ロス・ブラウン 「他のチームの身勝手さがスーパーアグリを殺した」

ホンダのチーム代表は、日本の弱小チームは他のチームが救いの手を差し延べなかったために挫折したと断言している。

ロス・ブラウンは、スーパーアグリの撤退は、他のチームがF1の健全性よりも自己保存本能を優先させたためだと述べた。

スーパーアグリは、予定されていたふたつの買収契約が実現せず、今月初めに撤退した。ブラウンによると、スーパーアグリは2006年以来親会社のホンダから「顧客」扱いを受け、ブラックレーのチームのシャシーの旧式マシンで参戦したことから、F1におけるカスタマー・マシンの使用について以前から反対していたチームは、F1のニーズよりも自らのニーズを優先させたと主張している。

トルコGP前にスーパーアグリが撤退したため、2005年以来初めてグリッドに20台のマシンしか並ばなかった。非マニュファクチャラーは、ウィリアムズ、レッドブル・レーシング、スクーデリア・トロ・ロッソ、フォース・インディアの8台のみとなった。レッドブルの総帥ディートリッヒ・マテシッツは、F1を支配するコンコルド協定が2010年以降、全チームは自らマシンを製造しなければならないとして、カスタマー・マシンをすべて違法化する前に、セカンドチームであるSTRを売却したいという希望を表明しており、独立チームはさらに減少する可能性がある。

この規約のため、F1最後の12番目の参戦権を獲得したプロドライブは、マクラーレンのカスタマー・マシンを使用する予定だったが、その後グランプリ参戦の野心を撤回した。ブラウンは、現行の規約によりリソースを持つ大手自動車会社しか新しいF1チームをつくれないと主張する。

ホンダのチーム代表はITVスポーツに「非コンストラクターが将来、競争力を持つ可能性を心配しているチームがいくつかある」と語った。「彼らは、そのような状況は（スポンサーシップの）レートを下げると感じていた」

「彼らはF1の利益よりも自己保存ばかり気にしていた」

「必要とされる投資や設備のために、プライベーターが参戦するのはとても難しいと思う。現時点では多くのマニュファクチャラーが生き残っているので、特にF1が市場を拡大する今後は他のマニュファクチャラーが生き残れない理由はない」と語った。

ホンダCEOのニック・フライも同じように考えており、F1は、過去10年間に登場したスーパーアグリ、プロスト、シムテック、パシフィック、フォルティ・コルセなどのように数年間だけ参戦するのではなく、当面の間存続できる資金を持った世界的な大手企業からの関心を集める努力をしなければならないと述べた。

そもそも規約にカスタマー・マシンを認める抜け穴があったのだが、ウィリアムズのような独立チームはこれに強く反対した。グローヴのチーム設立者フランク・ウィリアムズは、F1内の現在の経済情勢が、参戦候補者にとって最大の障壁であると主張している。レッドブル・レーシングのチーム代表クリスチャン・ホーナー、BMWのモータースポーツ・ディレクター、マリオ・タイセン博士も同じ意見であり、タイセンは急増するコストを再び抑制する緊急の必要性があると強調した。

ウィリアムズはITV-F1のインタビューで「プライベーターが参戦しようとすると、資金を集めることがいかに難しいかがわかるだろう。これが亜久里の問題だったと思う」と語った。「彼は資金を見つけることができなかったのだ」

「我々のチームにも日本人ドライバーがいるが、未だに日本からは1円のスポンサーシップさえ見つけることができない。そして、スポンサーシップ料はチームを設立するよりかなり安い」

来年FIAによって予算制限が導入される予定である。ドイツ誌 "Auto Motor und Sport" によると、これは3段階で実施されるという。2009年の予算上限は約1億5,000万ユーロ、2010年には1億3,000万ユーロ、そして2011年には1億1,000万ユーロに引き下げられると見られている。ドライバーおよびチーム代表の年俸、エンジン料、マーケティング費用などはこの制限には含まれないと見られている。

-Source: Crash.net
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