【「乃木坂メンバーと○○」を妄想してみた。】シリーズいってみましょう!

 今回は「しらたま」様の作品です。


 妄想と聞いたら黙ってはいられない!

 "漢"しらたま氏の一途な愛が詰まっています。


 テーマは「雨の京都」。

 情緒あふれる文章が、物語と、そして中田花奈様の魅力を引き立てます。


20160615-01


乃木坂メンバーと「雨の京都デート」をしたら
中田花奈 


作者 しらたま

20160615-03


曜日の感覚がない、と花奈は言う。仕事柄、確かにそうなのだろう。

京都での仕事は週末にかけてらしく、その次の日はオフになったようだ。


月曜だね。6月は祝日が無い分、有休取りやすいから大丈夫だよ。

そう伝えると、眠たげに、今日が何曜日か分からないよ、と笑って答える電話の君。


京都駅とイベント会場の往復だけで、いつも退屈しているようだ。

何か京都らしいことをしたかったらしく、街に出てみたいんだ、とつぶやく君。



和菓子にするか、いつも好きだと言っているショコラにするか。

それとも静かな料亭で初夏の味を堪能するか・・



小雨が降る月曜の昼前、慣れない京阪電車に乗り、出町柳に現れた君。

涼しげなワンピース、上にまとめた髪、メンバーに借りたという折り畳み傘。


人混みが好きでない彼女、混雑する朝の時間が過ぎた今くらいが落ち着くのだろう。

メガネもマスクもせず、小さめの傘をさして微笑む君。

今回は私服がいつもより多く、スーツケースが一杯なんだと嬉しそうに話す花奈。


二人で会うときの気恥ずかしさが取れてきた今は、花奈から腕を組んでくる。

昨日の夜は相部屋だったメンバーと話しこんでいたそうだ。

東京に帰らない意味に気付かれたらしく、丸い顔をした彼女に羨ましがられたらしい。



紀の善に勝るとも劣らない、いせはんのあんみつ。

濃い目の抹茶ゼリーが気に入ったらしく、目を細めて食べる君。


緑寿庵の自信作、さわやかなソーダ味の金平糖。

いくつも口に入れながら、美味しいとつぶやく君。


ふたばの豆餅を立ちながら頬張り、お店の写真を撮る君。


お茶はちゃんと急須で入れてもらうのが好き。

そういう君と一緒に入る、中村藤吉本舗で頂く生茶ゼリイとほうじ茶。


気付けば日が傾き、雨も止んできた。

一の舟入で軽めに創作中華を食べ終え、終電少し前の電車に間に合うように八条口まで送るよと伝える。


少し黙り込んだ君。


明日の仕事はお昼過ぎ。だから朝の電車で間に合うんだ。

携帯の電源を切りながら濡れた路面を見てつぶやく花奈。


今度はこちらから手を握り、川端通りを流すタクシーを止めようとしたその刹那。

修学旅行生が携帯を手にこちらを向いているのが目の端に映る。


気付いていない花奈を座席に座らせ、北山通りまで上がる。

シャンプーの甘い匂いがする頭を預け、ウトウトする君。


前を見ると、いつの間にかワイパーの動きが左右に大きくなっている。

そう、これから起こる事の予感。



20160615-02



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