2012年05月07日 03:00
まどか「仮面ライダー?」翔太郎「魔法少女?」映司「魔女?」 その2
541 :◆WDUU7xtdEo [saga]:2011/10/29(土) 12:12:36.34 ID:A3g1wh7no
燃え盛る炎、崩れ落ちる家屋、息絶えた人々。
その中を闊歩する、異形の怪人グリード。
彼等に恐れをなすように、炎までもがグリードの歩く周囲を避けていく。
それは、まるで王の行進。
何人も妨げる事が許されない。
だが、そんな彼等の前に、幾人かの少女達が立ちはだかる。
その手に握られていたのは宝石、ソウルジェム。
「へぇ、また実(み)?」
「あらぁ、かわいいお嬢ちゃん達ねぇ」
「オーズちがう」
「奇跡売りか」
脆弱極まりない人間の、しかも少女達が自分達に立ち向かおうとする姿に
彼等は各々に反応を見せた。
だが、そこに警戒の色はない。むしろ、侮辱の色すらある。
それに少女達は怒りを露にした。
――父さんを!!
――母さんを!!
奪われた者の名を少女達は叫んだ。
グリードに殺され、奪われ、ヤミーの苗床にされた大事な人達。
怒りと絶望に打ちのめされた彼女達には、もう何もなかった。
カラッポの、器だけ。
そんな彼女達の前に現れたのは天使だったか、悪魔だったのか。
『ソレ』が求めたのは『契約』。
『ソレ』が叶えるのは『奇跡』、そして『希望』。
少女達に選択はなかった。
彼女達は選んだ、グリードを倒せるという『希望』に全てを託して。
――これは、神の与えてくれた奇跡なのだと。
.
少女達の手の中にあったソウルジェムが大きな光を発する。
一瞬でボロだった服は光り輝く衣装に置き換わり、ジェムは彼女達を彩る
装飾になり、到底少女では扱えそうもない武器がその手に握られた。
そして、少女達はグリードへと戦いを挑んだ。
父の仇、母の仇、恋人の仇だと叫び、彼等に一心に憎悪を傾けて。
戦斧を振り回し、大槍を投げつけ、大剣を叩きつけ、千の矢を射る。
圧倒的な破壊が全て、グリードへと注がれる。
炎は消し飛び、崩れかけていた家屋はその形を止めることが出来ず崩壊し
大地は、魔法少女の力で抉られる。
巻き起こる噴煙、その凄まじい力に少女は体を震わせた。
ああ、自分達があの怪物を倒した、と。
ああ、王の造ったバケモノが死んだ、と。
それは歓喜の眼差し、勝利を確信し、その光景に見とれた。
互いに手を取り、喜びの声をあげた。
――だが。
次の瞬間、一人の少女の体が半分に裂かれた。
血飛沫を上げ、吹かれた枯葉のように空を舞う。
何が起きたか分からないまま、電撃がもう一人の少女を焼く。
炭化した体、可憐な衣装は、もはや服の様相を呈してはなかった。
そして、土石流。
岩石が大波になって少女達を飲み込み、すり潰した。
それはほんの一瞬の出来事。
次の瞬間に、そこに残っていたのは虫の息の、たった一人の魔法少女。
周りには、もう誰も生き残ってはいなかった。
代わりに少女の目の前に立っていたのは、あの怪人たち、グリード。
「ア……ああぁ……!」
希望が、絶望へと塗り替えられていく。
ジェムがそれに呼応するように、ドス黒く濁っていく。
「――――――アァァァァアアァ7テnッワm8ッぺ7xhq9wく!!!!!!!!」
そして、少女は絶望の雄叫びを上げた。
それはもう、人の声ではなく。
ひび割れるソウルジェム。
あふれ出す黒い霧。
少女を霧が包み、そして――。
少女は――。
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541 :◆WDUU7xtdEo [saga]:2011/10/29(土) 12:12:36.34 ID:A3g1wh7no
燃え盛る炎、崩れ落ちる家屋、息絶えた人々。
その中を闊歩する、異形の怪人グリード。
彼等に恐れをなすように、炎までもがグリードの歩く周囲を避けていく。
それは、まるで王の行進。
何人も妨げる事が許されない。
だが、そんな彼等の前に、幾人かの少女達が立ちはだかる。
その手に握られていたのは宝石、ソウルジェム。
「へぇ、また実(み)?」
「あらぁ、かわいいお嬢ちゃん達ねぇ」
「オーズちがう」
「奇跡売りか」
脆弱極まりない人間の、しかも少女達が自分達に立ち向かおうとする姿に
彼等は各々に反応を見せた。
だが、そこに警戒の色はない。むしろ、侮辱の色すらある。
それに少女達は怒りを露にした。
――父さんを!!
――母さんを!!
奪われた者の名を少女達は叫んだ。
グリードに殺され、奪われ、ヤミーの苗床にされた大事な人達。
怒りと絶望に打ちのめされた彼女達には、もう何もなかった。
カラッポの、器だけ。
そんな彼女達の前に現れたのは天使だったか、悪魔だったのか。
『ソレ』が求めたのは『契約』。
『ソレ』が叶えるのは『奇跡』、そして『希望』。
少女達に選択はなかった。
彼女達は選んだ、グリードを倒せるという『希望』に全てを託して。
――これは、神の与えてくれた奇跡なのだと。
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少女達の手の中にあったソウルジェムが大きな光を発する。
一瞬でボロだった服は光り輝く衣装に置き換わり、ジェムは彼女達を彩る
装飾になり、到底少女では扱えそうもない武器がその手に握られた。
そして、少女達はグリードへと戦いを挑んだ。
父の仇、母の仇、恋人の仇だと叫び、彼等に一心に憎悪を傾けて。
戦斧を振り回し、大槍を投げつけ、大剣を叩きつけ、千の矢を射る。
圧倒的な破壊が全て、グリードへと注がれる。
炎は消し飛び、崩れかけていた家屋はその形を止めることが出来ず崩壊し
大地は、魔法少女の力で抉られる。
巻き起こる噴煙、その凄まじい力に少女は体を震わせた。
ああ、自分達があの怪物を倒した、と。
ああ、王の造ったバケモノが死んだ、と。
それは歓喜の眼差し、勝利を確信し、その光景に見とれた。
互いに手を取り、喜びの声をあげた。
――だが。
次の瞬間、一人の少女の体が半分に裂かれた。
血飛沫を上げ、吹かれた枯葉のように空を舞う。
何が起きたか分からないまま、電撃がもう一人の少女を焼く。
炭化した体、可憐な衣装は、もはや服の様相を呈してはなかった。
そして、土石流。
岩石が大波になって少女達を飲み込み、すり潰した。
それはほんの一瞬の出来事。
次の瞬間に、そこに残っていたのは虫の息の、たった一人の魔法少女。
周りには、もう誰も生き残ってはいなかった。
代わりに少女の目の前に立っていたのは、あの怪人たち、グリード。
「ア……ああぁ……!」
希望が、絶望へと塗り替えられていく。
ジェムがそれに呼応するように、ドス黒く濁っていく。
「――――――アァァァァアアァ7テnッワm8ッぺ7xhq9wく!!!!!!!!」
そして、少女は絶望の雄叫びを上げた。
それはもう、人の声ではなく。
ひび割れるソウルジェム。
あふれ出す黒い霧。
少女を霧が包み、そして――。
少女は――。
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