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ロストワンの独り言

35年閉じ込めてきた気持ちを箱の中から綴ります。

そして、一人きり。


お父さんが私を置いて

家に帰らなくなったのは10月の中旬頃


遅くまで帰りを待ち続けて眠ってしまった私は

朝、目が覚めても父が居ない事に驚いて

帰宅した形跡がどこかに無いか辺りを見回した


もしかしたら駐車場に車を停めたまま

寝てるかも知れないと探しに行き


もしかしたら一度帰ってきていて

私を起こさず仕事に行ったのかもと思い

その日は少し遅れて登校した



でも、その日の夜も

次の日も その次の日も

父は帰らなかった


事故に遭ったのかと不安になったけれど

電話もない家ではどうする事もできなかった



当時、歩いて30分の距離に

父の兄一家が暮らしていたけれど

叔父のお家でお世話になっていた頃に

叔母から叱られる度につねられたり

叩かれたり嫌味を言われたりしてたので

助けを求める気にはなれなかった


それに父にもし何かあれば

叔父の家に連絡が行くだろうと思い

私は家で帰りを待つ事にした



父が帰らなくなり1番困ったのが食べ物で

暫くは冷蔵庫の残り物を食べていたけれど

それが尽きると今度は

小麦粉を水で溶いたものを焼いて食べたり

冷凍庫でずっと凍らせてあるもの

いつのものか分からないものを口にしてた


学校給食だけが頼りだったけど

夜1人で眠るのが怖くて夜更かししてるうちに

朝起きられなくなってしまい

何度も遅刻しているうちに

恥ずかしくて登校しづらくなっていった


それでも給食が唯一のまともな食事だったので

朝まで一睡もせずなんとか登校した

学校に来なかった理由を

先生や同級生から聞かれたけど

何も言えなかった


旅行に行っていたのだと嘘をついて

旅の思い出話を語り

普通の家の子として振る舞っていた


お父さんに捨てられたのだと

思われたく無かったから。




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