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「商業」に携わる人の間では、
数十年前から言われていること。

「お客さまに話しかけるのは慎重に」。

業界紙誌の関係者やコンサルタントは、
何度もそう提言してきましたし、
指導もしてきました。

しかし、現場であるお店の人たちは、
話し掛けることを使命だとでも思っているのか、
笑顔でベラベラと話し掛けています。

それがおもてなしだと勘違いしたままなのです。

半世紀前なら、そうだったのかもしれませんが、
いまは丁寧過ぎる接客を
煩わしいと思う人が多くなってきました。

しかし、人とのコミュニケーションや
お店との繋がりを欲する人もいるので、
その見極めが難しいところですが。

この問題の解決策を見つけ出した美容室があります。

美容室においても、「会話」を煩わしいと思っていた
お客さまが少なからずいました。

その人たちは、自身の性格の問題だと思い込み、
「話したくない」と言い出すこともできず、
我慢していました。

ところが、
同じような思いをしている人はたくさんいました。

「よく喋る美容師さんは疲れる」
「話すのは苦手」
「放っておいて欲しい」
「中身のない話をされるぐらいなら、雑誌を見ていたい」
など。

そんな思いがありながらも、
受け入れるしかなかったのです。

中には、話し掛けられるのが嫌で、
次々にお店を変える人もいます。

これは、理美容業界にとっては、大問題です。

おもてなしのつもりで話し掛けていたのに、
嫌がっているお客さまがいるのですから。

これまでの数十年もそうだったのかもしれません。

いま、SNSの時代になって、
お客さまが本音を語るようになりました。

お客さまが嫌がっていることには、
接客時に気づくべきですが、
SNSでやっとこのことを知ったのです。

そんな美容室の中のひとつが、
単純ながら、画期的な対処法を見つけ出しました。

予約の際の新たなメニューを作ったのです。

「カット+会話なし」
「カット+静かに(会話少なめ)」

お客さまは、これを選択するだけ。

これなら、嫌な思いをすることなく、利用できます。

このお店では、お客さまの4割が、
このどちらかを選ぶようです。

つまり、4割のお客さまが会話を嫌がっているのです。

これは、かなり大きな数字です。

この4割の中には、これまで我慢していた人もいれば、
会話なしに惹かれて予約した人もいます。

もし、このメニューがなければ、
これらのお客さまは離れていったり、
新規客になっていなかったのかもしれません。

美容室の常識を疑ってみて、
お客さまの本音を知ることで、
お客さまが求める、
本物のサービスを提供することができたのです。

この会話なし接客は、理美容業界で広がりつつあります。

他の業界でも考えてみて欲しいものです。

話したくないのに、話し掛けられる業種は結構あります。

アパレル、家電量販店、タクシー、調剤薬局……。

自身のペースでモノを見たり、時間を過ごしたいのに、
お客さまにとっては無用な会話をしようとします。

「そっとしておいて。必要な時は声を掛けるから」
という思いです。

こうしたお客さまの心情を察するべきです。

お客さまを逃さないためにも、静かにしてください。

これも接客なのです。


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