757 :鬼女日記 2017/04/20(木) 18:31:16 ID:i7C
話半分で聞いてほしい。
古文書から起こすので恣意的な表現とフェイクを混ぜるけども、途中おかしいところもあるかもしれない。
※前提はだいぶ長い。
うちは古くは豪商の家系で、ある宿場町に本拠を構えて茶屋・道具屋・金貸しや骨董など
様々な業態に手を広げて地域でちっちゃい財閥グループみたいなことをやってた。
ある年、骨董店の方に木像が流れてきた。
2尺3寸(70cm弱)あるその木像を、見回りで来ていたご先祖(以下、権兵衛)が気に入り、自宅で引き取って寝室に安置。
それから数日後、権兵衛の夢に木像が出て来て、寝室を抜け出し居間の囲炉裏で火にあたるようになった。
もちろん目が覚めると木像は寝室の定位置にあるのだが、
二、三日続けて寝室を抜け出し囲炉裏に向かう木像の夢を見た。
これはということで、権兵衛は居間の一角に小上がりを作ってそこに木像を移した。
すると今度はその木像が居間からやってきて、寝室の権兵衛を囲炉裏に誘ってくる夢を見るようになった。
その夢を数日続けて見たので権兵衛は根負けし、居間で寝る事にした。
翌朝、その地域を大地震が襲った。
自宅は潰れ妻子と使用人が下敷きになったが、木像とすぐそばで眠っていた権兵衛だけはなんとか助かった。
古文書から起こすので恣意的な表現とフェイクを混ぜるけども、途中おかしいところもあるかもしれない。
※前提はだいぶ長い。
うちは古くは豪商の家系で、ある宿場町に本拠を構えて茶屋・道具屋・金貸しや骨董など
様々な業態に手を広げて地域でちっちゃい財閥グループみたいなことをやってた。
ある年、骨董店の方に木像が流れてきた。
2尺3寸(70cm弱)あるその木像を、見回りで来ていたご先祖(以下、権兵衛)が気に入り、自宅で引き取って寝室に安置。
それから数日後、権兵衛の夢に木像が出て来て、寝室を抜け出し居間の囲炉裏で火にあたるようになった。
もちろん目が覚めると木像は寝室の定位置にあるのだが、
二、三日続けて寝室を抜け出し囲炉裏に向かう木像の夢を見た。
これはということで、権兵衛は居間の一角に小上がりを作ってそこに木像を移した。
すると今度はその木像が居間からやってきて、寝室の権兵衛を囲炉裏に誘ってくる夢を見るようになった。
その夢を数日続けて見たので権兵衛は根負けし、居間で寝る事にした。
翌朝、その地域を大地震が襲った。
自宅は潰れ妻子と使用人が下敷きになったが、木像とすぐそばで眠っていた権兵衛だけはなんとか助かった。
758 :鬼女日記 2017/04/20(木) 18:32:44 ID:i7C
瓦礫から助け出された権兵衛は後に系列の従業員の安否確認を行ったが、
何の因果か、経理をごまかしていた道具屋の女と
権兵衛の示した基準より高い利息を陰で取っていた、金貸しの取り立て役の二人だけがタヒんでいた。
さらに思い返すと、自宅で下敷きになった者も思い当たる節があり、
(権兵衛の妻は未亡人で、正直言って権兵衛にとって好みでなく納得の行く結婚でなかったし、
子も権兵衛の名を傘に好き放題やらかし、各所から反感を買っていた。
使用人は無駄遣いが多く倹約を是とする権兵衛ともそりが合わなかった。
子の目付役は子をかなり甘やかし、権兵衛の教育方針を裏で完全に無視していた。)
あまりにも出来過ぎていると権兵衛は思った。
自宅を再建するまでの間、権兵衛の系列の茶屋の店舗の奥の部屋で木像と暮らすことになった。
茶屋を始め、系列店はどれも被害は軽微であったため、早々に営業再開できた。
新しい家を建てる頭金の目途がたったころ、また権兵衛の夢に木像が出てきた。
町の中心地から南西に広がる山の一角、宿場町を見下ろせる位置にある畑4枚分の広さの空き地に、
権兵衛と木像が並んで寝転がり空を眺める夢だった。
何の因果か、経理をごまかしていた道具屋の女と
権兵衛の示した基準より高い利息を陰で取っていた、金貸しの取り立て役の二人だけがタヒんでいた。
さらに思い返すと、自宅で下敷きになった者も思い当たる節があり、
(権兵衛の妻は未亡人で、正直言って権兵衛にとって好みでなく納得の行く結婚でなかったし、
子も権兵衛の名を傘に好き放題やらかし、各所から反感を買っていた。
使用人は無駄遣いが多く倹約を是とする権兵衛ともそりが合わなかった。
子の目付役は子をかなり甘やかし、権兵衛の教育方針を裏で完全に無視していた。)
あまりにも出来過ぎていると権兵衛は思った。
自宅を再建するまでの間、権兵衛の系列の茶屋の店舗の奥の部屋で木像と暮らすことになった。
茶屋を始め、系列店はどれも被害は軽微であったため、早々に営業再開できた。
新しい家を建てる頭金の目途がたったころ、また権兵衛の夢に木像が出てきた。
町の中心地から南西に広がる山の一角、宿場町を見下ろせる位置にある畑4枚分の広さの空き地に、
権兵衛と木像が並んで寝転がり空を眺める夢だった。
759 :鬼女日記 2017/04/20(木) 18:34:22 ID:i7C
この夢を2回見た権兵衛はすぐさま行動に出、夢でみた場所を1週間かけて特定した。
夢の場所と同じ場所と確信した権兵衛はこの土地に家を建てることを決め、即断即決で手配した。
また、権兵衛はこの頃新しい妻として系列の茶屋の娘を迎え入れた(世話になったので)。
それから8年、茶屋の娘との間に2男1女を授かり、系列店を増やし業績もどんどん伸び、公私ともに充実した毎日を送っていた権兵衛。
また久しぶりに木像の夢を見た。
自宅からさらに奥まった山の中、そこには神社が立っており、本殿の奥に木像が鎮座している。
だが、その木像は悲しげな表情。その木像の視線の先には、一面火の海の宿場町。
冷や汗で飛び起きた権兵衛は、山中の神社が手掛かりになるかもしれないと夢で見た景色を必タヒに探した。
半月山中を探し回ったが、神社どころか建物のひとつすら見つけられなかった。
夢の中で見た景色を思い出す。
神社、木像、燃える宿場町・・・。
必タヒに記憶をたどる権兵衛は、周囲の木々が所々わずかながら緑から赤に染まっていたのを思い出した。
この時3月の中頃。とすると、夢で見たことがそのまま起こるのなら9月か10月、半年先に起こるかもしれないと権兵衛は予測した。
夢の場所と同じ場所と確信した権兵衛はこの土地に家を建てることを決め、即断即決で手配した。
また、権兵衛はこの頃新しい妻として系列の茶屋の娘を迎え入れた(世話になったので)。
それから8年、茶屋の娘との間に2男1女を授かり、系列店を増やし業績もどんどん伸び、公私ともに充実した毎日を送っていた権兵衛。
また久しぶりに木像の夢を見た。
自宅からさらに奥まった山の中、そこには神社が立っており、本殿の奥に木像が鎮座している。
だが、その木像は悲しげな表情。その木像の視線の先には、一面火の海の宿場町。
冷や汗で飛び起きた権兵衛は、山中の神社が手掛かりになるかもしれないと夢で見た景色を必タヒに探した。
半月山中を探し回ったが、神社どころか建物のひとつすら見つけられなかった。
夢の中で見た景色を思い出す。
神社、木像、燃える宿場町・・・。
必タヒに記憶をたどる権兵衛は、周囲の木々が所々わずかながら緑から赤に染まっていたのを思い出した。
この時3月の中頃。とすると、夢で見たことがそのまま起こるのなら9月か10月、半年先に起こるかもしれないと権兵衛は予測した。
760 :鬼女日記 2017/04/20(木) 18:36:00 ID:i7C
神社は見つけられなかった。ならば、建ててしまおう。
そう思い立った権兵衛は、家族からの理解を得た後すぐさま傘下の大工の一団と、京都から招いた宮大工たちに神社建設を依頼。
通常の工期計画だと半年では到底間に合わないのは十分理解していたので、
まず本殿のみを最優先し、秋に間に合うよう簡素なものを注文。
建設に際し、系列から回ってくる収益の8割を神社建設の費用に充てた。
間に合わないと感じたら大工を増員して9月までの完成を急いだ。
その甲斐あって、なんとか8月末に神社本殿は完成。
権兵衛は木像をその神社のご神体とした。
そう思い立った権兵衛は、家族からの理解を得た後すぐさま傘下の大工の一団と、京都から招いた宮大工たちに神社建設を依頼。
通常の工期計画だと半年では到底間に合わないのは十分理解していたので、
まず本殿のみを最優先し、秋に間に合うよう簡素なものを注文。
建設に際し、系列から回ってくる収益の8割を神社建設の費用に充てた。
間に合わないと感じたら大工を増員して9月までの完成を急いだ。
その甲斐あって、なんとか8月末に神社本殿は完成。
権兵衛は木像をその神社のご神体とした。
761 :鬼女日記 2017/04/20(木) 18:37:05 ID:i7C
そして10月のある日、宿場町は火事に見舞われた。
権兵衛は神社完成以後日課となっているお供えを済ませ、神社本殿周辺の見回りをしている最中のことだった。
夢で見た神社での火災の景色と今のこの光景が重なる。
しかし、権兵衛は少し違和感を覚えた。
夢で見たのは山から見下ろす宿場町の大半が火の海になるほどの大火事であったのに、
今見える宿場町の火災は長屋十軒程度が燃えているくらいなのだ。
権兵衛が経営する系列の店舗は宿場町の通りに沿った北半分に集中しているが、
今回の火災は南端で起こっている。
系列店には被害が及ばず、その上火災の規模も夢で見たよりずっと小さかった。
結果としてその火災は南端のみの小規模なもので収着し、権兵衛と家族、系列店とその従業員すべてが無事であった。
権兵衛は木像が幸せを運んでくれる守り神であることへの確信を深め、
13年かけて本殿のみだった神社を完全に増築・改修した。
以後、宿場町の系列店舗の運営を長男に任せた権兵衛は商いからは身を引き、宮司として余生を過ごした。
権兵衛のタヒ後、宿場町の豪商家系は長男に続き、神社の宮司の家系は次男に続くものとなった。
権兵衛は神社完成以後日課となっているお供えを済ませ、神社本殿周辺の見回りをしている最中のことだった。
夢で見た神社での火災の景色と今のこの光景が重なる。
しかし、権兵衛は少し違和感を覚えた。
夢で見たのは山から見下ろす宿場町の大半が火の海になるほどの大火事であったのに、
今見える宿場町の火災は長屋十軒程度が燃えているくらいなのだ。
権兵衛が経営する系列の店舗は宿場町の通りに沿った北半分に集中しているが、
今回の火災は南端で起こっている。
系列店には被害が及ばず、その上火災の規模も夢で見たよりずっと小さかった。
結果としてその火災は南端のみの小規模なもので収着し、権兵衛と家族、系列店とその従業員すべてが無事であった。
権兵衛は木像が幸せを運んでくれる守り神であることへの確信を深め、
13年かけて本殿のみだった神社を完全に増築・改修した。
以後、宿場町の系列店舗の運営を長男に任せた権兵衛は商いからは身を引き、宮司として余生を過ごした。
権兵衛のタヒ後、宿場町の豪商家系は長男に続き、神社の宮司の家系は次男に続くものとなった。
762 :鬼女日記 2017/04/20(木) 18:38:35 ID:i7C
長男家系(以下、秋山家)と次男家系(以下、宮川家)は権兵衛以後9代までの間は薄れながらも一定の関係が続いたが、
秋山家は時代の流れにあわせて工場経営などを始め、さらに資本を広げた頃に関係悪化が始まる。
宮川家が所有する神社のある一帯の山林を、新工場建設のために少々強引なやり方で秋山家が揺さぶりをかける。
初めは金を積んでみたりしたが、応じない宮川家に対して次第に強めに脅してみたり社務所でボヤ騒ぎを起こしたりもした。
宮川家の宮司は権兵衛以降、何かしらの方法で木像からのお告げを受ける感覚に長けていた。
夢に出る権兵衛のパターンの他、意志と反して勝手に筆が動いて危機を知らせるパターン、
動物に連れられ難を逃れる&幸運を授かるパターンなどさまざまで、
この時の当主・宮司(以後、勝保)は、木像からの声を受ける感覚に長けていた。
凶作による品薄と高騰も、台風の被害も、神社が燃える可能性.のある山火事も、
あらかじめ木像からのお声で事前に対策し事なきを得られていた。
そして、秋山家からの執拗な嫌がらせと地上げ屋のような一連の暴挙に際して勝保が木像から受けた言葉は、
「全ての財を野から引け」。
秋山家は時代の流れにあわせて工場経営などを始め、さらに資本を広げた頃に関係悪化が始まる。
宮川家が所有する神社のある一帯の山林を、新工場建設のために少々強引なやり方で秋山家が揺さぶりをかける。
初めは金を積んでみたりしたが、応じない宮川家に対して次第に強めに脅してみたり社務所でボヤ騒ぎを起こしたりもした。
宮川家の宮司は権兵衛以降、何かしらの方法で木像からのお告げを受ける感覚に長けていた。
夢に出る権兵衛のパターンの他、意志と反して勝手に筆が動いて危機を知らせるパターン、
動物に連れられ難を逃れる&幸運を授かるパターンなどさまざまで、
この時の当主・宮司(以後、勝保)は、木像からの声を受ける感覚に長けていた。
凶作による品薄と高騰も、台風の被害も、神社が燃える可能性.のある山火事も、
あらかじめ木像からのお声で事前に対策し事なきを得られていた。
そして、秋山家からの執拗な嫌がらせと地上げ屋のような一連の暴挙に際して勝保が木像から受けた言葉は、
「全ての財を野から引け」。
763 :鬼女日記 2017/04/20(木) 18:40:13 ID:i7C
勝保の代では大半の資産と拠点は神社と一帯の山に集中していたが、
神社への供物を調達するために押さえている山麓の牧場、海岸の一部と漁業利権が平野部に存在していた。
勝保は秋山家に山と神社を諦めてもらうためと称して牧場と漁場を売却した。
翌年、土砂崩れと大洪水が地域を襲い、暴徒と化した民衆が略奪と破壊の限りを尽くした。
秋山家は商業工業で壊滅的な打撃を受け、出征していた三男の戦タヒ・長男と次男は暴動に巻き込まれタヒ亡、
長女と次女の病タヒ、そして路頭に迷った従業員による当主の暗杀殳によって秋山家は断絶した。
宮川家はほぼ無傷でこの天災を乗り切った後は引き上げた資産を地域復興と開発に使い、
神社及び一帯の山林に安寧をもたらした。
大戦期に移ると空襲を受けるようになったが、都市部にダメージは受けても神社は無傷であった他、
出征に際して安全祈願をした氏子がすべて生きて戻ってくるなど、その力のとどまるところを知らない。
神社への供物を調達するために押さえている山麓の牧場、海岸の一部と漁業利権が平野部に存在していた。
勝保は秋山家に山と神社を諦めてもらうためと称して牧場と漁場を売却した。
翌年、土砂崩れと大洪水が地域を襲い、暴徒と化した民衆が略奪と破壊の限りを尽くした。
秋山家は商業工業で壊滅的な打撃を受け、出征していた三男の戦タヒ・長男と次男は暴動に巻き込まれタヒ亡、
長女と次女の病タヒ、そして路頭に迷った従業員による当主の暗杀殳によって秋山家は断絶した。
宮川家はほぼ無傷でこの天災を乗り切った後は引き上げた資産を地域復興と開発に使い、
神社及び一帯の山林に安寧をもたらした。
大戦期に移ると空襲を受けるようになったが、都市部にダメージは受けても神社は無傷であった他、
出征に際して安全祈願をした氏子がすべて生きて戻ってくるなど、その力のとどまるところを知らない。
764 :鬼女日記 2017/04/20(木) 18:41:40 ID:i7C
そして私(男)。
宮川家の末裔にあたる私も例にもれず木像からのお告げが聞こえる。
私の場合は、私の口が勝手にしゃべるというものだ。
急に意に反してしゃべりだすので人前ではやめてほしいのだが、
いきなり「止まれ!」というので止まってみたらすぐ目の前を自転車が猛スピードで飛び出してきたり、
空腹にもかかわらず「(食事を)いらない!」と言うので食事を我慢したら食中毒を回避したりすることがあったので、
本当に無下にできないし、実際に体験している以上嘘だなんてことは思わない。
忠実にお告げに従おうと思う毎日。
さて、長くなってしまったけども、ここまでが前提。
宮川家の末裔にあたる私も例にもれず木像からのお告げが聞こえる。
私の場合は、私の口が勝手にしゃべるというものだ。
急に意に反してしゃべりだすので人前ではやめてほしいのだが、
いきなり「止まれ!」というので止まってみたらすぐ目の前を自転車が猛スピードで飛び出してきたり、
空腹にもかかわらず「(食事を)いらない!」と言うので食事を我慢したら食中毒を回避したりすることがあったので、
本当に無下にできないし、実際に体験している以上嘘だなんてことは思わない。
忠実にお告げに従おうと思う毎日。
さて、長くなってしまったけども、ここまでが前提。
765 :鬼女日記 2017/04/20(木) 18:42:54 ID:i7C
口出しが始まったのは幼稚園の頃。
そこそこの声量で突如喋るので変な目で見られることが多く、
小学校に上がってしばらくしてからはいじめにあうようになった。
机に落書きされたりノートを破られたり、いきなり大声で驚かせる(真似して小馬鹿にしながら)など。
中学に上がっても嫌がらせは続き、相当にねちっこく陰湿になって参っていたころ、
帰り道、待ち受けられてそのまま山に連れていかれた。
神社の山とは別の方向の山で、見た事のない場所に不安を覚える。
曇り空も相まって山の中はだいぶ暗いし、道なんてものはない。
両脇を固められて5対1で連れていかれる恐怖。
降り出した雨の音がさらに心細さを駆り立てる。
森の中、少し平らなところに着くと、彼らは私を囲んでニヤニヤしだす。
おもむろに足元の枝や石を拾い構え始める。
先が読めた私はうずくまろうとしたが、勝手に背を正し、
「ああああああーーーー!!!」と大声で口出しが起きた。
そこそこの声量で突如喋るので変な目で見られることが多く、
小学校に上がってしばらくしてからはいじめにあうようになった。
机に落書きされたりノートを破られたり、いきなり大声で驚かせる(真似して小馬鹿にしながら)など。
中学に上がっても嫌がらせは続き、相当にねちっこく陰湿になって参っていたころ、
帰り道、待ち受けられてそのまま山に連れていかれた。
神社の山とは別の方向の山で、見た事のない場所に不安を覚える。
曇り空も相まって山の中はだいぶ暗いし、道なんてものはない。
両脇を固められて5対1で連れていかれる恐怖。
降り出した雨の音がさらに心細さを駆り立てる。
森の中、少し平らなところに着くと、彼らは私を囲んでニヤニヤしだす。
おもむろに足元の枝や石を拾い構え始める。
先が読めた私はうずくまろうとしたが、勝手に背を正し、
「ああああああーーーー!!!」と大声で口出しが起きた。
766 :鬼女日記 2017/04/20(木) 18:44:14 ID:i7C
怯む5人。叫んでしまって反抗の意志に取られたかと恐ろしくなる私。
だが、続けて口出しが起こる。
「走れ!!!」と。
訳も分からず、囲みを抜けてとにかくがむしゃらに走り出した。
上ってきた方向とは全く違う、行き当たりばったりの方向へと、全速力で走った。
後方から声が聞こえなくなっても走った。
枝をかき分けながら両手の甲をひっかいて血が滲んでもただひたすらに真っ直ぐを目指した。
だいぶ走って、少し冷静さを取り戻したころ、自分がどこにいるのか、
どこに向かっているのかが分からないことを思い出した。
とりあえずここまで傾斜を下り続けてみたものの、まるで分からない。
雨が降っているものの、まだ日中の明るいうちに帰れないとまずい。
そう思った途端「ついてこい」と口出しが起きた。
だが、続けて口出しが起こる。
「走れ!!!」と。
訳も分からず、囲みを抜けてとにかくがむしゃらに走り出した。
上ってきた方向とは全く違う、行き当たりばったりの方向へと、全速力で走った。
後方から声が聞こえなくなっても走った。
枝をかき分けながら両手の甲をひっかいて血が滲んでもただひたすらに真っ直ぐを目指した。
だいぶ走って、少し冷静さを取り戻したころ、自分がどこにいるのか、
どこに向かっているのかが分からないことを思い出した。
とりあえずここまで傾斜を下り続けてみたものの、まるで分からない。
雨が降っているものの、まだ日中の明るいうちに帰れないとまずい。
そう思った途端「ついてこい」と口出しが起きた。
767 :鬼女日記 2017/04/20(木) 18:45:29 ID:i7C
着いて来い?どういう意味だ?と思っていたら、小鳥が目の前の切り株に降り立ち、こちらへさえずる。
数歩近づいてみると、その小鳥は少し前方へ飛んで、また同じように止まってこちらを窺う。
この鳥についていけばいいのかな、と宛てもない今はこの小鳥にすがってみることにし、小鳥の導く方へ歩き続けた。
20分か30分程山中を歩き続け、ようやく道路に出た。
やっとで道に出て安心が少し戻った時、連れて来てくれた小鳥は道の下り方向へと飛び立って行った。
ここまで来れば大丈夫ってことなんだろう。でも一応、示した通りにこの道を下ってみよう。
ずぶ濡れになりながら、示したほうへと道を下って行った。
そこからしばらく歩いてようやく知ってる道に出た。
不安がだいぶ安心に変わり、あとはこのまま帰るだけだと歩いた瞬間、後方からすさまじい音がした。
ドシャアアアン!!!と鼓膜が割れるほどの轟音。
何が起こったのか後ろに目をやると、さっきまでいた山に雷が落ちていた。
しかも数秒のうちに3度も落雷していた。
もしあの山に長居してたら・・・、そう考えると全身鳥肌が立った。
足早に家を目指し、全身びしょびしょのくたくたになりながらもなんとか自宅へたどり着いた。
数歩近づいてみると、その小鳥は少し前方へ飛んで、また同じように止まってこちらを窺う。
この鳥についていけばいいのかな、と宛てもない今はこの小鳥にすがってみることにし、小鳥の導く方へ歩き続けた。
20分か30分程山中を歩き続け、ようやく道路に出た。
やっとで道に出て安心が少し戻った時、連れて来てくれた小鳥は道の下り方向へと飛び立って行った。
ここまで来れば大丈夫ってことなんだろう。でも一応、示した通りにこの道を下ってみよう。
ずぶ濡れになりながら、示したほうへと道を下って行った。
そこからしばらく歩いてようやく知ってる道に出た。
不安がだいぶ安心に変わり、あとはこのまま帰るだけだと歩いた瞬間、後方からすさまじい音がした。
ドシャアアアン!!!と鼓膜が割れるほどの轟音。
何が起こったのか後ろに目をやると、さっきまでいた山に雷が落ちていた。
しかも数秒のうちに3度も落雷していた。
もしあの山に長居してたら・・・、そう考えると全身鳥肌が立った。
足早に家を目指し、全身びしょびしょのくたくたになりながらもなんとか自宅へたどり着いた。
768 :鬼女日記 2017/04/20(木) 18:47:23 ID:i7C
翌土曜日を挟んで日曜の昼、連絡網が回ってきた。
金曜の大雨の日、落雷の影響でクラスメイトが亡くなったと。
話を聞くと、下校時に待ち受けて私を山へと連れ込んだあの5人だと。
帰宅しないクラスメイトの親が捜索願を出し目撃証言をもとに捜索した後発見、
周辺の焦げた木々の状況を見て、落雷の直撃を受けて即タヒしただろうとのこと。
正直言って彼らは大嫌いだった。
執拗に嫌がらせをしてくる彼らを憎くも思っていた。
彼らがタヒんだことについては決して嬉しくないわけではない。少しはあった。
ただ、もしもあの時山に行かなければこうならなかったのではないかと思った。
思わぬ形でこうした結末を迎え、どうにもいたたまれない気持ちになった。
「気にするな」。
そう口出しが起きた。
いつも口出しは危険が迫っている時に起こるのだが、
今のは珍しく気にかけて口出ししてくれたのだ。
いつも見られている。
ずっと守ってくれている。
これは、そのことを強く感じた私の修羅場でした。
金曜の大雨の日、落雷の影響でクラスメイトが亡くなったと。
話を聞くと、下校時に待ち受けて私を山へと連れ込んだあの5人だと。
帰宅しないクラスメイトの親が捜索願を出し目撃証言をもとに捜索した後発見、
周辺の焦げた木々の状況を見て、落雷の直撃を受けて即タヒしただろうとのこと。
正直言って彼らは大嫌いだった。
執拗に嫌がらせをしてくる彼らを憎くも思っていた。
彼らがタヒんだことについては決して嬉しくないわけではない。少しはあった。
ただ、もしもあの時山に行かなければこうならなかったのではないかと思った。
思わぬ形でこうした結末を迎え、どうにもいたたまれない気持ちになった。
「気にするな」。
そう口出しが起きた。
いつも口出しは危険が迫っている時に起こるのだが、
今のは珍しく気にかけて口出ししてくれたのだ。
いつも見られている。
ずっと守ってくれている。
これは、そのことを強く感じた私の修羅場でした。
769 :鬼女日記 2017/04/20(木) 18:51:41 ID:cQg
全く読んでないけど長すぎ
ブログでやればいいのに
ブログでやればいいのに
770 :鬼女日記 2017/04/20(木) 19:07:40 ID:i7C
>>769
>※前提はだいぶ長い。
>※前提はだいぶ長い。
771 :鬼女日記 2017/04/20(木) 19:09:07 ID:oQx
興味深いけどオカルト板向きな話題かな
誘導するほど詳しくなくてごめんね
誘導するほど詳しくなくてごめんね
772 :鬼女日記 2017/04/20(木) 19:10:19 ID:i7C
>>771
オカルト板に貼り直したほうがいいですかね
オカルト板に貼り直したほうがいいですかね
779 :鬼女日記 2017/04/21(金) 08:12:15 ID:iLL
自分のブックマーク的に、こことオカ板エニグマスレが並んでるからそっち読んでると勘違いしたわw
他サイト生活系人気記事
コメント
コメント一覧 (10)
ところで木像の外観の描写が全然無いのね。サイズだけ?
秘仏化してて今は見られないとかかね?
長いけど文章もお上手で面白かった
そんなに霊験あらたかなら、私もお参りさせていただきたいな…なんて、
俗物もいいとこですかね^^;
でも、宮司さんたちも含めて、きっととても雰囲気の素敵な神社なんだと思う。
この人が生きているうちはまだ何かしら修羅場が起こるんじゃないかと思ってしまうから
オカスレ向きだと思うわ
宮司さん一家も良い人達なんだろうなあ
「気にするな」。
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