さぼちゃんマイラブヘキランに出る病気

ヘキランに出る病気

　少し古い写真を取り出し，ヘキランに出る病気を記録しておきます．他の有星類にも出ますが，特にヘキランで目につく病気です．
　まずは古い写真ですが，7年前の三角ヘキラン，秋の姿です．茶褐色のシミが次々と広がっていました．ダコニールを塗布し，さらに半年後の様子です．

　こうした処理により病斑はそれ以上は広がらず，下の写真は現在の様子．増稜してすっかり風貌は変わりましたが，その後病気の再発はありません．

　次はごく最近の事例，やはりヘキランに斑点が出てきました．これを放置すると広がる一方．早速病斑部分を削り取り，ダコニールを塗布．

　ひと月後，現在の様子です．再発はなく，この春に大きく成長しました．

　このなんの変哲もないヘキランは，複雑な交配の結果でたもので，この兄弟同士の交配から特異な形態のヘキランが出現することが分かっている大切な株なのです．患部が広がる前に逡巡せず外科手術をすることが，大切な株を守ることになるようです．
　この病気に対する感受性は明らかに個体によって異なります．ですから発病するような個体はどんどん廃棄するのが正しい対処なのかも知れません．この病気は何なのか？炭疽病を疑っていますが，こればかりは植物病理学者がちゃんと同定しないと話ができません．しかしマイナー植物のサボテンの病気に関して驚くほど記載例が少なく，病気なのか生理障害なのか判然としないものが結構あります．サボテン科の中で炭疽病が報告されているものは，ドラゴンフルーツなど僅かな種に限られますが，その病徴から見て炭疽病の可能性は高いと見ています．

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