笑う門には福来たる!
笑うとガン細胞を攻撃する
ナチュラルキラー細胞(NK細胞)が活性化するため、免疫力が高まります。落語でもバラエティ番組でも、友達との会話でもとにかく笑う機会を増やすことが大切です。
昔から「
笑う門には福来たる」の通り、難しい理屈抜きにお腹を抱えて笑っていると、病気のほうも遠ざかっていきます。
近年、さまざまな研究によって「笑いが健康にいい」影響を与えることが明らかになってきています。
'92年「日本心身医学会」によれば、生活習慣病患者を被験者として行った調査で、喜劇を見て大笑いした後には、病気への抵抗力を示す免疫機能が向上することが分かっています。
'82年アメリカの医師らにより「笑い療法研究会」が発足し、この研究によれば、笑いが免疫機能を活性化させるだけでなく、鎮痛作用をもつ脳内モルヒネを増加させたり、自律神経の働きを安定させる効果があるとしています。
こうした流れの中、笑いを医療に取り入れようという動きは徐々に活発化しています。人間は、笑うと脳から癒し系のホルモンと、活力が湧くホルモンが同時に出てくるのです。
笑いは相反する作用のあるものを同時に働かせ、脳細胞のバランスを整える不思議な力があるといいます。
このように語るのは、脳の専門医でありながら、桂 前治という高座名をもつ、今は亡き
故中島英雄博士です。中央群馬脳神経外科病院の理事長を務めるかたわら、月に一度「病院寄席」を開いて、高座にのぼり、近所の人たちや患者たちを相手に、真打ち顔負けの落語を披露していました。
中島先生は、患者の協力を得て、落語を聞く前と後での様々の脳機能の変化を調査し、脳の部位別血流量の変化や、α波とβ波の増減など、これまで明らかにされていなかった笑いの好影響を数値化し、公表されています。こちらの
『脳を活性化する「笑い」の力』中島英雄著で詳しく紹介されています。
笑いの力で治療!
笑うことで、病気の治療に好影響を及ぼすことを世界に知らしめたのは、米国の署名な評論誌の元編集長のノーマン・カズンズさんです。
彼は、'64年(S39年)に強直性脊椎炎という難病にかかり、激しい痛みで全く動けなくなりました。医師からは、治る確率は500分の1だと言われたそうです。
しかし、彼はあきらめず、前向きな感情を持てば免疫力が高まるのではないかと考え、ユーモア本や喜劇映画を見て、大笑いをして過ごしました。すると、痛みが和らぎ、やがて、難病を克服してしまったのです。これが契機となり、米国では多くの病院が笑いを取り入れています。
日本でも近年、笑いの効果が研究されるようになっています。有名なのは、'91年(H2年)に大阪ミナミの演芸場で行われた実験です。ガン患者を含む19人に吉本新喜劇を3時間見て大笑いをしてもらい、その前後でナチュラルキラー細胞(リンパ球の中にあってガン細胞を直接攻撃する細胞)の活性度を調べたのです。
その結果、最初から低かった人、基準内だった人のいずれもが、活性度が上昇しました。つまり、笑いはガンに対する抵抗力を高めることが判明したのです。
その後の研究によると、わずか5分笑うことでナチュラルキラー細胞は活性化することが分かったのです。一方、注射で活性化させようとすると3日もかかるそうです。このように、
前向きに明るく笑って過ごせば、ガンに打ち勝つ可能性が高まるということです。
笑いの3大効果!
最近、健康に「笑いの効能」が注目されています。ストレスは、自律神経の乱れを生じて、呼吸や消化などの機能を乱してしまいます。
その乱れ(バランスを崩す)が生じた時に笑ってリラックスすることが、大いに効果があります。
笑いの健康効果は、主に3つあります。
1.免疫力が向上すること
笑いがウィルスやがん細胞をやっつけるNK細胞を活性化させます。
2.運動効果があること
30秒笑うと、3分間散歩したと同じ程度の効果があると
いいます。食後に笑うと血糖値の上昇を緩やかにします。
3.脳の働きが活性化される
笑うと脳が元気になり、やる気が出てストレスも緩和されます。思考力も向上するので、認知症予防にもなります。『
笑いは神様が下さった万能薬』なのです。
笑った後は、α波もβ波も同時に増えた人が多く、相反する働きが同時に起こることが分かっています。適度なβ波が出現すると、人間の脳はやる気が出て活性化します。
つまり、笑うと脳内では、リラックスと活性化という両極の作用を持つホルモンが同時に出るのです。癒しと活性化という正反対の役割をもつものが、どちらも体にとって大事な要素を同時に補ってくれているのです。
さらに、笑うと左脳・右脳ともに血流量が増えることも明らかになっています。ちなみに、右脳は、感覚的部分、左脳は言語や理論を司る働きをするところです。
笑いは感覚的なものなので、右脳の血流が増えると考えられますが、落語で笑うには、話を理解する必要があるため、左脳をより多く使っているのです。
笑いが、脳の知的活動に及ぼす影響を調べるため、笑いの前後で血糖値、脳波や血流の変化、知能テストなどを行った報告があります。その内容は、以下でご覧になれます。
笑いは、もともと精神的な安堵感がないと生まれません。だから、人は、安心感や信頼感がそこにないと笑おうと思っても笑えないのです。笑わせる前に相手の心に飛び込んで信頼を得ることも大切です。
また、笑いの質も関係します。バラエティ番組のように軽い笑いだと、逆に自分はこんなに辛いのにそんなことで笑えるかと逆効果になりかねません。笑いは、面白いだけではなく、人間愛や癒しにつながるものまで理解して初めて、癒しにつながる笑いを引き出すことができるのでしょう。
現在、いろんな悩みでストレスを抱え、年間3万人もの人が自殺している世の中です。笑うことで、少しでも心が和らぎ、ストレスが軽減されてくれば活力も上がってきます。
人間、笑えるうちは花。笑えるうちは大丈夫です。「
健康に笑いが一番、クスリは二番」。笑いの力で、多くの人が救われ、元気になられることが願いです。
笑えなくなったら、人間の特権を放棄したということであり、犬や猫とかわりありません。大いに笑って、自分もまわりも明るく元気になりたいものです。
一人でもできる「笑いヨガ」!
笑いヨガは、「笑いの体操」と「ヨガの呼吸法」を組み合わせた運動法です。 笑いが健康に良いことは、知られています。
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またコミュニケーションの潤滑油としても、人間関係を豊かなものにしてくれます。何より笑っていると、気分がよくなり、元気になります。
運動する時間がない方、体力に自信がない方、、一緒に笑う相手がいないという人でも笑えてしまいます。運動効果で心身ともにリフレッシュでき、毎日が豊かなものに感じられます。
笑いヨガは、インドでは笑いヨガクラブとして公園や海岸等で行われている非営利の活動です。日本で言えばラジオ体操のようなもので、毎朝時間になったら地域の人が集まってきて、一緒に笑いヨガをやっています。
'95年にインド人医師のカタリア博士がたった5人で始めたこの活動ですが、現在では全世界65カ国に広がっています。
笑いのある人生を選ぶ方は、笑いヨガを体験してみてください。
日本笑いヨガ協会は、笑いヨガの効果を最小限の負担で誰でもが得られるよう、全国で活動しています。