2023年08月15日

成分が同一の方剤でも、製造メーカーによって効果の優劣が極端に出ることも珍しくない現実

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ブログへの転載の可否 : ブログ転載応諾
年齢 : 10歳〜19歳の女性
ご職業 : 学生
お住まい地区 : 東北地方
ご意見やご質問をどうぞ : 5月に激しい喉の痛みと高熱で耳鼻科に行った所、扁桃炎咽頭炎と診断されました。膿で真っ白でかなり重症で、短期間で繰り返すようになり、その上6月にはコロナになり40℃の熱が1週間続き完全に平熱になるのに3週間かかりました。
 
 今もちょっと疲れたり、刺激物を食べたりするとすぐに喉が痛くなり熱が出ます。ロキソニンも効かなくなりました。

 現在病院はどこも手術がいっぱいで、予約すらできない状況だと病院の先生にも言われていて、学校の先生には指定感染症でないため入院が長引くと留年になると言われ、手術はできそうにありません。

 今も熱が出ても学校を休めないのでとても辛いです。それで漢方薬局に行った所●●●●の銀翹散を勧められて飲みましたがあまり効かず、村田先生のブログを見て天津感冒片が良いと知り、同じ薬局に行ったら売り切れで涼解楽を買って飲んだ所、すぐに効いて熱が下がりました。

 それ以来そればかり飲んでますが大丈夫でしょうか?またこの扁桃炎って漢方薬で体質改善して手術しなくても良くなりますか?薬局の先生には、あくまで手術までの繋ぎとして涼解楽を飲み手術を受けた方いいと思うと言われました。先生のご意見お願いします。
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お返事メール:手術をせずに済むものなら、それに越したことはありませんが、そのまま涼解楽を継続することでも、根治する可能性は、絶対ではありませんが、十分にあり得ることです。

但し、涼解楽には甘草の配合量が多いので、長期間継続服用するには、体質にもよりますが、1回1包を1日3回でも甘草の副作用なく継続できる人が多いとはいえ、1日2回の服用ならより安心かもしれません。(追記:もちろん1日3回服用が望ましい)

 これに白花蛇舌草の併用は、とても有用なことですが、いずれにしても長期的な継続が必要です。

ただ、これでも根治しない場合は、体質に合わせて、たとえば柴胡桂枝湯加桔梗石膏や小柴胡湯加桔梗石膏などに白花蛇舌草を併用するなど、その他の体質改善薬を、漢方の専門家のところに通ってしっかり体質を見極めてもらう必要があります。(追記:この場合後述する金羚感冒錠の少量のトローチ的な使用も必須)

それでも高熱を繰り返す場合は、手術ということになりますが、手術で本当の意味で根治するとは限らず、咽喉の弱さは残りやすいようですが、少なくとも以前ほど苦しむことは激減するはずです。

 ただ、人によっては高熱はでなくなっても、微熱を繰り返す人をこれまで何人か相談を受けたことがあり、結局は漢方の長期的な継続で体質改善を行う必要がありましたが、少なくとも後ほど述べる金羚感冒錠のような少量のトローチ的な使用と白花蛇舌草の併用は、とても有用でした。

なお、●●●●の銀翹散では効果がなく、涼解楽で効果があったのは、よくある話で、原料生薬の優劣の問題ばかりでなく、製造方法によって成分抽出の方法で、効果に大きな差が出てくることは多いものです。

もともと天津感冒片や涼解楽は優れた効果がある製剤ですが、両方とも一時、市場から消えたことがあり、ようやく涼解楽は復活したものの、天津感冒片はいまだに市場から消えたままです。

そこで当方では、急遽、同一成分の金羚感冒錠を取り入れたところ、同様の効果を発揮できており、お馴染みさんの中には、咽喉が痛くなると、わずか1錠をトロートとして1日何回か使用すると直ぐに治まるという人もいるくらいで、このため、以前から効果が優れていた涼解楽を取り扱わなくなっています。

 いずれにせよ、同じ成分であっても、各社効果に優劣があるのはまぎれもない事実で、昨今爆上がりしている牛黄製剤なども、含有するビリルビン値の多寡によって効果の優劣が大きいものです。

 以上、ご参考になればと思いますが、できるだけお近くの通える範囲の漢方専門家を見つけられるとよいですね。
応援したくないアンチの人が多いですね

2010年8月15日の茶トラのボクチン(6歳)
2010年8月15日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母
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