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蚊なのか蚊ではない羽虫なのか海坊主です。凄く元気に飛び回る羽虫達。
蚊が跋扈する季節となった世界において、海坊主家ではそこそこの頻度で蚊取り線香を行使することがあります。何故ならば、蚊を倒したいから。そんなわけで、今晩も蚊取り線香に着火することとなった海坊主家。飛び回る蚊なのか何なのか。海坊主の顔めがけて飛んでくる羽虫。室内に充満する蚊取り線香の煙とその匂い。飛び回る羽虫。充満する煙。充満する匂い。飛び回る羽虫。
もしかしたら、蚊取り線香は遅効性なのかもしれない、と思った海坊主。そういえば、海坊主は蚊取り線香の効能を知りませんでした。粘度のある煙で蚊の羽を絡めて飛行不能にされる、とか、蚊の神経に効く毒で飛行不能にさせる、という説を見たことがあるので、そういうものだろうと思い込んでいました。何も知らないのに知ったふりをしていました。海坊主は蚊取り線香のことを何も知りませんでした。原料が菊の花だったような、その程度の知識でした。海坊主は蚊取り線香のことを何も知らない。知らないというのは恥ずかしいことです。海坊主は恥ずかしい。
しかし、海坊主は知らないことばかりの海坊主です。何もかもを知りません。冷蔵庫の仕組みも電気の仕組みも空気の化学式も何もかもも。恥の多い生涯を送ってきました。それはこれからも続いていきます。恥知らずの海坊主。
結局、あの飛び回っていた蚊がどうなったかを海坊主は知りません。生きているのか、死んでいるのか。海坊主が観測するまで生と死が同時に存在し続けるシュレディンガーの蚊。



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