コロナ禍以降から会社を設立する人は増えていますが、設立時から社員を雇って開業する人は意外と少ないです。多くの場合、精々パートやバイト数人を雇っての開業までです。そのため加盟店オーナーのなかには、従業員を雇う準備をまったくしないでスタートします。

 

収益につながる仕事のほとんどを自分が行い、パートやバイトには補助的な仕事しか任せません。冷静に考えると判りますが、オーナー一人が幾ら頑張っても成果には限界があります。もし、二人、三人が柱として仕事に取り組みますと、会社の成果は違ってくるはず。特に、仕事に対する発想が変わります。

 

 もっと従業員を上手く使えたなら、会社の仕事のレベルも大きく変わってくるはずと思われます。特に、今の若い人は、上手く課題を与えるとよく仕事をするとは、経営者の多くが口にすること。昔から、「ヒトは最も可変性の大きな経営資源」と言われます。

 

オーナーも従業員も素人ですと、この可能性の大きな経営資源を生かすことなく、会社の隅で開封されないまま置かれるダンボールのようなものです。どんなに高額な機器や設備を導入しても、生産性が各段に上がることはありません。ところがヒトの場合、上手く教育をしてやる気を引き出すと2倍や3倍の仕事をします。

 

 フランチャイズ加盟で、本部は営業や店舗運営に関しては指導してくれますが、従業員教育に関してはほとんど無関心です。加盟前に既存店の環境をよく確認し、本部の教育体制を知っておく必要があります。その上で、自前の教育体制を一つ一つ積み上げるつもりで考えるべきです。

 

【ひとり言】

 小売店や飲食店など、多くの従業員を雇って運営するビジネスでは、スタッフ教育の優劣が業績に大きな影響を与えます。事前にある程度、チームワークの組み立て方やスタッフ教育法を覚えて開業しないと、素人オーナーが一人奮闘しても、スタッフは白々とした目で見ている地獄のような光景が、店内で展開することになります。こればっかりは避けることです。

 


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