匿名希望様より短編小説をいただきました。

 内容は、先日のバレンタイン企画で話題沸騰だった”あの”妄想の続きです。今回はそちらも再掲しますので通してご覧ください。

 「私」をめぐる三角関係。男なら憧れるシチュエーションではありますが……実際にあったら怖い。


 20160218-01

乃木坂46「チョコを渡したいメンバーは?」 アンケート結果発表!より)


 アメフト型のチョコ用意して。

 ちはる(以下ち) 私(以下私)

 ちはるを呼び出して小走りに来るちはる。声を掛けて呼び止めて。

私『ちはる、ストップ!』
ち『なにぃ?聞こえないよ~』
私『今から投げるから受け取って!』

 アメフト型のチョコをちはるに向かって投げる。

ち『えっ.うそっ?』

 右にズレ、後方に下がってキャッチ

ち『もう‥.危ないなぁ‥これチョコじゃん?まさか?手作り!』
私『ナイスキャッチ!アメフト娘(笑)お見事。』
ち『もう食べ物を投げたらダメでしょう?私だから受け取れたけど。』
私『ちはるだから投げたの(笑)ちはるなら取ってくれると思ったから』
私『つまり、ちはるのハートにタッチダウンって事だよ。』
ち『えっ?どういう?そういう事なの?嬉しい、嬉しいけど‥』
私『いいよ、今日はチョコをちはるに渡した、いや投げたから(笑)』
ち『もう~もし落としてたらどうしたの(笑)』
私『そこは、ほら、ちはるだからさ(笑)』
ち『もう理由になってないからね』

 手をつなぎ仲良く歩き出す二人,迷彩模様のカッパを着て無言で見つめる女性が一人‥‥次回『憎しみが止まらない』に御期待ください。 



『憎しみが止まらない』

作:匿名希望


 そう‥話はバレンタイン当日まで遡る。
 迷彩模様のカッパを来て一人立っていた恋に破れかけた娘の話。

 出演 和田まあや 斎藤ちはる 彼

 あれ、ちーちゃん?まさか?ちーちゃんにチョコを渡すんだ?どうして?
 喜んで貰ってくれたじゃない?

 何で私じゃないのよ!ちーちゃんなの?
 まあやの心の叫びが聞こえる。

 まあやはちーちゃんと呼んでる。
 二人ともゴルフ同好会に所属している。
 ゴルフ歴はまあやの方が半年程長い。
 ちはるは後から入部してきたがゴルフが上手くなってきた。
 仲の良い二人が‥きっかけはチョコ?
 それとも‥

 三か月が過ぎ、バレンタイン当日、ちはるがチョコを喜んで貰う姿をまあやは見ていた‥ちはるは知るはずもなく‥

 翌日の朝、いつもと同じ登校する二人。
 するとちはるが嬉しそうにまあやに話す

 私ね、チョコ貰ったんだよ!
 しかもアメフト型のチョコだよ。
 いきなり、投げてくるんだもん。
 ビックリだよね、私だから取れたけど(笑)

 まあやは軽くちはるを睨み付けて

 朝からのろけ話?ごちそうさま。
 アメフト型のチョコ?なにそれ?
 趣味悪いよね、しかも投げるなんて‥
 ちーちゃんも喜んで貰ったの?
 それとも仕方なく貰ったの?

 ちはるはまあやが睨み付ける理由が分からなかった‥

 あれ?まあやもチョコ渡したんだよね?
 渡せなかったの?ダメだったの?

 まあやは下を向き
 渡せたよ。
 喜んでくれたもん。
 でも、私の事好きか分からなかった。

 笑顔になるちはる
 良かったじゃない。
 受け取ってくれた、って事はさ‥‥

『うん?待てよ?』

 ちはるの足が止まる。
 ふと昨日の彼との会話思いだし‥

『彼がチョコを貰ったって言ってたけどまさか?まあやじゃないよね?貰った中身を見せて貰えば良かったなぁ‥』

 まあやがちはるにもう一度聞く?
 ちーちゃん、仕方なく貰ったの?
 喜んで貰ったの?どっち?

 ちはるは一呼吸置いて。

 もちろん喜んで貰ったよ。
 私も彼が大好きだったし。
 断る理由もないしね。
 まあやもチョコ手作りで渡したんでしょう?どうだったの?

 動揺が広がり心がザワザワするまあや。

 落ち着け悟られちゃダメだ。
 深呼吸して『ふうーぅ』

 チョコ?喜んで貰ってくれたよ。
 ローマ字のつづりを間違えて(笑)
 でも、まあやらしくて良いって。

 ちはるが上から軽くdisる

 えっ?名前を間違えるなんて?
 信じられないよ‥好きな人じゃないんじゃないの?友チョコ?義理チョコかな?

 立ち止まり、ちはるを睨むまあや。
 ちはるは間髪入れずに

 まあや冗談だってば(笑)
 すぐにムキになるんだからさ。
 チョコを受け取った彼もまあやのセンスを理解してくれるはずだよ。

 笑顔になるまあや
 ねぇ、ちーちゃんに質問なんだけどさ。
 ちはるは笑顔で
 なに?良いよ!

 チョコを貰った彼に好きって言われたんだよね?
 ちはるは満面の笑みで
 うん、そうだよ。
 すると、まあやは何を思ったのか?

 好き、って言われただけだよね?
 ちはるは首をかしげて
 まあや、何が言いたいの?

 あぁ、ううん、ちーちゃん、ごめんね。

 もう、まあやは意味分からない事を聞くんだからさ‥(笑)

 まあやはちはると歩きながら都合の良い解釈を始めた。

『好き、と言われただけで、付き合って下さい、とは言われてないじゃん。私にも可能性はあるわけで~』

 ちはるが時計を見る。

 まあや、話しながら歩いてたから遅刻になっちゃう。走るわよ!
 ちーちゃん待ってよ。

 朝の学校への通学道、まあやの都合の良い解釈から話がこじれる。

 怒るちはる
 まあや信じられない?
 あり得ないでしょ。



『憎しみが止まらない』


次回は
『可愛さ余って憎さ100倍』
御期待下さい。




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