってた。
コイビートの人は静かに勧めなさったよ。
通路を隔てたお隣に座る? とね。
お姉ちゃま悲しそうに通路へ手を伸ばし
お指を絡ませて少しお声を張った。
"遠いね。お隣に座れないね。寂しいね。
どなたか代わって下さらないかしら? "
それでもって最後の "かしら? " でお隣席をじっと見た。
いやいやいや・・・
ムリムリムリ・・・
僕、本当に申し訳なくって一生懸命謝ったよ。
オジチャン、僕のお姉ちゃまがごめんねごめんね。
コイビートの人にも僕ペコペコ謝った。
お姉ちゃまが恥ずかしくってごめんねごめんね。
オジチャンはお目めをしばしばさせ、
コイビートの人は苦笑をこらえてた。
とうとうお姉ちゃまはコイビートの人の手を離し、
お隣席へ身体を向けてお顔をじっと覗き込んだ。
うわうわうわ・・・
ナイナイナイ・・・
なんてコトするんだろう!
オジチャン、僕のお姉ちゃまがごめんねごめんね。
お行儀はあとで僕が厳しく忠告するからね。
平身低頭で謝りながら僕、居たたまれなくなった。
オジチャンはもっと居たたまれなくなったんだね・・・
おもむろにお鞄を網棚から降ろすと
車両を変わってゆかれたね・・・
お姉ちゃまは満面の笑顔で感謝を述べた。
いやいやいや・・・
善意は無理に要求しちゃあならないよ!
**
僕ね、あれは最低だよってキビシク囁いたんだの。
したらね、最低な事してでも側に座りたかったってさ・・・
其うと言われっちまったら僕強くは言い返せなかった。
飼い犬の立場ってものがあるからね。
**
オジチャン、僕のお姉ちゃまをどうか許してやってね。
僕ワンコ学校に申し込んでお行儀を習わせるからね。
兎も角だよ・・・
僕が言いたいのはさ、
お姉ちゃまは嘘っこ書いてるってことさ。
《長距離列車の旅は好き。
シートに縛られるお陰でずぅっとお隣に座れて
列車が走る時間は誰にも邪魔をされずに
好きなだけおしゃべりできて。》
シートに縛られるお陰でずぅっとお隣に座れて
列車が走る時間は誰にも邪魔をされずに
好きなだけおしゃべりできて。》
*デートのキャンセル
此のさらりとした感じ、間違ってない?
あんなに強引に座席を獲得したくせにさ。
お姉ちゃまのブログってば、
嘘っこじゃないけど嘘っこだ。
?嘘っこと肉食
?僕が見た火垂の墓
?嘘っこと赤い実
?僕が30周年で見たこと
?僕が見たお別れとリスク
?僕が見た餃子
lasalledeconcert at 06:29|Permalink│
June 08, 2012
僕はお利口に憧れる
僕、ブルゴーニュ。
僕んちのお玄関だよ。
お出掛け前のお姉ちゃまだ。
僕ね、僕思ったの。何処遊びに行く格好さ? ってね。
お姉ちゃまは万年、遊び風な格好しかしていない。
TPOがわかってないんだ。恥ずかしいね恥ずかしいね。
こないだは生徒ちゃんのコンクールを聴きに行ったの。
他の先生方は皆様2つ揃えの上下などお召しだのにね
僕のお姉ちゃまったけヨットハーバーへゆく風だった。
ナンダカナァ・・・
僕はお姉ちゃまにお利口そうな格好をしてほしいの。
どの場面のお写真見ても少しばかり頭が弱そうでね・・・
僕は恥ずかしい思いをしてる。
**
写真の日は蝶番君と和声課題をするとかでお出掛けしたよ。
*楽譜表示:アストレ
*誠実な戦い
他パートに先行音を探して禁則避けたり、
付加和音の並べ方を替えたり、
お利口な事をしてるようだった。
目を閉じてお話を聞いてると
お利口そうに思えたんだよ。
"其れは下方変異。
2転で根音省略だから次は位置が違う。
此れは(下降限定進行音だから)上へ上がれないの。"
でもね、目を開くと何かが違った。
五線に書き込みながらチョコクロワッサンをパクついて、楽譜にバターの脂染みを付けてんの。あ〜あ〜・・・
それでもって五線に零れた粉砂糖を払って、ちゅうとお指を舐めてんの。あ〜あ〜・・・
全然お利口そうじゃないなあ!
僕のお姉ちゃま、どうしたらお利口になれるかなあ。
たくさんある僕の悩みの1つなの。
lasalledeconcert at 06:34|Permalink│
June 01, 2012
僕が見た2足3000円
僕、ブルゴーニュ。
お姉ちゃま、また安物買ってる!
あ〜あ〜、どうかと思うね。
ワンコ学校の先生はね、お靴だけは上等をお履きなさいって仰ったよ。お靴は身だしなみの内でとても大切ってね。
だから人間はお靴をよく磨き、
僕たちワンコは肉球を綺麗にしておく。
僕なんか自慢じゃないけど、とびきり上等の肉球だ。
それでもって自慢じゃないけどプニプニしてる。
お姉ちゃまは1900円の札に飛びついちまったね。
僕のプニプニと違ってスッカスカのお靴だ。
それでもって貼紙に《2足3000円! 》の文字を発見した。
僕のお姉ちゃま関西のオバチャンだからね・・・
1足1900円で2足3000円ならば
是が非でも2足を買おうとする。
特に欲しいのがなくても無理矢理にも
絶対に2足を選ぼうって決め込むのさ。
お得感!! ってものが重要なんだ。
僕ね、お姉ちゃまがセールのお籠ん中を引っくり返してる間、ちょっと目を伏せて待ってた。ワンコ公園のお友達に会いませんようにって願いながらね。
僕の願いは半分は叶い、半分は叶わなかった。
ワンコ公園のお友達は通りかからなかったけれど、
安心するのは早かったよ・・・
お得が大好きな関西のオバチャンが
お得感を満喫したらば、
次にどうするかって相場が決まってるんだね。
お値段を彼方此方で発表したがるんだ。
僕もう5回も聞いたね・・・
会う人ごとに自慢するのをね・・・
"ねぇね、見て見て! 2足3000円♪ "
それでもってお節介に勧めるんだ。
"あすこのお店よ。まだあったから行ってみてネ! "
**
僕ね、僕にはわからない。
お姉ちゃまは自慢そうに発表してるけど
僕はお値段を内緒にしておいてほしいの。
でも僕はお姉ちゃまの方式に逆らわないことにしてるから
黙っておくの。飼い犬の立場ってものがあるからね。
lasalledeconcert at 06:06|Permalink│
May 26, 2012
僕が聞いたシマシマヒストリー
僕、ブルゴーニュ。
シマシマヒストリーのおしゃべりをするよ。
お友達が問うているからね。
シマシマヒストリーってなぁに? ってさ。
**
コイビートの人の嫌いなものがある。
一つは植物的な事柄だ。
あれっ違ったっけね? 即物的だっけね。
即物的って植物的とは違ってるの?
僕にはよくわからないけどさ、
なにしろ即物的なのが嫌いなんだって。
嫌いなもののもう一つはシマシマだ。
変わってるなあ・・・
変わってるけど、どの道お姉ちゃまのコイビートなんて
変わったお人と相場が決まってるんだ。
なにしろコイビートの人はシマシマが大嫌いだの。
普段は穏やかだのに、シマシマに憎しみを露にする。
変わってるなあ・・・
**
ある日お姉ちゃま、木綿のワンピースを差して謝った。
お嫌いな縞模様を着ていてごめんなさい、ってね。
コイビートの人は穏やかに此れは縞じゃないって言った。
いやいやいや、シマシマだよ!
よぉく見るがいいね。こりゃあどう見たってシマシマだからねっ!
コイビートの人は、縦ストライプは好きだって言った。
お姉ちゃまのはとても上品で可愛いってさ。
はぁ?
それでもって嫌いなのは横縞であって、
縦ストライプは良い感じがすると言った。
優しいお人で良かったね〜
その後うっかりと横縞のワンピースを着ちまったんだよ。
エプロンのようなポッケが気に入ってるんだ。
お姉ちゃま、遠慮深そうに謝ったよ。
今度こそお嫌いな横縞でごめんなさい、ってね。
コイビートの人は穏やかに此れは横縞じゃないって言った。
いやいやいや、横縞だよ!
よぉく見るがいいね。誰が見たって絶対に横縞だからねっ!
コイビートの人は、細い横縞は良いって言った。
お姉ちゃまのは抑えた色でキュートだってさ。
はぁ?
それでもって嫌いなのは太いボーダーであって、
ごく細い横縞は良い感じがすると言った。
優しいお人で良かったね〜
水色のスカートに合わせるブラウスが
お洗濯に間に合わなかった日は仕方なかった。
お姉ちゃま、会うなりすぐに謝った。
一等お嫌いな太いボーダーになってごめんなさい、ってね。
コイビートの人は穏やかに此れはボーダーじゃないって言った。
いやいやいや、ボーダーだよ!
よぉく見るがいいね。誓って言うけど太いボーダーだからねっ!
コイビートの人は、僕の中では違うんだと主張した。
お姉ちゃまのはストンと長く柔らかくて可愛らしいってさ。
はぁ?
僕は馬鹿馬鹿しくなっちまってお耳を掻いた。
ナンダカナァ。
ま、ともかく優しいお人で良かったね〜
?僕が思う靴下と階段
?僕が思うコイビート
?僕が見た餃子
?僕が見た変身
lasalledeconcert at 07:05|Permalink│
May 22, 2012
僕が見た変身
僕、ブルゴーニュ。
みんな金環日食見た?
僕は見られなかったんだ。残念だなあ。
日食の時刻はお姉ちゃまが変身に労を費やしてたからね。
**
日曜日、僕らフルート・リハーサルへ行った。
お姉ちゃまの格好ったらなかったよ。
ジーンズにトレーナーで芸術文化センターへ走り込んだね。
あ〜あ〜・・・
僕ちょっとどうかと思ったよ。
忙しいのはわかるけどさ、あすこじゃあ皆様もっと素敵さんな格好をしてるんだのにね。僕恥ずかしかったよ。
お洋服も酷ければ、お顔も睡眠不足でボロボロんなってた。
正直この姿はナイなあ・・・って思った。
**
翌日にはデート予定があったんだの。
其んなボロボロじゃ嫌われっちまうよって僕心配んなった。
お姉ちゃまも此れはマズイと真剣に考えたみたい。翌朝は全力で変身に取りかかったね。早起きして幾時間もかけたねえ!
あの酷いレベルから変身するには技術と時間が必要なんだ。
本当は若さも必要だけど、ソコんとこは言いっこなしだ。
トリートメントもばっちりやってオモムロにお肌のお手入れなど始めた。あれっ!
脚のお爪の先っぽまで念入りにヤスリを当て、ペディキュアを綺麗に塗った。あれっ!
裾レースに丁寧にアイロン掛けしたワンピースや刺繍のハンカチにも薔薇のコロンを振った。あれっ!
僕どんどん変身してくお姉ちゃまを唖然と見てたの。
前の日とほとんど別人に化けてった。怖い怖い。
バッグを綺麗に拭くと、小銭も整えて、持ち物を揃えた。
洗い髪を入念にカールして、フランスのお帽子をかむった。
全力で劣化を誤摩化して、
足りない処は気合いで補った。
表面の老いはひた隠しに隠し、
メイク技術は年の功を利用した。
僕ね、前日リハのぐだぐだトレーナー姿と
前夜のぐだぐだユニクロ・ルームウエア姿を
しみじみ思い起こしながら眺めたよ。
女の人の化け方はハンパない。
コイビートの人は騙されてる。
気の毒だね気の毒だね。
lasalledeconcert at 08:11|Permalink│
May 17, 2012
僕が見た1680円とユニクロ
僕、ブルゴーニュ。
昨日のカラン・コロンのお話つまんないよぉ。
僕のブログの方が人気がいいんだ。大きなお声じゃ言えないけどね。今日は僕が見たコトおしゃべりするよ。
**
2月ほど前だっけね、お姉ちゃまはジーンズを買ったよ。
1680円だったね。僕はもうちょっぴり良いジーンズにするがいいねって忠告したけれど、お姉ちゃまケチんぼだから1680円の魅力に負けたに違いないね。
僕は少し不安だった。1680円はいいけどさ、色落ちなどしないかなあってね。
僕が生まれた時っから着てる毛皮はほんの時たま色落ちする。せんにお山のドロで遊んだあとシャンプーしたらば黒っぽいお水が出たの。それっからフランスで沼遊びに連れてって貰った後もシャンプーの泡が黒っぽかった。
漱ぎ湯が黒っぽくなるのは僕の毛皮が色落ちするせいと教わって、僕泣きそうになったんだ。ずっと後で僕お姉ちゃまに騙されてたって知った。ひどいや!
**
ともかく1680円のジーンズは僕の予想を裏切って色落ちはしなかった。代わりに伸びた、伸びたねえ!
お洗濯の度に言ってたよ。
"ジーンズがまた育ってるワ・・・"
ってね。
それで僕、ジーンズも草木のように育つって知ったんだ。
SSサイズがMサイズくらいに育ったの。ムクムクとね。違った、スクスクとね。
育ち過ぎてパジャマのようにカパカパな有様で履き難くなっちまった。
**
懲りたようでケチんぼなお姉ちゃまも、少しお高いジーンズにすると決めた風だった。僕らまたジーンズ買いにお出掛けする運びとなったんだ。
僕は高級デニム店へ行くのを夢見てたんだのに、お姉ちゃま迷いなくユニクロへ入ってったよ。
そりゃあね、1680円に比べればユニクロの3990円は倍以上だけどさ・・・お姉ちゃまがユニクロを気に入ってるから僕は何も言わない。
ユニクロは22インチからしか無いんだのに、今のカパカパよりはスリムに違いないわと決めてかかってお買い物籠へ入れちまった。
ピッタリと履けるのかな? って僕は不安に思ったけどお姉ちゃまの方式に逆らわないことにしてるから黙ってたんだ・・・
**
おうちに帰って1680円と並べ比べた。
うっかり言っちゃいそうになったよ。
"ねえ此れ、育ったジーンズより更に大きくない? "
僕は必死に其の言葉を飲み込んだ。
空気読むのは飼い犬の重要なお勤めだからね。
横目で見るとお姉ちゃま、お首を傾げたまま沈黙してた。
そんなわけで僕らのクローゼットには
カパカパのジーンズが2本ある。
ガクッ
lasalledeconcert at 06:28|Permalink│
May 14, 2012
僕が知ってるトリオとメガ
僕、ブルゴーニュ。
フランスのブラウスだ。
お袖を通さないからとカワウソちゃんに上げてたね。
裾の布が長〜いおリボンになって、前でも脇でも結べるんだ。
サテン地で柔らかくって、パリィのタグが付いている。
クローゼット整理で押付けたに違いないって思うけどね、
ソコんとこは言いっこなしさ。
**
僕ら今トリオババールのお稽古に忙殺されてる。
僕だって応援で忙しいんだ。
3公演もするコトになった事情、僕知ってるよ。
お姉ちゃまがお馬鹿を言ったのが始まりさ。
"5時間くらい弾きたいワ♪ " ってね。
いやいやいや・・・
蝶番君は空気が抜けたように笑い、カワウソちゃんは "へっ? " ってカタマった。
お姉ちゃまね、コンサートの毎愚痴を漏らしていたんだの。
弾きたい曲がちっとも弾き切れないワってさ。
1時間半以内など指定があるコンサートじゃあアンコールや休憩を差し引けば、せいぜい前後半35分ずつで何も弾けないとね・・・
僕は充分だって思うけどお姉ちゃまはタイムウオッチと首っぴきで悩んでたね。此の曲もあの曲も入らないと悲しんでた。
リサイタルばかりは自由になるからボリューム満点のプログラムに仕立てるけれど、アンサンブルのお仕事はいつだって指定時間内におさめる必要があったんだ。
**
思う存分演奏したいと提案したお姉ちゃまは、
バロックからロマンを経て近代まで全部弾きたいって主張した。
僕ね正直、はぁ? って思ったけど黙っておいた。
僕はお姉ちゃまの方式に逆らわないことにしてるからね。
総計4時間くらいなら2人も付き合ってくれそうで、
午前から夕刻まで弾くトリオが成立したんだ。
あ〜あ〜、僕知らないよ・・・
**
それでもって案の定だ。
リサイタル終わったらお昼寝できるって待ってたんだのにね、
また1日中ピアノ室で応援することになっちまった。うへっ
ところがだよ。ところがお姉ちゃまさ、
曲目を書きつけたお帳面を眺めて溜息をつき始めたの。
"やっぱり4時間じゃ弾きたい曲が全部できないわね・・・"
いやいやいや・・・
其んなわけで7月1日のトリオババールで入り切らない曲を
8月12日のデュオ・ババールで演奏するみたいだ。うへっ
**
お姉ちゃまの変態っぷりは音楽に限ったことじゃない。
僅か2度をお世話になったピンポンも酷かったんだ・・・
僕ね、ピンポンのイメージを間違えていたみたいなの。
楽しくピング〜・ポング〜と打ち合うって思ってたよ。
プロ級のツバメ君とのお稽古はアキレス腱伸ばしから始まった。
ボール回転方向のレクチャーを受け、素振り練習が続いた。
何球も同じ回転で同じ場所に返すお稽古をして、フォームを直して頂いて、ラケットを握る力を球に合わせてくよう伺った。
僕ね、ちょっとお目々がテンになったよ。
お姉ちゃまのお友達ってやっぱ皆こうなのかな・・・
ツバメ君は初めの基礎練習がとても重要と仰った。
素人同士で打ち合っているとフォームが乱れるからと集中練習を施して下さった。お姉ちゃまはハイッって良いご返事をして妙にハマリ込んでんだ。
予約時刻が過ぎたあとツバメ君は延長しますかと尋ねなさった。
お姉ちゃまご返事したね・・・
"5時間延長でも大丈夫です。"
いやいやいや・・・
ちょっと目を離すと何でもメガ盛りにしちまうんだの。
*盛る
そういや昨日はメガ盛りでぶ厚いご本を買い占めてたよ。
なんだっけな、モンテスキューとかいったっけね。
それっから大いに愛してるプラトンを全集で買ってんの。
お陰で僕んちの本箱はメガ盛りになっちまった。
それでもってお財布はペッタンコに寂しくなったんだ。
lasalledeconcert at 06:34|Permalink│
May 09, 2012
僕が聞いたセクハラのこと
僕、ブルゴーニュ。
5月だのに肌寒いね!
先日お仕事のお人と話してるの、僕聞いたんだ。
お姉ちゃま気の毒なんだよ。
日頃からお人に褒められたためしがナイんだって。
何やら褒められたいと思うほうじゃないし、褒められるようにできてないのは確かだけど、まあ時々は頑張ったねってくらい言われてみたいものだと愚痴を言った。
"でもね、その代わりイイコトもあるの♪ "
気を取り直して続けたよ。
"褒められない代わりに興味も持たれないから、ややっこしいお人に口説かれたりもナイのよ。
世間で女癖が酷く悪いとされてる人と一緒に居ても口説かれたコトがないし、みんながセクハラを受けたって騒ぐような人と接しても、若い時から一度だってないんダ。"
そうだね、お姉ちゃまよく言ってるよね。
世間でよくセクハラとかって聞くけれど
私は一度もないわねえってさ。
セクハラはうんと嫌なものだろうけどね、
ただの1度もないってのは、それはそれで複雑みたい。
私、女じゃないのかなあって悩んでた。
お相手はハァ〜って息ついて答えなさった。
-- 落合さんホンマに外人やから、多分口説かれてても何にも感じてないんでしょうね。日本人が口説いても、口説かれてるうちに入ってないんでしょうし。
-- 服をちょっといい色やね、って言われただけで褒められた・似合ってるって言われたと思う人も居るし、褒められてても全然気づいてない人も居るし・・・外人やからね。
お姉ちゃま反論をした。
"そうかなあ? コンサートのドレスもね、
綺麗なドレスねって誰にも言ってもらえないのよ。
似合ってないのかなあ・・・高かったのにナ・・・"
-- いやいや、僕言いましたよ!
"え? ホント? 何て言ったっけ? "
-- ほら。やっぱり聞いてないんや・・・
**
そんなわけで僕思ったの。
お姉ちゃまだって若い頃はドレスを褒められたコトも、ひょっとしたらあったんじゃあないかな? きっと聞いてなかったんだ。セクハラだって昔には1度っくらいあったかもしんないよ? きっと聞いてなかったんだ。
聞いてなくて素通りしてたに違いないよ。
それったから外人とか言われっちまったじゃあないか。
だからさお姉ちゃま。セクハラ経験もないとか、わけわかんない変テコな悩みは止してよって僕思うよ。
lasalledeconcert at 06:00|Permalink│
May 06, 2012
僕が見た虫取り網
僕、ブルゴーニュ。
みんなリハーサルって見たことある?
ワンコ公園のお友達ワンコは見たことないって言ってた。
(お姉ちゃまのマック使い難いよ!
ワンコ公園って書いたらば "後援" って変換されっちまう。
次を押すと "公演" だってさ。うへっ)
僕はどんな風か知ってるよ。
幾時間も大層なものでね、僕は疲れっちまうんだの。
ソロもアンサンブルもリハーサルに出向く前に早起きしてお稽古を聞くの。其の前だって僕、色々大変なんだ。
朝暗いうちに髪をアップに作るのを見なきゃなんないでしょう。
それでもってメイクも普段より長くかかる。
お化粧台の色々をずっと見たらば、お荷物の確認だ。
僕はお鞄やドレスバッグにお鼻先を順に突っ込んで
お姉ちゃまと一緒に持ち物を確かめる。
それっからお稽古さ。また此れが長いんだ〜
普段よりゆっくりなテンポで確かめるように弾いていっては部分練習をすると、1時間半のプログラムで3時間がかかる。
僕はあくびを噛み下しながら熱心に聞いてるフリをする。
リハーサルにお出掛けしたらば早速に通し稽古だ。やれやれ。
僕も暗譜しちっまうほど聞いているし、もう練習はいいよ って思うけど口出しはしない。飼い犬の立場とか色々あるからね。
**
ピアノリハーサルの合間には実に色んな事がある。
ピアノ位置やマイク位置を決めたり変えたり微調整をしたりね。僕此れは好きだな。何故って色んな人が入れ替わり立ち代わり来るもの。お姉ちゃまはその都度お稽古が中断になってお顔がカタマってくるけれど、僕は楽しい。
太さが異なるマイクとマイクスタンドとを合わせたり、高さ調節をしてはブースと音量をやり取りしたりする。マイクコードはお庭で遊ぶお紐つきオモチャと違うから触らないよう子犬ん時に教わったよ。
ライトのテストをして鍵盤上の影の具合で気になるところなど調整する。其う此うするうちお花のお箱など届いたり電報を届けて下さる方がいらっしたりする。
当日プログラムの確認に呼ばれたり、閉鎖ドアーの場所を取決めたりを終えると、段取りをスタッフの人と一緒に確かめるね。
リハーサル中の札を何時に外すだとか、楽屋への通路設営だとか、場面場面で変化する備えを確かめ合うんだ。
其ういった様子を僕じっとお利口に見てなきゃあなんなくって、3時間もすればクタクタに疲れっちまう。おうちで3時間、移動後に会場で3時間ってのは、僕にはなかなか厳しいんだ。ふう。
**
最後に拾い調律をするうちに着替えをして、お次は短くドレスリハーサルだ。
僕はもうクタクタだ。起っきしてから数えれば、いよいよ9時間も過ぎようってところだからね。
お姉ちゃまは其ういった全部のあとにコンサートだけれど、始まったら僕は寝なきゃもたないや! って思った。
**
ヘトヘトの僕らは楽屋に戻ろうとドアーを開けた。
お姉ちゃまは楽譜の最終確認に急いでて、僕は開演すれば横になるつもりのカーペットを求めて急いでた。
ぶうううん・・・ぶううん・・・ぶううん・・・
いや・・・
いやいやいや・・・・
シンとした白い楽屋に実に似合わない来客だった。
蜂だ。
僕らは急いでいたけれど蜂はもっと慌ててる様子だったよ。
物凄い羽音で唸りながら、出口を求め酷いスピードで楽屋中を暴走してた・・・
ドアーを開けたお姉ちゃまは、唸りながら大暴走する蜂を見ると、能面のような無表情になって再びドアーを閉めた。
ああ他に何ができただろう。
舞台へ舞い戻りおもむろにマイクをONにして呼ばわった。
"誰かっ! 楽屋の蜂、なんとかしてください・・・"
ああ他に何が言えただろう。
スタッフさんがダッシュで登場しなさった。手には燦然と輝く虫取り網だ。なかなか楽屋で虫取り網は見られないものだから貴重な体験だ。もう一方の手には網を押さえるガムテープだ。原始的だけど効果的なグッズだなって僕感心した。
蜂は捕まらず、とうとう見つからなくなってしまった。
スタッフさんはドレスの中に入ったかもしれないと言い出して、ドレスを叩き始めた。
僕ちょっとカタマってお姉ちゃまを見ると、能面風の無表情で虫取り網の記念撮影をしてた。賢明な選択だって思った。
ああ他に何が選べただろう。
蜂入りドレスを着るか、本番前に繊細な黒レースのドレスがガンガン叩かれっちまうかって究極の選択を迫られたピアニストにとっては、無表情に記念撮影をする以外に道はないんだ。
本番が始まった。
僕はグッタリ疲れて爆睡した。
リハーサルってうんとこさ疲れるものなんだ・・・
**
僕は今朝もまだまだ疲れが残ってる。
お姉ちゃまは新しい譜をたくさん積み上げて元気にお稽古だ。
ガクッ
lasalledeconcert at 06:41|Permalink│
April 29, 2012
僕が思うコイビート
僕、ブルゴーニュ。
お帽子、デカッ!
デート前にはしゃいでリビングルームで撮ってたね。
遠出のようで僕は連れてってもらえなかったの。ちぇっ
僕はお帽子が絶対に大っき過ぎるって思うけど、お姉ちゃまが気に入ってるから何も言わない。僕はお姉ちゃまの方式に逆らわないことにしてるからね。飼い犬の立場ってものがあるんだ。
内心は僕だって色々考える。
いいお年なんだから、木綿のワンピースとか麦わらとかは、少々痛い感じがするしさ。若作りもあまり酷いと、気持ちがご病気のお人の風で僕恥ずかしいの。
でもお姉ちゃまは自由だから気にしない。高齢にそぐわなくても好きなお洋服着て、好きなだけ大っきなお帽子被るんだ。うへっ
デート報告1つも僕は困惑してる。
ぶっちゃけ呼び方に困ってる。
せんにお付き合いしたお人はコイビートの人ってお名前だった。
今度の階段の恋のお人はどう呼ぶのさ? って困惑する。
また同じ呼び方だと変テコかしらん? って恐る恐る問うてみた。
したらねブルゴーニュ君の好きなお名前で良いわって言われた。
丸投げかよ!
きっとさ、お姉ちゃまだって困ってたに違いないよ。
コイビート1世2世なんてのは上品な事じゃあないからね。
いつまでもお名前が決まんないと遣り難いから、僕は今度もやっぱりコイビートの人って呼ぶことに決めたのさ。
**
それでデートはどうだったの? って聞いてみた。
僕ね、お帽子大っき過ぎって叱られたに違いないって思った。
笑ってお帽子つっつかれたけど、変テコって言われなかったと報告を受けたよ。あ〜、そっか。コイビートの人もセンスがどうかしてるからね。
だってコイビートの人ってシマシマヒストリーのお人でしょう?
シマシマヒストリーのことはまた今度書くよ。
**
5月3日は神戸布引ハーブ園でリサイタルだよ。
僕も行くかもしんないから聞きに来てネ!
lasalledeconcert at 06:35|Permalink│
April 26, 2012
僕が見た2ショット
(撮影者:Bow-K様)
僕、ブルゴーニュ。
ピアニストの青井センセだね。
僕のお姉ちゃま演奏家さんのプロフィールに興味ないみたい。
青井センセのコンサートへ行ってもプロフィールはずっと飛ばし読んじまってた。
だから青井センセが師事した東京芸大の教授欄に僕らの親戚の名前を発見したのは知り合って10年以上も後だった。
其ういったご縁もあってお姉ちゃまは打ち解けておしゃべりする。僕ね、僕はセンセってちょっと変わってるって思うけど、どの道お姉ちゃまのお知り合いなんて皆変わってるんだ。
**
青井センセはカメラの前で並び何やらきゃあきゃあ仰った。
"僕一緒に弾いたよね。連弾だったの。上手くいったよね。
僕も弾いたの。ライブ楽しかったね。"
お姉ちゃまのソロライブだよ!
センセは弾いてないよ! って僕言いたかった。
でもお姉ちゃまは見守りながら相槌を打った。
-- そうよね。彰タン弾いたね。
"コンサート良かったよね。僕、ちゃんと出来てた? "
-- 彰タンすごく上手だったよ。
僕びっくりしてお目々がテンになった。
眺めてた蝶番君もお目々テンになってた。
したらお姉ちゃま教えてくれたよ。
青井センセはとっても繊細なんだって。コンサートをしていないのに出演者風に写るのが恥ずかしいんだって。だから連弾したことにするごっこ遊びが繊細な心には必要なんだ。
なにしろセンセは真剣にごっこ遊びをしなさって、
お姉ちゃまは真剣にごっこ遊びに付き合ってあげてた。
僕はセンセの繊細な心の表現が今ひとつわかんなかったから、
黙ってお耳を掻いた。芸術家さんは正直僕にはわかんない。
(撮影者:leonarhodo様)
ごっこ遊びに満足するとセンセは再び何やらきゃあきゃあと仰った。撮る方向が悪いとセンセの方がお姉ちゃまより太って写るから困ると、きゃあきゃあ文句を出していた。
いやいやいや・・・お姉ちゃまより太って写るって・・・
それって方向とか写り方の問題カナ? って僕思ったけど、
失礼になるから黙っておいた。
お姉ちゃま、男の子君は気にしなくて大丈夫よ、って優しくあしらってたけれど、是が非でもスリムに写りたいセンセはゴソゴソ後ろに下がり、お姉ちゃまを前に出させて2つ目の写真の格好に満足しなさった。
お姉ちゃまのドレスの裾を踏みつけてるのに気づかぬまま、
少し痩せて写るだろう期待で満面の笑みにおなりだった。
なんだかなあ・・・
なにしろお姉ちゃまは青井センセが大好きで、
此うしたプチ女子会風を楽しんでる。
なんだかなあ・・・
lasalledeconcert at 06:13|Permalink│
April 23, 2012
僕が見たライブ
(撮影者:leonarhodo様)
僕、ブルゴーニュ。
僕らライブにお出掛けしたよ。
リハーサル前から声楽の小村亮三先生がお越しだった。
さっ、お姉ちゃま、よくご挨拶するんだよ。
"わぁ〜♪ センセ! "
いやいやいや・・・
わぁじゃないよ。お久にお目にかかれて嬉しゅうございますって申し上げるんだよ。
お姉ちゃま酷い上がり症で、気の毒に此の日も緊張のあまりお腹が痛くて震えも止まらない始末だったからね、小村先生やPJオーナーがほぐしてやろうとご親切な軽口を仰っていた。
まるきりの嘘っこなご冗談さ。
ドレスが100万に見えるとかね、
中身が素晴らしいからだとかね、
中身は100万じゃあなくって1000万だとかね、
さっ、お姉ちゃま、有りもしない軽口で慰めて下さっているのだから謙遜にお礼を申さなきゃね。嘘っこ仰ってほぐそうとして下さってる思いやりをお受けしようね。
"中身1000万? 安っ! "
いやいやいや・・・
安っじゃないよ。命のお値段と仰ってるんじゃあないしね。
恥ずかしいね恥ずかしいね。関西のオバチャンだからね。
**
ショパンを教わってる蝶番君がいらっしてリハーサルが済んだ。
いよいよ本番だ!
真面目な解説を終えた後にアレっ? って首を傾げた。
オモムロにマイクスイッチを入れ "スイッチ入れずにお話してました。" と、それだけがマイクを通したお声になった。
笑われてる笑われてる・・・恥ずかしいね恥ずかしいね。
ファーストステージ2度目の解説に立った時は、弦を張り替えたばかりで緩んできたらフェルトを入れ直すのでご容赦下さいとご説明した。
それっから、弦のお陰で間違えたときの言い訳ができたのを喜んでると要らぬコメントをした。
笑われてる笑われてる・・・恥ずかしいね恥ずかしいね。
お次はマイクスイッチを入れるよう気をつけたものの切り忘れ、前席のお客様が御親切に切って下さってるの。上がってしまってわけがわかってないんだ。
笑われてる笑われてる・・・恥ずかしいね恥ずかしいね。
**
僕は居たたまれなかったけれど、休憩になりホッとしたの。
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ところが休憩中、急にマイクを握った。
なんでも平清盛の御著書を出された先生もいらっしたそうでね、お姉ちゃま舞い上がってご紹介した。
あろうことか、敦盛の段を突然マイクで暗唱し始めたんだ。
余程浮かれていたんだね・・・
清盛の甥ですよね♪ とか言って、"あはれ弓矢とる身ほど〜口惜しかりけるものはなし〜" って思い入れたっぷりに長い暗唱が出た。
あ〜あ〜・・・
お客様唖然としなさってるし、皆様リアクションできてないしさ
僕もうどうしていいかわかんなくなった。
**
セカンドステージを終えたお姉ちゃま、皆様へお礼を述べた。
それでもって本番前は常に不安なものですが・・・と真面目にお話を始めたよ。
この度もっとも不安だったのはドレスの前がズレて落ちないかということでしたとね・・・。もぉ! そのコメントも要らないから!
笑われてる笑われてる・・・恥ずかしいね恥ずかしいね。
**
終演しやっとこさ緊張から開放された途端の無節操だ。
上がって演奏もトークも何もかもわかんなくなってるお姉ちゃまも恥ずかしいけど、終わって正気に戻ったお姉ちゃまは僕もっと恥ずかしいよ。
お姉ちゃまが "機敏な身のこなしがカッコいい♪ " って言ってるお客様の処へ直進してトリオ・ババールのチケット売りつけ始めたね・・・
あ〜あ〜、僕のお姉ちゃまがごめんねごめんね。
カッコイイの信号が脳へ回るより先に直行してるからね。
僕ワンコ学校の躾の先生にご相談しようと思う。
lasalledeconcert at 06:46|Permalink│
April 17, 2012
僕が見たひじき
僕、ブルゴーニュ。
僕忠告したんだ。
難しいコトばっか書くとブログ人気が下がっちまうよってね。
大っきなお声じゃ言えないけど僕のほうが人気が良いしね、
もっと僕に書かせてくれるが良いと思うね。
お姉ちゃまってば週頭からパラン・ポロンだしさ。
違ったかな、カラン・コロンだっけね。
*ショパンとロマン・ロラン
**
ソロのお稽古に勤しんでる間もババール合わせは続いてる。
お姉ちゃまババールが大好きなの。ソロの息抜きはアンサンブルに限るって言ってたよ。
その日カワウソちゃんが先に着いたね。
お昼頃だったからカワウソちゃん元気良く言ったんだ。
"さっきスーパーで買ってきたもの食べていいですかあ? "
お姉ちゃま、あら何か買ってきたの? どうぞ、パイも焼いたのよと促してシナモンティーを用意した。
形は悪くなっちまったけれどね、お味は確かなベリーパイを焼いたんだ。
カワウソちゃん、ハーイと元気良くお鞄からお惣菜パックを取り出したの。お姉ちゃまはパチパチと忙しくまばたきをして、それなあに? と問うた。
"ひじきデス! "
いやいやいや・・・
ひじき?
いいけどさ・・・
お姉ちゃまは、ひじき? ひじきなの・・・? って呟いて
お茶淹れる手が止まってた。固まってる固まってる。
カワウソちゃんは元気良く割り箸パッチンと割って、
ビニールパックのままムシャムシャひじき食べ始めた。
いやいやいや・・・
パックのまま食べんの?
いいけどさ・・・
お姉ちゃまはどうして良いかわからなくなって
固まったまま何度もパチパチ瞬きしてたよ。
其処へ蝶番君がいらっした。
こんにちはと、きちんとご挨拶しなさった。
蝶番君はさ、いつもお行儀良くご挨拶しなさるけど変わってるんだ。前の日にお顔合わせてても、お元気ですか、とかって言いなさるんだ。僕ちょっと天然のお人みたいだなあって思うの。
お迎えに出たお姉ちゃま、ご挨拶も返さず言ったよ。
"カワウソちゃんが・・・カワウソちゃんが・・・
ひじき食べてるんです。"
まあねピアノ室へひじきが持ち込まれたのはお初だったからね、
お姉ちゃま驚愕を熱心に訴えた。
"ひじきなんです。パックのひじき。"
蝶番君は2秒ほど歩みを止めた後、静かにコメントした。
"ひじきは栄養価が高いですね。"
いやいやいや・・・
どうなんだろう、この3人。
お皿に移さずスーパーのパックごとひじきを先輩んちで喰らってる不思議ちゃんのチェロと、和食を頂かない変わった日本人でシナモンティー前のひじきに軽くパニックしてるピアノと、静かに天然なコメントするファゴットって、どうなんだろうって僕悩んじまった。
正直、全員普通じゃないって思った。
**
ピアノ室に3人揃ったよ。
カワウソちゃんはお鞄のアボカドを食べようか、先にお姉ちゃまのパイを食べようか迷ってた。
"アボカドも持ってきたの? どうやって食べようとしてるの? "
恐る恐るお姉ちゃまが問うとカワウソちゃん元気良く答えたね。
こないだは楽屋でアボカドに納豆掛けて美味しかったってさ。
いやいやいや・・・
楽屋で納豆?
いいけどさ・・・
蝶番君はカワウソちゃんに "栄養摂ってるね。" と静かに言った。
いやいやいや・・・
そこがポイントかしらん?
いいけどさ・・・
カワウソちゃんはイタダキマ〜スと元気にパイを頬張り、蝶番君は時々パイに目をやるものの、合わせ中降り番になっても何時間も手を伸ばさなかった。
召し上がらないんですか? って数時間後に問えば、
いいんですかとちょっと嬉しそうに答えなさったよ。
いやいやいや・・・
勿論いいんだよ。
みんなの分を焼いたのだあもの・・・
カワウソちゃんはすぐお口に入れたので、自然に蝶番君も上がるだろうとわざわざお勧めしなかったからね、食べて良いかわかんなかったんだ。黙ってパイ眺めてんだ。やっぱ天然かなあ?
僕は独特過ぎるトリオババール大丈夫? って心配だけどね、
当人たちは、うんとこさ楽しそうで仲良しだ。
lasalledeconcert at 06:30|Permalink│