20150603-08
 
 伊藤万理華初主演映画「アイズ」 公開を記念して、ニコニコ生放送で、中田花奈初主演のホラー映画「デスブログ」が放送された。ニコニコでは動画の公開後にアンケートが実施されるが、その結果、「良くなかった」が92%という驚異的な数値をたたき出したようだ。

 ホラー映画が苦手でたまらない自分だが、「いやいやそれは言い過ぎでしょー」と、かなりんを擁護するため色眼鏡全開で見ることを決意。つい先ほど見終わった。



 結論として、これはどうがんばっても擁護できない。かなりんにしても、「かなりんのかなりんがよかった!」なんて感想だけを求めてはいないと思うので、ストレートに感じたことを書かせてもらう。



 さて、何から書こうか。いや、そもそも書くことある内容だったか。「超能力研究部の3人」のときも酷評(「超能力研究部の3人」感想。上げて、落とします。(後半ネタバレあり))してしまったが、あの映画はそれでも何かと心に引っかかるものがあった。決して成功したとは言い難いたが、フェイクドキュメンタリーの試みも冒険心があった。なにより物語として成立しているという前提がある。だからその物語に対して突っ込みがいれられる。


 その点でいえば、この「デスブログ」は物語がない。あるのかもしれないが、何一つ伝わってこない。「デスブログ」というおいしそうな素材をまるで調理できていない。ホラー映画とは? などという以前に、物語は? というところで評価できないのであれば、いったいこの映画とは何なのか。これはプロの仕事ではない。個人の価値観、かつ、無料で見ておいて断言するのは申し訳ないが、どういう気持ちでお金をとろうとしたのか。


 とくに後半はわけがわからない。構成が完全に破綻している。伏線を張り巡らしたすえの、あのラスト。「いやーよかった」なんて感想、どうがんばってもでてこない。監督はどういう意図でこの映画を作ったのだろう。何を見てほしかったのか、何を訴えたかったのか、何を感じ取ってほしかったのか。ぜひ聞かせてほしい。


 登場人物も薄っぺらい。キャラ設定に厚みがないから感情移入もできない。かなりんがどれだけ熱演しても、キャラそのものが立っていないせいで物語に没入できず、登場人物の「瞳」ではなく、「中田花奈」として映ってしまう。

 見ていて気持ち悪かったのがまさにその部分。キャラクターが物語を作るのではなく、物語ありきでキャラクターが作られているように感じた。だから予定調和の部分が多い。主人公の行動に疑問符がつくのも、物語を進めたいがためにキャラを無理やり動かしているせい。そのため主人公の感情の流れも一貫性がない。


 せっかくのかなりんの初主演映画。なんとか良いところを、と思ったが、それを探さなければいけないことに、この映画の本質があるように思う。そんなもの探すものではない。自然と伝わるものだ。それが伝わってこないのだから、ニコニコのアンケート結果は正しかったと言わざるを得ない。 


 非常に残念。本当にその一言。かなりんどうこうではなく、あの脚本、演出ではどんな名優が演じても結果は同じだったと思う。アイドル主演だからって手を抜いてないだろうな?と問い詰めたい気分。




 素人に言われたくないだろうが、作り手の端くれとして言わせてもらえるならば、本当に情けない。


 ホラー映画、アイドル映画、青春映画……。

 そんなジャンル以前にちゃんとした「物語」が見たかった。ちゃんとした「物語」を演じてほしかった。 


 酷評三昧になってしまったが、ただただ残念な気持ちになっただけの映画だった。



乃木坂46 ブログランキングへ