日本でいま一番CDを売っているミュージシャン、と言えば、それが誰か大体の人は答えられるような状況だろう。AKB48というアイドルグループだ。ミリオンヒット(100万枚売り上げ)が過去のように出なくなった今の時代において、コンスタントにミリオンヒットを生み出している。

では問うけれど、AKB48がナンバーワンである部分はどこですか?と聞いてみると答えられる人はどれだけいるだろう。もっと突き詰めて言えば「歌が上手い」「ダンスが上手い」「チームワークが良い」といった要素はあんまり上がってこないんじゃないかと思ったりもする。

握手会をビジネスモデルに落とし込んだりしてCDを売れるようにしたりしているのは素晴らしいとは言えそれだけでここまで長持ちして売れているというものの決定的な説明にはならない。なんかよくわからないけれど売れているというのが正直なところではないか、と思う。

◎RIZINなどの格闘技にみる「強さ」への信頼度

話を別に移すと「RIZIN」という総合格闘技の団体がある。この格闘技団体で誰が一番強いのか。階級とか性別も色々ある中で言わせて頂くと、実績豊富な川尻選手や青木選手を破っているクロン・グレイシー(グレイシー一族だよ)か世界最強格闘技団体UFCの上位ランカーだった堀口選手になるだろうか。

しかし彼らを差し置いて人気の選手がいる。シュートボクシングの選手でありながらRIZIN女子格闘技のエースの地位に上り詰めたRENAと、ビッグマウスとビッグお腹(太ってるw)で上の階級の選手をなぎ倒す女子版ひとりモンスター路線、KINGレイナ。二人の女子格闘家、しかも「レーナ」が席巻している。この二人が技量で堀口やグレイシーをも人気では押しているといっても過言じゃない。強さこそが第一なはずの格闘技ですら、人気に与える力は強さ第一とは限らない。

ボクシングだって亀田や内藤あたりより強いチャンピオンが出てきているけれど、この二人を超えるようなフィーバーが生まれる気配はない。それどころかabemaで放送される亀田興毅vs素人マッチがボクシング界で注目されるニュースになっているというのが現実な訳で、、、

◎強さや技量は一つの型であって、応援する人を型にはめる方法をどうするかが問題。ロマンや弱者への応援も、型にはめる一つのやり方

もちろん強さが人気に直結するスポーツはある。陸上競技の短距離、とくに100mほど世界記録に注目する競技はないだろう。理由はシンプルに記録=世界最速というわかりやすい数字が記録になるからだろうか。
ウサインボルトのキャラクターの豪快さや日本人初の9秒台への現実味も相まって、かなりの人気競技になっている。

ただやはりスターというものは最強というものとは近いようで遠い存在だと思っている。浅田真央が往年のように優勝できる力を持たなくなってしまったり、本田圭佑のように出ることすらままならなくなっても、若い実力者に簡単に取って代わることはない。
スタイルだったり存在感だったり、キャラクターだったり、持っているビジョンだったりが彼らを未だに現役のスターであることを許しているのだ。

◎あえていうなら近道は大胆さか?

あえていうなら人気者になりたいなら大胆に行動するのが一番いいのではないかなと思ってしまう。救いようのないストーリーだったり、闇の一面を見てしまうとエネルギーを使うし、少なくとも日本においては暗いより明るい方が注目されやすい。

理詰めで判定勝ち狙いより派手なKO。スモールベースボールよりホームラン。ゴロより三振。

まあでも世の中そう単純でもないからね。暗いという特性を活かして人気者であったりするケースもあるわけだし、スターになるのは難しいのだろうと思う。