「ウルトラ五つの誓い」をクリスチャン目線で読む

俳優の団時朗氏が亡くなった。『帰ってきたウルトラマン』で、ウルトラマンに変身する主人公の郷秀樹役を演じたことで知られている。ネット上には、早速追悼の記事やコメントが多数上がっている。

同作品の最終話では、人間としての郷秀樹は、怪獣ゼットンとの戦いで殉職したことになっているが、実際は生きていて、ウルトラマンに変身して「ウルトラの星」へ帰っていく。弟同然に可愛がっていた少年に、「ウルトラ五つの誓い」を遺して・・・。ネットでは、「団時朗さんもウルトラの星に帰ったのだ」と重ね合わせる見方が出ている。この「ウルトラ五つの誓い」は次のようなものだ。

 ひとつ、腹ペコのまま学校に行かぬこと
 ひとつ、天気のいい日にふとんを干すこと
 ひとつ、道を歩くときには車に気をつけること
 ひとつ、他人の力を頼りにしないこと
 ひとつ、土の上を裸足で走りまわって遊ぶこと

この「ひとつ、他人の力を頼りにしないこと」について、興味深い書き込みを見つけた。この回の脚本を書いた故上原正三氏に対して、もうひとりの脚本家である故市川森一氏が、「人は一人で生きてるんじゃない」と苦言を呈したと言う。

これに対して、更に次のような回答があった。「上原さんのインタビューにあるんですが、市川さんは敬虔なクリスチャンだからああいう考えだろうけど(上原氏の出身の)沖縄はヤマトに侵略され大戦で見殺しにされたから日本人を信用していない、沖縄人として一人で上京しても誰も頼れないからそれが五つの誓いに表れたと。」

そう、「ウルトラ五つの誓い」に苦言を呈したという市川氏は、クリスチャン(カトリック)であることで知られている。それがこのような発言に影響したのか。私もそれには気がついたので、以下のようなコメントを入れておいた。

「この話を読んで、市川氏がクリスチャンであることが関係しているのではないかと思いました。私もクリスチャンなのですが(市川氏はカトリック、私はプロテスタントという違いはあるのですが)、キリスト教では、自分の力ではどうにもならないことがある、だからキリストに頼らなければならないという考え方があるからです。」

ここで「自分の力ではどうにもならないこと」と表現したのは、罪のことである。キリストに頼らなければ、キリストを信じなければ、罪からの救いはないことを、多少遠回しにではあるが、ここで伝えたかった。

話がだいぶ飛んでしまった。この『帰ってきたウルトラマン』最終話は、近くYouTubeなどで配信される予定という。興味のある方は視聴されてはいかがか。

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