ホラーやオカルトは動画よりも文字派海坊主です。昨今の流行により、その手の人々がだいたいYouTuber化しているのは寂しいです。
深夜、何かやりたいのに何もやりたくない海坊主は常日頃から気になってはいたものの上記の理由で触れていなかったホラー・オカルト系YouTubeチャンネルの動画を観に行きました。今思い返してみると、特別恐怖心を煽るようなものや直接的な所謂ジャンプスケア要素のあるような動画は観なかったんですが、あの時は動画やサムネイル、コメント欄の雰囲気に完全に飲まれていました。何もかもに、ありとあるものに、恐れ怯える海坊主と化した海坊主。
そんな海坊主にも尿意は訪れます。何故ならば、海坊主は生きているからです。
家族の寝静まった深夜。トイレは海坊主部屋から出て目と鼻の先。
海坊主はありとあるものに恐れて怯えて縮こまってしまっている。しかし、海坊主にはいまだ人間性が残っています。ここで垂れ流すわけにはいきません。勇気を奮い立たせ海坊主部屋の外へ出ました。
そこは暗黒空間でした。
凝視すれば何かが見えてしまいそうな深黒の中、海坊主はトイレを目指して進みました。そして、無事にやり遂げ、無事に帰還を果たしました。その後はさっさと床に就きました。眠りこそが最も安全だと信じて。
眠りこそが最も安全で安心できる空間です。海坊主はそのようにできています。
それはそれとして、海坊主が観ていた動画は何も怖いものなどなかったはずなのに何故このように海坊主は恐れをなしたのか。海坊主の心の弱さのせいでしょう。
海坊主は弱い。




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