フランチャイズで開業を考える人にとって、本部の管理者や担当者から囁かれる「ここだけの話ですが・・」には意外と弱いものです。昨年ですが、飲食店での開業を目指している40代男性はこのここだけの話にころっと乗せられました。 

 

 近くの街で現在営業している直営店を加盟店に切り替えるので、オーナーとして加盟しないかという話です。既に現在は黒字営業している店の譲渡ですから悪い話ではありません。あまり深く考えることもなく、その店を引き継ぐことにしました。 

 

 従業員もそのまま引き継ぐという話なので、人手不足の今の時代願ったり叶ったりです。ほとんど素人同然での開業でしたが、1年近く過ぎて現在も黒字営業を続けているといいます。ただ開業して分かったことですが、元々直営店の店ではなかったようです。 

 

 今から10年近く前に開業したときは、フランチャイズ加盟店としての開業だったようです。その後、オーナーが店を止めることになり開業を本部が引き継いだといいます。一時的な直営店の状態があって、再び加盟店に戻った店舗です。 

 

 正確にはこのような店舗を直営店というかどうか、疑問のあるところです。それでも黒字を続けているといいますから、結果OKということになります。ただこんなカタチで店舗を引き継いで赤字続きだったら、それはたいへんな負担を引き継ぐことになります。 

 

 本部の甘い言葉に乗せられる人も多数いますから、素人同然での開業には警戒することです。開業前はどんなことがあろうと事前準備を忘れずに、現状認識を十分したうえで進めることです。現状を知らないと判断のしようがないからです。 

 

【ひとり言】 

 フランチャイズの場合、経営状態の悪い本部ほど加盟希望者には美味しい話を提供することが多いです。反対にコンビニ店などは典型ですが、加盟する人に対する制約が多く簡単には加盟を許可しません。夫婦でなければ加盟できないとか、年齢制限も厳しくなっています。それだけ開業後は経営がし易くなっています。このようなことも、事前準備の一つとしてよく認識しておくべきです。  

 


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