10日ほど前、遅い新婚旅行に行った。結婚三年目、夫のくまおのまとまった休みが取れたから。京都、伊勢志摩への旅行は楽しかった。
その旅行中の唯一の喧嘩だが・・・
私は初日から飲みすぎ食べ過ぎで調子が悪かった。
以前はくまおが私の分までよく食べてくれたのだが、最近糖尿の診断が出て、「自分の分は自分で残さず食べなさい」と言うスタイルに。それどころか、「ワタシの分のカボチャを食べてくれないか?糖尿に悪いから」なんていうことも。
お昼など「飲まない」と言っても、「一緒に飲もうよ」と言われ付き合い、「これ美味しいよ食べて」「いらない」「食べてくれ」と食べて…非常に苦しかった三泊目の京都の夜に、喧嘩は起きた。
「今日は早く横になる」と言う私に「食後はバーに行こうよ」というくまお。
「今日は行かない」
「折角だから行こうよ」
「とても疲れた。今日は早く寝たい」
「いいバーあると思うよ。一杯だけ行かないか」
「えー、食べ終わって余力があったら行くかもしれないけど…」
そして美味しい食事を食べて、くまおは仲居さんにいいバーを教えてもらい、一緒に行こうと言うが・・
「私は眠いし苦しいからバーには行かない。一人で行って」
「えーー。一人じゃ行かないよ。じゃ、館内見に行こう」
館内ならすぐ部屋に戻ることもできる。で、連れ立って公開している書斎(俵屋のアーネストスタディ)へ。
日本はもちろん世界の建物や料理など専門的な本がたくさんあり、建築などの仕事をしていたくまおにはとても興味深かったようで、熱心に本を読んでいる。私も好みと思える本を手に取ってみるが、フランス語?読めない
日本の壁の本も開いてみるが、専門的すぎて疲労と眠気に襲われている私には無理だった。
小さな流しにウェッジウッドやマイセンの食器があり、そちらを眺めたり、また本を開いたりしていたが、とうとうくまおに「そろそろ部屋に戻ろう」と言って一緒に書斎を後にした。
その後もくまおは部屋に戻ろうとせず、中庭を眺め鈴虫の音を聞いたり、うろうろ。「部屋に行こう」と言っても、「虫はどこにいるのかな」とか、建物の話をして取り合わない。私も折角の旅行だからとくまおの話に返事をしていたが、限界。
強く「もう部屋に帰って寝たい!」と言うと、ため息交じりに「じゃ、鍵渡すから帰ってて。ハイ」と。
部屋に入り、内側から鍵をかけてやろうかと思った。
だったらさっさと鍵を渡してくれたらいいのに。こんなことなら初めから一人でバーに行ってくれたら私はとっくに眠ることができたのに。
やっと横になったのにイライラして眠られない。だけどくまおが戻る前に眠らねば、話しかけられてしまう。
しかし、眠りに落ちる前にくまおは戻ってきた。
「暗くて見えないから電気点けるよ」
「やめて!」
「だって、寝巻が見えないよ
」
黙って寝巻を投げてやる私。「酷いなぁ」とくまお。
やがていろいろ話しながら隣の寝具に入ったくまお。眠りたいのに、うるさい。イラつく。で、とうとう私が激怒。
「何回も私に静かな声で話せとか物音立てるなとか言ってたけど周りだけでなく私にも少しは気を遣ってよ
」
「気を遣ってるでしょ
」
「うるさい
もう話かけんな!」
でもなぁ、重い荷物はよく持ってくれたし、疲れたり乗り物酔いするからとタクシーにしてくれたり、ずれてることもあったけど、ずいぶんやってくれているかも。
ちょっとくまおの方を見てみると、私が眩しがるから、いつも家でもしているように背を向けて光が漏れないようにしてタブレットをいじっている。
再び目を閉じながら、悪いこと言ったかな…と、ちょっと反省。
そう思った矢先、くまおの大いびきがスタート。ううぅ、反省したの撤回!やっぱり一人でバーに行ってくれればよかったのに!
いびきに耳をふさぎながら思った。
以前の旅行では、くまおがモラハラぶりを発揮して威張り続け、私が泣く、いじける、激怒する、そんな事ばかりだったのに、今回の旅行では三日目にして初めての喧嘩。くまおは変わった。本当に変わってくれたんだな、と。
人間の本質は変わらない。いつかまた戻ってしまうかもしれないけど、変わってくれたことが嬉しかった。
結婚三年目。そういえばこの頃は別れたいと思わなくなったな。(←そんなレベル? 笑)
ううん、この頃は気付くと『幸せだな』と思っている。
日曜日に母と約束したら「一緒にドライブとお風呂に行きたかったのに
」、昨日は仕事上がりで飲みに誘われ行こうかな、と思ったら「今日は帰って白ワイン飲んで寝ようよ・・
」
旅行後も変わらず、一緒に居たがりの夫です。
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