1回目観劇レポート→<畠中清羅主演「従軍看護婦~女たちの戦場~」を見て。"せいたんなう"現在進行形の畠中清羅がここに。
2回目観劇レポート→<続・畠中清羅主演「従軍看護婦~女たちの戦場~」を見て。-そんなに弱くないホントの君を知っている-


 8/6(日)、畠中清羅主演「従軍看護婦~女たちの戦場~」が千秋楽を迎えました。

20170807-01

 全11公演中、3回、観劇しました。

 最初に見た日、「もう二度と見たくない」と思いました。2回目に見た日、「なんでまた見てるんだ」と後悔しました。そして最後、千秋楽を見た今、「もう一度見たい」と思っています。

 登場人物たちの物語-人生-に「続き」はありません。しかし、彼女(彼)たちの想いが続き、紡がれ、今の時代に繋がっている。苦しい話でした。辛い話でした。でもそこに触れられたこと。それは間違いもなく、私にとっての財産になります。いや、財産にしなくてはいけません。記憶から完全に消え去ったとき、人は本当の死を迎えます。もう見ることができないのなら、伝えられた記憶はしっかり胸に刻みつけたいと思います。


 終演後、作・演出を手がけた山添ヒロユキ様とお話することができました。「感動……とは違いますが、心に大きなものが残った気がします」。そんな抽象的な言葉に微笑んでくれた山添様。内心、(こいつ何言ってるんだ……)と思われたかもしれませんが、その後も舞台で得た感情をぶつけさせていただきました。

 いや、本当に心を強く揺らされたのです。でなければ、3回も見にきません。最初は畠中さんを見るためだけにきました。でも最後は"舞台"を見にきていました。それだけ力強く、求心力のある舞台だったのです。

 千秋楽です。この機会を逃しては、直接言葉を届けるのも難しい。終演後、たくさんの演者さんにずけずけと会話をさせてもらいました。快く応じてくださった皆さま、本当にありがとうございます。


 その一部始終をかいつまんで。


 三井信人様(六角忍役)【@makocchin_】。舞台では、最高に嫌な役の三井様。「殺したいほど憎たらしかったです」と声をかけたところ、「あははははは本当(の私)は違いますから!」と、"あの"大きな声で答えてくれました。それと、あとひとつ三井様には伝えたいことがあって……。

 実は開演5分ぐらいまえに、Twitterで舞台を見ることをつぶやいたところ、すぐに三井様からファボ(お気に入り)が。つまりはじまる直前まで三井様はTwitterをチェックしていたということです。そのことを話して、「どこで見てるんだろうと思いましたよ」「楽屋です!!」とまた大声。そりゃそうですよね、と笑いながら改めて舞台の感想を伝え、最後はハグでお別れ。本当に良い人を絵に書いたような方でした。


 立花伸一様(八雲伊吉役)。1回目、2回目と会釈をしただけだったので、今日こそは会話を!とアタック。舞台ではムードメーカーでありながら、その彼が絶望にうちひしがれていく様が、より物語の陰惨さを演出していました。実際の立花様は非常に物腰が柔らかく、「優しいおじさま」そのもの。もてるだろうなぁ。近くにいるだけで安心感があり、事あるごとに隣に陣取ってしまいました。


 佐藤幸輔様(周高民役)【@tiisanakyozin25】。「tiisanakyozin(小さな巨人)」というアカウントをもっているぐらいで、本当に小さい!でもその存在感は舞台でピカイチだったのではないでしょうか。1回目を見たとき、一番心に残ったのが佐藤様の演じる役でした。"日本人の誇り"が行動から如実に読み取れ、死に様含め、すごく良かったです。そのことを伝えると、とても喜んでいただけました。男性に言うのは失礼かもしれませんが、非常に「愛くるしい笑顔」をお持ちの方です。女性はキュンキュンすること間違いなし。ぜひチェックしてみてください。


 吉高大喜様(大岡清二役)【@yoshitakadaiki】。おそらく昨日一番お話した方。5分以上は捕まえてしまったでしょうか。申し訳ない……。でもその分、貴重なお話をたくさんいただけました。劇中では、足の負傷が悪化し、切断することになります。なので、"切断されたまま"の状態で、松葉杖をもっての交流。「(その足)どうなってるんですか?」の問いには、「企業秘密です」と笑顔でかわされてしまいました。残念!


 川嶋惠様(南野佳代役)【@kawa_megmin】。先日書いた舞台の感想をTwitterでRTいただいていたので、「雪崩式ジャーマンです(ドヤ顔)」と名乗ったところ、「ああ!あの!」と驚きの表情。どうやら分かっていただいたようで一安心。これで「ああ……あはは」なんて対応されたら涙でその場を後にしていたところでした。でも実際、分からなくて当然ぐらいの気持ちだったので、この反応は素直に嬉しかったです。

 川嶋様とは実は思い出があり……。ご本人は覚えていないと思いますが、最初に見に行った日、気軽に演者さんに声をかけられず、不審者よろしく呆然としていたとき、偶然川嶋様と目が合ったのです。ロマンスのスタートか!?と思いきや、何事もなく。ああ、話しかける絶好のタイミングだったのになぁと後からとても後悔しました。今回お話することができて、そのモヤモヤも解消されました。違う舞台に上がるときはぜひ見にいきたいと思います。


 烏丸ルナ様(倉持妙役)【@luna_christa】。烏丸様とはぜひお話したかった!!舞台では畠中さんと近しい間柄。ふたりで登場する場面も非常に多いです。またLINEBLOGにて、まめに舞台について書かれていました。

 良い舞台なのに、みんなに見てほしい舞台なのに、望んでいたほど多くのお客様に見てもらえなかった……。

 そんな想いが赤裸々に綴られています。私はこういった心情を素直に吐露する方に好感と親近感を抱いてしまいます。一言で良いのでご挨拶をとタイミングを伺うも、烏丸様はとっても人気者。ファンの方と写真を撮ったりと忙しそう。そんなファンとの交流を邪魔してはいけないと、八雲役の立花様の隣で様子を伺い、ついにチャンス到来。いざ、ひとりジェットストリームアタック!

 すすすっと忍び寄り、ようやく烏丸様にご挨拶。いやーおキレイ!そして目力がすごい!話している最中、目線を外すことなく、じっと見つめてくれます。アイドルバカなのでこんな例えしかできないのが申し訳ありませんが、握手会を思い出しました。いつ剥がされるんじゃないかとビクビクしながらも、気持ちは伝えられたはず、たぶん。次の舞台も決まっているようなので、こちらもチェックしたいと思います。


 お話できた方は以上になります。もっとお話したかったなぁ。


 さて、では主演の畠中清羅さんとはどうだったかというと――。

 ちゃんと会話ができました。言いたいことは言えました。言葉も返してくれました。それでじゅうぶんです。


 最後、畠中さんを中心にファンが集まって集合写真を撮ることになりました。皆さんが畠中さんを心から応援している人たちです。「せいたんTシャツ」を着ている方もいます。全公演参加された方もいます。実にすばらしい方々。私はそれを遠くから見ていたら、「入ってくださいよ」との声が。いやいや、と謙遜するも、せっかくなのでと写真に入ってきました。

 正直、顔を出すのは諸々の理由(怖いですから……)で控えていたので、いったいどういう使い道をされるか戦々恐々ですが、あのタイミングで仲間に入れたことは宝物になりそうです。誘っていただき、ありがとうございました。そして、どこかで公開されるかもしれない写真で管理人探しはご遠慮ください。ヒントはピンクです(あっ





 ――この記事を書きながら、ずっと臼澤みさきさんの「故郷 ~Blue Sky Homeland~」を聴いていました。もしよろしければ、ここからの文章はこの曲をBGMにご覧いただきたいと思います。

Youtube
臼澤みさきさん「故郷 ~Blue Sky Homeland~」


 観劇された方はご存知の通り、この曲はクライマックスで流れます。畠中さん演じる"鈴木サチコ"が想いを寄せた兵士"栗田"を目の前で失うシーン。サチコは栗田の亡骸を前に叫びます。

「わたし、看護婦じゃありません!」

 助けられなかった。助けるのが自分の役目なのに。大切な人ひとり救えない。だったらわたしは何のためにいるんだ。助けられないわたしに意味はあるのか。その絶望と苦悩からの叫び。

 しかし、その後、栗田を「あんな目」に遭わせたと思われる'六角一等兵"が病気で倒れたとき、サチコはその体を支えます。「ひどいことをした俺に、どうして……」と言う六角に、サチコは周りの看護婦に大きく頷いたあと、再び叫びます。

「だってわたしは……看護婦ですから!」

 看護婦のみんなは敵味方の区別なく、傷ついたものを救う。そのためには自分の体が血と泥、汚物にまみれても構わない。自分たちが汚れた分、患者がキレイなら、それでいい。

 それを「かわいそう」と言ったら、きっと舞台上の彼女たちは怒るでしょう。

 ある場面でひとりの看護婦がこう叫びました。


「そんな汚い仕事に、誇りもってやってっから!」



 誰かがやらなければいけない。誰かが犠牲にならなければいけない。でも舞台上の彼女たちは、決して押し付けられたようには見えない。犠牲だなんて思ってもいない。誇りをもって、己にできるすべてをかけて働いていました。
 
 最後、サチコは銃弾に倒れます。サチコだけじゃない。赤十字の旗もむなしく、看護婦たちは次々と命を落とし、そして――舞台は終わります。

 救いなんてない。希望もない。ただ過酷で、出口のない闇。必死で紡がれた命があっけなく散っていく。そんな……幸せとは縁遠い場所で、信じるものは救われるなんて言葉が浅はかに聞こえる地獄で、希望たる存在に成りえた彼女たちに贈れる言葉はたったひとつ。


 ありがとうございます。


 今でも頭に響く声。


「いきなさい! いきるのよ!」


 そのあなた達の声と志を胸に、

 "生"き、"行"きたいと思います。


 命の儚さを通し、命の尊さを教えてくれた彼女たちに、心からの感謝を。

20170807-02


 そして、舞台「従軍看護婦」に関わったすべての方々に改めて感謝!
 
 ありがとうございました!




 最後に、畠中さんについて。

 "あの頃"と"現在"が融合して、また新しい姿を見せてくれています。これからどんな活動をするのか分かりませんが、今後も追っていきたいと思います。


 乃木坂時代の彼女を知っている方。

 その動向が気になっていた方。


 安心してください。


 たくさんの優しい人に囲まれて、

 たくさんの努力と希望をもって、

 "せいたん"は今も、立ち向かい、戦い、輝いていますよ。

20170807-03