【巌窟王】:デュマ著 紙芝居を少年部の為に作る:その3/4の続きで最終回です。

　　
【　妻メルセデスと息子アルベールからの手紙を読んだフェルナンは、怒りに燃えて伯爵の屋敷に乗り込みました。　　　　　　　　　　　　　　「お見えになる頃だと、思っていましたよ・・」モンテ=クリスト伯爵は静かに言いました。「では,決闘の用意は出来ているのだな？」　「もちろんです・・付き添いなし、決闘しましょう・・お互いに,よく知った仲ですしね・・・」　　「貴様のような奴など,知らん！」　激しく怒るフェルナンを,伯爵は燃えるような瞳で、にらみつけ、サッと身をひるがえし,化粧室へ入って行きました。　残されたフェルナンは,わけが分からず、化粧室のドアをにらみ続けていましたが、やがて・・船乗りの服を着た男が,勢いよくドアから飛び出して来ました。　「げっ！　エッ・・エドモン=ダンテス！！　」　　フェルナンは,叫びました・・そして、のろのろと後ずさり、よろめきながら、その場を逃げ出したのです。・・・その夜・・フェルナンの屋敷では,１発の銃声がとどろいたのでした。】

　
【　そして時がたち・・マルセイユの港では,モレルさんの息子マクシミリアンが,父親の事業を引き継ぎ,仕事をしていました。　しかし,失敗ばかりで上手くいかずにマクシミリアンは悲しくなり,いつしか自殺をすることを考えはじめていたのです。　ある晩の事・・モンテ=クリスト伯爵が,マクシミリアンの部屋を訪ねてみると、彼は遺書を書いていました。　「マクシミリアンさん、早まったことはしないで下さい！」　モンテ=クリスト伯爵がは,心をこめてマクシミリアンに言いました。「希望も何もない・・この世で１番不幸な男の自殺をとめるのは、やめて下さい・・」　マクシミリアンは,ピストルを手にしようとしたが、それよりも早く伯爵が、マクシミリアンの身体を押さえました。　「やめなさい！自殺は,いけません！」　「僕が死ぬのを止める権利は,あなたには,ない！」　「いいえ、私は,この世で,ただ１人、モレルさんの息子である,あなたを死んでは,いけないと、とめる権利があります・・」　「どうして,僕の父の事をおっしゃるのです？・・」　突然、父親の名前を出され、マクシミリアンは驚いて、口ごもりました。　「あなたのお父さんを,お助けしたからです。赤い財布とファラオン号を,モレルさんに差し上げたからです。・・このエドモン=ダンテスが、小さな子供だった頃のあなたを、私のヒザの上で遊ばせたからなのです。」　　　マクシミリアンは、「はぁっ！あ！」・・と息をのんで、ひれふせしました。】

　　
　【そしてスグに、マクシミリアンは,部屋を飛び出し、涙を流し、声を詰まらせながら、妹のジュリーを呼びました。　「ジュリー！ジュリー！・・私たちの命の恩人だ！お父様を助けてくださった,お方だ！」　　ジュリーは、伯爵の腕に飛びつき・・マクシミリアンは,ひざまつき、感謝を述べました。　モンテ=クリスト伯爵は、「･･仕方ない･･一生、秘密にしておくつもりだったのに･･私は、あなたたちのお父様、モレルさんに昔,お世話になった、エドモン=ダンテスです。」】

【　それから数日後、マクシミリアンは、伯爵の用意した船で、モンテ=クリスト島に着きました。　　「約束通り、来てくれたのですね。」　　伯爵が,出迎え、２人は,握手を交わしましたが、マクシミリアンは,元気が,ありません。　「まだ、悲しみは,消えないのですか？　」　「･･･はい･･私は,やはり･･自殺を考えているのです･･･」　「よろしい、では,コチラに,いらっしゃい」　マクシミリアンは、このモンテ=クリスト島の,ほら穴に連れていかれました。・・・・・やがて・・まぶしい光が,マクシミリアンを包みました。　そうです、あの宝の部屋だったのです。　】

　　　
【　そこへマクシミリアンの婚約者バランティーヌが現れ、２人は,この幸運を,手を取り合い喜び、抱き合いました。やがて、海岸に出ると、空は朝焼けで・・赤々と燃えています。　　
　マクシミリアンは,空を仰ぎながら、伯爵が,どのようにして、命を救ってくれたのかバランティーヌに話しました。　その間に、空は,ぐんぐん明るさを増していきます。　「あらっ？・・船長のおじさん・・」　岩陰から船長のおじさんが,遠慮しがちに、２人に近づいて来ます。　船長は,２人に、伯爵から預かった手紙を差し出しました。　マクシミリアンは,急いで手紙を受け取ると、声を出して読みました。・・・あなた方の結婚のお祝いに、パリの屋敷と、この岩窟にある全ての宝を差し上げます。ソレを、貧しい人々にあげて欲しいからです。マクシミリアン君、生きる事の幸せは,死ぬ苦しみを,なめないと分からない。次の言葉をお忘れなく、まて、そして希望を持て！どうかお幸せに･･あなた方の友･･エドモン=ダンテス･･】

　
　【「伯爵はどこ？」　　２人が聞くと、船長のおじさんは,海を指差しました。　海と空の堺目辺りに、カモメのつばさくらいの帆が見えます。　「もう、お会い出来ないのだろうか・・？・・」　マクシミリアンの瞳に涙が浮かんできました。　それを見てバランティーヌが明るい声で勇気づけました。　「伯爵様は,おっしゃってましたわ。・・まて、そして希望を持て！ってね。」　
　　太陽がのぼり始め、海が,みわかに輝き始めました。　やがてヨットの影は光の中に溶け込んでしまいましたが、２人は,いつまでも,いつまでも,海の彼方を見つめていました。　】　　　　　　　　
　・・おしまい・・・【巌窟王】：デュマ著 紙芝居を少年部の為に作る！ラスト：その４（最終章）終わりです・・・・・尚、時あれば・・ヒマなときに、自分の【学生編】当過去ブログにも、当時の写真・数多くの！面白い・可愛い･画像・動画ありますので、どうか！楽しんで見てやって下さいませませ。　・・

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