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2023年2月15日 (水)

遠隔作業はパーツを分けて、少しずつ距離を伸ばす

今日はオビディエンスの練習会でした。

オビディエンスと言っても、FCIオビディエンスから、JKCのCD、一般の基礎トレーニングなど、参加者の課題に合わせたメニューで行いました。

さて、FCIオビディエンスはクラスが上がるごとに遠隔作業が複雑になってきます。
つまり、ひとつのエクセサイズの中に、多くの課題が入ってくるわけです。

例えば「遠隔操作による方向変換を伴うダンベル持来」。
なんとも長いタイトルですが、何をやるのかと言えば、ハンドラーの元で左脚側停座をしている犬を前方に送り出し、10メートルラインを超えたあたりで犬を止め、その時スチュワードの出す指示を聞いてから、さらに10メートル先にある、右、中央、左の3方向にあるダンベルのうちどれか一つを咥えてハンドラーの元に戻るというものです。

このエクセサイズは昨年改定され、右と左のどちらか一つを選ぶ課題から中央のダンベルが加えられ、3方向の中から取りに行くようになりました。

改定前のルールから教えているアシスタントの場合は、とにかく「止まれ」と言われるまで真っすぐ前方に走り、止まった後、私のキューを聴いて(見て)、その方向にあるダンベルを取るように教えたため、真後ろにある中央のダンベルを取りに行くには、もう一つ中央の方向を教える必要がありました。

後ろにあるものを取りに行くことを教えるには、取りに行くものが後ろに無ければなりません。
斜め後ろでは、左右のダンベルとの区別がつかなくなるからです。

そこで、アシスタントには、まっすぐ走ることと、真後ろのダンベルを取ることをさらに強化した練習が不可欠となりました。

ところが、まっすぐに走らせて、真後ろのダンベルを取るためには、最初から両方を一緒に教えることは犬の混乱を招きます。

まずは、まっすぐに走ることだけを強化し、それとは別に、左右ではなく、真後ろにあるダンベルを取る練習を強化するわけです。

この両方の作業を組み合わせて行うレベルまで強化出来たとしても、最初から本番と同じ距離では行いません。

ミスが出にくい、至近距離から、少しずつ距離を伸ばして景色に馴らしていきます。

とてもストイックな作業ですが、手を抜くと、犬は簡単にエラーを出してしまうので、成功体験の積み重ねが大事です。

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オビディエンスのような競技課目ではなくても、日常生活の中にもこんな組み合わせの遠隔作業は意外とあるものです。

例えば、愛犬に冷蔵庫からビールを持ってきてもらう場合。
冷蔵庫に行くことと、冷蔵庫を開けること、ビールを咥えること、冷蔵庫を閉めること、飼い主の元にビールを持って来ることなど、別々に教えなければなりません。
でも、こんな作業を教えるのは結構楽しいものです。

トレーニングは日常生活と無縁のものではありません。
楽しみながらやってみませんか?

※缶ビールは穴が開く可能性があるので気をつけて下さいね。

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