2007年08月 : 小高千早の毎日生ハム

「もしあなたに子供がいたら、どんなふうにしてあげたいと思う??」
　医師にそう問われても、麻矢ふうに表現すると、『白っぽい靄のかかった頭には、ぴしりと不快なノイズが一瞬走っただけ』だった。
　こどもは、いない。と答えた。
「もし、の話だよ。イメージしてごらん。どんなふうに抱きしめてあげたいと思う??」
　いない。なんだかその時麻矢は、瞬きをしていなかったように思う。
　――熱い風に舐られたみたい。目がじわじわ、痛い。でもね、でもね、こどもはいない。いない。
　遮るように言った麻矢を眼鏡越しに、しょうがないなというように静かに見てから医師は、そう、ずいぶん辛い思いをしたんだね、と呟いた。
　そんな一言で片付けられて、あの子は少し驚いたようだった。
　――でも彼の言う"辛い思い"というのは実は、これといって思い当たらなかったの。ただ。辛い思いをしたんだから仕方がないよね、っていう特別な猶予をもらった気がして、嬉しかったの。嫌なコね、わたし。
　診察のあと、麻矢はとても楽しそうだった。

　市内某所で撮影。「鶴の家」と呼ばれる廃屋内。　入院したおじいさんの回復を祈りつつ、おばあさんは亡くなるまで千羽鶴を折り続けた、とまことしやかに語られる物件。　そんな噂もあながち間違いではあるまいと思ってしまう、優しい空気。かつてここには確実に人のぬくもりがあった。　窓という窓すべて崩壊しているのに、保存状態はかなり良好。だもんで土足で踏み込むのはやめときました。＊廃墟廃屋の撮影が趣味なので、ネタがある時は載せたいと思います。でも、やはり写真集には遠く及びませんので次があるかどうかは…。　ちなみに八戸近辺のおすすめは、秋田県尾去沢おさりざわ市の尾去沢鉱山です。銅の緑青で染まった円形プール状のものがとても綺麗です。大変危険ですので落ちないでくださいネ。冬は１ｍ超の積雪がありますので注意（埋もれじぬかと思いました）。電波も届きません。時間を決め、ひとり外で待機すれば問題ありませんが、実は別入り口マインランド尾去沢にてお金を払って坑道見学をした方が、イイ写真が撮れると思います。　改行が皆無になってますがライブドアのせいです、。

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小高千早の毎日生ハム

2007年08月

もしもあなたに子供がいたら

廃墟：鶴の家（八戸）