継母との初対面2023-01-20 Fri 22:50
父が家に帰ってくるようになったのは 結局、年末年始を過ぎてから 久しぶりに帰ってくるなり父に 『今から泊まりに行くぞ準備せえ』と言われ 慌てて身支度を整えて家を出た 私の母親になりたいという その女性と初めて会ったのは その人の自宅近くの喫茶店でした しっかり挨拶をして 怪我はもう大丈夫ですか?と聞くと 「あ?怪我?怪我なんてどっこもしてないよ!」 周りが見る程の大声で答えたので 子供ながらにその女性に違和感を持った お茶を済ませ、その女性の家に行くと 今度は女性の子供である4人の姉妹が 父と私を出迎えた 「おじさん、遅ーい!」 『すまんすまん』 すっかり打ち解けた様子の父と子供達と その中で1人だけ浮いている私 座ってお茶を飲みながら 姉妹達と父の話す様子をじっと見ていた 楽しかったクリスマスパーティーの話や 年末年始のお出かけの思い出話を聞いた 私が一人で家にいる間 この人達と過ごしていたんだなと 何とも言えない気持ちになった この時に感じた疎外感は結局 私が現在の年齢になるまで消えることは無かった 夕方になり、派手な服に着替えたその女性に これからどこに行くのかと聞くと 「あぁ?キャバレー!これからお仕事!!」 またも大声で返され 父とその女性が出て行くのを見て あのお金が何に使われたのかを察した |
父の帰宅2023-01-20 Fri 21:45
クリスマスイブは ファミコンを買いに出かけるつもりが 朝から体調がすぐれずに夕方まで寝たきり ちゃんとした食べ物が目の前にあるのに どうしてか何も口にする気になれず 寝ては起きてを繰り返していると 玄関の戸が開く音がした はっとして振り返ると父が玄関先で立っていた 『おお、ただいま。元気にしとったか』 「おとうさん…!」 泣いて駆け寄って父にしがみついた どこに行ってたの! なんで帰って来なかったの! 心配してたんだよ! 泣いていると父が私の頭を撫でて 『おー心配かけてすまんな』と言い ケーキの箱を差し出した 『クリスマスケーキ一緒に食べよか そこで買うてきたんや 好きなだけ食うてええぞ』 ケーキを切って1切れずつ分け合って 2人でクリスマス特番を見ながら これまでの経緯を話しのんびり過ごしていると 父がテーブルに置いてあったお金に気付き 『かおり、その金どうした?』と聞かれた 正直に話して、勝手に下ろした事を謝ると 父が神妙な面持ちで話し始めた 『お前のお母さんになりたいって人がな 仕事場で太い血管2本切る大怪我をして 今から手術しないかんのや 手術代足りんから、それ貸してくれんか?』 「私のお母さんになりたいって人?」 『そう。お前の事を可哀想に思って 何とかしたりたいってな。 大怪我して大変な事になっとるんや。 手術代貸してくれんか?』 「…分かった」 バカな私は疑いもせずお金を渡し 父はそのお金を手にするとすぐ家を出て行った 今度からちゃんと帰ってくるからと言い残して |
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