2012-06-30(Sat)
映画「ブラック・ブレッド」
銀座テアトルシネマ等で公開中の映画「ブラック・ブレッド」、
6月30日に銀座テアトルシネマで行われたトークショー付き上映回にて観賞
この作品は、2011年のゴヤ賞で9部門、ガウディ賞で13部門で受賞するなど
非常に高い評価を受けた作品。
監督、脚本:アグスティ・ビリャロンガさん
原作:エミリ・テシドールさん
音楽:ホセ・マヌエル・パガンさん
出演:フランセスク・コロメールさん(アンドレウ)、マリナ・コマスさん(ヌリア)、
ノラ・ナバスさん(フロレンシア)、ロジェール・カサマジョールさん(ファリオル)他
製作年:2010年
製作国:スペイン、フランス
舞台はスペイン内戦直後、1940年代のスペイン・カタルーニャ地方の小さな村。
そこで起きた殺人事件と第一発見者の少年、そして事件に巻き込まれていく少年の父親・・・。
「ダーク・ミステリー」と呼ばれるに相応しい非常に暗い印象の映像が全編に渡って続く。
その独特の暗さが登場人物の心情を上手く引き出し、観客の心を盛りあげてくれる。
撮影、演出、脚本・・・全てが良く出来ている。
これは、スペイン内戦直後の時代の物語であるが、
内戦後に独裁政権を樹立させたフランコ氏を支持して来た人々と、
その反勢力側にいた人々が共存して暮らしている。
各々の心に未だ残る複雑な感情が良く表現されている。
心理描写が非常に丁寧。
この映画の「暗さ」が内戦後の人々の心の奥に潜む傷跡を反映しているように感じる。
冒頭の犯罪シーンは、映画の初めから強い緊張感と不気味な感情を掻き立ててくれる。
そしてラストシーンでは、成長した主人公の少年の様子をはっきりと感じさせてくれる。
尚、映画のタイトルにもなっている「黒いパン」。
映画の中にも時折「黒いパン」と「白いパン」が登場する。
1930年代から1940年代のスペインでは、
富裕層が白いパンを食べ、貧者はキビやドングリの粉を混ぜた黒いパンを食べていたそうである。
その様子もこの映画で知ることができる。
・・・・・
ストーリー・・・
1940年代、スペイン内戦終結後のスペイン・カタルーニャ地方の小さな村。
森で残忍な殺人事件が起きる。
第一発見者は11歳のアンドレウ(フランセスク・コロメールさん)。
アンドレウは、被害者である幼なじみが息を引き取る前に「ピトルリウア」と言うのを聞く。
ピトルリウアとは、森の洞穴に住むと噂されている羽の生えた怪物の名前である。
警察は事件の犯人をアンドレウの父ファリオル(ロジェール・カサマジョールさん)と決めつけ、
やがてファリオルは逮捕される。
そんな中、アンドレウは、森の中を全裸で走り回る美しい謎の青年と出逢う。
不穏な空気の流れる小さな村・・・。
大人達が隠している真実とは・・・?
アンドレウ、そして父ファリオルの運命は・・・?
真の犯人は誰なのか・・・?
・・・・・
映画上映終了後、13時50分から14時5分までトークショー。
登壇者は、ミステリー評論家の三橋暁さん。
印象深かったコメントは以下の通り。
「1940年代のスペインは独裁のフランコ政権の時代。
第二次世界大戦の前にスペイン内戦があった。その結果生まれたのがフランコ政権。
物語の舞台のカタルーニャ地方は反フランコ政権の地域にあたる。
そこで、この地域は内戦後も弾圧を受けていた。それが良く描かれていた」
「「ダーク・ミステリーとは何か?」耳慣れない言葉であるが、映画を観てみると、
よく付けられた呼び方だと思う。人が人として生きて行く上で犯してしまった罪についての心の闇」
他にも印象的なコメントがあったが、ネタバレになる危険があるので、ここではカット。
・・・・・
機会があればもう一度観て理解を深めたいと思える作品である。
みっきぃパパ
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6月30日に銀座テアトルシネマで行われたトークショー付き上映回にて観賞
この作品は、2011年のゴヤ賞で9部門、ガウディ賞で13部門で受賞するなど
非常に高い評価を受けた作品。
監督、脚本:アグスティ・ビリャロンガさん
原作:エミリ・テシドールさん
音楽:ホセ・マヌエル・パガンさん
出演:フランセスク・コロメールさん(アンドレウ)、マリナ・コマスさん(ヌリア)、
ノラ・ナバスさん(フロレンシア)、ロジェール・カサマジョールさん(ファリオル)他
製作年:2010年
製作国:スペイン、フランス
舞台はスペイン内戦直後、1940年代のスペイン・カタルーニャ地方の小さな村。
そこで起きた殺人事件と第一発見者の少年、そして事件に巻き込まれていく少年の父親・・・。
「ダーク・ミステリー」と呼ばれるに相応しい非常に暗い印象の映像が全編に渡って続く。
その独特の暗さが登場人物の心情を上手く引き出し、観客の心を盛りあげてくれる。
撮影、演出、脚本・・・全てが良く出来ている。
これは、スペイン内戦直後の時代の物語であるが、
内戦後に独裁政権を樹立させたフランコ氏を支持して来た人々と、
その反勢力側にいた人々が共存して暮らしている。
各々の心に未だ残る複雑な感情が良く表現されている。
心理描写が非常に丁寧。
この映画の「暗さ」が内戦後の人々の心の奥に潜む傷跡を反映しているように感じる。
冒頭の犯罪シーンは、映画の初めから強い緊張感と不気味な感情を掻き立ててくれる。
そしてラストシーンでは、成長した主人公の少年の様子をはっきりと感じさせてくれる。
尚、映画のタイトルにもなっている「黒いパン」。
映画の中にも時折「黒いパン」と「白いパン」が登場する。
1930年代から1940年代のスペインでは、
富裕層が白いパンを食べ、貧者はキビやドングリの粉を混ぜた黒いパンを食べていたそうである。
その様子もこの映画で知ることができる。
・・・・・
ストーリー・・・
1940年代、スペイン内戦終結後のスペイン・カタルーニャ地方の小さな村。
森で残忍な殺人事件が起きる。
第一発見者は11歳のアンドレウ(フランセスク・コロメールさん)。
アンドレウは、被害者である幼なじみが息を引き取る前に「ピトルリウア」と言うのを聞く。
ピトルリウアとは、森の洞穴に住むと噂されている羽の生えた怪物の名前である。
警察は事件の犯人をアンドレウの父ファリオル(ロジェール・カサマジョールさん)と決めつけ、
やがてファリオルは逮捕される。
そんな中、アンドレウは、森の中を全裸で走り回る美しい謎の青年と出逢う。
不穏な空気の流れる小さな村・・・。
大人達が隠している真実とは・・・?
アンドレウ、そして父ファリオルの運命は・・・?
真の犯人は誰なのか・・・?
・・・・・
映画上映終了後、13時50分から14時5分までトークショー。
登壇者は、ミステリー評論家の三橋暁さん。
印象深かったコメントは以下の通り。
「1940年代のスペインは独裁のフランコ政権の時代。
第二次世界大戦の前にスペイン内戦があった。その結果生まれたのがフランコ政権。
物語の舞台のカタルーニャ地方は反フランコ政権の地域にあたる。
そこで、この地域は内戦後も弾圧を受けていた。それが良く描かれていた」
「「ダーク・ミステリーとは何か?」耳慣れない言葉であるが、映画を観てみると、
よく付けられた呼び方だと思う。人が人として生きて行く上で犯してしまった罪についての心の闇」
他にも印象的なコメントがあったが、ネタバレになる危険があるので、ここではカット。
・・・・・
機会があればもう一度観て理解を深めたいと思える作品である。
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