さぼちゃんマイラブ短刺の琴系丸

短刺の琴系丸

　数年前からこの短刺の琴系丸（Mammillaria camptotricha）が出回り，マミ好きのボクとしてはぜひ観察してみたいものでした．なかなか良い機会に恵まれず最近ようやく手にしてじっくりと観察してみました．ユーモラスな感じさえするこの短刺カンプトくん，人気者となったのがなんとなく頷けます．なおこのタイプの琴系丸をモンストと称する向きもありますが，これはモンストに当たらないと思います．

　下の写真はウチに居る普通によくあるタイプの琴糸丸，これと比較してみました．イボの先端にある刺の数は基本4本で，短刺も変わりません．ただ短いだけです．ちなみに種小名camptotrichaというのは，湾曲した毛という意味です．ただ普通系にはイボの間にあるアレオレから細い刺のようなものが出ますが，短刺には全くなくツルツルですね．また短刺のイボはかなり小さく，このために密に並んでいるように見えます．

　その他，花の時期や形は特に変わったことないように見受けられました．もし刺が葉と相同であるならば，花も小さくなるはずです．このことからも刺は葉ではなく，托葉のようなものの集まりという見解も頷けます．
短刺系という種内変異は，強刺類では金鯱，巨鷲玉，綾波などでも見られ，象牙丸では普通系より普及しているくらいです．さらにパンチパーマ白星なんかも一種の短刺とも言えるかなと思います．棘だけが短くなるという変異はサボテンの属に限定されず広く見られることから，遺伝子のどこか共通した箇所の変異に起因するのではと推察されます．

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