先日、シャッフル機能で音楽を聞いていたら、乃木坂46『ボーダー』が流れ、声優として活動を開始した佐々木琴子さんのことが浮かんできました。きっと歌詞とリンクしたんだと思います。



言うまでもなく、琴子さんは『ボーダー』歌唱メンバーのひとり。歌唱メンバーは、伊藤純奈、鈴木絢音、寺田蘭世、山崎怜奈、渡辺みり愛、そして佐々木琴子。この2期生の6名は、『ボーダー組』とも呼ばれています。


2期生には、思い返すだけで辛い制度がありました。研究生制度です。2期生メンバーは、この研究生からスタートしました。

正直、研究生ってなんだったんだろう?と今でも思います。おそらく当時はグループも手探り状態で、AKBの研究生制度を、そっくりそのまま真似たものと思われます。

ただ、AKBと違って、乃木坂は専用劇場を持ちません。パフォーマンスを見せるにも、その場がない。発信ツールもブログだけ。しかもそのブログもリレー方式。まだ乃木坂のネームバリューがない時代です。研究生どころかアンダーにすら光があたらない。2期生の出発は、そんな闇の中からでした。

そして、その研究生制度を最後に脱したのが、ボーダー組の6名です。2期生としてお披露目されてから、実に2年後の『乃木坂46 3rd YEAR BIRTHDAY LIVE』にて、正規メンバーへの昇格が発表されました。


2期生加入時から比べて、乃木坂は激変しました。いや、乃木坂を取り巻く環境と言うべきでしょうか。メンバーは乃木坂というグループを大切にしていると思います。時代に迎合することなく、いわゆる「乃木坂らしさ」を貫いた結果、時代が乃木坂を必要とした。そして今の人気があるように思います。

そんな乃木坂を卒業し、違う道を決意した佐々木琴子さん。琴子さんは、卒業を発表したブログに、こんな言葉を残しています。


私は加入前から乃木坂46が好きでした。
だから初めてオーディションを受けて、運良く合格できました。
当時は中学生だったので、若いうちからアイドル活動の楽しさや厳しさ、芸能の仕事とはどのようなものかを学ぶことができました。
普通の学生生活をしてみたかったな、と思うことが何度もありました。
でも、普通の学生だったら経験できないようなことを経験できたり、お会いできないような方々と話せたりして、今の私の人格があるのだと思うと加入できて良かったなと思います。


これから琴子さんは、アイドルファンではなく、声優ファンと戦う……と書いて、それは違うなと思いました。別に戦う必要はありません。もう争いはやめにしよう。そんな声が聞こえます。

アイドル時代、琴子さんはたくさんのファンを得ました。彼女を応援したいと思う人たちがたくさん現れた。それは財産であり、魅力のひとつです。だから声優ファンの方々も、これから彼女に触れて、その魅力に取り込まれていくはずです。そう信じています。

声優業界は厳しい。そんなの声優を好きな琴子さんなら百も承知。でも、アイドル業界だって、めっちゃ厳しいですよね。ただ、そこを乗り越えてきた。普通の学生だったら経験できないようなことを山ほど経験してきた。だからきっとだいじょうぶです。


ボーダーの消えた世界、どこへでもいける道。

琴子さんの行く道が幸せの道でありますように。







最後に余談。

本日の「ミュージックステーション」で、『今、話したい誰かがいる』が披露されるそうです。この曲は、2期生が選抜にひとりも入っていない曲です。ちなみにカップリングは『嫉妬の権利』。センターは、堀未央奈さんと中元日芽香さんでした。

こうやって並べると、普通の曲にも物語が生まれますね。