現在710日の午前713分。
いつものとおり、
通勤途中でブログの記事を書いている。

夜中の
3時すぎに目が覚めたときだった。
俺はかみさんが俺の隣に寝ているような気がした。

そこに違和感はなかった。
かみさんが俺の横にいるのは当たり前だからだ。

このときの俺は、
かみさんが亡くなったことを忘れていたのだろう。
ひょっとしたら狂っていたのかもしれない。
あるいは、
かみさんの魂が俺の横にいたのかもしれない。

だが、
その感覚は一瞬で消え去った。
かみさんが、
とっくの昔に亡くなったことを思い出した。

ほんの一時でも「
かみさんが生きている」と感じた。
それなのに、
俺は残酷な事実を思い出してしまった。

生きていると感じたのに、
やっぱり死んでいた。
当然、そこに喪失感が生まれた。

真夜中の布団の中、俺は咽び泣いた。
再び死別を体験したような感覚だった。

だが

本当にかみさんの魂は俺の隣にいたのかもしれない。
かみさんが亡くなったという記憶を失ったのではなく、本当にかみさんはいたのかもしれない。

ときおり感じるのだ。
かみさんが俺を見守ってくれている。
かみさんが俺の背中を押してくれている。

もちろん、
それは錯覚かもしれない。
あるいは、
一種の狂気なのかもしれない。

しかし、それでもいい。
たとえ狂気であろうとも、かみさんが傍にいると感じる瞬間があれば、多少は生きやすくなるはずだからだ。

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