- 5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/29(月) 15:11:46.71:cHIrQ2KI0
魔王城―大広間―
勇者「罠とかせこすぎるだろ常識的に考えて」
魔王「あの程度の罠も避けれないとは思わなかった」
勇者「仕方ないだろ…今年が勇者一年目なんだから」
魔王「先代勇者は強かったけどなー」
勇者「親父と比べられたら困るな」
魔王「あれ?先代勇者の息子なの?」
勇者「そうそう親の七光りってやつ」
魔王「自分で言うとは悲しい奴め。というより勇者って世襲制なのか?」
勇者「そういう訳でもないけど俺の世代は不作だったからな」
魔王「そっちの方も大変そうだな」
勇者「いやいやそんなことないぜ?それよりそろそろ地面が恋しいんだけど」
魔王「すまんすまん忘れてた」バサッ
勇者「いやいやどーも」スタッ
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6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/29(月) 15:13:14.80:cHIrQ2KI0
魔王城―リビング―
魔王「えーあーっと条約第……なんちゃら条により敗者は勝者の城で一ヶ月の間雑用をすること」
勇者「意外と適当なんだな。まあ一ヶ月間よろしくなー」
魔王「まあこんなの形だけだから適当でいいんだよ」
勇者「それより今年の罰ゲームは何なの?」
魔王「えーっと…どこに置いたっけ…」がさごそ
勇者「整理整頓のできない大人にはなりたくないです」
魔王「あった!えっと…ププッ…王様がパンツ一丁でパレードに出るwwwだな」
勇者「ちょwwだから王様あんなに今年だけは負けるなって必死だったのかww」
魔王「まあそんなこと言っても俺の去年の罰ゲームも相当ひどかったぞ?」
勇者「そうなのか?何させられたんだ?」
魔王「魔都を『ヒャッハー!汚物は消毒だー!』って叫びながら掃除…」
勇者「うわぁ…あほらしいことしてんのな…」
魔王「したくてしたんじゃねーよ!あまりの精神的ダメージで少しの間ひきこもったんだからな!」
勇者「王っていつもひきこもってんじゃねーの?」
魔王「それもそうだった」
7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/29(月) 15:14:51.85:cHIrQ2KI0
勇者「それで雑用って何したらいいんだ?」
魔王「基本は掃除洗濯料理かな」
勇者「要するに家事か。家事は任せろー!バリバリィ!」
魔王「なんで勇者なのに家事に自信あるんだよ」
勇者「親父にどうせ必要になるからって教え込まれたからな。そーだよ黒歴史だよ」
魔王「親にも期待されてないなんてかわいそうな子…プククッ」
勇者「アーアー何も聞こえない(∩゜Д゜)それでどうしたらいい?」
魔王「詳しくはメイドに聞いてくれ」
勇者「ねぇそのメイドかわいい?」ワクワク
魔王「かわいいがお前には荷が重いと思うぞ」
勇者「余裕余裕!これから一ヶ月間かわいいおんにゃのことラブラブ生活か。なんだかオラみなぎってきた!」
8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/29(月) 15:16:24.90:cHIrQ2KI0
魔王城―メイド室―
勇者「という訳で一ヶ月間よろしくお願いします」
メイド「勇者さんですね。こちらこそよろしくお願いします」ペコッ
勇者「い、いえいえ!」ペコッ(ケモノ耳きた!これで勝つる!)
メイド「お仕事は明日からでいいですので今日はゆっくりしていってくださいね」にこっ
勇者「そ、それじゃあかわいいメイドさんと一緒にお茶したいなー…なんて思ったりぃー?」もじもじ
魔王「一人で何をしてるんだお前相当きもいな」
勇者「うっせ!どうせへたれだよ俺は!」
魔王「正確にはへたれで弱くて童貞だな」
勇者「うつだしのう」
9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/29(月) 15:18:40.63:cHIrQ2KI0
魔王城―寝室―
勇者「起きろー!朝だぞー!」ユサユサ
魔王「んぁ…勇者か…おはょ…」すーすー
勇者「朝飯俺が作ったからさっさと食べろよ」
魔王「はいはいすごいね分かりました分かりました」むにゃむにゃ
勇者(こんなのに負けた自分が情けない)
側近「あっ魔王様お先に食べてます」パクパク
将軍「いやー勇者さん料理うまいっすねー」ガツガツ
魔王「!!…これはうまい!勇者はいいお嫁さんになれるぞ!」もぐもぐ
勇者「俺男だけどな」
10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/29(月) 15:21:55.12:cHIrQ2KI0
魔王城―書斎―
魔王「…………」サラサラペラッギーッパタンッ
勇者「おっ、ちゃんと仕事してんじゃん」
魔王「私はあなたとは違うんです」サラサラ
勇者「勇者は政治とかできなくてもいいからな」
魔王「休憩時間か?」ペラッポイッペラッ
勇者「そーそー。メイドさんが後はするってさ」
魔王「あいつは働くの好きだからなー。いい部下だよ」
勇者「そういえばさ、魔族って人間食べるの?」
魔王「じゃあ人間は魔族食べるのか?」
勇者「いや、人間のお伽話でそういう話があるからさー」
魔王「何それ怖い。私は今、人間の想像力が心底怖いと思いました」
勇者「想像力ってか、他の世界の魔族は食べるらしいよ?」
魔王「んー聞いたことあるかも知れないがどっちにせよ会話してる相手を食べるとか普通の神経じゃ無理だろ。カニバリズム怖い」
勇者「だよなー」
12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/29(月) 15:27:16.75:cHIrQ2KI0
勇者「それとさ、魔族と人間は戦争するものらしいぜ?」
魔王「この勇者と魔王の闘いも元はそういうルーツらしいな」
勇者「実際は勇者と魔王で本当に殺しあうらしいな」
魔王「しかもたいてい人間―っていうか勇者が勝つよな」
勇者「大半は人間が作った物語だからじゃね?魔族が作ったら魔王が勝つんだろ」
魔王「私がそういう話作ろうかな」
勇者「いや多分既にあると思うけど。どっちにせよ魔族と人間は対立してることが多いな」
魔王「平和が一番なのになー、お茶いる?」
勇者「いるいるー。こうやってのんびりするのが一番だよな」ズズズッ
魔王「あーやべ。勇者に邪魔されて仕事進まないやばいマジやばい」サラサラパラッ
勇者「すまんな。じゃあ俺もそろそろメイドさんの所もど――あっ」ガチャン ポタッポタッ
魔王「ぶち殺すぞゴミ虫」
勇者「ごめんなさい…」
13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/29(月) 15:29:55.41:cHIrQ2KI0
魔王城―客間―
勇者「~♪」ふきふき
メイド「そこの掃除終わったら次は会議室頼みますねー?」
勇者「りょーかいっ!」
メイド「それにしても勇者さんよく働きますねー?」
勇者「なんか綺麗にしたら気持ちいいじゃないですか!」
メイド「ふきふきして気持ちよくなりたいんですか?とんだ変態さんですね!」パチンッ
勇者「!?痛っ!…ちょっと、やめて痛い…」ヒリヒリ
メイド「すいません…ついくせで…」ぺこっ
勇者「そ、そうですか、い、いいですよ全然!」(深く考えないでおこう…)
メイド「叩かれて良かったんですか!もっと叩いてあげますっ!」パチンッパチンッ
勇者「」
14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/29(月) 15:31:19.96:cHIrQ2KI0
勇者「おい、ドM」
魔王「もしかして私のことか…?」
勇者「そうだよっ!なんつーメイドさんだよあれ!」
魔王「あー…あれは私のせいではない。元からだ慣れろ」
勇者「いつも叩かれてハァハァ言ってるんだろ!?」
魔王「私には美人の妻がいるし、どっちかといえばSだぞ」
勇者「つ、つつ妻!?結婚してんのか!」
魔王「なんという童貞らしい反応」
勇者「…………童貞だけど彼女くらいいるしっ!」
魔王「へー。どこに?名前は?年齢は?いつ出会ったの?性格は?付き合ってどれくらいだ?」
勇者「………ごめんなさい嘘です」
魔王「ぷっ」
15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/29(月) 15:33:23.60:cHIrQ2KI0
勇者「それで魔王の嫁さんってどんな人?」
魔王「人間だよ。美人で家事もできて優しい完璧な妻だよ」
勇者「えっ、人間なのか」
魔王「今時別に珍しくもないだろ?」
勇者「それはそうだがなんか魔界の貴族同士結婚とかかと思ってた…」
魔王「ないないそんな古臭い風習。私の妻も昔は人間界の酒場で働いてる普通の娘だったよ。もちろん看板娘な」
勇者「へぇー。一目惚れってやつですか?旦那」ニヤニヤ
魔王「なんかキモいなお前…まあその通りだけどさ。昔王様と二人お忍びで街にナンパしに行ってさ、結局全員に振られて飲みに行った時だな」
勇者「あんたら何やってんの」
17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/29(月) 15:38:23.52:cHIrQ2KI0
魔王「とある筋からの情報によると魔族と人間の夫婦は全体の4割を占めるらしいぞ」
勇者「どこ情報だよそれ」
魔王「メイドの読んでいる週刊誌だ」
勇者「胡散くせぇー」
魔王「週刊マカイデーを馬鹿にするとメイドに怒られるぞ?」
勇者「ごめんなさい信じます。いえ信じさせてください」
魔王「さらにとある筋からの情報によると、魔族と人間の夫婦が多いのにもちゃんと理由があるらしい」
勇者「ほう?」魔王「魔族には巨乳が多く人間には貧乳が多い。そして魔族の男性はスタイリッシュな貧乳が好きで人間の男性グラマラスな巨乳が好きらしい」
勇者「なんの理由にもない件」
魔王「じゃあお前は貧乳好きなのか?」
勇者「おっぱいに挟まれて死にたい!」 魔王「ちっぱいは正義!」
勇者・魔王「あん?」
19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/29(月) 15:40:19.50:cHIrQ2KI0
勇者「ふむふむ…そうだな貧乳もなかなかだな…これ貸してくんね?」にやにや
魔王「いやいや巨乳も思いのほかいいな。あ、じゃあ私はこれ借りるな」にやにや
勇者「いやいや中々お目が高いですなぁー」にやにや魔王「このDVDもいいですかな?」にやにや
メイド「お二人共何してるんですか?」ひょこっ
勇者「えとーそのー」
魔王「人間と魔族の夫婦の世帯数の統計をとりそこから今後どのように推移していくかの話し合いをしていたんだよ」にこっ
勇者「そうそう!」(魔王GJ)
メイド「そうなんですか。魔王様ちゃんと仕事もしてくださいよ?」
勇者「そういえば魔族って人間より寿命かなり長いんだろ?夫婦だと魔族の方がかなり残されるんじゃないか?」
魔王「昔はそんなことも多かったらしいが今は半魔半人が多くて純粋な魔族は一握りしかいないからな」(助かったぞ勇者!)
メイド「そうですね。魔族の平均寿命も100~115といったところですかね」
勇者「なるほど勉強になるな。それよりメイドさんそろそろ仕事に戻らなくていいの?」
メイド「そうですね、少し長居してしまいました。それでは失礼します」ぺこっ
魔王「いや勇者も仕事に戻れよ」
メイド「あ、魔王様が先程引き出しにしまわれた本やDVDのことは奥様に報告しといた方がよろしいでしょうか?」
魔王「えっ」
21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/29(月) 15:44:50.16:cHIrQ2KI0
―○○城 王室
伝令「第435回魔王vs勇者の結果をお伝えにきました」
王様「そうか…ご苦労。下がっていいぞ」
伝令「はっ」ササッ
大臣「読み上げてよろしいでしょうか?」にやにや
王様「もうヤダ死にたい…」
大臣「勇者は敗北いたしましたので条約通り魔王城で一ヶ月の間雑用。そして王様は罰ゲームを行う事。―魔王より」
王様「お前パレードの日だけ王様やる?」
大臣「丁重にお断りします」ぺこっ
王様「じゃあその後もやっていいから」
大臣「国民が納得いたしましせん」
王様「正論を振りかざして俺をいじめて楽しいか?」
大臣「理不尽に部下を陥れようとして楽しいか?」
王様「はぁ…」
24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/29(月) 15:47:27.20:cHIrQ2KI0
―雑用勇者の朝は早い。
朝は日の出の前に上司のメイドに叩き起こされるのだ。
準備を済ませた後は城の皆が寝静まっている中、メイドと二人黙々と料理を作っていく。
始めの頃はメイドをチラチラと見ていた勇者も近頃はビンタされるのが嫌になってきたらしくひたすら調理している。
料理が完成すると次は起床の合図の鐘を鳴らすために2階へと駆けて行く。
この係はメイドと日替わりなのだが今日は勇者の当番らしい。
そして全員が朝食を終えると皿洗いの時間だ。
今は夏なので水が気持ちいいからだろうか心なしか勇者は楽しそうにしている。
皿洗いの後は洗濯だ。勇者にとっては一番嫌いな作業である。
今日は適当に洗った事がメイドにバレてしまい怒られているようだ。
そして昼ご飯の用意まではしばしの休憩が入る。
ここで勇者がとる行動はいくつかに別れるのだ。書斎に行く、自室で休憩をする、兵士と共に汗を流すの3パターンである。
自室で何をしているのかは皆さんの想像に任せるとしよう。
おや、今日は書斎へ行くようである。
25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/29(月) 15:49:45.70:cHIrQ2KI0
―雑用勇者の午後は長い。
この巨大な城の掃除を行うからである。
しかし勇者は掃除を得意分野としており、かのメイドさえも凌ぐ程の腕前である。
掃除が終わるとすぐに干していた洗濯物を取り入れバルコニーへと急ぐ。
掃除が長引いたり洗濯物を取り入れるのに時間がかかっていると、夏とはいえそろそろ秋も近づいてきている季節なので日が暮れると露が浮いてしまうこともあり時間との戦いである。
洗濯物を取り入れたら休む間も無く夕食作りである。
夕食は皆が一番量を食べるので勇者達も豪華に、かつ多量を作らなければいけないため必死である。
夕食が終わり皿洗いが終わると風呂の用意をする、長い一日もそろそろ終わりが近づく。
そして風呂の用意が終わるとようやく雑用勇者の長い長い午後の仕事はようやく終わるのである。
夜は特に何をするかは決まっていない勇者はいつも行きあたりばったりで遊んでいる。
そして今日も雑用勇者の夜は更けていくのだ―
パタンッ
魔王「ふぅー…」グーッコキコキ
勇者「お?なんだそれ日記か?」
魔王「ふむ。そうだが…見るなよ?」
勇者「当たり前だ、プライバシーは守らないといけないからな。じゃあ俺明日も早いしそろそろ寝るわ!おやすみー」
魔王「おやすみ」
ギィィー…パタン
魔王「………プライバシー……か。ふぅ」
26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/29(月) 15:53:44.85:cHIrQ2KI0
魔王城―リビング―
勇者「女の子成分が足りない、萌えが足りない」
魔王「何を急に言い出すんだ」
勇者「いやー男ばっかりじゃんここ」
メイド「私は女の子ですよ?」きょとん
勇者「う、うん…そうだけど…」
魔王「要するに彼女が欲しいのか」
勇者「彼女じゃなくてもえっちいことできたらいいんだけどね!」
魔王「さ…最低の発想だ!ゲロ以下の臭いがプンプンしやがるぜ…」
勇者「いや、冗談だよ…普通に彼女が欲しいんだよ!」
メイド「なら気分転換に街に行って飢えた狼のような目で女の子達を漁ってきたらいいですよ?」
勇者「言い方が非常に気になるけど許しがでたので行ってきます!」ピューン
29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/29(月) 15:59:39.34:cHIrQ2KI0
魔都―中央公園―
勇者「で、なんでお前もいるわけ?」
魔王「童貞一人では荷が重いだろ?」
勇者「童貞なめんなよ?既婚者に俺の何が分かるんだよっ!」
魔王「そ、そうか…なら私はここで見守っているから好きにしてこい」
勇者「んーあの娘は鼻が…あっちの娘は堅そうだし……あそこの人はビッチっぽいし…」ブツブツ
魔王「…」
勇者「…ブツブツ…ブツブツ…」
魔王「おいさっさと行けよ!片っぱしから声かけたらいいだろ!」
勇者「何言ってんだ馬鹿かお前!」
魔王「えっ」
勇者「例えばあの娘に声かけて失敗するとするだろ?そしたら次に俺はあっちの娘に声をかける」
魔王「それでいいだろ」勇者「よくねーよ!そしたらあっちの娘には俺が誰にでも声かける軽い男って見られて断られるかも知れないだろ!だから最初で最後の一人目なのっ!」
魔王(なんというアホの子…)
30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/29(月) 16:01:17.96:cHIrQ2KI0
魔王城―大広間―
メイド「あら、おかえりなさいませ。それで何人の純粋無垢な少女を傷物にして己のどす黒い欲望の塊のはけ口にして汚ししてきたのですか?」
魔王「分かってて言ってると思うけど、案の定0人だよ」
勇者「…」
魔王「4時間かけて選んだ子が彼氏持ちでした。」
勇者「くそっ…くそっ…俺は認めねぇぞ…イカサマじゃねぇかこんなの…!」
魔王「どっちにしろ『ね、ね、ねぇねぇそこの子猫ちゃん。ぼ、僕とお茶しないかな?フヒヒ』って台詞でナンパが成功するとは思えないんだが」
メイド「鳥肌が立ちました。近寄らないでください勇者さん」
勇者「ゆうしゃのせいしんがおとをたててくずれおちた」
メイド「あ、それと魔王様。奥様が探しておられたので魔王様は今街にナンパにいったと報告しておきましたので」
魔王「まおうのせいしんがおとをたててくずれおちた」
31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/29(月) 16:04:22.51:cHIrQ2KI0
魔王城―廊下―
勇者「おいーっす!魔王何してんの?」
魔王「!!ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!」ガクガクブルブル
勇者「はぁ?」
魔王「…なんだ勇者か。何でもない気にするな」
勇者「いや、気にする。しかもかなり」
魔王「なに、ただの街中で突然暴漢に襲いかかられた時の練習だよ」
勇者「そんな情けない行動にでるつもりなのかお前」
魔王「油断させるためにな」
勇者「『いや、本当に浮気じゃないって!好きなのは君だけだよ!痛っ!分かったもう絶対しないから許してください!』だったかな?」
魔王「…………聞いてたのかよ……」
勇者「聞こえてきたんだよ。馬鹿でかい声だったからな」
魔王「誰にも話すなよ?」ひそひそ
勇者「別に俺は誰にも言わないけどさ、メイドさんと側近と将軍がドアの前で3人仲良く壁に盗み聞きしてたことは教えといてやるよ」
魔王「魔王の威厳終了のお知らせ」
勇者「そんなもん最初からなかった」
36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/29(月) 16:10:01.37:cHIrQ2KI0
魔王城―書斎―
魔王「そういえばお前仲間とかいないの?」サラサラペラッ
勇者「んー今はいないな」
魔王「先代の勇者―というかお前の父親は二人仲間がいたぞ?」
勇者「戦士のおっちゃんに魔法使いのにいちゃんだろ?二人共親父の友達だぜ。戦士のおっちゃんは普段は農家、魔法使いのにいちゃんは図書館の館長してるぜ」
魔王「なんだそれ?酒場に行って仲間探したりとかしないのか?」ジーッペラッサラサラ
勇者「こんな平和な時代に冒険者なんて滅多にいないだろ?みんな普通に働いてるからこの時期だけ臨時で勇者が友達とか知り合いを仲間に誘ったりするんだよ」
魔王「ふむ。お前は友達がいないぼっちだったということか」サラサラサラ
勇者「ちげぇーし!俺マジ友達多いし!俺の友達の剛田君とか怒らせたらマジパネェからな?謝るなら今の内だかんな!」
魔王「お前…恥ずかしくないか?」
勇者「はい…恥ずかしいです…とても…///」
魔王「頬赤らめんなきもい」
37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/29(月) 16:12:45.27:cHIrQ2KI0
魔王「それで結局仲間はいなかったんだなぼっち君」
勇者「いや、昔は一人だけいたよ」
魔王「ほぉー?なんで今はいないんだ?」
勇者「『どうせ勝てないだろうから一緒に雑用するのも嫌なので一ヶ月間魔都で遊んでいるので終わったら呼びにきてね!』っていう台詞を残して都会の喧騒の中に消えていった」
魔王「なんかこいつかわいそうになってきた…」サラサラ
勇者「まあここまで俺についてきてくれただけでも十分感謝してるけどな」
魔王「…ふぅん。どうだ今から暇潰しにその元仲間探しに行ってみないか?」
勇者「えっ、仕事は?」
魔王「1日くらい休んでも問題ないだろ。…多分」
メイド「分かりました。いってらっしゃいませ」
勇者「なんかわざわざすまんな」
魔王「ただの好奇心だから気にしなくてもいいぞ」
38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/29(月) 16:14:49.16:cHIrQ2KI0
魔都―中央広場―
魔王「さて探すって言ったもののどうやって探そうかな…」
勇者「街の宿屋に片っ端から聞いていくしかないんじゃないか?」
魔王「なんか一気にめんどくさくなってきた。まあそれよりその元仲間の名前は?」
勇者「幼い頃からの俺の親友かつ最大のライバル、そして俺が生涯守り続けると決めた大切な女性――遊び人だ」
魔王「なぜそんな大袈裟にいったか詳しく」
勇者「なんかかっこよかっただろ?」
魔王「というより好きな人いたのか。なんでナンパとかしたんだよ」
勇者「魔王城手前で捨てられてすねてたのでつい…」
魔王「あ、やっぱ捨てられたの気にしてたんだ?『十分感謝してるけどな(キリッ』とか言ってたのは見栄なんだなやっぱり」
勇者「分かってたけどお前相変わらずうざいな」
魔王「それほどでもない」
39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/29(月) 16:19:19.90:cHIrQ2KI0
―夕方―
魔都―宿屋ヤドヤ―
店主「遊び人さんですか…?いえ当店をご利用になった記録はありませんね」
魔王「そうかありがとう」
勇者「あいつどこにいんだよ全く」テクテク
魔王「次の宿屋で最後だな。だがここは可能性が一番低そうなので後回しにしてたんだよな」
勇者「ん、どういうこと?」
魔王「宿屋ロイヤルキャッスル。魔界でも大金持ちしか泊まらないような超高級宿屋だな」
勇者「あいつ金なかったしそこはないだろうな」スタスタ
魔王「ダメ元で行くだけ行ってみるか」テクテク
受付「遊び人様でございますね…えー確かに泊まってましたよ」
勇者「えっ」
魔王「『ました』ってことはもういないのか?」
受付「そうですね。つい先日チェックアウトしました。それと勇者様宛てに手紙を置いていっていきましたよ」スッ
勇者「ふむふむ…………そうか………ちょっと首吊ってくる」にこっ
魔王「おい待て!なんて書いてあったか読ませろ、話はそれからだ」ペラッ
40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/29(月) 16:20:36.30:cHIrQ2KI0
『勇者へ
予想通り負けたみたいですね。
しかもかなり情けない形で負けたと聞きました。
本当に私は行かなくて正解だと思いました。
その後勇者を待っている間にカジノで遊んでいたのですが、
先日(勇者の)貯金が尽きてしまったので一足先に実家に帰らせていただきます。
PS.PSに何か期待しましたか?特に何もありませんよ
PSのPS.何もないですよ ―遊び人より』
41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/29(月) 16:22:22.25:cHIrQ2KI0
魔王城―リビング―
魔王「おい、そんなに落ち込むなよ」ポンポンッ
勇者「何も考えたくない…」
メイド「その貯金は何に使うつもりだったんですか?」なでなで
勇者「いや…なんというかもしもの時のために貯めてた…」
メイド「それならその女性の心をとらえるためにそのお金を使ったと思えばいいのでは?」
勇者「つまり?」
メイド「勇者さんのおかげで豪遊できたわけですから恩を感じるのはもちろん好意も持ってるかもしれませんよ?」
勇者「………そうだよな!ちょっと高いプレゼントだったけど遊び人のためなら惜しくないかなっ!」へへっ
メイド「さすが勇者さんですね!」
魔王(頭の中お花畑だなこいつ…)
勇者「よし!そうと分かれば…なあ魔王!」
魔王「ん?」
勇者「俺…この雑用が終わったら遊び人と結婚するんだ!そしたらお前の奥さんと一緒にWデートしてさ、そのうち子供もできて家族同士で遊んだりしような!」
魔王「そ、そうだな」(人間っていうかこいつの妄想力が半端じゃない…)
42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/29(月) 16:25:10.17:cHIrQ2KI0
魔王城―リビング―
勇者「いやー長かったような短かったような雑用生活も残すところ後2日!」
魔王「上機嫌だな。そんなに雑用は大変だったか?」
勇者「雑用は全然平気だぜっ!ただ故郷で俺の帰りを待ってる遊び人のことを思うとな♪」
魔王「そ、そうか。それより今日で雑用は終了だ」
勇者「へっ?後二日あるじゃん?」
魔王「いや明日から王都へ行くぞ。そして明後日のパレードを見て勇者はそのまま帰っていいぞ」
勇者「あぁなるほど。じゃあ早速出発の準備してくるな!」タッタッタッ
メイド「若いっていいですね」
魔王「メイドもまだまだ若いだろ?」
メイド「そうやって口説いてあんなことやこんなことをするつもりなんですか!とんだ変態さんですね!」バチンッ
魔王「相変わらず意味が分からない」サスサス
44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/29(月) 16:28:23.65:cHIrQ2KI0
○○城―王室―
王様「いいこと思いついた」
大臣「やっと毛糸のパn」
王様「黙れ。この罰ゲームというシステムの弱点を突く」
王様「罰ゲームをする人物をより恥ずかしい目に遭わせるために国民には罰ゲームという存在を伏せてあることを逆手にとる」
大臣「逆手にとる(キリッ」
王様「俺は服を着る!」
大臣「ルールを破るのはいけませんっ!何より私が許しません!」ガタンッ
王様「えっ、そこまで怒らないで…いや、ちゃんと話を最後まで聞いて…ね?」
王様「えっと…ルールは守るけど服は着ます」
大臣「ハァァ?」
王様「イラッ…。あの…ですね。パンツのみで登場するのはするんですがその前に国民にこう言うんです『私が今着ているこの服は頭の悪い者には透明に見える!』ってね」
大臣「ふむふむ。頭が悪いと思われたくない国民達はみんなありもしない服見えるって言い出す訳ですね。一国の王と思えない程せこい作戦ですね」
王様「その通り!我ながら惚れ惚れする作戦っ!」
大臣「まーいいんじゃないですかー?そう上手くいくと思いませんがねー」
45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/29(月) 16:31:39.06:cHIrQ2KI0
―パレード当日―
―○○城前―
魔王「いやーワクワクするな!」
勇者「おっさんのパンツ姿見て興奮するとかお前ホモだったのか…」
魔王「国民の反応が楽しみだなー!」
勇者(まるで聞いてない)
メイド「あっ!王様が出てきますよー!」ぴょんぴょん
ワーワー! オウサマー! メタボー!
勇者「人気あんのかないのか分からんな…」
メイド「しかし国民と近い距離にいるってことは間違いないんじゃないんでしょうか?」
勇者「なるほどねー」ポリポリ
王様『えーそれでは今からパレードを行う!』
魔王「まだ遠くてよく見えんな」
王様『その前に一つ言っておかなければならないことがある!』
王様『私は今日頭の悪い者には透明に見えるという非常に高価な服を着ている!すごい高い!いいだろー!』
大臣(話の落ち決めてなかったんですね王様…)
46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/29(月) 16:34:01.18:cHIrQ2KI0
魔王「ちっ…!あの狸めやりおったな!」
勇者「腐っても王様だな。いや大臣あたりの案かもしれないが」
魔王「国民の自尊心に付け込むとはなんという外道!」
王様『それでは行進を始める!』
パンッパンッ!タータラタッタッ~♪ヒューヒュー
王様(ここからが本番だ…!)
「王様がk………え」
シーン…… ………
男A「俺が頭悪いだけかも知れないからさ…間違ってたら笑ってくれていいんだけど…あれってさ…」
男B「おう…」男A「裸…だよな?」
「俺にも裸に見えるぞー!」「私もよ!」「パンツ一丁じゃねーか!」「お、俺には立派な服を着た王様が見えるぜ!」
「じゃあどんな服か詳しく言ってみろよー!」「お前仕事覚えれなくて首になりかけてたくせに頭良いフリすんなー!」「裸族の王様()」
キャー! ワー! キモーイ! ヘンタイ!ヘンタイ!
王様「…………もういい帰る」
47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/29(月) 16:36:35.42:cHIrQ2KI0
大臣(いくらフレンドリーな王様と言えどこれでは権威に関わる…)
大臣(何か起死回生の一手を考えるだ…………そうだ!)
大臣「静かにしてくでさいっ!私から説明を申し上げます!」
大臣「王様は商人に騙されていたのです!」
大臣「商人にこの服は頭の悪い者には見えないと言われ買ってしまったのです!しかしもちろんそのような服はありません!」
大臣「では何故王様分かっていて買ったのだと思いますか!?それはその商人には病で苦しむ子供がいたのです!
そして王様はその子供のために騙されていると知りつつも服を買ったのです!…グスッ」
大臣「さらに王様はこのパレードにその架空の服を着て出る事でその商人を安心させようとしたのです!」
ウオー!オウサマッ!オウサマッ!オウサマッ!
側近「俺が言うのも何だけど…この国色々とダメだな」
将軍「同感…。ん?勇者さんと魔王様とメイドはどこいった?」
側近「あれ?迷子かな?まあ大丈夫だろ」
48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/29(月) 16:38:05.69:cHIrQ2KI0
―○○城付近―
魔王「いやー!気分爽快っ!」
勇者「ほんと嬉しそうだなお前…」
魔王「しかし結果的に成功したから良かったものの王様のしようとしたことは許せんな!」
勇者「善良な国民を騙そうとしたわけだしな」
魔王「というわけで心の傷をさらにえぐりに行こうじゃないか…ねぇ?」
勇者「もちろん」にやっ
―○○城王室前―
魔王「さてこの奥にいるはずだ」こそこそ
勇者「いよーっす!パンツ王!………ってあれ?いないな」
魔王「ふむ……ならば寝室か?」
勇者「かもしれないな。行ってみるか」
49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/29(月) 16:39:07.89:cHIrQ2KI0
○○城―寝室前―
??「…は……と……」
???「!………!…」
魔王「ん?あれは王様の声だな。それと誰か他にいるみたいだな」ヒソヒソ
勇者「そーっと覗いてみるか」ヒソヒソ
王様「はい!叩かれて気持ちよくなる変態です!もっとお願いします!」ハァハァ
メイド「あんな大勢の前で恥態晒すだけじゃなくて叩かれて喜ぶ変態さんなんですねっ!」ぺちんっぺちんっ
王様「はいィィィ!申し訳ありませんメイド様!変態なんですぅぅぅ!」ピクピク
メイド「豚さんは豚さんらしくしてなさいっ」ぺちんっっドンッ
王様「ブ…ブヒィー!気持ちいいブヒィィィィ!」ビクンッビクン…ドピュ!
魔王・勇者「これはひどい」
おしまい
50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/29(月) 16:41:01.69:or6xTBea0
魔王城―リビング―
魔王「えーあーっと条約第……なんちゃら条により敗者は勝者の城で一ヶ月の間雑用をすること」
勇者「意外と適当なんだな。まあ一ヶ月間よろしくなー」
魔王「まあこんなの形だけだから適当でいいんだよ」
勇者「それより今年の罰ゲームは何なの?」
魔王「えーっと…どこに置いたっけ…」がさごそ
勇者「整理整頓のできない大人にはなりたくないです」
魔王「あった!えっと…ププッ…王様がパンツ一丁でパレードに出るwwwだな」
勇者「ちょwwだから王様あんなに今年だけは負けるなって必死だったのかww」
魔王「まあそんなこと言っても俺の去年の罰ゲームも相当ひどかったぞ?」
勇者「そうなのか?何させられたんだ?」
魔王「魔都を『ヒャッハー!汚物は消毒だー!』って叫びながら掃除…」
勇者「うわぁ…あほらしいことしてんのな…」
魔王「したくてしたんじゃねーよ!あまりの精神的ダメージで少しの間ひきこもったんだからな!」
勇者「王っていつもひきこもってんじゃねーの?」
魔王「それもそうだった」
勇者「それで雑用って何したらいいんだ?」
魔王「基本は掃除洗濯料理かな」
勇者「要するに家事か。家事は任せろー!バリバリィ!」
魔王「なんで勇者なのに家事に自信あるんだよ」
勇者「親父にどうせ必要になるからって教え込まれたからな。そーだよ黒歴史だよ」
魔王「親にも期待されてないなんてかわいそうな子…プククッ」
勇者「アーアー何も聞こえない(∩゜Д゜)それでどうしたらいい?」
魔王「詳しくはメイドに聞いてくれ」
勇者「ねぇそのメイドかわいい?」ワクワク
魔王「かわいいがお前には荷が重いと思うぞ」
勇者「余裕余裕!これから一ヶ月間かわいいおんにゃのことラブラブ生活か。なんだかオラみなぎってきた!」
魔王城―メイド室―
勇者「という訳で一ヶ月間よろしくお願いします」
メイド「勇者さんですね。こちらこそよろしくお願いします」ペコッ
勇者「い、いえいえ!」ペコッ(ケモノ耳きた!これで勝つる!)
メイド「お仕事は明日からでいいですので今日はゆっくりしていってくださいね」にこっ
勇者「そ、それじゃあかわいいメイドさんと一緒にお茶したいなー…なんて思ったりぃー?」もじもじ
魔王「一人で何をしてるんだお前相当きもいな」
勇者「うっせ!どうせへたれだよ俺は!」
魔王「正確にはへたれで弱くて童貞だな」
勇者「うつだしのう」
魔王城―寝室―
勇者「起きろー!朝だぞー!」ユサユサ
魔王「んぁ…勇者か…おはょ…」すーすー
勇者「朝飯俺が作ったからさっさと食べろよ」
魔王「はいはいすごいね分かりました分かりました」むにゃむにゃ
勇者(こんなのに負けた自分が情けない)
側近「あっ魔王様お先に食べてます」パクパク
将軍「いやー勇者さん料理うまいっすねー」ガツガツ
魔王「!!…これはうまい!勇者はいいお嫁さんになれるぞ!」もぐもぐ
勇者「俺男だけどな」
魔王城―書斎―
魔王「…………」サラサラペラッギーッパタンッ
勇者「おっ、ちゃんと仕事してんじゃん」
魔王「私はあなたとは違うんです」サラサラ
勇者「勇者は政治とかできなくてもいいからな」
魔王「休憩時間か?」ペラッポイッペラッ
勇者「そーそー。メイドさんが後はするってさ」
魔王「あいつは働くの好きだからなー。いい部下だよ」
勇者「そういえばさ、魔族って人間食べるの?」
魔王「じゃあ人間は魔族食べるのか?」
勇者「いや、人間のお伽話でそういう話があるからさー」
魔王「何それ怖い。私は今、人間の想像力が心底怖いと思いました」
勇者「想像力ってか、他の世界の魔族は食べるらしいよ?」
魔王「んー聞いたことあるかも知れないがどっちにせよ会話してる相手を食べるとか普通の神経じゃ無理だろ。カニバリズム怖い」
勇者「だよなー」
勇者「それとさ、魔族と人間は戦争するものらしいぜ?」
魔王「この勇者と魔王の闘いも元はそういうルーツらしいな」
勇者「実際は勇者と魔王で本当に殺しあうらしいな」
魔王「しかもたいてい人間―っていうか勇者が勝つよな」
勇者「大半は人間が作った物語だからじゃね?魔族が作ったら魔王が勝つんだろ」
魔王「私がそういう話作ろうかな」
勇者「いや多分既にあると思うけど。どっちにせよ魔族と人間は対立してることが多いな」
魔王「平和が一番なのになー、お茶いる?」
勇者「いるいるー。こうやってのんびりするのが一番だよな」ズズズッ
魔王「あーやべ。勇者に邪魔されて仕事進まないやばいマジやばい」サラサラパラッ
勇者「すまんな。じゃあ俺もそろそろメイドさんの所もど――あっ」ガチャン ポタッポタッ
魔王「ぶち殺すぞゴミ虫」
勇者「ごめんなさい…」
魔王城―客間―
勇者「~♪」ふきふき
メイド「そこの掃除終わったら次は会議室頼みますねー?」
勇者「りょーかいっ!」
メイド「それにしても勇者さんよく働きますねー?」
勇者「なんか綺麗にしたら気持ちいいじゃないですか!」
メイド「ふきふきして気持ちよくなりたいんですか?とんだ変態さんですね!」パチンッ
勇者「!?痛っ!…ちょっと、やめて痛い…」ヒリヒリ
メイド「すいません…ついくせで…」ぺこっ
勇者「そ、そうですか、い、いいですよ全然!」(深く考えないでおこう…)
メイド「叩かれて良かったんですか!もっと叩いてあげますっ!」パチンッパチンッ
勇者「」
勇者「おい、ドM」
魔王「もしかして私のことか…?」
勇者「そうだよっ!なんつーメイドさんだよあれ!」
魔王「あー…あれは私のせいではない。元からだ慣れろ」
勇者「いつも叩かれてハァハァ言ってるんだろ!?」
魔王「私には美人の妻がいるし、どっちかといえばSだぞ」
勇者「つ、つつ妻!?結婚してんのか!」
魔王「なんという童貞らしい反応」
勇者「…………童貞だけど彼女くらいいるしっ!」
魔王「へー。どこに?名前は?年齢は?いつ出会ったの?性格は?付き合ってどれくらいだ?」
勇者「………ごめんなさい嘘です」
魔王「ぷっ」
勇者「それで魔王の嫁さんってどんな人?」
魔王「人間だよ。美人で家事もできて優しい完璧な妻だよ」
勇者「えっ、人間なのか」
魔王「今時別に珍しくもないだろ?」
勇者「それはそうだがなんか魔界の貴族同士結婚とかかと思ってた…」
魔王「ないないそんな古臭い風習。私の妻も昔は人間界の酒場で働いてる普通の娘だったよ。もちろん看板娘な」
勇者「へぇー。一目惚れってやつですか?旦那」ニヤニヤ
魔王「なんかキモいなお前…まあその通りだけどさ。昔王様と二人お忍びで街にナンパしに行ってさ、結局全員に振られて飲みに行った時だな」
勇者「あんたら何やってんの」
魔王「とある筋からの情報によると魔族と人間の夫婦は全体の4割を占めるらしいぞ」
勇者「どこ情報だよそれ」
魔王「メイドの読んでいる週刊誌だ」
勇者「胡散くせぇー」
魔王「週刊マカイデーを馬鹿にするとメイドに怒られるぞ?」
勇者「ごめんなさい信じます。いえ信じさせてください」
魔王「さらにとある筋からの情報によると、魔族と人間の夫婦が多いのにもちゃんと理由があるらしい」
勇者「ほう?」魔王「魔族には巨乳が多く人間には貧乳が多い。そして魔族の男性はスタイリッシュな貧乳が好きで人間の男性グラマラスな巨乳が好きらしい」
勇者「なんの理由にもない件」
魔王「じゃあお前は貧乳好きなのか?」
勇者「おっぱいに挟まれて死にたい!」 魔王「ちっぱいは正義!」
勇者・魔王「あん?」
勇者「ふむふむ…そうだな貧乳もなかなかだな…これ貸してくんね?」にやにや
魔王「いやいや巨乳も思いのほかいいな。あ、じゃあ私はこれ借りるな」にやにや
勇者「いやいや中々お目が高いですなぁー」にやにや魔王「このDVDもいいですかな?」にやにや
メイド「お二人共何してるんですか?」ひょこっ
勇者「えとーそのー」
魔王「人間と魔族の夫婦の世帯数の統計をとりそこから今後どのように推移していくかの話し合いをしていたんだよ」にこっ
勇者「そうそう!」(魔王GJ)
メイド「そうなんですか。魔王様ちゃんと仕事もしてくださいよ?」
勇者「そういえば魔族って人間より寿命かなり長いんだろ?夫婦だと魔族の方がかなり残されるんじゃないか?」
魔王「昔はそんなことも多かったらしいが今は半魔半人が多くて純粋な魔族は一握りしかいないからな」(助かったぞ勇者!)
メイド「そうですね。魔族の平均寿命も100~115といったところですかね」
勇者「なるほど勉強になるな。それよりメイドさんそろそろ仕事に戻らなくていいの?」
メイド「そうですね、少し長居してしまいました。それでは失礼します」ぺこっ
魔王「いや勇者も仕事に戻れよ」
メイド「あ、魔王様が先程引き出しにしまわれた本やDVDのことは奥様に報告しといた方がよろしいでしょうか?」
魔王「えっ」
―○○城 王室
伝令「第435回魔王vs勇者の結果をお伝えにきました」
王様「そうか…ご苦労。下がっていいぞ」
伝令「はっ」ササッ
大臣「読み上げてよろしいでしょうか?」にやにや
王様「もうヤダ死にたい…」
大臣「勇者は敗北いたしましたので条約通り魔王城で一ヶ月の間雑用。そして王様は罰ゲームを行う事。―魔王より」
王様「お前パレードの日だけ王様やる?」
大臣「丁重にお断りします」ぺこっ
王様「じゃあその後もやっていいから」
大臣「国民が納得いたしましせん」
王様「正論を振りかざして俺をいじめて楽しいか?」
大臣「理不尽に部下を陥れようとして楽しいか?」
王様「はぁ…」
―雑用勇者の朝は早い。
朝は日の出の前に上司のメイドに叩き起こされるのだ。
準備を済ませた後は城の皆が寝静まっている中、メイドと二人黙々と料理を作っていく。
始めの頃はメイドをチラチラと見ていた勇者も近頃はビンタされるのが嫌になってきたらしくひたすら調理している。
料理が完成すると次は起床の合図の鐘を鳴らすために2階へと駆けて行く。
この係はメイドと日替わりなのだが今日は勇者の当番らしい。
そして全員が朝食を終えると皿洗いの時間だ。
今は夏なので水が気持ちいいからだろうか心なしか勇者は楽しそうにしている。
皿洗いの後は洗濯だ。勇者にとっては一番嫌いな作業である。
今日は適当に洗った事がメイドにバレてしまい怒られているようだ。
そして昼ご飯の用意まではしばしの休憩が入る。
ここで勇者がとる行動はいくつかに別れるのだ。書斎に行く、自室で休憩をする、兵士と共に汗を流すの3パターンである。
自室で何をしているのかは皆さんの想像に任せるとしよう。
おや、今日は書斎へ行くようである。
―雑用勇者の午後は長い。
この巨大な城の掃除を行うからである。
しかし勇者は掃除を得意分野としており、かのメイドさえも凌ぐ程の腕前である。
掃除が終わるとすぐに干していた洗濯物を取り入れバルコニーへと急ぐ。
掃除が長引いたり洗濯物を取り入れるのに時間がかかっていると、夏とはいえそろそろ秋も近づいてきている季節なので日が暮れると露が浮いてしまうこともあり時間との戦いである。
洗濯物を取り入れたら休む間も無く夕食作りである。
夕食は皆が一番量を食べるので勇者達も豪華に、かつ多量を作らなければいけないため必死である。
夕食が終わり皿洗いが終わると風呂の用意をする、長い一日もそろそろ終わりが近づく。
そして風呂の用意が終わるとようやく雑用勇者の長い長い午後の仕事はようやく終わるのである。
夜は特に何をするかは決まっていない勇者はいつも行きあたりばったりで遊んでいる。
そして今日も雑用勇者の夜は更けていくのだ―
パタンッ
魔王「ふぅー…」グーッコキコキ
勇者「お?なんだそれ日記か?」
魔王「ふむ。そうだが…見るなよ?」
勇者「当たり前だ、プライバシーは守らないといけないからな。じゃあ俺明日も早いしそろそろ寝るわ!おやすみー」
魔王「おやすみ」
ギィィー…パタン
魔王「………プライバシー……か。ふぅ」
魔王城―リビング―
勇者「女の子成分が足りない、萌えが足りない」
魔王「何を急に言い出すんだ」
勇者「いやー男ばっかりじゃんここ」
メイド「私は女の子ですよ?」きょとん
勇者「う、うん…そうだけど…」
魔王「要するに彼女が欲しいのか」
勇者「彼女じゃなくてもえっちいことできたらいいんだけどね!」
魔王「さ…最低の発想だ!ゲロ以下の臭いがプンプンしやがるぜ…」
勇者「いや、冗談だよ…普通に彼女が欲しいんだよ!」
メイド「なら気分転換に街に行って飢えた狼のような目で女の子達を漁ってきたらいいですよ?」
勇者「言い方が非常に気になるけど許しがでたので行ってきます!」ピューン
魔都―中央公園―
勇者「で、なんでお前もいるわけ?」
魔王「童貞一人では荷が重いだろ?」
勇者「童貞なめんなよ?既婚者に俺の何が分かるんだよっ!」
魔王「そ、そうか…なら私はここで見守っているから好きにしてこい」
勇者「んーあの娘は鼻が…あっちの娘は堅そうだし……あそこの人はビッチっぽいし…」ブツブツ
魔王「…」
勇者「…ブツブツ…ブツブツ…」
魔王「おいさっさと行けよ!片っぱしから声かけたらいいだろ!」
勇者「何言ってんだ馬鹿かお前!」
魔王「えっ」
勇者「例えばあの娘に声かけて失敗するとするだろ?そしたら次に俺はあっちの娘に声をかける」
魔王「それでいいだろ」勇者「よくねーよ!そしたらあっちの娘には俺が誰にでも声かける軽い男って見られて断られるかも知れないだろ!だから最初で最後の一人目なのっ!」
魔王(なんというアホの子…)
魔王城―大広間―
メイド「あら、おかえりなさいませ。それで何人の純粋無垢な少女を傷物にして己のどす黒い欲望の塊のはけ口にして汚ししてきたのですか?」
魔王「分かってて言ってると思うけど、案の定0人だよ」
勇者「…」
魔王「4時間かけて選んだ子が彼氏持ちでした。」
勇者「くそっ…くそっ…俺は認めねぇぞ…イカサマじゃねぇかこんなの…!」
魔王「どっちにしろ『ね、ね、ねぇねぇそこの子猫ちゃん。ぼ、僕とお茶しないかな?フヒヒ』って台詞でナンパが成功するとは思えないんだが」
メイド「鳥肌が立ちました。近寄らないでください勇者さん」
勇者「ゆうしゃのせいしんがおとをたててくずれおちた」
メイド「あ、それと魔王様。奥様が探しておられたので魔王様は今街にナンパにいったと報告しておきましたので」
魔王「まおうのせいしんがおとをたててくずれおちた」
魔王城―廊下―
勇者「おいーっす!魔王何してんの?」
魔王「!!ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!」ガクガクブルブル
勇者「はぁ?」
魔王「…なんだ勇者か。何でもない気にするな」
勇者「いや、気にする。しかもかなり」
魔王「なに、ただの街中で突然暴漢に襲いかかられた時の練習だよ」
勇者「そんな情けない行動にでるつもりなのかお前」
魔王「油断させるためにな」
勇者「『いや、本当に浮気じゃないって!好きなのは君だけだよ!痛っ!分かったもう絶対しないから許してください!』だったかな?」
魔王「…………聞いてたのかよ……」
勇者「聞こえてきたんだよ。馬鹿でかい声だったからな」
魔王「誰にも話すなよ?」ひそひそ
勇者「別に俺は誰にも言わないけどさ、メイドさんと側近と将軍がドアの前で3人仲良く壁に盗み聞きしてたことは教えといてやるよ」
魔王「魔王の威厳終了のお知らせ」
勇者「そんなもん最初からなかった」
魔王城―書斎―
魔王「そういえばお前仲間とかいないの?」サラサラペラッ
勇者「んー今はいないな」
魔王「先代の勇者―というかお前の父親は二人仲間がいたぞ?」
勇者「戦士のおっちゃんに魔法使いのにいちゃんだろ?二人共親父の友達だぜ。戦士のおっちゃんは普段は農家、魔法使いのにいちゃんは図書館の館長してるぜ」
魔王「なんだそれ?酒場に行って仲間探したりとかしないのか?」ジーッペラッサラサラ
勇者「こんな平和な時代に冒険者なんて滅多にいないだろ?みんな普通に働いてるからこの時期だけ臨時で勇者が友達とか知り合いを仲間に誘ったりするんだよ」
魔王「ふむ。お前は友達がいないぼっちだったということか」サラサラサラ
勇者「ちげぇーし!俺マジ友達多いし!俺の友達の剛田君とか怒らせたらマジパネェからな?謝るなら今の内だかんな!」
魔王「お前…恥ずかしくないか?」
勇者「はい…恥ずかしいです…とても…///」
魔王「頬赤らめんなきもい」
魔王「それで結局仲間はいなかったんだなぼっち君」
勇者「いや、昔は一人だけいたよ」
魔王「ほぉー?なんで今はいないんだ?」
勇者「『どうせ勝てないだろうから一緒に雑用するのも嫌なので一ヶ月間魔都で遊んでいるので終わったら呼びにきてね!』っていう台詞を残して都会の喧騒の中に消えていった」
魔王「なんかこいつかわいそうになってきた…」サラサラ
勇者「まあここまで俺についてきてくれただけでも十分感謝してるけどな」
魔王「…ふぅん。どうだ今から暇潰しにその元仲間探しに行ってみないか?」
勇者「えっ、仕事は?」
魔王「1日くらい休んでも問題ないだろ。…多分」
メイド「分かりました。いってらっしゃいませ」
勇者「なんかわざわざすまんな」
魔王「ただの好奇心だから気にしなくてもいいぞ」
魔都―中央広場―
魔王「さて探すって言ったもののどうやって探そうかな…」
勇者「街の宿屋に片っ端から聞いていくしかないんじゃないか?」
魔王「なんか一気にめんどくさくなってきた。まあそれよりその元仲間の名前は?」
勇者「幼い頃からの俺の親友かつ最大のライバル、そして俺が生涯守り続けると決めた大切な女性――遊び人だ」
魔王「なぜそんな大袈裟にいったか詳しく」
勇者「なんかかっこよかっただろ?」
魔王「というより好きな人いたのか。なんでナンパとかしたんだよ」
勇者「魔王城手前で捨てられてすねてたのでつい…」
魔王「あ、やっぱ捨てられたの気にしてたんだ?『十分感謝してるけどな(キリッ』とか言ってたのは見栄なんだなやっぱり」
勇者「分かってたけどお前相変わらずうざいな」
魔王「それほどでもない」
―夕方―
魔都―宿屋ヤドヤ―
店主「遊び人さんですか…?いえ当店をご利用になった記録はありませんね」
魔王「そうかありがとう」
勇者「あいつどこにいんだよ全く」テクテク
魔王「次の宿屋で最後だな。だがここは可能性が一番低そうなので後回しにしてたんだよな」
勇者「ん、どういうこと?」
魔王「宿屋ロイヤルキャッスル。魔界でも大金持ちしか泊まらないような超高級宿屋だな」
勇者「あいつ金なかったしそこはないだろうな」スタスタ
魔王「ダメ元で行くだけ行ってみるか」テクテク
受付「遊び人様でございますね…えー確かに泊まってましたよ」
勇者「えっ」
魔王「『ました』ってことはもういないのか?」
受付「そうですね。つい先日チェックアウトしました。それと勇者様宛てに手紙を置いていっていきましたよ」スッ
勇者「ふむふむ…………そうか………ちょっと首吊ってくる」にこっ
魔王「おい待て!なんて書いてあったか読ませろ、話はそれからだ」ペラッ
『勇者へ
予想通り負けたみたいですね。
しかもかなり情けない形で負けたと聞きました。
本当に私は行かなくて正解だと思いました。
その後勇者を待っている間にカジノで遊んでいたのですが、
先日(勇者の)貯金が尽きてしまったので一足先に実家に帰らせていただきます。
PS.PSに何か期待しましたか?特に何もありませんよ
PSのPS.何もないですよ ―遊び人より』
魔王城―リビング―
魔王「おい、そんなに落ち込むなよ」ポンポンッ
勇者「何も考えたくない…」
メイド「その貯金は何に使うつもりだったんですか?」なでなで
勇者「いや…なんというかもしもの時のために貯めてた…」
メイド「それならその女性の心をとらえるためにそのお金を使ったと思えばいいのでは?」
勇者「つまり?」
メイド「勇者さんのおかげで豪遊できたわけですから恩を感じるのはもちろん好意も持ってるかもしれませんよ?」
勇者「………そうだよな!ちょっと高いプレゼントだったけど遊び人のためなら惜しくないかなっ!」へへっ
メイド「さすが勇者さんですね!」
魔王(頭の中お花畑だなこいつ…)
勇者「よし!そうと分かれば…なあ魔王!」
魔王「ん?」
勇者「俺…この雑用が終わったら遊び人と結婚するんだ!そしたらお前の奥さんと一緒にWデートしてさ、そのうち子供もできて家族同士で遊んだりしような!」
魔王「そ、そうだな」(人間っていうかこいつの妄想力が半端じゃない…)
魔王城―リビング―
勇者「いやー長かったような短かったような雑用生活も残すところ後2日!」
魔王「上機嫌だな。そんなに雑用は大変だったか?」
勇者「雑用は全然平気だぜっ!ただ故郷で俺の帰りを待ってる遊び人のことを思うとな♪」
魔王「そ、そうか。それより今日で雑用は終了だ」
勇者「へっ?後二日あるじゃん?」
魔王「いや明日から王都へ行くぞ。そして明後日のパレードを見て勇者はそのまま帰っていいぞ」
勇者「あぁなるほど。じゃあ早速出発の準備してくるな!」タッタッタッ
メイド「若いっていいですね」
魔王「メイドもまだまだ若いだろ?」
メイド「そうやって口説いてあんなことやこんなことをするつもりなんですか!とんだ変態さんですね!」バチンッ
魔王「相変わらず意味が分からない」サスサス
○○城―王室―
王様「いいこと思いついた」
大臣「やっと毛糸のパn」
王様「黙れ。この罰ゲームというシステムの弱点を突く」
王様「罰ゲームをする人物をより恥ずかしい目に遭わせるために国民には罰ゲームという存在を伏せてあることを逆手にとる」
大臣「逆手にとる(キリッ」
王様「俺は服を着る!」
大臣「ルールを破るのはいけませんっ!何より私が許しません!」ガタンッ
王様「えっ、そこまで怒らないで…いや、ちゃんと話を最後まで聞いて…ね?」
王様「えっと…ルールは守るけど服は着ます」
大臣「ハァァ?」
王様「イラッ…。あの…ですね。パンツのみで登場するのはするんですがその前に国民にこう言うんです『私が今着ているこの服は頭の悪い者には透明に見える!』ってね」
大臣「ふむふむ。頭が悪いと思われたくない国民達はみんなありもしない服見えるって言い出す訳ですね。一国の王と思えない程せこい作戦ですね」
王様「その通り!我ながら惚れ惚れする作戦っ!」
大臣「まーいいんじゃないですかー?そう上手くいくと思いませんがねー」
―パレード当日―
―○○城前―
魔王「いやーワクワクするな!」
勇者「おっさんのパンツ姿見て興奮するとかお前ホモだったのか…」
魔王「国民の反応が楽しみだなー!」
勇者(まるで聞いてない)
メイド「あっ!王様が出てきますよー!」ぴょんぴょん
ワーワー! オウサマー! メタボー!
勇者「人気あんのかないのか分からんな…」
メイド「しかし国民と近い距離にいるってことは間違いないんじゃないんでしょうか?」
勇者「なるほどねー」ポリポリ
王様『えーそれでは今からパレードを行う!』
魔王「まだ遠くてよく見えんな」
王様『その前に一つ言っておかなければならないことがある!』
王様『私は今日頭の悪い者には透明に見えるという非常に高価な服を着ている!すごい高い!いいだろー!』
大臣(話の落ち決めてなかったんですね王様…)
魔王「ちっ…!あの狸めやりおったな!」
勇者「腐っても王様だな。いや大臣あたりの案かもしれないが」
魔王「国民の自尊心に付け込むとはなんという外道!」
王様『それでは行進を始める!』
パンッパンッ!タータラタッタッ~♪ヒューヒュー
王様(ここからが本番だ…!)
「王様がk………え」
シーン…… ………
男A「俺が頭悪いだけかも知れないからさ…間違ってたら笑ってくれていいんだけど…あれってさ…」
男B「おう…」男A「裸…だよな?」
「俺にも裸に見えるぞー!」「私もよ!」「パンツ一丁じゃねーか!」「お、俺には立派な服を着た王様が見えるぜ!」
「じゃあどんな服か詳しく言ってみろよー!」「お前仕事覚えれなくて首になりかけてたくせに頭良いフリすんなー!」「裸族の王様()」
キャー! ワー! キモーイ! ヘンタイ!ヘンタイ!
王様「…………もういい帰る」
大臣(いくらフレンドリーな王様と言えどこれでは権威に関わる…)
大臣(何か起死回生の一手を考えるだ…………そうだ!)
大臣「静かにしてくでさいっ!私から説明を申し上げます!」
大臣「王様は商人に騙されていたのです!」
大臣「商人にこの服は頭の悪い者には見えないと言われ買ってしまったのです!しかしもちろんそのような服はありません!」
大臣「では何故王様分かっていて買ったのだと思いますか!?それはその商人には病で苦しむ子供がいたのです!
そして王様はその子供のために騙されていると知りつつも服を買ったのです!…グスッ」
大臣「さらに王様はこのパレードにその架空の服を着て出る事でその商人を安心させようとしたのです!」
ウオー!オウサマッ!オウサマッ!オウサマッ!
側近「俺が言うのも何だけど…この国色々とダメだな」
将軍「同感…。ん?勇者さんと魔王様とメイドはどこいった?」
側近「あれ?迷子かな?まあ大丈夫だろ」
―○○城付近―
魔王「いやー!気分爽快っ!」
勇者「ほんと嬉しそうだなお前…」
魔王「しかし結果的に成功したから良かったものの王様のしようとしたことは許せんな!」
勇者「善良な国民を騙そうとしたわけだしな」
魔王「というわけで心の傷をさらにえぐりに行こうじゃないか…ねぇ?」
勇者「もちろん」にやっ
―○○城王室前―
魔王「さてこの奥にいるはずだ」こそこそ
勇者「いよーっす!パンツ王!………ってあれ?いないな」
魔王「ふむ……ならば寝室か?」
勇者「かもしれないな。行ってみるか」
○○城―寝室前―
??「…は……と……」
???「!………!…」
魔王「ん?あれは王様の声だな。それと誰か他にいるみたいだな」ヒソヒソ
勇者「そーっと覗いてみるか」ヒソヒソ
王様「はい!叩かれて気持ちよくなる変態です!もっとお願いします!」ハァハァ
メイド「あんな大勢の前で恥態晒すだけじゃなくて叩かれて喜ぶ変態さんなんですねっ!」ぺちんっぺちんっ
王様「はいィィィ!申し訳ありませんメイド様!変態なんですぅぅぅ!」ピクピク
メイド「豚さんは豚さんらしくしてなさいっ」ぺちんっっドンッ
王様「ブ…ブヒィー!気持ちいいブヒィィィィ!」ビクンッビクン…ドピュ!
魔王・勇者「これはひどい」
おしまい
これは酷い
52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/29(月) 17:02:27.63:ElG3mmg50メイドいいなwww
面白かったぜww乙乙
面白かったぜww乙乙
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