装飾花に囲まれて中には小さなたくさんの両性花が見える。
この多くの円錐花序を咲かせているのは糊空木。
木いっぱいの白い花はいかにも涼しげである。
花には小さな虫たちが次々にやって来る。
この日見たのは、ヨツスジハナカミキリ、クロオオアリ、そしてアカウシアブ。
ほかにも蝶などが時々やって来る。
この花は彼らを引き寄せる魅力的な何かを持っているのだろうか。
昨日、寝る前にたまたま開いた本の第2話の扉はこうであった。
「言葉には姿がある。美しい心の人は、言葉も美しい」 (青山俊董著『悲しみはあした花咲く』より)
話の中で、古谷綱武の次の言葉を取り上げて、“心とことばのおしゃれ”を説く。
「言葉への愛を持ちたい」、「自分の使っている言葉の姿を、いつも自分で見ている人間に」と。
師は最後に、「美しい心にしてはじめて容姿も言葉も美しく温かく、深いものとなりましょう」と結ぶ。
難しいことではあるけれど、少なくとも、人を悲しませたり、傷付けるようなことだけは心したい。
水よりも風澄む日なり花サビタ (上村占魚)