■3姉妹のシングルマザー「長時間同じ生理用品使い続け皮膚が…」娘も交換できず…
実際に体の不調を感じている女性(30歳代)が取材に応じてくれました。
女性は、小中学生の3姉妹を育てるシングルマザー。日々の生活費のやり繰りに追われ、生理用品の購入が二の次になることもあるといいます。そのため、娘は学校に交換用の生理用品を持っていけず、衣服を汚して帰ってきたり、自身も、長時間同じ生理用品を使用し続けて皮膚がかぶれ、通院することになったりしたことも。食べ盛りの娘たちの成長を考えると、「お金は生理用品に使うぐらいなら、食費に回したい」と女性は切実に話します。
■男性トイレに置く自治体も
「経済的に困難を抱えながら子育てする父子家庭の父親が、娘のために生理用品を持って帰りやすいようにした。生理に対する知識や理解が男性にも広がるきっかけになれば」と担当者は話します。
■「対面で受け取るのは気が引ける」 窓口で配布するも利用は低調
「困っている人をピンポイントで支援し、相談につなげたい自治体」と「困っていることを他人に知られたくない利用者」との間でミスマッチが起きているようです。
この現状に対し、フードバンクで活動する男性(65)は、「当事者は声を上げにくい。声を上げられず、あきらめる人もいる。誰もが遠慮なく、気軽に受け取れるような形にすべき」と指摘します。
鹿児島市の公共施設「サンエールかごしま」では、希望者に窓口でも袋に入れた生理用品を配布している
■トイレで配布すると、窓口配布の4.5倍の利用が
■「本当に必要な人に渡っているか」トイレに配置する自治体のモヤモヤ
ある自治体の担当者は「庁舎内のトイレに置いている生理用品の減りが早い。本当に必要な人に渡っているのだろうか、と不安になる」。この自治体には、「観光地のトイレなどにも置いてほしい」という声が寄せられましたが、「いたずらされないか、必要ないのに持って行く人がいないか、懸念がある」として、見送っています。
また、別の自治体では庁舎内のトイレに置いた生理用品の消費スピードが早いため、一旦配置をストップする事態も発生。
■ジェンダー平等の視点でトイレに生理用品を置く自治体も
担当者は「トイレットペーパーが当たり前にトイレに置いてあるように、生理用品も当たり前に受け取れるようにするのが理想」と話します。
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編集元: 「生理の貧困」への取り組み 全国ワーストだった鹿児島を取材してみると…見えたミスマッチ、モヤモヤとは?