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ダンテの神曲(寿岳文章訳)読了

ダンテの神曲(寿岳文章訳)の天国篇を読み終えた
今年の2月5日から地獄篇を読み始めたので
神曲3冊(地獄篇、煉獄篇、天国篇)を読むのに約10ヵ月を要したことになる

地獄篇も煉獄篇も読み終わったあとに、書き出した分からない語句を反復しているので
それに各篇ともに約2週間を要しているので
純粋に読書だけに要した期間は9ヵ月ということになるだろうか
天国篇の語句の反復はこれから行う
ちなみに、わからない語句の書き出しは神曲全編で4000を超えた

神曲のストーリ―は、カトリックの思想に基づいて
先達者と共に地獄から煉獄と天国を経て神に会うまでの冥府遍歴を描く
途中、色々な霊と出会って、そこで会話しながら経巡っていくのだが
ダンテの身近な人物をそこに配置し、ギリシャ神話、ローマ神話を絡めて描く

時代背景はダンテが実際に生きていた西暦1300年頃なので、今から約700年前
日本だと鎌倉時代に該当する
寿岳文章の訳が非常に素晴らしく、
難読漢字や古語を学習させてくれる機会を与えてくれている
古語と言っても古典文法は使用していないので、太郎のように
古典を全く理解できない人物でも、なんとか読み進めることができる
わからない語句や古語は調べればなんとかなる

古典文法も厳密に言えばそうだろうが、実際解読しながら読み進めようとすると
極めて難解である
大げさでは無く、実際にこの本で古典文法を使用されていたら、太郎の能力だと5年以上は
かかるだろう。そもそも、難易度が高すぎて読む気にもなれなかったであろう

今回ダンテの神曲を読んでの一番の収穫は思想の深さである
難読漢字や古語から、日本語の言語の奥は思っていたよりも断然深いことが分かったし
カトリックの思想や、カトリックの言語を仏語に置き替えて語っているところも多かったので
仏道の思想も垣間見ることができた

神曲の主人公であり著者であるダンテが、ビルジリオやベアトリーチェに案内してもらったように
読者である旅人は先達者である訳者寿岳から多くを案内してもらえる本であった
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