かみさんが亡くなってから。
俺は何度も同じような夢を見ている。
全く同じ夢というわけではないのだが、似たようなストーリーの夢を頻繁に見ている。

その夢を見て目覚めた朝は、いつだって切なくて、やるせない。
心の底から求めているにも関わらず、その希望は絶対にかなわない…という夢だからだ。

その夢を最初に見たのは、かみさんが亡くなってから約1か月が過ぎた頃だったと記憶している。

俺はどこか見知らぬ場所にいた。
その場所から家に帰らなければならない。

かみさんが俺を待っているからだ。
俺はどうしても、
かみさんに会いたいからだ。

どの方向に家があるのかは、
なんとなくだが分かっている。
俺はかみさんに会いたくて、
そちらの方向に進む。

だが…
道がないのだ。
最短距離で家にたどり着く道が見当たらないのだ。

俺は焦る気持ちを抑え、道を迂回しつつ家に向かった。

しかし、
そこには様々な障害があった。
道が途切れていた。
土砂崩れで道が塞がれた。

河には橋が架かっていなかった。
河が氾濫した。

電車が止まっていた。
大勢の人が俺とは反対方向に歩いてきて、俺の行く手を阻んだ。

いつまで経っても家に着くことができない。
いつまで歩いても、
かみさんの笑顔を見ることができない。

少しずつ焦りが募っていく。
それと同時に、
かみさんに会いたいという気持ちが強くなっていく。

俺は諦めきれず、ひたすら歩き続けた。

だが、決して俺は、
かみさんに会うことができない。
あまりの苦痛に心が破裂しそうになる。

そうして俺は、
目を覚ます。
そんな夢を、これまで何度も見てきたのだ。

昨晩のことだった。
俺はまた同じ夢を見た。

おかげで気分は最悪だ。

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