- 1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 23:15:44.62:4Y14NYwu0
男幽霊「…見えるの?」
女「はぁ?あんたずーっとそこにつっ立ってたじゃないの。授業中も」
男幽霊「俺人間じゃねーし」
女「えっ」
【画像】主婦「マジで旦那ぶっ殺すぞおいこらクソオスが」
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4:代理さんくす:2010/11/26(金) 23:24:26.52:X25gF/EqO
男幽霊「いや、だからさ」
女「うん」
男幽霊「俺のことよく見て。穴が空くほど見て」
女「いや…あの…いきなり告白とは…まだ心の準備が…」
男幽霊「いやそうじゃなくて」
女「…?」
男幽霊「透けてるでしょ?」
女「」バッ
女「この…スケベ!!」
男幽霊「いや透けブラじゃなくて」
5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 23:28:09.20:X25gF/EqO
女「なるほど…」
男幽霊「綺麗な顔してるだろ?死んでるんだぜ?」
女「綺麗な顔…てか地味な容姿だね」
女「私初めて見たわ、幽霊なんて」
男幽霊「俺も見られたの久しぶりだわ」
女「久しぶり?」
男幽霊「いやぁ、この学校のコとこの前話してさ」
女「ふぅん…じゃ、そろそろ帰るね」
男幽霊「そうでございますか」
6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 23:31:03.88:X25gF/EqO
男幽霊(帰ったか…)
男幽霊(人と久しぶりに話したな、今日は気分がいいから校内うろつくとするか)
―――
――
―
ゴトゴト
男幽霊「ん?」
男幽霊(なんだ?誰かいるのか?)
猫「ゴロゴロ…」ガサガサ
男幽霊「またお前か」
7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 23:33:21.62:X25gF/EqO
猫「ニャァア~」
男幽霊「お前が夜な夜なここに来るようになってから賑やかになったもんだ」ナデナデ
猫「ゴロゴロ…///」
男幽霊「お前には触れても人間様には触れんからなぁ…」ナデナデ
猫「ニャアア…」
男幽霊「…」
8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 23:36:59.27:X25gF/EqO
――朝――
女「おはよーっ」
女友「おっはーっ」
女(朝だから流石にいないか。昨日見たのは昼過ぎからだし)キョロキョロ
男幽霊「ん?」
女「いるのかよっ!」
女友「なっなにが!?」ビクッ
女「あ…あぁ~なんでもないですよぉ」
女友「そ、そう…」
10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 23:41:33.04:X25gF/EqO
放課後
女「あんた、朝もいるんだ」
男幽霊「逆にどこにいると思ってたんだよ」
女「なんてーか…消えてるみたいな…?」
男幽霊「ないない」
女「そういえばさー、なんで死んだの?」
男幽霊「風邪こじらせた」
女「…えっ…?」
男幽霊「風邪」
女「wwww」
男幽霊「笑いごとじゃねーよ」
11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 23:47:12.27:X25gF/EqO
女「この病弱者めwwww」
男幽霊「悪かったな」
女「だから今もモヤシみたいな体なのかぁー」
男幽霊「悪かったな…」
女「ゴメンゴメン、冗談だってば」
男幽霊「そういえば、お前、俺が怖くないの?」
女「ん?」
男幽霊「見える人は今まで結構いたけど、話す前に逃げちゃったりする人がほとんどでさ」
女「あー…なんでだろ?」
女「あ…もうこんな時間か…そろそろ帰るね!」
男幽霊「はーい」
14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 23:50:46.05:X25gF/EqO
夜
猫「ニャァォ」
男幽霊「ったく…人が来たらお前、つまみ出されるぞ?」
猫「ニァアア…ゴロゴロ」スリスリ
男幽霊「お前…俺が猫好きでよかったなぁちくしょー!」ギュウウウ
猫「ゴロゴロ」スリスリ
スタスタ
男幽霊「!」
男幽霊(まだ誰かいたのか!)
15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/26(金) 23:56:12.17:X25gF/EqO
女「ん」
男幽霊「ふぉ?」
女「ア…アンタ、教室から出られたんだ…」
男幽霊「お前は俺をなんだと思ってんだ」
男幽霊「てかお前か、おどかしやがって」
女「忘れ物しただけだよーだっ」
女「!」
猫「ニャァアアアゴォ」
女「あぁ~っ!ネコちゃん~!」
猫「ニャアアオ」
男幽霊「猫、好きなのか?」
女「うんっ!でもうちマンションだから飼えないのー…」
男幽霊「ふぅん」
17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 00:00:30.12:rfeDb5SlO
女「名前は?」
男幽霊「猫」
女「………」
猫「ニァアオ」
女「名前、つけていい?///」
男幽霊「ご自由に。その猫が気に入る名前ならな」
女「ん~、じゃ、ミケ!」
猫「ブー…」
女「え?嫌?じゃあ…ショコラ!」
猫「ブー…」
女「え…えぇ~」
男幽霊「アディダス」
猫「ニャァアアン」
女「!?」
18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 00:03:26.47:mMPQ7VM2O
女「そ…そんな…まさか…」
男幽霊「おぉよしよし」
女「くっ…しかたない…。この子の名前はアディダスで」
アディダス「ニャアアア」スリスリ
女「わっ!?」
男幽霊「アディダスもお前が気に入ったみたいだな」
女「わぁぁ…アディダスぅーっ」ギュウウ
19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 00:06:56.30:rfeDb5SlO
女「じゃ、明日の宿題やらなきゃなんないから帰るねっ忘れ物もとったし」
男幽霊「あぁ」
女「じゃ、またね!アディダスぅー!」
男幽霊「はいよ」
女「アンタじゃないの!アディダスに言ったのっ!」
アディダス「ニャアアンッ!」
男幽霊「やれやれ」
20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 00:11:14.72:mMPQ7VM2O
朝
女「アディダスぅ…」
女友「どっ…どうしたの…?」
女「アディダスにモフモフしたいの…」
女友「あ、アディダス?」
女「あ、うぅん。こっちの話」
女友「どっちの話なのさ…」
女(そういえばアイツ、ずっとあの子の面倒見てたのかなぁ…)
22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 00:16:55.83:mMPQ7VM2O
放課後
女「よっ」
男幽霊「ん?」
男幽霊「なにそれ」
女「キャットフードとペット用ミルク」
男幽霊「ほほう」
女「アディダスはまだ子ネコに近いから、ミルクもあげないと…排泄は何故か自分でできるみたいだけど」
男幽霊「ふぅん」
アディダス「ゴロゴロ…」ペロペロ
女「よかった、気にいってくれて」
男幽霊「…お前結構優しいな」
女「ぅっ…こ、このくらい誰だってしますっ」
男幽霊「…」
24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 00:23:10.29:mMPQ7VM2O
男幽霊「そういえば、お友達、女友って子は来ないのか?いつも一緒にいるのに」
女「あ~駄目駄目、あの子めちゃめちゃ猫アレルギーだから」
男幽霊「おやおや」
女「猫に近づいたらクシャミが止まんないの。この前凄かったんだから」
男幽霊「な~んかあの子、どっかで見た気が…」
女「当たり前でしょ?毎日学校来てるんだから」
男幽霊「うむ…」
女「そろそろ親にどやされるから、帰るね」
男幽霊「うむ…」
25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 00:27:37.38:mMPQ7VM2O
朝
女「女友ちゃーん」
女友「なぁに?」
女「ネコ、嫌い?」
女友「ヘ、ヘブシッ!」
女「名前出しただけじゃないのさ」
女友「知ってるでしょ?私アレルギーだから」
女「いや…流石に名前だけでは…」
女友「私猫派じゃないの」
女「派ってことは、犬か何か飼ってるの?」
女友「錦鯉」
女「…そうですか」
28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 00:32:45.13:mMPQ7VM2O
アディダス「ニャアオ…」
男幽霊「ばかもの!まだ昼だから来ちゃ…」
委員長「どこから入ってきたのかしら…この猫…」ヒョイ
アディダス「ニャッ」
男幽霊「」
29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 00:38:28.33:mMPQ7VM2O
委員長「まったく…こんなネコが校内に入ると困るわね…とりあえず…」
委員長「」ゾクッ
委員長「…?(寒気が…」
委員長「!(後ろから…気配が…」
クルッ
男幽霊「……殺してやる……殺してやる……」ブツブツ
委員長「ッッッキャァアアアアアアアアアッ!!!!」
委員長「あ…」バタッ
男幽霊「多少粗い脅かし方だが仕方ない」
アディダス「ニャ」
30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 00:43:46.17:mMPQ7VM2O
放課後
女「おい」
男幽霊「ん?」
女「聞いたよ、委員長が凄く怖い幽霊見たって。あの委員長がガタガタ震えて」
男幽霊「あ、あの子委員長だったのか」
女「ほれ見たことか。ったく…人に迷惑かけないでよねー」
男幽霊「仕方ないだろ?あの子はアディダスをひっ捕まえて…」
女「そうなの…なら仕方ない」
男幽霊「だろ?」
アディダス「ニャ」
32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 00:52:24.84:mMPQ7VM2O
女宅
女「ただいまー」
母「あんた最近帰り遅いわね」
女「そう?」
母「ったく…彼氏がいるのはいいけど、遊びすぎんじゃないわよ」
女「かっ彼氏なんかいないからっ!!」
母「ほっほ、そういうことにしとくわ」
女「ぐぬぬ」
34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 00:56:54.15:mMPQ7VM2O
朝
女「…」ムスッ
女友「ど、どうしたの?」
女「あらぬ濡れ衣を着せられたのっ」
女友「濡れ衣?」
女「そうそう!私に彼氏がいるとかなんとか知らないけどさっ!!」
女友「えぇっ!!いないの!?」
女「えっ」
35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 01:01:46.32:mMPQ7VM2O
女友「てっきりいるかと思ってた…」
女「おいおいなんで」
女友「こ、告白されたことないの?」
女「そ、そりゃ…たまには…」
女友「告白された回数は?」
女「そんなのいちいち覚えてないねー」
女友「いちいち覚えられないほど…」
女「いや…あの…」
女友「いい加減自分が美人だって気付けばいいのに~」
女「いや…だからね?女友ちゃん」
36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 01:07:24.36:mMPQ7VM2O
女友「いいよーだ!どうせ私は胸ペッタンコのチビ助だもんっ」
女「いや…あの……」
女友「まっまだ学生だから望みはあるもんっ!!」
女「ある!あるから落ち着いて…」
女友「今日から牛乳飲んでやるんだから!!女ちゃんに負けないんだから!」
女(あぁもう止まらない)
委員長「静粛にっ!!」ドンッ
ッシーー…ン…
委員長「これより臨時として悪霊退さ…対策の会を開会します」
女「えっ」
38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 01:12:02.55:mMPQ7VM2O
委員長「今回話題になっている幽霊。彼は非常に怨念に満ちています」
女「えっ」
委員長「見た目は血みどろ」
女(!?)
委員長「そして動物を連れている」
女(アディダス…)
委員長「なにより頭が悪そうな見た目!」
女(もうやめてあげて!)
48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 04:23:05.11:mMPQ7VM2O
委員長「よって私は彼の捕獲をここに宣言しますっ!!」ドンッ
女「ほかっ…」
委員長「大丈夫!人間に不可能はありませんっ!」」
女(相手はただの人間じゃありませんっ)
委員長「もちろんこれは有志の人でやるつもりよ。強制はしないわ」
49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 04:31:57.18:mMPQ7VM2O
放課後
女「おす」
男幽霊「よ」
女「大変なことになったよ」
男幽霊「大変?」
女「あんたを捕まえるって。委員長が」
男幽霊「えっ…無理だろ…」
女「幽霊捕まえるって…ねぇ?」
女「そういえば、あんたって触ったりできるのかなぁ」
男幽霊「試す?はい、手」
女「うん」ソー…
スルッ
女「あっ…」
男幽霊「だろ?」
女「むー…」
53:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 05:44:32.39:mMPQ7VM2O
翌日
委員長「さ、昨日の今日ですが、今日は昨日の件の有志の募集及び実行です」
女(じ、実行?)
委員長「じゃ、来てくれる人挙手」
シィ…ン…
(幽霊なんて…ねぇ?)ヒソヒソ
委員長「…」
委員長「仕方ない、奥の手か…」
委員長「来て…くれないの…?」チラリ
クラス男子(さすが委員長!なんて際どいチラリズムなんだ!てか胸デケェエエ!!)
委員長「来てくれる人!」
クラス男子「サーイエッサー!!」
女「……」
54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 05:48:34.04:mMPQ7VM2O
委員長「行かない人は自習らしいです。担任に申し出ているので」
女(さ、作戦の許可が下りたのか…いや、でも自習だと教室から出られない…つまり…)
女「私も行きます!」
委員長「あ、よかった。女の子も欲しかったの!」
女(なんとかしてアイツに知らせないと)
55:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 05:55:31.48:mMPQ7VM2O
女「で、どうやって見つけるの?(私は見えるけど」
委員長「これよ。皆に配って」
女「…これは…?」
委員長「いい?これは両手に軽く持って、近くに標的がいたらこの金属の棒が左右に開いて…」
女(ダ…ダウジング…)
委員長「これで彼は見つかるわ」キリッ
女(委員長…あんた…)
58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 06:06:06.48:mMPQ7VM2O
女「なんとか一派から抜け出してきたけど、あんたどうすんの?」
男幽霊「そもそも俺を捕まえてどうすんの?」
女「…さぁ…?」
男幽霊「何よりそんなに幽霊信じてる人にビックリ」
女「いや9割は委員長の胸チラで…」
―――――――――一方他所
委員長「開いた!?」グイッ
男A「俺も!」グイッ
男B「俺もだ!」グイッ
「俺も」
「俺のも」
「俺の奴もだ!」
委員長「よし!ここに埋まってるのね!」
男達(埋まっ…!?)
61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 06:14:36.83:mMPQ7VM2O
女「本当にどうしよう、あの人見つかるまで止める気配ないし…」
男幽霊「見つかればやめるかな?」
女「なっ…アンタ本気?」
男幽霊「いやいや、誰にでも見えるわけでもないし…」
女「それはそうだけど…」
男幽霊「じゃ、俺に気付かないフリして、さりげなく委員長のとこまで案内してくれ」
女「仕方ないわね…」
62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 06:25:02.10:mMPQ7VM2O
ズガガガッ
委員長「出たかしら?」
男J「まだです!親方!」
委員長「むう…引き続きドリルで掘って!」
男幽霊「いや掘るってアンタ…」ヌッ
委員長「」ビクッ
委員長「出たぁああああああああっ!!!!」
男衆「えっ…どこに…?」
委員長「ここよ!いまここにいるじゃないのよ!!」
男衆「??」
男E「待てよ…委員長にしか見えないんじゃ…」
男M「はっ…つまり委員長は…」
男衆「霊能者…?」
男衆「さすが委員長ぉぉぉぉっ!!皆!委員長を胴上げだ!!」
ワッショイッワッショイッ
委員長「ちょっ…待っ…彼が逃げちゃうじゃないのよ!!下ろせ!下ろせーー!!あとさりげなく胸揉むなー!」
女「……教室戻ろ…」
男幽霊「そうだな……」
64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 06:31:48.65:mMPQ7VM2O
夜
アディダス「ニャア」
男幽霊「ようアディダス、今日はちゃんと夜に来たのな」
女「やっほ」ヒョコ
男幽霊「また来たのか」
女「感謝しなよー、この前アンタのせいで彼氏いるとか疑われたんだから」
男幽霊「アディダスの世話なのに、お、俺のせい…?」
女「あっ…ち、違っ、ほ、ほら!アンタがちゃんとこの子の世話しないからっ…」
男幽霊「あぁなるほど」
女「そ、そうだよ…」
68:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 06:37:17.84:mMPQ7VM2O
男幽霊「委員長はどうなったの?」
女「あぁ、なんか保健室ですごくうなされてた」
男幽霊「なんか悪いことしたかな…」
女「まぁでももう今日みたいなことはしないんじゃない?」
男幽霊「そっか」
女「じゃ、そろそろ帰るねっ」
男幽霊「あぁ」
女「…」ジー
男幽霊「…何?」
女「ばかっ…」
男幽霊「??」
アディダス「ニャア…?」
69:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 06:43:03.89:mMPQ7VM2O
翌日
女友「どうだったの?」
女「え?」
女友「昨日捕獲作戦行ったんでしょ?」
女「あぁ、結局見つからなかったなぁ…」
女友「やっぱり…私幽霊とかあんまり好きじゃないな…」
女「あ~、そんな感じしてる」
71:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 06:51:14.89:mMPQ7VM2O
男幽霊「昼間から校内うろつくとまた見える人に出くわすかな…でもうろついちゃうな…」
男幽霊「ん?」
男幽霊(あれは委員長…!まぁもうちょっかいはかけてこないかな)
委員長「…」
委員長「お話があります」
男幽霊「…俺に言ってるの?」
委員長「他にまわりに誰もいないでしょ?」
男幽霊「まぁ…はい…」
76:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 07:14:54.44:mMPQ7VM2O
男幽霊「あれ?俺見ても怖がらないんだ」
委員長「流石に3回も見たら慣れるわよ」
男幽霊「で?話って?」
委員長「貴方、何か深い怨みがあるでしょう?」
男幽霊「怨み」
委員長「幽霊というものは、怨みがあるからこそこの世に留まっているそうな。つまり貴方の怨み、ひいては悩みを解消してあげる。委員長、いやむしろ生徒会長として」
男幽霊「いや…あの…」
77:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 07:21:18.86:mMPQ7VM2O
男幽霊「怨みっていうか…自分でもなんでここにいるか…」
委員長「遠慮することないわ!私にできることなら責任持って聞くわ!それが私の役目だもの!
こう見えても今まで色んな悩み、問題を解決してきたのよ。幽霊は初めてだけど…。だけど、元は生きてた人間だから、きっと大丈夫!一人で抱えてるより、誰かに話すだけで気は楽になるものよ?
確かに貴方がどんな悩みを持ってるか知らないけど、私にできることなら…。あ、もしかして、いじめ!?そんなことする奴は今この学校にはいないから安心し…ってどこ行くのよ!まだ話は」
男幽霊「長いです」
80:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 07:31:16.15:mMPQ7VM2O
オカ女「あなた…みえるわ」
女「ん?」
オカ女「あ、よかったらうちの けんきゅうかい にこない?」
女「研究会?」
オカ女「そう、うちゅうじん、ゆうれい、このよのふしぎな げんしょうについて けんきゅうするかい よ」
女「それってオカルト…」
オカ女「うふふふ、ふつうのひと ならそういうわ。でもあなたには そしつがあると おもうの!」
女(まぁ…無くはなさそうだ…)
オカ女「くる?」
女「うーん、保留で」
オカ女「わかったわ。うふふふ…。」
女(なんだろ、あの電波っ子…)
81:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 07:38:07.13:mMPQ7VM2O
委員長「つまり、貴方の悩みが…」クドクド
男幽霊「うん…」
―――1時間経過―――
委員長「だから、その子の場合はね、」クドクド
男幽霊「授業は…」
委員長「そんなことは今はいいの!貴方は貴方の心配しなさい!」
―――3時間経過―――
委員長「…ってことよ。わかった?」
男幽霊「わかりました…」
委員長「じゃ、私行くわねっ」
男幽霊「さようなら…」
男幽霊(長ぇよ…)
82:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 07:41:05.01:mMPQ7VM2O
夜
男幽霊「疲れた…」
アディダス「ニャーン」ペロペロ
男幽霊「すまん、今日は遊んでやれそうにない…」
女「ん」ヒョコッ
男幽霊「来たか」
女「なんでそんなやつれてんの?」
男幽霊「お前より世話好きの女に出くわしたんだよ…」
アディダス「ゴロゴロ」
84:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 07:46:00.05:mMPQ7VM2O
女「そういえばさー」ナデナデ
アディダス「ゴロゴロ」
男幽霊「ん?」
女「誰かに乗り移れたりするの?」
男幽霊「あぁーそれで遊んでた時期もあったな」
女「できるのか…どんな感じ?」
男幽霊「どんなってまぁ…普通だな」
女「普通?」
男幽霊「あんまり変わらない。まぁあんまり長くいるとその人が危険だが」
女「やっぱり…」
男幽霊「何?乗り移って欲しいの?」
女「遠慮します」
女(明日誰かに聞いてみよ)
85:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 07:53:17.13:mMPQ7VM2O
翌日
男P「あぁ、今日はなんか学校嫌だなぁ…誰か俺の代わりに受けてくれないかな…」
女「それ、本気で言ってる?」
男P「ん?あぁ本気だよ」
女「幽霊がのり移って、代わりに授業うけてくれたりとかは?」
男P「いいねそれ!最高!でも現実は…」
女(…最高だって)
男幽霊「本気でやるのか?」
女「本気で最高?」
男P「あぁ、なんだ今日の女ちゃん、変だなぁ」
女(行け!)
男幽霊(ったく…お前のわがまま聞くの今日だけだぞ?てか何よりこの人が可哀相だろ…)
ヒュン
男P「うっ」
86:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 07:57:40.67:mMPQ7VM2O
男「…成功」
女「おっ」
男「ほれ、俺だ」
女「おおっ!」
女(でもなんだろう、この罪悪感)
男「なんか罪悪感がすごい」
女「あんたもか」
男「お前もか」
ポムッ
男「おおっ触れる触れる」ポムポム
女「どこ触ってんだスケベ」バキッ
男「痛い!この感覚久しぶり!」
87:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 08:06:03.38:mMPQ7VM2O
男「授業まともに受けるのなんて本当にいつ以来だろ…」ジーン
女「あんた前にも乗り移れたんじゃ…」
男「あの時はただ遊んでたからな」
女「ふぅん」
先生「男P、これを解いてみろ」
男「はいよ」
女友(…今日の男P君の雰囲気…懐かしい感じがする…)
90:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 08:11:02.59:mMPQ7VM2O
休み時間
男「やっぱりこの地面を踏み締めてる感じは好きだな」
女「変わらないとか言って、結構テンション上がってるんだ」
男「ん?あれは…」
アディダス「ニャーン」
委員長「……」
男「やばい!アディダスのばか!委員長に見つかっ…」
委員長「君は彼の心の支え1号じゃないっ!彼をよろしくたのむわよっ」
アディダス「ニャーオ」
男「」
女「」
92:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 08:17:47.90:mMPQ7VM2O
オカ女「あ、こたえはでた?」
女「ん」
女「うーん」
オカ女「…」ジー…
男「…どうしたのさ」
オカ女「ッ」ビクッ
オカ女「あっ…あなたは!!」
男「え?」
オカ女「いますぐ、けんきゅうかいに はいって!いやむしろあなたが けんきゅうたいしょう…」
男「落ち着いてください」
オカ女「おちついてられないわっ!」ドキドキハァハァ
女(もはや変態に近い…)
94:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 08:23:29.11:mMPQ7VM2O
研究会室
オカ女「どうぞ、こうちゃ…」
男「ど、どーも…」
女「私まで、いいの?」
オカ女「あなたもりっぱな せんりょくになるかも だから」
女「せ、戦力って…」
女「同じクラスだからこいつのこと…」
オカ女「しってるよーPくんでしょ?」
オカ女「でもいまは Pくんじゃない そうでしょ?」
男(なにこの子すごい)
95:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 08:30:14.39:mMPQ7VM2O
オカ女「ボクけっこう こういうひとをみたことあるんだー」
女(さっきまで女の子みたいな口調だったのに…急にフランクな喋り方に…)
オカ女「しまった!ゆだんしてたからつい いつものしゃべりかたに…!」
オカ女「ありがと、あなたのおかげできづいたよー」
女「か、考えてることわかったの?」
オカ女「うーん…」
男(なにこの子すごすぎる)
96:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 08:33:49.26:mMPQ7VM2O
オカ女「でもねー、そのひとの あたまのなかが みえないの」
男「俺?」
オカ女「そ」
女「なんで?」
オカ女「なんていうかその…グチャグチャ?」
男「二つの意識が一つの体の中にあるから?」
オカ女「あぁ!そんなかんじ!」
オカ女「Pくんのからだなのに、Pくんのいしきじゃないもん」
女(この子…本物だ…)
オカ女「ありがとっ」
女「う、うん」
99:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 08:45:52.69:mMPQ7VM2O
男(今日の下着何色だろこの子…)
オカ女「?」
男(あぁ、なるほど)
男「で?具体的にどんな活動してるの?」
オカ女「あぁ、ソッチほうめんの ほんをよみあさったりー、あと、ふうすいをべんきょうしたり!」
女「あぁ~なるほど」
女「他の部員は?」
オカ女「うん、きょねんセンパイたちが そつぎょうして、どうきゅうせい もいたんだけど」
オカ女「ボクのこのチカラ?みたいなのをキモチわるがってにげちゃった」
女「……」
男「女、この会に入ってやれ」
女「そうだね、今オカ女ちゃん一人でしょ?」
オカ女「うん」
男「俺も入る。正式に言うと男Pが」
女「なにそれ男P君不憫」
女(でも、この子、悪い子じゃないみたいだし…)
オカ女「ありがとっ」ニコッ
101:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 08:52:25.55:mMPQ7VM2O
女「てっきりコックリさんみたいなことやってるのかと思ってた」
オカ女「そ、そんなアブナイことしないよっ」
男「ふむ…で、俺たちは何をすれば?」
オカ女「うーん、まず、せいしきなクラブにしてもらいにいかないと、いいんちょうに」
女「なるほどそれに私達が行けばいいってことかな」
オカ女「でもあのひと、こういうのキライなイメージ…」
男「俺に任せろ」
女「あんた…まさか…」
102:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 08:58:16.18:mMPQ7VM2O
放課後
委員長「さ、今日という今日は悩みを聞かせてもらうわよ!」
男幽霊「う…うぅっ…」
委員長「どうしたの?」
男幽霊「オカルト…研究…」
委員長「?」
男幽霊「俺が今ここにいる間に…研究会を…研究会を…正式な部にしてくれ…じゃないと俺は死んでも死にきれないっ…ううっ…」
委員長「…」ウルッ
委員長「わかったわ!私が責任持って研究会を研究『部』にしてあげる!だから元気だして!!」
男幽霊「ありがとう…ううっ…」
女「」
オカ女「あのひとの しょうたいって ゆうれい だったんだ…すごーい」コソコソ
104:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 09:03:59.55:mMPQ7VM2O
研究部室
男P「えっ」
女「勝手に部員にしてごめんなさい」
男P「えっ」
オカ女「アタマのなかまっしろだね」
男P「えっ」
男幽霊「ドンマイ」
男P「だ、誰だアンタ!」
男幽霊「乗り移ったから霊感ついたのか…」
男P「えっ?ちょっ…え?」
女「うろたえすぎでしょ…」
106:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 09:07:54.51:mMPQ7VM2O
男幽霊「…て訳だ」
男P「………つまり…?」
男幽霊「すいませんでしたァ!」
男P「俺は晴れてオカルト研究部員?」
オカ女「ぶいん4ごうー!」
男P「はぁ…欝だ…もう嫌だ…」
女「あ、いつもの男Pだ」
男P「誰かこの状況代わってくれ…誰か……」
オカ女「このひと、いつもネガティブにかんがえるひと」
男P「はぁ…」
男幽霊「うん…切にごめん…」
110:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 09:17:11.40:mMPQ7VM2O
女「まず部内の役割を決めないと」
男幽霊「まず部長はオカ女ちゃんだな」
オカ女「ありがとっ」
女「副部長は?」
オカ女「女ちゃん」
女「わ、私でいいの?」
男幽霊「お前しかいないだろ」
女「…」チラッ
男P「…ん?」
女「わかった私やります」
男幽霊「会計は…俺がやろうか?」
女「そうだねー。男P君に何か役割させるのは流石にアレだから」
オカ女「けってーい!!」
男幽霊「あ、時々体借りていい?」
男P「えっ」
男幽霊「代わりに授業受けたりするからさ」
男P「あ、それならいいよ!」
男幽霊「ここだけは軽いな…」
111:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 09:22:21.11:mMPQ7VM2O
オカ女「じゃ、まずかんたんなくろまじゅつ からね」
男幽霊「おいおい…ヤバイ系はやらないんじゃ…」
オカ女「ちがうの。こういう まじゅつのたぐい でやっちゃいけないことをここからまなぶの」
女「いきなり高度ね」
オカ女「だいじょーぶ!すぐできるから!」
男P「まぁ、入った以上は参加しよう」
112:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 09:26:29.06:mMPQ7VM2O
オカ女「いちおう、おんどく してたらかってにみにつくよ、さいしょはね」
男幽霊「ほう、ならやってみるか。てか俺にもできるのか?これ」
女「どれ…」
ブツブツブツブツブツ
男P「…」ブツブツブツ
ゴゴゴゴゴゴ
オカ女「あ!そこちがうページ!!」
女「男P君を中心に黒い渦が!!」
男P「うわぁああああ」
115:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 09:30:46.84:mMPQ7VM2O
オカ女「…」ブツブツブツブツ
男P「たぁすけてぇーー!!!」
オカ女「やっ」
バシュウウウン……
男P「…はっ…助かった…?」
オカ女「あぶないから、きをつけてね」
男P「は…はい…」
男幽霊(パンツ見えた…!)
オカ女「えっち!」
男幽霊「!?ばかな!」
オカ女「とりついてないときは アタマのなかみえますよーだっ!」
女「男完全敗北ね」
117:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 09:36:59.66:mMPQ7VM2O
オカ女「じゃ、きょうはここまでね。さっきのくろいウズもホントはあんまりあぶなくないの。ただキケンをしってほしくて」
女「サプライズってことね」
男P「怖かったんですけど…」
オカ女「きょうはおつかれさまでした!!」
「おつかれさまー!」
―――夜―――
アディダス「ニャオン」
男幽霊「今日は色々あったんだぞアディダス」ナデナデ
アディダス「ゴロゴロ」
男幽霊「生前もこんな感じの賑やかさだったなぁ…仲間に囲まれ馬鹿をやって帰って妹の面倒を見て…」
男幽霊「…妹…?」
女「アディダスー!」ギュウッ
アディダス「ニャァアン」
男幽霊「来たか」
119:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 09:43:32.84:mMPQ7VM2O
女「今日は色々あったねー」
男幽霊「そうだな、久しぶりだ」
女「オカ女ちゃん、すごく嬉しそうだったね」
女「ありがとっ」
男幽霊「なんでお前が礼を」
女「いーじゃん別に」
女「男P君は…」
男幽霊「うん…申し訳ないと…」
女「う…うん…ごめんなさいと…」
女「そういえば、学校から出たりしないの?」
男幽霊「出られるだろうけど、出たことはないな…」
女「なんで?」
男幽霊「なんか、怖いから」
女「怖い?」
男幽霊「色々思い出しそうで」
女「ふぅん…」
120:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 09:51:37.31:mMPQ7VM2O
翌日
委員長「グッモーニンッ」
男幽霊「ん?」
委員長「部、作ったわよ」
男幽霊「ありがとうございます。いや本当に」
委員長「あはは、どういたしまして!これでもう未練はないかしら?」
男幽霊「はい、ありません」
委員長「じ、じゃあ成仏するの?」ジー…
男幽霊「な、なんだその目は…」
委員長「いやぁ、幽霊なんて珍しいからもうちょっといて欲しいな…なーんて」
男幽霊「ちょっと前まで気絶するほど怖がってた癖に」
委員長「あの程度の恐怖を克服できないで委員長なんてやってられますかっ」
男幽霊「う…うん。まぁ、当分はいるから安心してくれ」
委員長「また悩みできたら言いなさいよねっ」
123:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 09:57:55.02:mMPQ7VM2O
教室
女友「オカ研に入ったって?」
女「ん、知ってたの?」
女友「オカ女ちゃんが嬉しそうに教えてくれたの。てかあの子本当はあんな喋り方だったんだ。意外というか見た目通りというか…」
女「女友ちゃんと身長同じくらいだもんね」
女友「ぐっ…」
女友「私は陸上だから…ちょっと掛け持ちは出来ないけど、頑張ってね!」
女「うん!ありがと!」
125:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 10:04:52.00:mMPQ7VM2O
昼休み
女「」トコトコ
男幽霊「なんだ?」
女「」コト
男幽霊「弁当箱置いて何やってんだ」
女「ナマンダブナマンダブ…」
女「さ、食べよ」
男幽霊「おいまて、誰が仏様だ誰が」
女「冗談通じるようになったじゃんっ!」
男幽霊「ん?元々俺は…」
女「あはは」ニコッ
男幽霊「ぐぬぬ」
128:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 10:11:41.97:mMPQ7VM2O
放課後
オカ女「はい、じゃ、きょうもやりましょう!」
女「はい」
男幽霊「はい」
男P「は、はい」
オカ女「えっとねー、まぁまずみなさん、こうちゃをすすってるあいだに せつめいするね」
オカ女「きょうは、しんりテストをやります」
女「」ピクッ
オカ女「はい、おんなのこはダイスキしんりテスト」
男幽霊「ほう…」チラッ
男P「…」チラッ
女「な、べ、別に反応してないしぃ…」
130:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 10:19:42.96:mMPQ7VM2O
女「オカ女ちゃんは人の心読めるのになんで心理テストを?」
オカ女「ボク、むかしはケッコーはまってて、そういうカンケイでよめるようになったんじゃないかなって…」
男幽霊(あぁ多分関係ない)
オカ女「あと、みんなでたのしみたいから!」
男P「…!」
女「それが1番の理由だね」
オカ女「えへへっ」
オカ女「じゃ、まずこのしんりがくのテキストよんで!だいがくでつかわれてるやつだけど」ドサッ
女・男幽霊・男P「うっ…」
131:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 10:23:33.72:mMPQ7VM2O
男P「ハァ…ハァ…」ペラ…ペラ…
女「…大丈夫?」
オカ女「あ、ごめん!そんなにホンキにならなくていいよ!じぶんをおいつめるのはやめてPくん!」
男P「俺は…変に凝り性だから…ふふふふふふふふ」ペラ…ペラ…
男幽霊(やべぇコイツ本気だ…)
オカ女「まぁ…ムリしないでね…」
134:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 10:31:50.10:mMPQ7VM2O
オカ女「じゃ、ためしにモンダイだすよー」
男幽霊「どーぞ」
オカ女「あめのひに、あなたのスキなひとがカサをさしています。なにいろのカサ?」
男幽霊「んー水色?」
オカ女「えっとねー、これはなにを きいてるかっていうと…」
オカ女「」ゴニョゴニョ
女「うっ…いきなりそういう系の心理テストとは…」
男P「あぁ…なるほど」
男幽霊「え?何何?」
オカ女「これは、スキなしたぎのいろをきいたテストでしたー」
男幽霊「俺は…俺は水色が好きなのか?」
女「私に聞くな」
135:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 10:37:11.32:mMPQ7VM2O
男P「チューリップ」
男幽霊「チューリップか…チューリップを選んだか…」
男P「え?え?」
男幽霊「いや、まぁ個人の趣味だ。非難はしないさ」
男P「え?え?」
オカ女「もうこんなジカンだねー」
オカ女「おつかれさまでしたー」
「おつかれさまでしたー」
137:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 10:43:06.70:mMPQ7VM2O
翌日
委員長「今日の欠席は女さんです」
女友「なんでですか?」
委員長「熱ですよ」
―――休み時間―――
男幽霊「なんでその事を俺に?」
委員長「いや、仲がいいみたいだからよ」
男幽霊「仲がいい…ねぇ…」
男P「男さん…頼みがある…」
男幽霊「ん?」
男P「次の体育…代わってくれ…」
男幽霊「はいよ」ヒュン
男「おし」
委員長「え…えーと…とりついたってこと…?」
男「イェス!」
委員長「テンションも上がるのね。面白い人。ふふっ」
138:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 10:49:32.96:mMPQ7VM2O
体育
先生「今日は長距離のタイムを測る」
男(あぁ、たいていの人が嫌がるわけだ)
先生「では各自準備運動をしておくように」
男「走るの久しぶりだなぁ…」
男B「あぁ、お前しょっちゅう休んでるもんな」
男(そうなのか?男Pの奴どんだけ体育キライなんだ)
先生「そろそろ開始する!位置につけ!」
139:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 10:54:53.03:mMPQ7VM2O
先生「はじめ!」
ダダダダッ
男「あぁ~この走ってる感じ懐かしいなぁ~」タッタッタッタッ
男R「おい…男Pってあんなに速かったっけ…?」
男N「バーカあいつのことだ。すぐリタイアするさ」
……
…
先生「かなりいいタイムだ!男Pが一着」
男「まぁ…こんなもんでしょう…」
男K「速ぇ…」ゼェッゼェッ
男G「あいつ陸上部か何かだったっけ?」ハァッハァッ
男K「いや、オカ研」ゼェッゼェッ
男G「オカ研!?」ハァッハァッ
141:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 11:01:37.20:mMPQ7VM2O
放課後
オカ女「ん~…」
男P「ありがとう。でも疲れはそのままこっちに…」
男幽霊「仕方ないだろ」
オカ女「きょうはなにがいいかなぁ~…」
オカ女「なにがいい?」クル
男幽霊「俺に聞くのか。そうだな…今日はまったりと…」
オカ女「おひるね?」
男P「賛成…」ヨロヨロ
オカ女「じゃ…おひる…ね…zZZ…」
男幽霊「…」
男幽霊(やっぱり副部長がいないと皆ふにゃけるねぇ…別に俺は寝る必要ないけど…)
143:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 11:09:11.38:mMPQ7VM2O
夜
アディダス「ニヤァン…」
男幽霊「おおよしよし、残念だったな、今日はアイツは来ないんだ」
ペタペタ
男幽霊「ん?」
オカ女「…こ、こんばんは…」
男幽霊「えっ?なんで…」
オカ女「ふくぶちょうさんに たのまれてたの。わぁーネコちゃんー」
男幽霊「この学校ネコ好き多いのな…」
オカ女「そう?」
男幽霊「うん、あとその位置でその座り方はマズイぞ。見えてる」
オカ女「ッ!」バッ
男幽霊(水色…かぁ…)
オカ女「うっ…」
男幽霊「しまった、お前は心が読め…いや、俺にもできるかも」
オカ女「どうやって?」
男幽霊「ほれ、心理テストだよ部長」
オカ女「あぁ~なるほど」
144:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 11:16:38.16:mMPQ7VM2O
男幽霊「空は曇り傘はもっていく?絶対持っていく、とりあえず持っていく、持っていかない、からどうぞ」
オカ女「とりあえず…もっていく…?」
男幽霊「ふむ…」
オカ女「けっかはなに?」
男幽霊「結果は」
アディダス「ゴロゴロ」
オカ女「あ、ゴハンほしいよねっもってきたよー」
アディダス「ニャアゴ」
男幽霊「聞けよ」
148:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 11:25:47.61:mMPQ7VM2O
オカ女「ボク、ゆうれいのひとと、はなしできるなんて おもわなかったよ」ナデナデ
アディダス「ゴロゴロ」
男幽霊「ん?」
オカ女「まえに けんきゅうかいに いたひともホントは『オカルトなんてない』っておもってたんじゃないかな」
オカ女「ボク、たしかにあることをショウメイしたくて、このチカラをみせたけど…」
オカ女「みんなうけいれてくれなかった…あははっ」
男幽霊「…」
オカ女「でもよかった!ホントのゆうれいさんにあえたから」
オカ女「ボクはまちがってなかったんだぁって…エヘヘ…」グスッ
男幽霊「お…おいおい…」
オカ女「ありがと、これからもよろしくねっ」
男幽霊「…あぁ」
149:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 11:29:59.36:mMPQ7VM2O
オカ女「あ、そろそろかえらなくちゃ」スクッ
男幽霊「あ、心理テストの結果」
オカ女「あっ」
男幽霊「何何…『友達関係から恋愛に発展しやすい』…だってさ」
オカ女「――ッ!!?///」
オカ女「じゃ、か、かえるねっ…」タッ
男幽霊「はーい」
アディダス「ミャア…」
男幽霊「あったかいなぁ、お前は」ギュゥウ
アディダス「ニャ-ゴロゴロ…」
150:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 11:37:19.84:mMPQ7VM2O
翌日
女「おっす」
女友「あ、治ったんだ!」
女「あたぼうよ」
男P「体が…キシむ…」ミシミシ
女「な、何があったのさ…」
男P「きのうあの人に代わりに長距離走ってもらったら…筋肉痛で…うぉああっ!」
女「あのバカ…加減を知らないんだから…!!とっちめてやる!」ズンズン
委員長「うふふっ」
152:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 11:43:49.40:mMPQ7VM2O
女「おいバカ」
男幽霊「誰がバカだ」
女「他に誰がいる!あんなひ弱な人の体で!」
男幽霊「俺だって生前はモヤシみたいな体だったぞ」
女「見たらわかります!ったく…それで一着だっけ?無茶苦茶するんだから」
男幽霊「あれはほんの走り方のコツだよ」
女「?やけに詳しいのね」
男幽霊「俺、生前は陸上部だったから」
女「そのモヤシで?」
男幽霊「モヤシでも走れるの!それで走ってたら完全に思い出した」
女「何を?」
男幽霊「女友っているでしょ?」
女「うん」
男幽霊「あいつ、俺の妹」
女「…え?」
156:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 11:49:09.00:mMPQ7VM2O
女「え?嘘…」
男幽霊「俺、死因は風邪じゃない」
女「ま、まぁ風邪で死ぬってあまり聞かないし…」
男幽霊「夏、陸上で走ってる時に熱中症で死んだんだ」
女「っ…」
男幽霊「アイツを見てからずっとひっかかってた。まぁ何年も見てなかったから仕方ないか」
女「今、あの子…陸上やってるの…」
男幽霊「だろうな」
女「だろうなって…」
男幽霊「昔から兄貴には負けず嫌いだった妹さ…何かの因縁をつけてんだろ」
男幽霊「ま、もう冬だし心配はあまりないけどな」
女「…」
158:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 11:57:02.77:mMPQ7VM2O
女「…」
女「女友ちゃんには、知らせた方が?」
男幽霊「ダーメ、あいつ折角立ち直ってるし、思いださせる必要もないでしょ」
女(確かに幽霊は嫌いだって言ってた…過去を断ち切るのに必死なのかな…)
男幽霊「そうだ、帰り道も全部覚えてる。それを辿ればお前の親友の家に到着だろう」
女「何かペット飼ってた?」
男幽霊「錦鯉ぐらいかな。アイツ猫アレルギーだから猫は飼えなかった」
女「決まり………かな……」
男幽霊「ま、とにかく今は黙っててくれ」
女「…うん…」
女「でも、なんでそれを私に?」
男幽霊「1番近いと思ってるからだ」
女「…え?」
161:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 12:08:21.87:mMPQ7VM2O
放課後
オカ女「やっぱりふくぶちょうがいると、にぎやかさがちがうなぁ」
女「…」
オカ女「ぉ、ぉ~ぃ」
女「…えっ?」
オカ女「まぁ、まだやみあがりみたいだし、むりはしないでね」
男P「今日はなにを?」
オカ女「そうだねー、きょうはくろまじゅつのレベルアップで!」
男P「おぉう…」
オカ女「き、きをつければこわくないから!だいじょうぶだからPくん!」
男幽霊「これ、どう読むの?」
オカ女「ぁぅっ…え、えっと、こ、こここれはね…」ドキドキ
女(オカ女ちゃんがわかりやすすぎて生きるのが辛い)
162:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 12:12:46.85:mMPQ7VM2O
オカ女「きょうも、おつかれさまでした!」
「おつかれさまでした!」
女「あ、片付け手伝うね」
オカ女「ありがとっ」
オカ女「…そんなにわかりやすかった?」
女「バ、バレバレだったよ」
オカ女「うっ…でも女さんも…モガっ!?」
女「言わないで。今は…」
オカ女「…?」
女「ごめん」
オカ女「う、うん…」
165:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 12:18:50.49:mMPQ7VM2O
夜
アディダス「ニャァン…」
男幽霊「はぁ…もう2月か…そろそろお前ともお別れかもなぁ」
アディダス「ニャ?」
男幽霊「結構この学校にいたけど、今はなかなか楽しいぞ」
アディダス「ニャア…」ペロペロ
ツカツカ
男幽霊「ん?」
委員長「どう?悩みはない?」
男幽霊「委員長…」
167:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 12:24:42.58:mMPQ7VM2O
男幽霊「あるにはあるな…つーか前のは嘘、ただの頼まれごとで部にしてもらった」
委員長「うん、知ってるわよ」
委員長「私たちも卒業するから、こうして君と話をするのもあと僅かねー」
男幽霊「そうだなぁ…卒業式いつだっけ?」
委員長「2週間後だけど?」
男幽霊「早いな…その日に俺も卒業しようかな」
委員長「卒業…?まさか…」
男幽霊「そ、この世からの卒業」
委員長「…君が決めたことなら、止めはしないわ。でも、君をそうさせる理由がわからない。」
男幽霊「一人には言ってあるよ。理由というよりヒントはね…」
委員長「そ…じゃ、私が知る必要はないわね」
男幽霊「どーも」
170:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 12:35:45.71:mMPQ7VM2O
朝
女友「おはよっ」
女「お、おはよっ!」
女友「どうしたのさ?考え事?」
女「ううん、ぼーっとしてただけ」
女友「そ。もう卒業だねぇ…」
女「陸上は?」
女友「引退したよ?」
女「この時期だからねー。…なんで陸上やってたの?」
女友「え?」
女「いや、女友ちゃんスポーツ万能だし…陸上を選んだ理由は?」
女友「負けたくないから…」
女「…」
女友「あのバカ兄に負けたくないから…」
女「………そっか…」
女友「ていってもね、そのバカ兄はもう…」
女「……そう…ごめん…本当にごめん…」
女友「ううん、別に…」
女(なんでこんな事聞くんだろ…回答はわかりきってるのに…なんで聞いたんだろ…)ポロ
女友「わっな、なんで女ちゃんが泣くのさ!ちょっ…ちょっと!?」
171:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 12:43:30.59:mMPQ7VM2O
夜
アディダス「ニャーン」
他猫「ニャオ」
男幽霊「お、友達連れてきたのか」
男幽霊「よしよし、これでお前はもう大丈夫だな…俺がいなくても…」
パサッ
男幽霊「ん?」
女「いなくなるっ…て…どういう事…?」
男幽霊「…!…」
アディダス「ニャーン」
172:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 12:51:21.73:mMPQ7VM2O
男幽霊「こんばんは」
女「ねぇ!どういうこと!?いなくなるって…!」
男幽霊「…隠しても仕方ないか…」
男幽霊「卒業式の日、俺は消えることにした」
女「な…なんで…!?ねぇ、なんで!?」
男幽霊「俺がいたら、またお前みたいに一人になる奴が出てくる」
女「一人じゃないよ!オカ女ちゃんもいる!男Pくんもいる!委員長も!」
女「女友ちゃんだって…」
男幽霊「見ろ、アディダスの奴、友達できたんだぞ?」
アディダス「ニャーン」
他猫「ブニャー」
男幽霊「死人に振り回されてたら、苦労するぞ?」
女「そん…な…」
173:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 12:53:57.58:mMPQ7VM2O
女「…わかった…」
男幽霊「ん、今まで、ありがとうございました」
女「…!」ダッ
男幽霊「!…おやおや」
アディダス「ニャァン」
他猫「ニャ?」
男幽霊「ごめんな、あのバカ、お前らのゴハンごともって帰っちまった」
177:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 12:57:57.91:mMPQ7VM2O
一週間後
委員長「皆さん、卒業式まであとわずかです。今のうちにせいぜい恥ずかしくない思い出をヒネりだしてください」
クラス「言い方ひどくね?」
女「………」
女友「どしたの?最近元気ないけど…」
女「…」
女「女友ちゃんは偉いね、私にはとても無理だよ…」
女友「な、何何いきなり?だ、大丈夫!?」
オカ女「……?」
178:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 13:04:00.13:mMPQ7VM2O
放課後
オカ女「じゃ、ながいようでみじかかった オカけん だい1きせいの かつどうはきょうでおわり!みんな」
オカ女「ありがどぉ゙ぉ~」ダラダラ
男幽霊「鼻水鼻水!!」
男P「涙こらえきれてない!」
――――
女「ん、コップ貸して」
オカ女「あ…ありがと。さいごまでホントありがとね」
女「…」ゴシゴシ
オカ女「よいしょっ」ガチャガチャ
女「…オカ女ちゃん」
オカ女「ん~?」ガチャガチャ
女「男幽霊…いなくな…るの…」
オカ女「…えっ…?」
180:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 13:08:25.50:mMPQ7VM2O
女「いちおうオカ女には伝えたけど…その…」
オカ女「あなたらど―するの?」
女「え…?」
オカ女「じぶんのキモチ、つたえるの?」
女「そ…それはアンタだって」
オカ女「ボクはもうつたえられたとおもってる!」
オカ女「いままで…ずっと…あのしんりテストのこたえもちゃんとしってた…!!そのうえで…」
オカ女「あなたはどーするのさ!?」
女「わ…私は…もう…いいの…」
オカ女「いいわけないっ!!」
183:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 13:14:21.16:mMPQ7VM2O
女「だって!伝えたところでアイツ消えちゃうんだもん!!」
オカ女「いっしょになれなきゃつたえないんだ!!へんじかこわいんだ!!」
女「なにさ!!アンタだって!アイツの前じゃあんなにカチコチになって!!」
オカ女「ボクだって…こわいよ…でも…」
オカ女「たとえゆうれいさんが、あなたのことをスキでも…そっとでもいいからって…つたえなきゃって…」グスッ
女「………」
オカ女「あなたがしょーじきにならなかったら、ゆるさないから…」
女「…………」
185:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 13:17:53.68:mMPQ7VM2O
卒業式前夜
男幽霊「知ってるか?アディダス」
アディダス「ニャオゥン」
男幽霊「世間では明日はバレンタインって奴でもあるらしいぞ」
男幽霊「そんな日に消えるって、なかなかカッコイイと思わないか?」
アディダス「ニャアン」ペロペロ
男幽霊「お前は大丈夫だ、一人心配な奴がいるがな」
188:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 13:21:00.87:mMPQ7VM2O
卒業式 朝
母「ちゃんと身だしなみ整えなさいよー」
女「わかってるー!」
母「荷物はー!?」
女「全部持ったー!!いつまでも子供じゃないんだから!!」
ガチャッ
アディダス「ニャッ」
女「……アディダス…」
189:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 13:24:02.47:mMPQ7VM2O
卒業式
女友「もうそろそろお別れだねー…」
女「そうだね…」
女「相変わらず強いね…女友ちゃんは…」
男P「うわ、保護者で満席…!!」
『今から卒業証書を授与します名前を呼ばれた生徒は、檀上に上がってください』
190:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 13:26:38.45:mMPQ7VM2O
校長「おめでとう」
女友「あ、あああありがとうございます」
女友(うわぁー…緊張するー!えっと、ここで振り返って…)
女友「…?」
女友(保護者いっぱいで立ってる人もいるのに、なんであそこ1つだけ空いて……)
女友「……バカ兄………?」
191:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 13:28:49.61:mMPQ7VM2O
女「そろそろ行かなきゃ…」
女(オカ女ったら檀上で泣いてる…あの子らしくていいや)
『女さん』
女「はいっ」
194:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 13:32:16.51:mMPQ7VM2O
校長「おめでとう」
女「ありがとうございます」
女(緊張して泣くどころじゃ…)
女「!?」
女「アイツ……」
女「これはオカ女じゃなくても泣きますよ…。な…なんで幽霊の癖に座ってんのさっ……!バカッ…」
197:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 13:37:08.32:mMPQ7VM2O
教室
女友「うっ…うっぅうっ…」グスッ
女「…女友ちゃん?」
女友「保護者席に…バカ兄が……バカ兄が…!!」グスッ
女「そう…よかった…ね…」
女「もう一度会う…?」
女友「あの顔もう一度見たら…もう…駄目になる…」
女(どこまで偉いんだこの子は)
199:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 13:43:09.02:mMPQ7VM2O
先生「皆…3年間ありがとうと言いたい…」ウルウル
先生「解散っ」ドバッ
女「私…もう…我慢できないや…」
女「」ダッ
―――――
女「見つけた…!」ハァッハァッ
男幽霊「おいおいどうした」
女「こ、これっ…!!」バッ
男幽霊「箱?」
女「クッ…クッキーですよ…!!どーせもらった事ないでしょっ!!」
男幽霊「俺に?」
女「当たり前でしょ!」
男幽霊「ははっこのおバカさんめ、幽霊さんだから物理的に食べることなど」
女「いいから受け取ってよ!!」
205:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 13:51:22.32:mMPQ7VM2O
男幽霊「お、落ち着けよ」
女「今食べてよ!!私の前で食べてよ!!」
男幽霊「ちょっ…」
女「好きで悪いかバカー!!親友の兄貴に惚れて悪いかコノヤロー!!!」ポロポロ
男幽霊「……っ…」
女「幽霊のこと…好きになって悪いかーーッ!!」ボロボロ
男幽霊「わかった…うけとる!」
女「消えないでよ!消えないでってば!!聞いてんのか!!バッキャローーッ!!」ボロボロ
―――部室―――
オカ女「よかった…いまごろ、キモチつたえてるころだろーね…あははっ…はっ…うっ…うぅっ…」グスッ
―――――――
男幽霊「生まれて初めてのクッキーじゃないけどさ」
女「ばかやろーっ……!!」
男幽霊「死んで最初で最後のクッキー、ありがとうございます」
―――
――
212:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 13:58:54.23:mMPQ7VM2O
数週間後
女友「ここ…」
女「そっか…」
男P「いまだに信じられない…。これがあの人の…」
オカ女「それは、いっちゃだめだってば」ボソッ
女「あれ?もうお供え物が…」
女友「あぁ、委員長が…なんでか知らないけど…」
女(なんで知ってるんだろ…)
アディダス「ニャーン」
女「あ、そうだね、そろそろ…はいお供え」コトッ
女友「何それ?」
女「お供え。物理的に食べてくれなかったから」
女友「?」
オカ女「ボクも実はあれから作ったんだ…ちょっと遅いけど…」コトッ
女「美少女二人の分だぞ、あの世でしっかり味わえ、このやろーっ!あははっ」
fin
215:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 14:01:12.51:YKXrSIsA0
男幽霊「いや、だからさ」
女「うん」
男幽霊「俺のことよく見て。穴が空くほど見て」
女「いや…あの…いきなり告白とは…まだ心の準備が…」
男幽霊「いやそうじゃなくて」
女「…?」
男幽霊「透けてるでしょ?」
女「」バッ
女「この…スケベ!!」
男幽霊「いや透けブラじゃなくて」
女「なるほど…」
男幽霊「綺麗な顔してるだろ?死んでるんだぜ?」
女「綺麗な顔…てか地味な容姿だね」
女「私初めて見たわ、幽霊なんて」
男幽霊「俺も見られたの久しぶりだわ」
女「久しぶり?」
男幽霊「いやぁ、この学校のコとこの前話してさ」
女「ふぅん…じゃ、そろそろ帰るね」
男幽霊「そうでございますか」
男幽霊(帰ったか…)
男幽霊(人と久しぶりに話したな、今日は気分がいいから校内うろつくとするか)
―――
――
―
ゴトゴト
男幽霊「ん?」
男幽霊(なんだ?誰かいるのか?)
猫「ゴロゴロ…」ガサガサ
男幽霊「またお前か」
猫「ニャァア~」
男幽霊「お前が夜な夜なここに来るようになってから賑やかになったもんだ」ナデナデ
猫「ゴロゴロ…///」
男幽霊「お前には触れても人間様には触れんからなぁ…」ナデナデ
猫「ニャアア…」
男幽霊「…」
――朝――
女「おはよーっ」
女友「おっはーっ」
女(朝だから流石にいないか。昨日見たのは昼過ぎからだし)キョロキョロ
男幽霊「ん?」
女「いるのかよっ!」
女友「なっなにが!?」ビクッ
女「あ…あぁ~なんでもないですよぉ」
女友「そ、そう…」
放課後
女「あんた、朝もいるんだ」
男幽霊「逆にどこにいると思ってたんだよ」
女「なんてーか…消えてるみたいな…?」
男幽霊「ないない」
女「そういえばさー、なんで死んだの?」
男幽霊「風邪こじらせた」
女「…えっ…?」
男幽霊「風邪」
女「wwww」
男幽霊「笑いごとじゃねーよ」
女「この病弱者めwwww」
男幽霊「悪かったな」
女「だから今もモヤシみたいな体なのかぁー」
男幽霊「悪かったな…」
女「ゴメンゴメン、冗談だってば」
男幽霊「そういえば、お前、俺が怖くないの?」
女「ん?」
男幽霊「見える人は今まで結構いたけど、話す前に逃げちゃったりする人がほとんどでさ」
女「あー…なんでだろ?」
女「あ…もうこんな時間か…そろそろ帰るね!」
男幽霊「はーい」
夜
猫「ニャァォ」
男幽霊「ったく…人が来たらお前、つまみ出されるぞ?」
猫「ニァアア…ゴロゴロ」スリスリ
男幽霊「お前…俺が猫好きでよかったなぁちくしょー!」ギュウウウ
猫「ゴロゴロ」スリスリ
スタスタ
男幽霊「!」
男幽霊(まだ誰かいたのか!)
女「ん」
男幽霊「ふぉ?」
女「ア…アンタ、教室から出られたんだ…」
男幽霊「お前は俺をなんだと思ってんだ」
男幽霊「てかお前か、おどかしやがって」
女「忘れ物しただけだよーだっ」
女「!」
猫「ニャァアアアゴォ」
女「あぁ~っ!ネコちゃん~!」
猫「ニャアアオ」
男幽霊「猫、好きなのか?」
女「うんっ!でもうちマンションだから飼えないのー…」
男幽霊「ふぅん」
女「名前は?」
男幽霊「猫」
女「………」
猫「ニァアオ」
女「名前、つけていい?///」
男幽霊「ご自由に。その猫が気に入る名前ならな」
女「ん~、じゃ、ミケ!」
猫「ブー…」
女「え?嫌?じゃあ…ショコラ!」
猫「ブー…」
女「え…えぇ~」
男幽霊「アディダス」
猫「ニャァアアン」
女「!?」
女「そ…そんな…まさか…」
男幽霊「おぉよしよし」
女「くっ…しかたない…。この子の名前はアディダスで」
アディダス「ニャアアア」スリスリ
女「わっ!?」
男幽霊「アディダスもお前が気に入ったみたいだな」
女「わぁぁ…アディダスぅーっ」ギュウウ
女「じゃ、明日の宿題やらなきゃなんないから帰るねっ忘れ物もとったし」
男幽霊「あぁ」
女「じゃ、またね!アディダスぅー!」
男幽霊「はいよ」
女「アンタじゃないの!アディダスに言ったのっ!」
アディダス「ニャアアンッ!」
男幽霊「やれやれ」
朝
女「アディダスぅ…」
女友「どっ…どうしたの…?」
女「アディダスにモフモフしたいの…」
女友「あ、アディダス?」
女「あ、うぅん。こっちの話」
女友「どっちの話なのさ…」
女(そういえばアイツ、ずっとあの子の面倒見てたのかなぁ…)
放課後
女「よっ」
男幽霊「ん?」
男幽霊「なにそれ」
女「キャットフードとペット用ミルク」
男幽霊「ほほう」
女「アディダスはまだ子ネコに近いから、ミルクもあげないと…排泄は何故か自分でできるみたいだけど」
男幽霊「ふぅん」
アディダス「ゴロゴロ…」ペロペロ
女「よかった、気にいってくれて」
男幽霊「…お前結構優しいな」
女「ぅっ…こ、このくらい誰だってしますっ」
男幽霊「…」
男幽霊「そういえば、お友達、女友って子は来ないのか?いつも一緒にいるのに」
女「あ~駄目駄目、あの子めちゃめちゃ猫アレルギーだから」
男幽霊「おやおや」
女「猫に近づいたらクシャミが止まんないの。この前凄かったんだから」
男幽霊「な~んかあの子、どっかで見た気が…」
女「当たり前でしょ?毎日学校来てるんだから」
男幽霊「うむ…」
女「そろそろ親にどやされるから、帰るね」
男幽霊「うむ…」
朝
女「女友ちゃーん」
女友「なぁに?」
女「ネコ、嫌い?」
女友「ヘ、ヘブシッ!」
女「名前出しただけじゃないのさ」
女友「知ってるでしょ?私アレルギーだから」
女「いや…流石に名前だけでは…」
女友「私猫派じゃないの」
女「派ってことは、犬か何か飼ってるの?」
女友「錦鯉」
女「…そうですか」
アディダス「ニャアオ…」
男幽霊「ばかもの!まだ昼だから来ちゃ…」
委員長「どこから入ってきたのかしら…この猫…」ヒョイ
アディダス「ニャッ」
男幽霊「」
委員長「まったく…こんなネコが校内に入ると困るわね…とりあえず…」
委員長「」ゾクッ
委員長「…?(寒気が…」
委員長「!(後ろから…気配が…」
クルッ
男幽霊「……殺してやる……殺してやる……」ブツブツ
委員長「ッッッキャァアアアアアアアアアッ!!!!」
委員長「あ…」バタッ
男幽霊「多少粗い脅かし方だが仕方ない」
アディダス「ニャ」
放課後
女「おい」
男幽霊「ん?」
女「聞いたよ、委員長が凄く怖い幽霊見たって。あの委員長がガタガタ震えて」
男幽霊「あ、あの子委員長だったのか」
女「ほれ見たことか。ったく…人に迷惑かけないでよねー」
男幽霊「仕方ないだろ?あの子はアディダスをひっ捕まえて…」
女「そうなの…なら仕方ない」
男幽霊「だろ?」
アディダス「ニャ」
女宅
女「ただいまー」
母「あんた最近帰り遅いわね」
女「そう?」
母「ったく…彼氏がいるのはいいけど、遊びすぎんじゃないわよ」
女「かっ彼氏なんかいないからっ!!」
母「ほっほ、そういうことにしとくわ」
女「ぐぬぬ」
朝
女「…」ムスッ
女友「ど、どうしたの?」
女「あらぬ濡れ衣を着せられたのっ」
女友「濡れ衣?」
女「そうそう!私に彼氏がいるとかなんとか知らないけどさっ!!」
女友「えぇっ!!いないの!?」
女「えっ」
女友「てっきりいるかと思ってた…」
女「おいおいなんで」
女友「こ、告白されたことないの?」
女「そ、そりゃ…たまには…」
女友「告白された回数は?」
女「そんなのいちいち覚えてないねー」
女友「いちいち覚えられないほど…」
女「いや…あの…」
女友「いい加減自分が美人だって気付けばいいのに~」
女「いや…だからね?女友ちゃん」
女友「いいよーだ!どうせ私は胸ペッタンコのチビ助だもんっ」
女「いや…あの……」
女友「まっまだ学生だから望みはあるもんっ!!」
女「ある!あるから落ち着いて…」
女友「今日から牛乳飲んでやるんだから!!女ちゃんに負けないんだから!」
女(あぁもう止まらない)
委員長「静粛にっ!!」ドンッ
ッシーー…ン…
委員長「これより臨時として悪霊退さ…対策の会を開会します」
女「えっ」
委員長「今回話題になっている幽霊。彼は非常に怨念に満ちています」
女「えっ」
委員長「見た目は血みどろ」
女(!?)
委員長「そして動物を連れている」
女(アディダス…)
委員長「なにより頭が悪そうな見た目!」
女(もうやめてあげて!)
委員長「よって私は彼の捕獲をここに宣言しますっ!!」ドンッ
女「ほかっ…」
委員長「大丈夫!人間に不可能はありませんっ!」」
女(相手はただの人間じゃありませんっ)
委員長「もちろんこれは有志の人でやるつもりよ。強制はしないわ」
放課後
女「おす」
男幽霊「よ」
女「大変なことになったよ」
男幽霊「大変?」
女「あんたを捕まえるって。委員長が」
男幽霊「えっ…無理だろ…」
女「幽霊捕まえるって…ねぇ?」
女「そういえば、あんたって触ったりできるのかなぁ」
男幽霊「試す?はい、手」
女「うん」ソー…
スルッ
女「あっ…」
男幽霊「だろ?」
女「むー…」
翌日
委員長「さ、昨日の今日ですが、今日は昨日の件の有志の募集及び実行です」
女(じ、実行?)
委員長「じゃ、来てくれる人挙手」
シィ…ン…
(幽霊なんて…ねぇ?)ヒソヒソ
委員長「…」
委員長「仕方ない、奥の手か…」
委員長「来て…くれないの…?」チラリ
クラス男子(さすが委員長!なんて際どいチラリズムなんだ!てか胸デケェエエ!!)
委員長「来てくれる人!」
クラス男子「サーイエッサー!!」
女「……」
委員長「行かない人は自習らしいです。担任に申し出ているので」
女(さ、作戦の許可が下りたのか…いや、でも自習だと教室から出られない…つまり…)
女「私も行きます!」
委員長「あ、よかった。女の子も欲しかったの!」
女(なんとかしてアイツに知らせないと)
女「で、どうやって見つけるの?(私は見えるけど」
委員長「これよ。皆に配って」
女「…これは…?」
委員長「いい?これは両手に軽く持って、近くに標的がいたらこの金属の棒が左右に開いて…」
女(ダ…ダウジング…)
委員長「これで彼は見つかるわ」キリッ
女(委員長…あんた…)
女「なんとか一派から抜け出してきたけど、あんたどうすんの?」
男幽霊「そもそも俺を捕まえてどうすんの?」
女「…さぁ…?」
男幽霊「何よりそんなに幽霊信じてる人にビックリ」
女「いや9割は委員長の胸チラで…」
―――――――――一方他所
委員長「開いた!?」グイッ
男A「俺も!」グイッ
男B「俺もだ!」グイッ
「俺も」
「俺のも」
「俺の奴もだ!」
委員長「よし!ここに埋まってるのね!」
男達(埋まっ…!?)
女「本当にどうしよう、あの人見つかるまで止める気配ないし…」
男幽霊「見つかればやめるかな?」
女「なっ…アンタ本気?」
男幽霊「いやいや、誰にでも見えるわけでもないし…」
女「それはそうだけど…」
男幽霊「じゃ、俺に気付かないフリして、さりげなく委員長のとこまで案内してくれ」
女「仕方ないわね…」
ズガガガッ
委員長「出たかしら?」
男J「まだです!親方!」
委員長「むう…引き続きドリルで掘って!」
男幽霊「いや掘るってアンタ…」ヌッ
委員長「」ビクッ
委員長「出たぁああああああああっ!!!!」
男衆「えっ…どこに…?」
委員長「ここよ!いまここにいるじゃないのよ!!」
男衆「??」
男E「待てよ…委員長にしか見えないんじゃ…」
男M「はっ…つまり委員長は…」
男衆「霊能者…?」
男衆「さすが委員長ぉぉぉぉっ!!皆!委員長を胴上げだ!!」
ワッショイッワッショイッ
委員長「ちょっ…待っ…彼が逃げちゃうじゃないのよ!!下ろせ!下ろせーー!!あとさりげなく胸揉むなー!」
女「……教室戻ろ…」
男幽霊「そうだな……」
夜
アディダス「ニャア」
男幽霊「ようアディダス、今日はちゃんと夜に来たのな」
女「やっほ」ヒョコ
男幽霊「また来たのか」
女「感謝しなよー、この前アンタのせいで彼氏いるとか疑われたんだから」
男幽霊「アディダスの世話なのに、お、俺のせい…?」
女「あっ…ち、違っ、ほ、ほら!アンタがちゃんとこの子の世話しないからっ…」
男幽霊「あぁなるほど」
女「そ、そうだよ…」
男幽霊「委員長はどうなったの?」
女「あぁ、なんか保健室ですごくうなされてた」
男幽霊「なんか悪いことしたかな…」
女「まぁでももう今日みたいなことはしないんじゃない?」
男幽霊「そっか」
女「じゃ、そろそろ帰るねっ」
男幽霊「あぁ」
女「…」ジー
男幽霊「…何?」
女「ばかっ…」
男幽霊「??」
アディダス「ニャア…?」
翌日
女友「どうだったの?」
女「え?」
女友「昨日捕獲作戦行ったんでしょ?」
女「あぁ、結局見つからなかったなぁ…」
女友「やっぱり…私幽霊とかあんまり好きじゃないな…」
女「あ~、そんな感じしてる」
男幽霊「昼間から校内うろつくとまた見える人に出くわすかな…でもうろついちゃうな…」
男幽霊「ん?」
男幽霊(あれは委員長…!まぁもうちょっかいはかけてこないかな)
委員長「…」
委員長「お話があります」
男幽霊「…俺に言ってるの?」
委員長「他にまわりに誰もいないでしょ?」
男幽霊「まぁ…はい…」
男幽霊「あれ?俺見ても怖がらないんだ」
委員長「流石に3回も見たら慣れるわよ」
男幽霊「で?話って?」
委員長「貴方、何か深い怨みがあるでしょう?」
男幽霊「怨み」
委員長「幽霊というものは、怨みがあるからこそこの世に留まっているそうな。つまり貴方の怨み、ひいては悩みを解消してあげる。委員長、いやむしろ生徒会長として」
男幽霊「いや…あの…」
男幽霊「怨みっていうか…自分でもなんでここにいるか…」
委員長「遠慮することないわ!私にできることなら責任持って聞くわ!それが私の役目だもの!
こう見えても今まで色んな悩み、問題を解決してきたのよ。幽霊は初めてだけど…。だけど、元は生きてた人間だから、きっと大丈夫!一人で抱えてるより、誰かに話すだけで気は楽になるものよ?
確かに貴方がどんな悩みを持ってるか知らないけど、私にできることなら…。あ、もしかして、いじめ!?そんなことする奴は今この学校にはいないから安心し…ってどこ行くのよ!まだ話は」
男幽霊「長いです」
オカ女「あなた…みえるわ」
女「ん?」
オカ女「あ、よかったらうちの けんきゅうかい にこない?」
女「研究会?」
オカ女「そう、うちゅうじん、ゆうれい、このよのふしぎな げんしょうについて けんきゅうするかい よ」
女「それってオカルト…」
オカ女「うふふふ、ふつうのひと ならそういうわ。でもあなたには そしつがあると おもうの!」
女(まぁ…無くはなさそうだ…)
オカ女「くる?」
女「うーん、保留で」
オカ女「わかったわ。うふふふ…。」
女(なんだろ、あの電波っ子…)
委員長「つまり、貴方の悩みが…」クドクド
男幽霊「うん…」
―――1時間経過―――
委員長「だから、その子の場合はね、」クドクド
男幽霊「授業は…」
委員長「そんなことは今はいいの!貴方は貴方の心配しなさい!」
―――3時間経過―――
委員長「…ってことよ。わかった?」
男幽霊「わかりました…」
委員長「じゃ、私行くわねっ」
男幽霊「さようなら…」
男幽霊(長ぇよ…)
夜
男幽霊「疲れた…」
アディダス「ニャーン」ペロペロ
男幽霊「すまん、今日は遊んでやれそうにない…」
女「ん」ヒョコッ
男幽霊「来たか」
女「なんでそんなやつれてんの?」
男幽霊「お前より世話好きの女に出くわしたんだよ…」
アディダス「ゴロゴロ」
女「そういえばさー」ナデナデ
アディダス「ゴロゴロ」
男幽霊「ん?」
女「誰かに乗り移れたりするの?」
男幽霊「あぁーそれで遊んでた時期もあったな」
女「できるのか…どんな感じ?」
男幽霊「どんなってまぁ…普通だな」
女「普通?」
男幽霊「あんまり変わらない。まぁあんまり長くいるとその人が危険だが」
女「やっぱり…」
男幽霊「何?乗り移って欲しいの?」
女「遠慮します」
女(明日誰かに聞いてみよ)
翌日
男P「あぁ、今日はなんか学校嫌だなぁ…誰か俺の代わりに受けてくれないかな…」
女「それ、本気で言ってる?」
男P「ん?あぁ本気だよ」
女「幽霊がのり移って、代わりに授業うけてくれたりとかは?」
男P「いいねそれ!最高!でも現実は…」
女(…最高だって)
男幽霊「本気でやるのか?」
女「本気で最高?」
男P「あぁ、なんだ今日の女ちゃん、変だなぁ」
女(行け!)
男幽霊(ったく…お前のわがまま聞くの今日だけだぞ?てか何よりこの人が可哀相だろ…)
ヒュン
男P「うっ」
男「…成功」
女「おっ」
男「ほれ、俺だ」
女「おおっ!」
女(でもなんだろう、この罪悪感)
男「なんか罪悪感がすごい」
女「あんたもか」
男「お前もか」
ポムッ
男「おおっ触れる触れる」ポムポム
女「どこ触ってんだスケベ」バキッ
男「痛い!この感覚久しぶり!」
男「授業まともに受けるのなんて本当にいつ以来だろ…」ジーン
女「あんた前にも乗り移れたんじゃ…」
男「あの時はただ遊んでたからな」
女「ふぅん」
先生「男P、これを解いてみろ」
男「はいよ」
女友(…今日の男P君の雰囲気…懐かしい感じがする…)
休み時間
男「やっぱりこの地面を踏み締めてる感じは好きだな」
女「変わらないとか言って、結構テンション上がってるんだ」
男「ん?あれは…」
アディダス「ニャーン」
委員長「……」
男「やばい!アディダスのばか!委員長に見つかっ…」
委員長「君は彼の心の支え1号じゃないっ!彼をよろしくたのむわよっ」
アディダス「ニャーオ」
男「」
女「」
オカ女「あ、こたえはでた?」
女「ん」
女「うーん」
オカ女「…」ジー…
男「…どうしたのさ」
オカ女「ッ」ビクッ
オカ女「あっ…あなたは!!」
男「え?」
オカ女「いますぐ、けんきゅうかいに はいって!いやむしろあなたが けんきゅうたいしょう…」
男「落ち着いてください」
オカ女「おちついてられないわっ!」ドキドキハァハァ
女(もはや変態に近い…)
研究会室
オカ女「どうぞ、こうちゃ…」
男「ど、どーも…」
女「私まで、いいの?」
オカ女「あなたもりっぱな せんりょくになるかも だから」
女「せ、戦力って…」
女「同じクラスだからこいつのこと…」
オカ女「しってるよーPくんでしょ?」
オカ女「でもいまは Pくんじゃない そうでしょ?」
男(なにこの子すごい)
オカ女「ボクけっこう こういうひとをみたことあるんだー」
女(さっきまで女の子みたいな口調だったのに…急にフランクな喋り方に…)
オカ女「しまった!ゆだんしてたからつい いつものしゃべりかたに…!」
オカ女「ありがと、あなたのおかげできづいたよー」
女「か、考えてることわかったの?」
オカ女「うーん…」
男(なにこの子すごすぎる)
オカ女「でもねー、そのひとの あたまのなかが みえないの」
男「俺?」
オカ女「そ」
女「なんで?」
オカ女「なんていうかその…グチャグチャ?」
男「二つの意識が一つの体の中にあるから?」
オカ女「あぁ!そんなかんじ!」
オカ女「Pくんのからだなのに、Pくんのいしきじゃないもん」
女(この子…本物だ…)
オカ女「ありがとっ」
女「う、うん」
男(今日の下着何色だろこの子…)
オカ女「?」
男(あぁ、なるほど)
男「で?具体的にどんな活動してるの?」
オカ女「あぁ、ソッチほうめんの ほんをよみあさったりー、あと、ふうすいをべんきょうしたり!」
女「あぁ~なるほど」
女「他の部員は?」
オカ女「うん、きょねんセンパイたちが そつぎょうして、どうきゅうせい もいたんだけど」
オカ女「ボクのこのチカラ?みたいなのをキモチわるがってにげちゃった」
女「……」
男「女、この会に入ってやれ」
女「そうだね、今オカ女ちゃん一人でしょ?」
オカ女「うん」
男「俺も入る。正式に言うと男Pが」
女「なにそれ男P君不憫」
女(でも、この子、悪い子じゃないみたいだし…)
オカ女「ありがとっ」ニコッ
女「てっきりコックリさんみたいなことやってるのかと思ってた」
オカ女「そ、そんなアブナイことしないよっ」
男「ふむ…で、俺たちは何をすれば?」
オカ女「うーん、まず、せいしきなクラブにしてもらいにいかないと、いいんちょうに」
女「なるほどそれに私達が行けばいいってことかな」
オカ女「でもあのひと、こういうのキライなイメージ…」
男「俺に任せろ」
女「あんた…まさか…」
放課後
委員長「さ、今日という今日は悩みを聞かせてもらうわよ!」
男幽霊「う…うぅっ…」
委員長「どうしたの?」
男幽霊「オカルト…研究…」
委員長「?」
男幽霊「俺が今ここにいる間に…研究会を…研究会を…正式な部にしてくれ…じゃないと俺は死んでも死にきれないっ…ううっ…」
委員長「…」ウルッ
委員長「わかったわ!私が責任持って研究会を研究『部』にしてあげる!だから元気だして!!」
男幽霊「ありがとう…ううっ…」
女「」
オカ女「あのひとの しょうたいって ゆうれい だったんだ…すごーい」コソコソ
研究部室
男P「えっ」
女「勝手に部員にしてごめんなさい」
男P「えっ」
オカ女「アタマのなかまっしろだね」
男P「えっ」
男幽霊「ドンマイ」
男P「だ、誰だアンタ!」
男幽霊「乗り移ったから霊感ついたのか…」
男P「えっ?ちょっ…え?」
女「うろたえすぎでしょ…」
男幽霊「…て訳だ」
男P「………つまり…?」
男幽霊「すいませんでしたァ!」
男P「俺は晴れてオカルト研究部員?」
オカ女「ぶいん4ごうー!」
男P「はぁ…欝だ…もう嫌だ…」
女「あ、いつもの男Pだ」
男P「誰かこの状況代わってくれ…誰か……」
オカ女「このひと、いつもネガティブにかんがえるひと」
男P「はぁ…」
男幽霊「うん…切にごめん…」
女「まず部内の役割を決めないと」
男幽霊「まず部長はオカ女ちゃんだな」
オカ女「ありがとっ」
女「副部長は?」
オカ女「女ちゃん」
女「わ、私でいいの?」
男幽霊「お前しかいないだろ」
女「…」チラッ
男P「…ん?」
女「わかった私やります」
男幽霊「会計は…俺がやろうか?」
女「そうだねー。男P君に何か役割させるのは流石にアレだから」
オカ女「けってーい!!」
男幽霊「あ、時々体借りていい?」
男P「えっ」
男幽霊「代わりに授業受けたりするからさ」
男P「あ、それならいいよ!」
男幽霊「ここだけは軽いな…」
オカ女「じゃ、まずかんたんなくろまじゅつ からね」
男幽霊「おいおい…ヤバイ系はやらないんじゃ…」
オカ女「ちがうの。こういう まじゅつのたぐい でやっちゃいけないことをここからまなぶの」
女「いきなり高度ね」
オカ女「だいじょーぶ!すぐできるから!」
男P「まぁ、入った以上は参加しよう」
オカ女「いちおう、おんどく してたらかってにみにつくよ、さいしょはね」
男幽霊「ほう、ならやってみるか。てか俺にもできるのか?これ」
女「どれ…」
ブツブツブツブツブツ
男P「…」ブツブツブツ
ゴゴゴゴゴゴ
オカ女「あ!そこちがうページ!!」
女「男P君を中心に黒い渦が!!」
男P「うわぁああああ」
オカ女「…」ブツブツブツブツ
男P「たぁすけてぇーー!!!」
オカ女「やっ」
バシュウウウン……
男P「…はっ…助かった…?」
オカ女「あぶないから、きをつけてね」
男P「は…はい…」
男幽霊(パンツ見えた…!)
オカ女「えっち!」
男幽霊「!?ばかな!」
オカ女「とりついてないときは アタマのなかみえますよーだっ!」
女「男完全敗北ね」
オカ女「じゃ、きょうはここまでね。さっきのくろいウズもホントはあんまりあぶなくないの。ただキケンをしってほしくて」
女「サプライズってことね」
男P「怖かったんですけど…」
オカ女「きょうはおつかれさまでした!!」
「おつかれさまー!」
―――夜―――
アディダス「ニャオン」
男幽霊「今日は色々あったんだぞアディダス」ナデナデ
アディダス「ゴロゴロ」
男幽霊「生前もこんな感じの賑やかさだったなぁ…仲間に囲まれ馬鹿をやって帰って妹の面倒を見て…」
男幽霊「…妹…?」
女「アディダスー!」ギュウッ
アディダス「ニャァアン」
男幽霊「来たか」
女「今日は色々あったねー」
男幽霊「そうだな、久しぶりだ」
女「オカ女ちゃん、すごく嬉しそうだったね」
女「ありがとっ」
男幽霊「なんでお前が礼を」
女「いーじゃん別に」
女「男P君は…」
男幽霊「うん…申し訳ないと…」
女「う…うん…ごめんなさいと…」
女「そういえば、学校から出たりしないの?」
男幽霊「出られるだろうけど、出たことはないな…」
女「なんで?」
男幽霊「なんか、怖いから」
女「怖い?」
男幽霊「色々思い出しそうで」
女「ふぅん…」
翌日
委員長「グッモーニンッ」
男幽霊「ん?」
委員長「部、作ったわよ」
男幽霊「ありがとうございます。いや本当に」
委員長「あはは、どういたしまして!これでもう未練はないかしら?」
男幽霊「はい、ありません」
委員長「じ、じゃあ成仏するの?」ジー…
男幽霊「な、なんだその目は…」
委員長「いやぁ、幽霊なんて珍しいからもうちょっといて欲しいな…なーんて」
男幽霊「ちょっと前まで気絶するほど怖がってた癖に」
委員長「あの程度の恐怖を克服できないで委員長なんてやってられますかっ」
男幽霊「う…うん。まぁ、当分はいるから安心してくれ」
委員長「また悩みできたら言いなさいよねっ」
教室
女友「オカ研に入ったって?」
女「ん、知ってたの?」
女友「オカ女ちゃんが嬉しそうに教えてくれたの。てかあの子本当はあんな喋り方だったんだ。意外というか見た目通りというか…」
女「女友ちゃんと身長同じくらいだもんね」
女友「ぐっ…」
女友「私は陸上だから…ちょっと掛け持ちは出来ないけど、頑張ってね!」
女「うん!ありがと!」
昼休み
女「」トコトコ
男幽霊「なんだ?」
女「」コト
男幽霊「弁当箱置いて何やってんだ」
女「ナマンダブナマンダブ…」
女「さ、食べよ」
男幽霊「おいまて、誰が仏様だ誰が」
女「冗談通じるようになったじゃんっ!」
男幽霊「ん?元々俺は…」
女「あはは」ニコッ
男幽霊「ぐぬぬ」
放課後
オカ女「はい、じゃ、きょうもやりましょう!」
女「はい」
男幽霊「はい」
男P「は、はい」
オカ女「えっとねー、まぁまずみなさん、こうちゃをすすってるあいだに せつめいするね」
オカ女「きょうは、しんりテストをやります」
女「」ピクッ
オカ女「はい、おんなのこはダイスキしんりテスト」
男幽霊「ほう…」チラッ
男P「…」チラッ
女「な、べ、別に反応してないしぃ…」
女「オカ女ちゃんは人の心読めるのになんで心理テストを?」
オカ女「ボク、むかしはケッコーはまってて、そういうカンケイでよめるようになったんじゃないかなって…」
男幽霊(あぁ多分関係ない)
オカ女「あと、みんなでたのしみたいから!」
男P「…!」
女「それが1番の理由だね」
オカ女「えへへっ」
オカ女「じゃ、まずこのしんりがくのテキストよんで!だいがくでつかわれてるやつだけど」ドサッ
女・男幽霊・男P「うっ…」
男P「ハァ…ハァ…」ペラ…ペラ…
女「…大丈夫?」
オカ女「あ、ごめん!そんなにホンキにならなくていいよ!じぶんをおいつめるのはやめてPくん!」
男P「俺は…変に凝り性だから…ふふふふふふふふ」ペラ…ペラ…
男幽霊(やべぇコイツ本気だ…)
オカ女「まぁ…ムリしないでね…」
オカ女「じゃ、ためしにモンダイだすよー」
男幽霊「どーぞ」
オカ女「あめのひに、あなたのスキなひとがカサをさしています。なにいろのカサ?」
男幽霊「んー水色?」
オカ女「えっとねー、これはなにを きいてるかっていうと…」
オカ女「」ゴニョゴニョ
女「うっ…いきなりそういう系の心理テストとは…」
男P「あぁ…なるほど」
男幽霊「え?何何?」
オカ女「これは、スキなしたぎのいろをきいたテストでしたー」
男幽霊「俺は…俺は水色が好きなのか?」
女「私に聞くな」
男P「チューリップ」
男幽霊「チューリップか…チューリップを選んだか…」
男P「え?え?」
男幽霊「いや、まぁ個人の趣味だ。非難はしないさ」
男P「え?え?」
オカ女「もうこんなジカンだねー」
オカ女「おつかれさまでしたー」
「おつかれさまでしたー」
翌日
委員長「今日の欠席は女さんです」
女友「なんでですか?」
委員長「熱ですよ」
―――休み時間―――
男幽霊「なんでその事を俺に?」
委員長「いや、仲がいいみたいだからよ」
男幽霊「仲がいい…ねぇ…」
男P「男さん…頼みがある…」
男幽霊「ん?」
男P「次の体育…代わってくれ…」
男幽霊「はいよ」ヒュン
男「おし」
委員長「え…えーと…とりついたってこと…?」
男「イェス!」
委員長「テンションも上がるのね。面白い人。ふふっ」
体育
先生「今日は長距離のタイムを測る」
男(あぁ、たいていの人が嫌がるわけだ)
先生「では各自準備運動をしておくように」
男「走るの久しぶりだなぁ…」
男B「あぁ、お前しょっちゅう休んでるもんな」
男(そうなのか?男Pの奴どんだけ体育キライなんだ)
先生「そろそろ開始する!位置につけ!」
先生「はじめ!」
ダダダダッ
男「あぁ~この走ってる感じ懐かしいなぁ~」タッタッタッタッ
男R「おい…男Pってあんなに速かったっけ…?」
男N「バーカあいつのことだ。すぐリタイアするさ」
……
…
先生「かなりいいタイムだ!男Pが一着」
男「まぁ…こんなもんでしょう…」
男K「速ぇ…」ゼェッゼェッ
男G「あいつ陸上部か何かだったっけ?」ハァッハァッ
男K「いや、オカ研」ゼェッゼェッ
男G「オカ研!?」ハァッハァッ
放課後
オカ女「ん~…」
男P「ありがとう。でも疲れはそのままこっちに…」
男幽霊「仕方ないだろ」
オカ女「きょうはなにがいいかなぁ~…」
オカ女「なにがいい?」クル
男幽霊「俺に聞くのか。そうだな…今日はまったりと…」
オカ女「おひるね?」
男P「賛成…」ヨロヨロ
オカ女「じゃ…おひる…ね…zZZ…」
男幽霊「…」
男幽霊(やっぱり副部長がいないと皆ふにゃけるねぇ…別に俺は寝る必要ないけど…)
夜
アディダス「ニヤァン…」
男幽霊「おおよしよし、残念だったな、今日はアイツは来ないんだ」
ペタペタ
男幽霊「ん?」
オカ女「…こ、こんばんは…」
男幽霊「えっ?なんで…」
オカ女「ふくぶちょうさんに たのまれてたの。わぁーネコちゃんー」
男幽霊「この学校ネコ好き多いのな…」
オカ女「そう?」
男幽霊「うん、あとその位置でその座り方はマズイぞ。見えてる」
オカ女「ッ!」バッ
男幽霊(水色…かぁ…)
オカ女「うっ…」
男幽霊「しまった、お前は心が読め…いや、俺にもできるかも」
オカ女「どうやって?」
男幽霊「ほれ、心理テストだよ部長」
オカ女「あぁ~なるほど」
男幽霊「空は曇り傘はもっていく?絶対持っていく、とりあえず持っていく、持っていかない、からどうぞ」
オカ女「とりあえず…もっていく…?」
男幽霊「ふむ…」
オカ女「けっかはなに?」
男幽霊「結果は」
アディダス「ゴロゴロ」
オカ女「あ、ゴハンほしいよねっもってきたよー」
アディダス「ニャアゴ」
男幽霊「聞けよ」
オカ女「ボク、ゆうれいのひとと、はなしできるなんて おもわなかったよ」ナデナデ
アディダス「ゴロゴロ」
男幽霊「ん?」
オカ女「まえに けんきゅうかいに いたひともホントは『オカルトなんてない』っておもってたんじゃないかな」
オカ女「ボク、たしかにあることをショウメイしたくて、このチカラをみせたけど…」
オカ女「みんなうけいれてくれなかった…あははっ」
男幽霊「…」
オカ女「でもよかった!ホントのゆうれいさんにあえたから」
オカ女「ボクはまちがってなかったんだぁって…エヘヘ…」グスッ
男幽霊「お…おいおい…」
オカ女「ありがと、これからもよろしくねっ」
男幽霊「…あぁ」
オカ女「あ、そろそろかえらなくちゃ」スクッ
男幽霊「あ、心理テストの結果」
オカ女「あっ」
男幽霊「何何…『友達関係から恋愛に発展しやすい』…だってさ」
オカ女「――ッ!!?///」
オカ女「じゃ、か、かえるねっ…」タッ
男幽霊「はーい」
アディダス「ミャア…」
男幽霊「あったかいなぁ、お前は」ギュゥウ
アディダス「ニャ-ゴロゴロ…」
翌日
女「おっす」
女友「あ、治ったんだ!」
女「あたぼうよ」
男P「体が…キシむ…」ミシミシ
女「な、何があったのさ…」
男P「きのうあの人に代わりに長距離走ってもらったら…筋肉痛で…うぉああっ!」
女「あのバカ…加減を知らないんだから…!!とっちめてやる!」ズンズン
委員長「うふふっ」
女「おいバカ」
男幽霊「誰がバカだ」
女「他に誰がいる!あんなひ弱な人の体で!」
男幽霊「俺だって生前はモヤシみたいな体だったぞ」
女「見たらわかります!ったく…それで一着だっけ?無茶苦茶するんだから」
男幽霊「あれはほんの走り方のコツだよ」
女「?やけに詳しいのね」
男幽霊「俺、生前は陸上部だったから」
女「そのモヤシで?」
男幽霊「モヤシでも走れるの!それで走ってたら完全に思い出した」
女「何を?」
男幽霊「女友っているでしょ?」
女「うん」
男幽霊「あいつ、俺の妹」
女「…え?」
女「え?嘘…」
男幽霊「俺、死因は風邪じゃない」
女「ま、まぁ風邪で死ぬってあまり聞かないし…」
男幽霊「夏、陸上で走ってる時に熱中症で死んだんだ」
女「っ…」
男幽霊「アイツを見てからずっとひっかかってた。まぁ何年も見てなかったから仕方ないか」
女「今、あの子…陸上やってるの…」
男幽霊「だろうな」
女「だろうなって…」
男幽霊「昔から兄貴には負けず嫌いだった妹さ…何かの因縁をつけてんだろ」
男幽霊「ま、もう冬だし心配はあまりないけどな」
女「…」
女「…」
女「女友ちゃんには、知らせた方が?」
男幽霊「ダーメ、あいつ折角立ち直ってるし、思いださせる必要もないでしょ」
女(確かに幽霊は嫌いだって言ってた…過去を断ち切るのに必死なのかな…)
男幽霊「そうだ、帰り道も全部覚えてる。それを辿ればお前の親友の家に到着だろう」
女「何かペット飼ってた?」
男幽霊「錦鯉ぐらいかな。アイツ猫アレルギーだから猫は飼えなかった」
女「決まり………かな……」
男幽霊「ま、とにかく今は黙っててくれ」
女「…うん…」
女「でも、なんでそれを私に?」
男幽霊「1番近いと思ってるからだ」
女「…え?」
放課後
オカ女「やっぱりふくぶちょうがいると、にぎやかさがちがうなぁ」
女「…」
オカ女「ぉ、ぉ~ぃ」
女「…えっ?」
オカ女「まぁ、まだやみあがりみたいだし、むりはしないでね」
男P「今日はなにを?」
オカ女「そうだねー、きょうはくろまじゅつのレベルアップで!」
男P「おぉう…」
オカ女「き、きをつければこわくないから!だいじょうぶだからPくん!」
男幽霊「これ、どう読むの?」
オカ女「ぁぅっ…え、えっと、こ、こここれはね…」ドキドキ
女(オカ女ちゃんがわかりやすすぎて生きるのが辛い)
オカ女「きょうも、おつかれさまでした!」
「おつかれさまでした!」
女「あ、片付け手伝うね」
オカ女「ありがとっ」
オカ女「…そんなにわかりやすかった?」
女「バ、バレバレだったよ」
オカ女「うっ…でも女さんも…モガっ!?」
女「言わないで。今は…」
オカ女「…?」
女「ごめん」
オカ女「う、うん…」
夜
アディダス「ニャァン…」
男幽霊「はぁ…もう2月か…そろそろお前ともお別れかもなぁ」
アディダス「ニャ?」
男幽霊「結構この学校にいたけど、今はなかなか楽しいぞ」
アディダス「ニャア…」ペロペロ
ツカツカ
男幽霊「ん?」
委員長「どう?悩みはない?」
男幽霊「委員長…」
男幽霊「あるにはあるな…つーか前のは嘘、ただの頼まれごとで部にしてもらった」
委員長「うん、知ってるわよ」
委員長「私たちも卒業するから、こうして君と話をするのもあと僅かねー」
男幽霊「そうだなぁ…卒業式いつだっけ?」
委員長「2週間後だけど?」
男幽霊「早いな…その日に俺も卒業しようかな」
委員長「卒業…?まさか…」
男幽霊「そ、この世からの卒業」
委員長「…君が決めたことなら、止めはしないわ。でも、君をそうさせる理由がわからない。」
男幽霊「一人には言ってあるよ。理由というよりヒントはね…」
委員長「そ…じゃ、私が知る必要はないわね」
男幽霊「どーも」
朝
女友「おはよっ」
女「お、おはよっ!」
女友「どうしたのさ?考え事?」
女「ううん、ぼーっとしてただけ」
女友「そ。もう卒業だねぇ…」
女「陸上は?」
女友「引退したよ?」
女「この時期だからねー。…なんで陸上やってたの?」
女友「え?」
女「いや、女友ちゃんスポーツ万能だし…陸上を選んだ理由は?」
女友「負けたくないから…」
女「…」
女友「あのバカ兄に負けたくないから…」
女「………そっか…」
女友「ていってもね、そのバカ兄はもう…」
女「……そう…ごめん…本当にごめん…」
女友「ううん、別に…」
女(なんでこんな事聞くんだろ…回答はわかりきってるのに…なんで聞いたんだろ…)ポロ
女友「わっな、なんで女ちゃんが泣くのさ!ちょっ…ちょっと!?」
夜
アディダス「ニャーン」
他猫「ニャオ」
男幽霊「お、友達連れてきたのか」
男幽霊「よしよし、これでお前はもう大丈夫だな…俺がいなくても…」
パサッ
男幽霊「ん?」
女「いなくなるっ…て…どういう事…?」
男幽霊「…!…」
アディダス「ニャーン」
男幽霊「こんばんは」
女「ねぇ!どういうこと!?いなくなるって…!」
男幽霊「…隠しても仕方ないか…」
男幽霊「卒業式の日、俺は消えることにした」
女「な…なんで…!?ねぇ、なんで!?」
男幽霊「俺がいたら、またお前みたいに一人になる奴が出てくる」
女「一人じゃないよ!オカ女ちゃんもいる!男Pくんもいる!委員長も!」
女「女友ちゃんだって…」
男幽霊「見ろ、アディダスの奴、友達できたんだぞ?」
アディダス「ニャーン」
他猫「ブニャー」
男幽霊「死人に振り回されてたら、苦労するぞ?」
女「そん…な…」
女「…わかった…」
男幽霊「ん、今まで、ありがとうございました」
女「…!」ダッ
男幽霊「!…おやおや」
アディダス「ニャァン」
他猫「ニャ?」
男幽霊「ごめんな、あのバカ、お前らのゴハンごともって帰っちまった」
一週間後
委員長「皆さん、卒業式まであとわずかです。今のうちにせいぜい恥ずかしくない思い出をヒネりだしてください」
クラス「言い方ひどくね?」
女「………」
女友「どしたの?最近元気ないけど…」
女「…」
女「女友ちゃんは偉いね、私にはとても無理だよ…」
女友「な、何何いきなり?だ、大丈夫!?」
オカ女「……?」
放課後
オカ女「じゃ、ながいようでみじかかった オカけん だい1きせいの かつどうはきょうでおわり!みんな」
オカ女「ありがどぉ゙ぉ~」ダラダラ
男幽霊「鼻水鼻水!!」
男P「涙こらえきれてない!」
――――
女「ん、コップ貸して」
オカ女「あ…ありがと。さいごまでホントありがとね」
女「…」ゴシゴシ
オカ女「よいしょっ」ガチャガチャ
女「…オカ女ちゃん」
オカ女「ん~?」ガチャガチャ
女「男幽霊…いなくな…るの…」
オカ女「…えっ…?」
女「いちおうオカ女には伝えたけど…その…」
オカ女「あなたらど―するの?」
女「え…?」
オカ女「じぶんのキモチ、つたえるの?」
女「そ…それはアンタだって」
オカ女「ボクはもうつたえられたとおもってる!」
オカ女「いままで…ずっと…あのしんりテストのこたえもちゃんとしってた…!!そのうえで…」
オカ女「あなたはどーするのさ!?」
女「わ…私は…もう…いいの…」
オカ女「いいわけないっ!!」
女「だって!伝えたところでアイツ消えちゃうんだもん!!」
オカ女「いっしょになれなきゃつたえないんだ!!へんじかこわいんだ!!」
女「なにさ!!アンタだって!アイツの前じゃあんなにカチコチになって!!」
オカ女「ボクだって…こわいよ…でも…」
オカ女「たとえゆうれいさんが、あなたのことをスキでも…そっとでもいいからって…つたえなきゃって…」グスッ
女「………」
オカ女「あなたがしょーじきにならなかったら、ゆるさないから…」
女「…………」
卒業式前夜
男幽霊「知ってるか?アディダス」
アディダス「ニャオゥン」
男幽霊「世間では明日はバレンタインって奴でもあるらしいぞ」
男幽霊「そんな日に消えるって、なかなかカッコイイと思わないか?」
アディダス「ニャアン」ペロペロ
男幽霊「お前は大丈夫だ、一人心配な奴がいるがな」
卒業式 朝
母「ちゃんと身だしなみ整えなさいよー」
女「わかってるー!」
母「荷物はー!?」
女「全部持ったー!!いつまでも子供じゃないんだから!!」
ガチャッ
アディダス「ニャッ」
女「……アディダス…」
卒業式
女友「もうそろそろお別れだねー…」
女「そうだね…」
女「相変わらず強いね…女友ちゃんは…」
男P「うわ、保護者で満席…!!」
『今から卒業証書を授与します名前を呼ばれた生徒は、檀上に上がってください』
校長「おめでとう」
女友「あ、あああありがとうございます」
女友(うわぁー…緊張するー!えっと、ここで振り返って…)
女友「…?」
女友(保護者いっぱいで立ってる人もいるのに、なんであそこ1つだけ空いて……)
女友「……バカ兄………?」
女「そろそろ行かなきゃ…」
女(オカ女ったら檀上で泣いてる…あの子らしくていいや)
『女さん』
女「はいっ」
校長「おめでとう」
女「ありがとうございます」
女(緊張して泣くどころじゃ…)
女「!?」
女「アイツ……」
女「これはオカ女じゃなくても泣きますよ…。な…なんで幽霊の癖に座ってんのさっ……!バカッ…」
教室
女友「うっ…うっぅうっ…」グスッ
女「…女友ちゃん?」
女友「保護者席に…バカ兄が……バカ兄が…!!」グスッ
女「そう…よかった…ね…」
女「もう一度会う…?」
女友「あの顔もう一度見たら…もう…駄目になる…」
女(どこまで偉いんだこの子は)
先生「皆…3年間ありがとうと言いたい…」ウルウル
先生「解散っ」ドバッ
女「私…もう…我慢できないや…」
女「」ダッ
―――――
女「見つけた…!」ハァッハァッ
男幽霊「おいおいどうした」
女「こ、これっ…!!」バッ
男幽霊「箱?」
女「クッ…クッキーですよ…!!どーせもらった事ないでしょっ!!」
男幽霊「俺に?」
女「当たり前でしょ!」
男幽霊「ははっこのおバカさんめ、幽霊さんだから物理的に食べることなど」
女「いいから受け取ってよ!!」
男幽霊「お、落ち着けよ」
女「今食べてよ!!私の前で食べてよ!!」
男幽霊「ちょっ…」
女「好きで悪いかバカー!!親友の兄貴に惚れて悪いかコノヤロー!!!」ポロポロ
男幽霊「……っ…」
女「幽霊のこと…好きになって悪いかーーッ!!」ボロボロ
男幽霊「わかった…うけとる!」
女「消えないでよ!消えないでってば!!聞いてんのか!!バッキャローーッ!!」ボロボロ
―――部室―――
オカ女「よかった…いまごろ、キモチつたえてるころだろーね…あははっ…はっ…うっ…うぅっ…」グスッ
―――――――
男幽霊「生まれて初めてのクッキーじゃないけどさ」
女「ばかやろーっ……!!」
男幽霊「死んで最初で最後のクッキー、ありがとうございます」
―――
――
数週間後
女友「ここ…」
女「そっか…」
男P「いまだに信じられない…。これがあの人の…」
オカ女「それは、いっちゃだめだってば」ボソッ
女「あれ?もうお供え物が…」
女友「あぁ、委員長が…なんでか知らないけど…」
女(なんで知ってるんだろ…)
アディダス「ニャーン」
女「あ、そうだね、そろそろ…はいお供え」コトッ
女友「何それ?」
女「お供え。物理的に食べてくれなかったから」
女友「?」
オカ女「ボクも実はあれから作ったんだ…ちょっと遅いけど…」コトッ
女「美少女二人の分だぞ、あの世でしっかり味わえ、このやろーっ!あははっ」
fin
よかったよおつ
216:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 14:01:17.04:nWnCiDUsO乙
泣いた
219:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 14:01:58.08:UOKawZEY0泣いた
>>1乙
久しぶりにss楽しめた
227:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 14:05:23.08:U5W1f4dA0久しぶりにss楽しめた
乙!
すげーよかった。
246:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 14:41:08.85:I10v7XXkOすげーよかった。
乙
一気に読み切れてモヤモヤが残らなかった
256:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 15:53:33.94:yqS1FgDoO一気に読み切れてモヤモヤが残らなかった
久しぶりの良スレだった!
乙!
258:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/27(土) 16:00:02.17:X9gTr4teO乙!
マジでちょっと泣いた
良いSSだったありがとう
良いSSだったありがとう
コメント 4
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大丈夫だ、問題ない。
(´・ω・`).;:…(´・ω...:.;::..(´・;::: .:.;