2018年03月12日

デリケートな不定愁訴の場合

2011年03月12日の茶トラのボクチン(6歳)
2011年03月12日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ヒゲジジイ

【 ブログへ掲載の可否 】:転載応諾(ブログへ転載させて頂く場合があります。)
【 年 代 】:30〜39歳の女性
【 地 域 】:東海地方
【 具体的なご職業 】:営業
【 お問い合せ内容 】:こんばんは。ブログ読ませて頂いています。

 漢方が効くものだと思っていなかった私がブログを読ませていただいて漢方薬はちゃんと体を治す薬なんだ…と、わかりました。そこから漢方薬とは長い付き合いをしています。

 4〜5年位前だったと思いますが、急な目眩と動悸、吐き気に襲われ病院に行きました。
 耳鼻科、脳神経科、産婦人科で検査してもらい最終的に精神内科でパニック症と鬱で片付けられ薬をもらいましたが飲むと更に気分が悪くなりやめました。

 その頃こちらのブログをたまたま見つけて読ましてもらい漢方薬に頼ることにしました。
 症状的にはゆらっときたり地面が揺れてる感じ、引っ張られる様な目眩と、動悸、冷や汗やホットフラッシュ、吐き気や腹痛など色々あります。

 漢方薬局では今まで色々な種類を出してもらい飲んでいましたが、最近2年位はシンピカリュウ、ハンゲチンピ、良性の腫瘍対策にコイクシンを出して貰ってましたが、不整脈が出てきたので還元顆粒をだしてもらっています。

 全く動けなかったのが軽く働ける様になれました。ただそれでも毎日の目眩に悩まされていて、最近では調子が悪く目眩で動けなくなる日もあります。

 出向かないといけないのは重々分かっていますし、そちらまで受診される方もいるなか申し訳ない気持ちもあるんですが、仕事、子供達の世話もありなかなかそちらに行くことができません。

 ヒントや参考に少しもぅ少し効きそうなお薬があれば教えていただきたいです。今かかりつけの薬局さんとお話して、参考にさせていただきたいです。
 どうか宜しくお願い致します。

2011年03月12日の茶トラのボクチン(6歳)
2011年03月12日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ヒゲジジイ

お返事メール:

 そのようなデリケートな症状の場合は、頻繁に通って体質と症状を詳細に分析して弁証論治を行わない限りは適切な方剤を提案することは不可能です。

 一度や二度の微調整ではすぐに方剤のピントが合うとは限りませんので、現在通われている漢方薬局で、今後も折々に配合の微調整を行ってもらうのが最善だと思います。

 二年以上通って少しは改善しているところもあるのでしたら、現在通われている漢方薬局を信頼して根気よく通いつめるのが最善だと思います。

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2011年03月12日の茶トラのボクチン(6歳)
2011年03月12日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ヒゲジジイ

posted by ヒゲジジイ at 09:27| 山口 ☀| 更年期障害・自律神経失調症や不定愁訴症候群 | 更新情報をチェックする

2017年05月29日

更年期不定愁訴症候群に苦しむ女性達

2012年05月29日の茶トラのボクチン(8歳)
2012年05月29日の茶トラのボクチン(8歳) posted by (C)ヒゲジジイ

 五十歳前後の女性達に多い不定愁訴症候群。
 更年期に差し掛かる最も体調を崩しやすいこの年齢層。
 それゆえ正式名称は「更年期不定愁訴症候群」といわれる。

 多くは子供さんが遠くの学校へ進学したり、あるいは独り立ちする時期に差し掛かる節目でもある。

 のみならず、ご両親の健康問題で介護問題が重なる人も多く、あるいは自身の悪性腫瘍なども重なってしまう不運な人もおられる。

 村田漢方堂薬局では、もともと多い悪性腫瘍の漢方相談とは別に、これまで最も多かったアトピー性皮膚炎の新規相談者は、アトピー性皮膚炎専門のサイトやブログを閉鎖したおかげで、相対的に不定愁訴症候群の女性達の新規相談者が目立つようになってきた。

 もともとこの分野は、漢方医学にしても中医学にしても、最も得意分野でもあるとはいえ、既に病院治療はもとより、漢方治療でも効果が得られなかった人達が多いだけに、比較的複雑な病状を呈していることが多いので、数種類以上の方剤の併用は必須となることが多い。

 たとえば、最近も某悪性腫瘍の抗がん剤と放射線治療の後遺症(浮腫など)を伴いながら、憂鬱感など様々な不定愁訴の中年女性に、加味逍遙散・六味丸、五苓散・雲南田七の4種類からはじめることで、短期間で一定の効果を得ているが、遠路はるばる通って来られる女性達の中には、ブログで簡単に記すことができない複雑多変な配合変化を必要とする人も珍しくない

 それでも、冷静な判断と根気のある女性達は、必然的に漢方薬の実際的な運用方法を学んで、いつの間にか、そんじょそこいらの医師や薬剤師よりも、漢方薬の使い方に習熟してしまうのだから面白い。

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2012年05月29日の茶トラのボクチン(8歳)
2012年05月29日の茶トラのボクチン(8歳) posted by (C)ヒゲジジイ

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2016年12月01日

育児ノイローゼ

2008年12月01日の茶トラのボクチン(4歳)
2008年12月01日の茶トラのボクチン(4歳) posted by (C)ボクチンの母

 初めて出産された人は、おめでたいことながら、それまで自由を謳歌していたのに、当然のことながら、子育てには想像以上に時間を奪われる。中には、こんなはずではなかったと戸惑う人も少なくない。

 育児には、親としての重大な責任が伴うだけに、以前のように束縛のない自由を謳歌していた人であればあるほど、その大きなギャップによって、育児ノイローゼに陥る危険性なしとしない。

 育児ノイローゼで相談を受けることは滅多にないのだが、胃腸疾患と常に付き纏う吐き気と憂鬱感などの症状で相談に来られた人が、次第に回復するに連れて、根本原因は育児ノイローゼだったことが判明したケースもある。

 一時は相当に深刻で、温厚そうな女性に似合わず、子供さんを殺めやしないかと、自身でも恐ろしくなったことが、しばしばあったという。

 出産以前までの自由を謳歌した人達が、出産後には、赤ちゃんに対する強烈な愛情から、自由が束縛されることにむしろ喜びを感じる人は幸いである。

 そうも行かない人もあるのが、人間社会ではしばしば見られる現実として、育児ノイローゼに陥っている人は、想像以上に多いのかもしれない。

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2008年12月01日の茶トラのボクチン(4歳)
2008年12月01日の茶トラのボクチン(4歳) posted by (C)ボクチンの母

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2015年04月21日

8年後のご連絡

2009年04月21日の茶トラのボクチン(もうすぐ5歳)
2009年04月21日の茶トラのボクチン(もうすぐ5歳) posted by (C)ボクチンの母

【 ブログへ掲載の可否 】:転載応諾(ブログへ転載させて頂く場合があります。)
【 年 代 】:50〜59歳の女性
【 具体的なご職業 】:事務
【 お問い合せ内容 】:

 以前、8年くらい前にもお世話になり、ありがとうございました。

 8年くらい前は、精神的ストレスにより、唾液が出すぎる症状で、どこの病院に行っても改善しなかったのが、こちらのお薬で完治いたしました。
 本当にうれしかったです。

 この度、1か月前ほどから、急激な精神的ストレスにより、唾液の分泌が非常に減少し、困っております。

 前回とは、逆の症状ではございますが、またお伺いさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

2010年04月21日の茶トラのボクチン(もうすぐ6歳)
2010年04月21日の茶トラのボクチン(もうすぐ6歳) posted by (C)ボクチンの母

お返事メール:

よく覚えています。
 逆もまた真なりで、うまく行けば同じ方法で治るかもしれませんが、直接来られて確かめれば、他の要因も加わっているかもしれません。

 初めての方ではないので、月曜日〜土曜日(土曜のみ午前中まで)の、いつ来られても構いません。
 開店時間は、土曜日以外は、朝9時〜夕方6時までです。

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2011年04月21日の茶トラのボクチン(もうすぐ7歳)
2011年04月21日の茶トラのボクチン(もうすぐ7歳) posted by (C)ボクチンの母

2011年04月21日の茶トラのボクチン(もうすぐ7歳)
2011年04月21日の茶トラのボクチン(もうすぐ7歳) posted by (C)ボクチンの母

2012年04月21日の茶トラのボクチン(もうすぐ8歳)
2012年04月21日の茶トラのボクチン(もうすぐ8歳) posted by (C)ボクチンの母

2012年04月21日の茶トラのボクチン(もうすぐ8歳)
2012年04月21日の茶トラのボクチン(もうすぐ8歳) posted by (C)ボクチンの母



posted by ヒゲジジイ at 00:03| 山口 ☁| 更年期障害・自律神経失調症や不定愁訴症候群 | 更新情報をチェックする

2015年01月31日

加味逍遥散がフィットすると、人生観が前向きになったと喜ばれる

2010年01月31日の茶トラのボクチン(5歳)
2010年01月31日の茶トラのボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母

 今日も書くことが無いので、無ければボクチンの写真を貼る口実がないので、昨日に続いて加味逍遥散のお話し。

 加味逍遥散が誰彼なしにフィットする訳でもないが、危険な漢方薬でもないので、精神的に落ち込んでいる人は、一度試してみるのもよいかもしれない。
 といっても必ず専門家と相談して使うべきで、まったくピントはずれの人に使っても無意味である。

 四逆散や柴胡加竜骨牡蠣湯や桂枝加竜骨牡蛎湯、あるいは加味帰脾湯や帰脾湯のほうがフィットする人も多いので、素人療法はやらずに、専門家にしっかり相談すれば、加味逍遥散がフィットしない場合でも、より適切な方剤を見つけてくれることだろう。

 たとえば、愚妻は意外にも、加味逍遥散はまったくフィットしないで無意味だが、その方面では四逆散がしっかりフィットしている。
 愚娘の場合は、学生時代や研修医時代は、間違いなく四逆散がフィットしていて、飲み忘れると疲労感がどっと出るので、四逆散が手放せないと言っていた。

 ところが、専門医になって忙しい毎日を送るようになると、いつの間にか加味逍遥散が確実にフィットするようになって、四逆散よりもこちらの方が手放せなくなっている。

 人によっては加味逍遥散合四逆散や、加味逍遥散合柴胡加竜骨牡蠣湯などがしっかりフィットする人も多いが、興味深いところでは、後者の加味逍遥散合柴胡加竜骨牡蠣湯の配合は、女性のアトピー性皮膚炎でしっかりフィットしている人が意外に多い。

 ともあれ、加味逍遥散がフィットする人は、これを服用するとイライラ感が消失するばかりでなく、極端な場合は人生観が百八十度変わるほどの良好な効果が出る場合もある。
 少なくとも悲観的な考えが陰を潜め、かなり前向きな人生観に変わるほどの効果が得られることも珍しくない。

 但し、いつも書くように、品質優良な製剤を使わないと、期待するほどの効果が出ない場合もある。たとえば現実にあった恐るべき実例として・・・

 遠路はるばる近畿地方から来られた、いわゆる血の道症で、休職せざるを得なかった女性が、地元近辺で3年、保険漢方の加味逍遥散合猪苓湯などを服用するも、一時効果があったものの、それ以上の効果が上がらず、いつまでも家でゴロゴロしていたのが、当方ではとうぜん自費の加味逍遥散合猪苓湯を飲んでもらったところ、数ヶ月するうちにすっかり元気を回復して、めでたく社会復帰。

 これほど同一方剤でも、効果に雲泥の差が出るケースは日常茶飯事だから、少しは効果があっても、それ以上の効果が得られない、という場合は、漢方の専門家であれば、製剤の品質問題を検討してみる必要があろう。

 たとえば、加味逍遥散や補中益気湯などは、本来「白朮(ビャクジュツ)」を配合すべきなのに、「蒼朮(ソウジュツ)」で代用している問題の製剤も散見されるなど、同じ処方名でも、配合内容に問題があるケースも多いので、十分に注意が必要である。
⇒参考文献:白朮を蒼朮で代用する杜撰

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2010年01月31日の茶トラのボクチン(5歳)
2010年01月31日の茶トラのボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母

2010年01月31日の茶トラのボクチン(5歳)
2010年01月31日の茶トラのボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母

2010年01月31日の茶トラのボクチン(5歳)
2010年01月31日の茶トラのボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母

2012年01月31日の茶トラのボクチン(7歳)
2012年01月31日の茶トラのボクチン(7歳) posted by (C)ボクチンの母


ラベル:加味逍遥散
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2013年10月16日

ある種の更年期症状に対する桂枝加芍薬湯の有用性についてのおたより

2007年3月3日2歳半のボクチン
2007年3月3日2歳半のボクチン posted by (C)ボクチンの母

おたより:東海地方の美人薬剤師

 お久しぶりに、更年期まっただ中で、考えてみたことをお伝えしてみます。

 更年期症状についての考察

 私の側には、やはり同年代の方が集まりやすく、更年期の症状で汗をかいては、お互いに盛り上がることが多いです。
 そんな中で、月経が遅れて3ヶ月ほど到来しないのと同時に、つわりのようなムカムカ症状が現れ、食欲がなく美味しく食べられない。

 友人からは、”妊娠したんじゃないの?”とひやかされるし、思い当たらないわけでもなく、まさかの妊娠不安を味わっている・・・というご相談がけっこうあるんです(苦笑)

 更年期であるかどうかにかかわらず、月経の到来がないと、更年期に似た症状やつわりに似た症状が出てくることがあります。
 その代表的なものが、高プロラクチン血症です。

 プロラクチンは、乳汁を分泌させるホルモンで、妊娠中や出産で分泌されてくるものですが、ストレス等でホルモンバランスが乱れてそうでないときに分泌されることもあり、それによって月経が止ることがあります。

 これを中医学的に考えると、五臓六腑の余血は、衝脉につながっており、これが満たされると溢れ出して月経が始まりますが、月経が止るということは、衝脉の気血津液が満たされていないか、あるいは帯脈の開閉がうまくいかずに、衝脉にたまった気血津液が行き場を失い、衝脉とつながっている胃経に逆上し、吐き気、ムカムカ、食欲不振、げっぷ、腹部膨満感を起こすと考えられます。
 また、胃経は乳房につながっているために、乳汁として分泌されてくると考えられます。

 高プロラクチン血症の漢方薬では、芍薬甘草湯がよく用いられますが、これは甘草のグリチルリチン酸が、ドーパミンレセプターを介してプロラクチンを抑制することや、勺薬が肝陰を補い衝脉血を滋養することに起因すると思われます。

 ただ、更年期の閉経には、経験的に桂枝加芍薬湯の方が同様の症状に効果を上げています。
 桂枝加芍薬湯は、一般的には”しぶり腹”の薬ですが、陰陽の調和作用があり、営衛不和に起因する、突然の不愉快な発汗、そして帯脈の調整作用がある勺薬が働き、腰回りの神経的な違和感(痒み、痛み、ゾワゾワ感)によく効いています。
 白勺薬は、ホルモン系、神経伝達物質の調整に何らかの関わりがあるようです。

 また、突然の突き上げるようなのぼせ、発汗発作には、合谷+太衝の四関穴治療よりも、衝陽+合谷で気を巡らすのがよいようです。
 やはり胃経との関連ですね・・・。

 研究すればするほど、面白いですね・・・こんなに楽しめるのなら、自分の更年期も悪くないかも・・・と思っています(笑)

2007年3月3日2歳半のボクチン
2007年3月3日2歳半のボクチン posted by (C)ボクチンの母

お返事メール:

 ブログへのご協力、いつもありがとうございます。
 昨今、村田漢方堂薬局ではパソコンをwindows xpからwindows 7へ総入れ替えするのに大忙しです。
 5台入れ替えて、明日にはもう1台入れ替えて、すでに入れたものを加えると7台体勢です。以前は9台体勢でしたが、2台ぶっ壊れてそのままで、入れ替えは合計7台で十分な体勢のようです。

 ところで桂枝加芍薬湯の興味深い運用方法、面白く拝見しました!
 とても参考価値の高い内容で、機会がありましたら追試させて頂きたいと存じます。

 当方で最近、桂枝加芍薬湯を利用しているのは、ご他聞にもれずに過敏性大腸炎や開腹術後の癒着症状に対する緩和目的で、それ以外になるとクローン病の人に、清熱舒筋の方剤と板藍根に、この桂枝加芍薬湯を併用してもらって、一定の効果を得ていますが、やはり腸に関連した疾患への応用に終始しています。

 と、どうも新しいパソコンは、配列が微妙に異なって、まだ思うように入力することが、できません(苦笑。
 いつになく(いつもながら?)お返事を書くのに打ち損じばかりしています。

2007年3月3日2歳半のボクチン
2007年3月3日2歳半のボクチン posted by (C)ボクチンの母


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2013年09月27日

不定愁訴やパニック障害に悩まされる善良なる女性たちに贈るアドバイス

2007年2月5日のボクチン2歳
2007年2月5日のボクチン2歳 posted by (C)ボクチンの母

 善人は悪気や邪気(人間様を含めた各種の外来刺激)を引き寄せやすい宿命があるようです。

 一般のスピリチュアル的な考えでは、愛、愛、アイ、アイ、あいなどときれいごとばかりを並べ立てますが、オックスフォード大学出身の精神科医、アーサー・ガーダム氏は異端カタリ派の生まれ変わりであることが名実共に証明されている人ですが、この人の書籍には善人は気をつけないとどうしても悪を引き寄せやすい宿命にあると述べられています。

 善人はあの世では救われるにしても、現世で様々な苦悩を背負い込む傾向が強いようです。

 自己主張をすることなく、いつも我慢ばかりしていないで、少しは悪人(わがままを通すとか)にならなければ、いつまでも周囲にはびこる邪気や悪気を呼び寄せてしまいます。

 「悪魔が創造した物質世界」といわれる現世(この世)においては、悪には悪をもって制するのが近道となると思います。

 繰り返しになりますが、日々の生活で我慢ばかりして自分を抑え込まないで、もっとわがままを言って発散してバランスを取る必要があるように思います。

 以上は、あくまで「善良」なる女性達へのアドバイスであって、日頃からワガママし放題で、自制心の無い意志薄弱な女性達へのアドバイスではありません。

 忍耐力の無いワガママな女性達に対しては、上記とは真逆のアドバイスの内容となりますので、誤解なきよう願います。

IMGP1718
IMGP1718 posted by (C)ボクチンの母




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2013年09月08日

難病に合併する不定愁訴に悩む人達の多くは経過がよい理由

2006年6月22日のボクチン(2歳)
2006年6月22日のボクチン(2歳) posted by (C)ボクチンの母

 各種膠原病や潰瘍性大腸炎や関節リウマチなど、中には婦人科癌を含めた悪性腫瘍など様々な疾患が基礎にあって、これに女性によくみられる不定愁訴や自律神経失調症と診断され、本命の疾患以上にそちらの方を悩まれている人が多い。

 その場合でも本命の疾患に対する適切な漢方薬によって持病が寛解するにつれて、不定愁訴に対する漢方薬も優れた効果を発揮する。
 また、しっかり症状が安定して治まっても、持病があるだけに漢方薬を予防を兼ねて10年以上も続けることで完全に健康を取り戻している人が多い。

 ひるがえって一般の不定愁訴症候群の人達は極めてスムーズに寛解する人から、百病出没のため、しばらくの間は繰り返しのモグラ叩きによって、最終的にモグラを絶滅させる作戦を取る根気が必要なケースまで様々。

 だからいずれの疾患の場合でも同様で、ご本人の本気度次第。

 昨今も相変わらず、電話で訊ねてこちらからどうぞどぞと勧められることを期待されたり、

 あるいは先日も実際に遭遇したケースでは「初めての人は電話相談は受け付けない」との記載が当方のHPにあるので、直接行けばよいのだろうと「お話しだけを伺いに来ました」というのは最も有難迷惑といわざるを得ない。

 とこう書くと、なんだかお気軽に相談はできそうもない薬局のようだけど事実その通りで、悲しいかなジジババ漢方薬局のため真剣で本気の人達以外は受け入れるだけの時間的な余裕と体力がないのが現状なのですっ。

2006年6月22日のボクチン(2歳)
2006年6月22日のボクチン(2歳) posted by (C)ボクチンの母


 
posted by ヒゲジジイ at 13:25| 山口 ☁| 更年期障害・自律神経失調症や不定愁訴症候群 | 更新情報をチェックする

2013年06月22日

村田漢方堂薬局にやって来るほど重度の不定愁訴に悩む女性達の多くは死後存続を信じている!!!

2006年1月19日のボクチン(1歳半)
2006年1月19日のボクチン(1歳半) posted by (C)ボクチンの母

 村田漢方堂薬局では意外にも不定愁訴に悩みなからも人生を前向きに捉えて、漢方治療に専念される人が多い。だからいずれも比較的スムーズに寛解して行くケースが多い。

 漢方経験も地元の医師の3分間診療ではとうてい解決にはならず、漢方薬局を転々として最終的に村田漢方堂薬局にたどり着いた女性達が多い。
 転々とするとは何と根気がないことよっと問えば、いずれも転々とするにはもっともな理由があった。

 効果がないので微調整を依頼しても、同じ漢方薬を続けていたら必ず効いて来ると強弁された人達。
 あるいは効果がないときは同じ漢方薬の服用量を増やせば必ず効きはじめると強弁された人達。
 相談時間は10分もないくらいで簡単に薬を出されて病院漢方と同列ではないかと落胆させられた人もかなり多い。

 またそれらのいずれの薬局も配合内容の生薬を記載した紙を渡されるだけで漢方薬の方剤名の記載が見られないものばかりで、最もひどいのになると方剤名のみならず配合生薬名すらあらゆる記載の無い秘密主義の漢方薬を渡された人もいる。
 漢方薬の服用によってむしろ不快な症状が増えたという人もおられるが、そんなことはあり得ないと強弁された人も多い。

 それはともかく、諦めずに遠路はるばる村田漢方堂薬局にまでやって来られる女性達は、その多くの人が来世を信じており「人は死なない」ので自殺はご法度ということをよくご存知である。

 もしも自殺すれば、死んで無になれると思いきや、実際には肉体がなくなっただけで心霊はそのまま存続する。自殺した後には孤独な暗闇にみずから閉じこもる羽目となり、自責の念でこの世よりももっと苦しむこと必定といわれる。

 この世に生まれる前に中間生(あの世)で仲間達(ソウルメイト)とたてた人生設計をみずから破壊する自殺という異常行動はソウルメイトにも迷惑千万なことなのである。それゆえ自分が蒔いた種は必ず自分で刈り取らねばならない。

 ともあれ、様々な不定愁訴に悩まれるのも、生まれもって肉体と魂の相性が悪いと考えられるが、その肉体と魂の調和をはかる方法として中医漢方薬学こそ、かなり得意とするところである。

 かなりシンプルな配合で治る人もいれば、とてつもなく複雑な配合を要する場合も稀にはあるが、根気さえあれば必ず治りますよっと言っても過言ではない分野であるように思われる。

2006年3月2日のボクチン(1歳半)
2006年3月2日のボクチン(1歳半) posted by (C)ボクチンの母

ラベル:不定愁訴
posted by ヒゲジジイ at 00:33| 山口 ☁| 更年期障害・自律神経失調症や不定愁訴症候群 | 更新情報をチェックする

2013年06月06日

不定愁訴の漢方相談におけるピントについてのご質問

2006年1月8日のボクチン(1歳半)
2006年1月8日のボクチン(1歳半) posted by (C)ボクチンの母

ブログへの転載の可否 : ブログへ転載を許可します
年齢 : 30歳〜39歳の女性
簡単なご住所 : 関東地方
お問い合わせ内容 :

漢方薬がフィットする、ピントが合うとはどういう意味なのですか。

 今、近くの漢方薬局に通って1年経つのですが、今だ主訴が改善しません。
 しかし、全くピントがずれてるとも思わず、薬剤師が一生懸命な所以、情がわいてしまい、通うという状況です。

 不定愁訴なのですが、フィットすれば、一気に改善することはありますか。

 諦めて他の漢方薬局に行くか迷っていて、どうすれば良いかわかりません。
 ヒゲジジイ様のお知恵を何か頂けませんでしょうか。

 ご多忙中お手を煩わせ申し訳ありません。何卒よろしくお願いします。

2006年1月8日のボクチン(1歳半)
2006年1月8日のボクチン(1歳半) posted by (C)ボクチンの母

お返事メール:
 漢方薬のピントという言葉は、いうまでもなく「もののたとえ」であり、カメラのピントのようにピントがしっかり合えばシャープに奏功するものの、ややピンボケからかなりピンボケまで、それによって効きめにも優劣が出てしまうというたとえ話ということです。

 貴女のお悩みは不定愁訴ということですが、症状の内容によってはなかなかくっきりとピントが合わないこともあり得ます。
 それでもややピンボケであっても、根気よく微調整を繰り返しながら継続服用しておれば、くっきりしたピントのあった配合が得られないままでもいつの間にかほとんど改善してしまうということも珍しくありません。
 ところで、

>近くの漢方薬局に通って1年経つのですが、今だ主訴が改善しません。しかし、全くピントがずれてるとも思わず、薬剤師が一生懸命な所以、情がわいてしまい、通うという状況です

 とありますが、そのように熱心な薬剤師さんがおられれば、お近くで頻繁に通える状況を幸いと思って、今後も諦めずに通いつめるのが最善だと思います。

 私自身も若い頃は、なかなか効果が出なくても、そのようにいつまでも頑張ってくれる人たちのお陰で実地の漢方相談の訓練と学習により少しずつ習熟して来れたのです。
 ですから、そのような熱心な薬剤師さんを育ててあげるくらいのつもりで、いつまでも頑張っていれば親しくなるにつれ、いつの間にか貴女の体質を深く知るところなり、いずれはもっとよい工夫と臨機応変の配合変化などをお互いに学ぶことがたくさん出てくるはずで、そのうち気が付いたらしっかり改善しているということになると思います。

 急がば回れで、本命の不定愁訴が治ったあとも、体質をよく知ってもらうことが出来たお陰で、その後の急性疾患や思わぬ病気のときにもそのときの状況に応じた漢方薬を適切に指南してもらえるようにもなり、後々にも得るところがとても大きいものと思います。

 翻って、私もそろそろ40年のキャリアとなりましたが、現在でも貴女のように熱心に通ってくれる新人さんたちのお陰で、この歳になっても新たな発見と工夫が得られているのが現状です。

>不定愁訴なのですが、フィットすれば、一気に改善することはありますか。

というご質問の件ですが、これも実際の具体的な症状と体質によりけりで、一気に改善できる運の良い人もたくさんおられる反面、人によってはなかなか難航することもあるのが現実です。
 たとえ一気に改善できた人でも、効果が出た時点で漢方薬の服用を怠ると直ぐに再発してしまう人もありますので、運の良い人でも一定期間は継続服用して体質を変える必要があります。

 蛇足ながら過去、以前のブログにも書いたことがありますが、特殊な不定愁訴の女性が本当に漢方薬の効き目を実感してもらえたのが3年後で、それまでは効いたり効かなかったりの繰り返しで大変気の毒な状態が3年間も続いたのですが、他所でも治らなかったので、ずっと頑張ってもらえた成果がようやく3年後にみのりはじめ、その後、現在では二十年以上のお付き合いの常連さんとなられています。
 その女性には折々に「私は漢方薬にめぐり合えなかったら2回は死んでいたと思う」と述懐されておられます。
 
 取り急ぎ、お返事まで。

2006年1月8日のボクチン(1歳半)
2006年1月8日のボクチン(1歳半) posted by (C)ボクチンの母

折り返し頂いたメール:ヒゲジジイさま

 早速のお返事と温かいお言葉ありがとうございました。(なんとなく怒られるかもと思っていましたので)
ヒゲジジイさんのご経験もお話頂け、とても参考になりました。
 ピントの説明がわかり易く、理解できました。
 もうしばらくだけ現在の薬局に通ってみようかとぼんや〜り考え中です。

 ひげじじいさんのおっしゃるとおり、ピンボケの繰り返しでも執拗に通い詰めれば、いつの間にか治っているということがあるかもしれないですね。このような結果に期待したいです・・・。

 私も最初のころは、薬剤師さんを育ててあげるくらいの寛容さで通っておったのですが、経費的にもきつくなり、漢方薬の種類もどんどん増えていき、少し疑問を感じることもあり、今でも迷っています。病気の辛さと、自分の欲と、治してくれるかもという期待と、無理かもという想いと・・・。何を優先すべきか・・・。病気とは本当に厄介なものですね。命にかかわる病でないことに感謝すべきなのでしょうが・・・。

 なかなかピントが合わないということは、その薬剤師の腕が足りないということでしょうか。
 そうではなく、難航するものはどんなに経験・知識・腕があっても難航するものですか。

 ピントが合わなくても、何度ピンボケで効果がなくても、そこに対して、薬剤師・医師を自分が、許容できるかどうかなのかもしれないですね。(多分、漢方に限らず、医療すべてにおいて・・・。)ヒゲジジイさんのブログももう一度勉強させて頂きます。

 長文失礼致しました。

追伸:ヒゲジジイさん、お体に気をつけて、益々がんばって下さい。

新入りのシロちゃん(メス)
新入りのシロちゃん(メス) posted by (C)ボクチンの母

ラベル:不定愁訴
posted by ヒゲジジイ at 16:49| 山口 ☁| 更年期障害・自律神経失調症や不定愁訴症候群 | 更新情報をチェックする

2013年05月21日

ハラハラドキドキの不定愁訴

2005年11月12日のボクチン(1歳)
2005年11月12日のボクチン(1歳) posted by (C)ボクチンの母

おたより(症例の御報告):東海地方の某クリニック院長(内科医)

漢方薬を処方していますと、さまざまな不定愁訴を抱えて、いろいろな病院とかクリニックへかよっても改善しないということで受診される患者さんがいらっしゃいます。
 いわば症状のデパートみたいなかたがみえることがあります。

32歳の女性ですが、診察室に入ってくるや、顔が苦悶状で視線はウツロでした。
約1年半まえに胸やけ・心窩部の不快感で機能性胃腸障害と診断されています。
 自覚症状は改善せず、そのあと膀胱炎を繰り返したり、座骨神経痛になったり、していたそうです。

漢方薬を処方してくださるクリニックへ受診され、当帰四逆加呉茱萸生姜湯、大建中湯、真武湯を処方され、そのあといろいろ変更を経て清暑益気湯に変更されていました。

当院へ初診された当日、「口のなかに唾液が湧いてくる感じがひどく、終日ネバネバしているのを何とかしてください。右足がしびれてどうしようもありません」という訴えでした。
以前のクリニックで温めるくすりが出ていましたので、柴胡剤の必要性を考えましたが、当帰四逆加呉茱萸生姜湯と六君子湯と桂枝加朮附湯を処方しました。

2週間して再診されました。
 「脚の痺れは感覚がもどってきました。でもゲップが悪化しました」とのことでしたので、桂枝加朮附湯を中止して、を六君子湯3包に増量しました。

2週間後に再診、「状態はよくなりつつあります」とのことでしたので、この投薬で次回の受診でかなり改善しているでしょう、と内心思い、当帰四逆加呉茱萸生姜湯と六君子湯を継続しました。

3週間後に受診、「一時良くなったときがありましたが、口が粘つき、味覚がなく、胸焼けして、食欲がなく、自律神経が乱れている感じで最悪です」と、予想とは大きくかけ離れた状態でした。
胸脇苦満もしっかりあり、加味逍遙散を追加しました。

2週間処方しましたが、5日で来院されました。
 今でになく苦悶状で悲惨な表情で診察室の入ってこられて、「加味逍遙散を飲んで2、3日ですごく調子が悪くなりました。食欲は今までにないくらい落ち、精神的にひどくイライラするようになり、些細なことで親にあたるようになり、自己嫌悪に陥ってます。職場ではなんとかコントロールしていますが、帰宅して家の中のものを壊したくなる衝動を抑えるのが大変です」とのことで、一方的にお話しになりました。

経験上、些細なこととか理由もなく怒れてきてしまうかたに抑肝散が効くことがありましたので、加味逍遙散を抑肝散に変更し、状況をみて精神科受診が必要かもしれない旨お伝えしました。

1週間して来院されました。
 診察室に入ってくるまで、こちらの方がドキドキしていましたが、お顔を見せると同時に、今でに見たことがない笑顔で、「性格が変わってしまいました。こんな自分ですごく楽です。怒ることもなくなり、食事美味しいですし、口の粘つき、味覚の異常などもすべてなくなり快調です。ありがとうございます」とおっしゃられ、こちらは胸をなでおろす感じで、思わず、「この前のお薬をもうすこし飲んでおいてください」と言って、3週間分処方しました。

どうもストレスが背景にあってさまざまな身体症状が現れていたような感じですが、とにかく抑肝散で不定愁訴が沈静化してきて良かったです。家の中の物を壊してしまうほどのイライラには抑肝散が結構いいかもしれないです。

西洋薬ですと、メジャートランキライザーを処方するしかないでしょうが、ここまでは効かないでしょうから、やはり『漢方薬恐るべし』です。
 しかし、メンタル症状が豊な患者さんの診療はドキドキしてこちらの心臓によくないです(苦笑顔1(うれしいカオ)あせあせ(飛び散る汗))。

2005年11月12日のボクチン(1歳)
2005年11月12日のボクチン(1歳) posted by (C)ボクチンの母

お返事メール:
 
 とっても興味深い症例のご報告、ありがとうございます。
 まるで推理サスペンス小説を読むように、ドキドキはらはらしながら、結末はどうなることやらと、とても面白く読ませて頂きました。

 結末は抑肝散!

 しかも加味逍遥散では逆効果だったというところでは実に考えさせられてしまいました。
 当方に来られる不定愁訴の女性達の多くは加味逍遥散が適応する人が目立ちますが、抑肝散(加陳皮半夏)を使って著効を得た例は、昨今では睡眠中に舌を噛み切りそうになる女性達2名くらいで、それ以外に必要を感じた例はありませんでした。

 おそらくへそ曲がりのヒゲジジイの流儀に合う人たちは自然に加味逍遥散タイプの女性達が集まりやすく、抑肝散がフィットするようなヒステリックな女性は無意識に避けておられるのかもしれません(苦笑。

 ともあれ、今回ばかりはとてもハラハラドキドキしなが大変楽しく拝読させて頂きました。
 いつもながら、ブログへのご協力、ありがとうございました。

2005年11月12日のボクチン(1歳)
2005年11月12日のボクチン(1歳) posted by (C)ボクチンの母

posted by ヒゲジジイ at 20:55| 山口 ☀| 更年期障害・自律神経失調症や不定愁訴症候群 | 更新情報をチェックする

2013年04月15日

不安感を伴う不定愁訴やアレルギーなどの改善例:東海地方の内科医の先生からのおたより

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IMGP0751 posted by (C)ボクチンの母

おたより:東海地方の某クリニック院長(内科医)

ちょっとお久しぶりです。
私は精神科医ではありませんが、さまざまなストレスにともなってメンタルを傷めたかたが、SSRIとか抗不安薬を心療内科から頂いても満足できない状況で漢方薬を希望して受信するかたがいらっしゃいます。
 初診のときには問診に時間がかかりますし、患者さんも、話したいことがおありのようでして、結構お一人診ると渋滞しています。
 しかし、ときに興味深い患者さんもいるいるようです。

60歳のご婦人です。
初診したときは、食べると下痢になる、ゲップが多い、喘息の発作がでることもある、ということでした。当院へ受診するまえ、近くの漢方薬を処方してくださるクリニックへ受診していますが、転院してこられました。
 症状の説明に混じっていろいろな個人的なお話がありましたので、前の先生もストレスを感じていたかもしれません。

脾虚と腎陽虚を疑って六君子湯と八味丸を処方しました。消化器系の症状は改善し、喘息もアドエアー使用しないまでに改善しました。
一昨年の10月に秋の花粉で喘息がやや悪化し、八味丸を増量しています。
その後、胃内視鏡および大腸ファイバーも受けて異常はなかったそうです。

昨年の2月に事情は不明でしたが、不安感が顕著となり眠れない日が続いたそうです。六君子湯と加味帰脾湯と桂枝加竜骨牡蠣湯の合包を処方しました。
 それまで訴えていた腹部の不定愁訴と不安感は治まりました。

4月になっていつもの花粉症が始まりましたので、一応点鼻薬および点眼薬を処方しましたが、それらは使用しなかったそうです。

6月になりますと、また腹部の不定愁訴があり、近位の専門医受診していますが、「ここの範疇を越えている」と言われたそうです。

7月、 夏になるといつも発疹が出来ていたそうですが、「この夏はだいじょうぶです」と笑顔でした。
9月、健康診断をうけたそうですが、「心配していたLDLコレステロールも171で横ばい状態でした」とのこと。
12月、「寒くなると喘息が悪化していましたが、この冬は良いです」
今年3月、「そろそろ花粉症が出るころなので、点鼻薬と点眼薬をください」とのことで、処方しました。
4月、「周りのかたは花粉で大変そうですが、私は平気です。点鼻薬と点眼薬も使っていません」

腹部の不定愁訴で初診された患者さんですが、六君子湯と八味丸で投薬を開始して、不安神経症にたいして加味帰脾湯と桂枝加竜骨牡蠣湯を加えたところ、メンタルが改善し、喘息および花粉症も改善してしまったという症例です。
 後から振り返ると、漢方薬でメンタルの偏りが調整されて、アルルギー反応も改善したという感じかもしれません。

「範疇をこえた」病態が漢方薬で、しかも、エキス剤で良くなった訳でして、またしても、「漢方薬恐るべし」という感を強くしました。
それにしても、訴えが多いと、つ・か・れ・ま・す。

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IMGP3332 posted by (C)ボクチンの母

お返事メール:

ブログへのご協力ありがとうございます(笑。
 先生はiPadを使用されるとは恐れ入ります。小生はもっぱらノート型パソコンばかりで、iPadはおろか携帯電話さえ使えません(苦笑。

 不安感を伴う不定愁訴の患者さんは、訴える内容が取りとめなく、時間ばかり浪費して次の患者さんが待ちくたびれ、さぞや大変なことになることとお察し申し上げます。
 それにしても、的確な漢方薬の運用で、状況に応じた臨機応変の対応をされた成果を得て、お見事だと存じます。

 昨今、村田漢方堂薬局には相変わらず遠方からステージ4の癌患者さんや進行癌や初期癌の人たち、あるいは難治性の疾患のご相談者がポツリポツリと途切れることなく、といっても毎日新人さんは僅か1〜3人くらい来られる中に混じって、本日なども近畿地方のやや辺鄙な場所から、全身的な不定愁訴(過食症に伴う問題)のことで、日帰りの予定で来られた若い女性がおられました。

 幸い午後だったのでたっぷりと相談時間が取れたので、ようやくひねり出した方剤が大柴胡湯、分消湯、西洋人参、予備で茵陳蒿湯というもので、これで速効が出たら我輩は天才ではないかと思ったり、これで無効だったら廃業しようかと、両極端な気分に襲われるほど考え抜いた結果でした。

 ともあれ、専門医の先生から「範疇をこえた」病態といわれるものであっても、漢方薬の守備範囲は世間で思われる以上に広範囲であることはご指摘の通りだと思います。

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IMGP3318 posted by (C)ボクチンの母



posted by ヒゲジジイ at 19:46| 山口 | 更年期障害・自律神経失調症や不定愁訴症候群 | 更新情報をチェックする

2011年10月26日

更年期鬱症状を訴えて来られたちょっと特殊な虚弱体質

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PQC_5057 posted by (C)ヒゲジジイ

 更年期鬱症状を訴えて来られた女性。

 右側の諸症状は加味逍遥散合茵陳蒿湯でフィットし、胃症状と左側の諸症状は延年半夏湯が適応し、中心の鼻炎や咽喉の虚弱性には荊芥連翹湯というように、右と左と中央に適応する薬がそれぞれしっかりフィットする。

 このような適応証をすばやく見つけてフィットさせ、比較的順調に経過し、延年半夏湯のごときは一ヶ月も連用しない間に諸症状は雲散霧消する速効を得ている。

 このような発想が素早く行なえたのは、中医学知識のみならず日本漢方に10年以上没頭した時代の知識が大いに役立っている(苦笑。

 日本漢方を学んだ後に中医学に転向した経歴が、おりおりに役立つのであった(呵呵。

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PQC_5056 posted by (C)ヒゲジジイ


posted by ヒゲジジイ at 00:14| 山口 ☀| 更年期障害・自律神経失調症や不定愁訴症候群 | 更新情報をチェックする

2010年10月09日

黄耆建中湯証とは無縁の不定愁訴だった

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IMG_0397 posted by (C)ヒゲジジイ

 前回のブログのお問い合わせの女性は、黄耆建中湯とは無縁だった。

 昨日、突然直接やって来られた。

 転載文の表現力でお分かりのように、聡明な女性だったから弁証論治に苦労はなかった。

 すくなくとも肝鬱血虚に脾虚不運湿をともなって軽度の浮腫傾向があり、しかも肝鬱化火が歴然とみてとれた。これだけ書けば、中医学の専門家であれば、はは〜んと頷けることだろう。

 でも、想像されるような単純な方剤だけで解決できるようなレベルではないので、今後も微調整しながら一工夫が必要になるかもしれない。

 といっても、類似した症例は例年多いばかりでなく、今年だけでもたくさんの中年女性で多く扱ってしっかり改善されている例ばかりだから、見通しはとても明るいはずである。

 いずれにせよ、黄耆建中湯証とは無縁の女性だったことだけは間違いない。

 蛇足ながら、9月6日のブログ「朝から真剣さの感じられない電話の問い合わせが続く」でお断りした人だった(苦笑。

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IMG_0157 posted by (C)ヒゲジジイ

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2010年10月07日

不定愁訴で一ヶ月服用して症状の改善が見られない場合でも同じ漢方薬を続けるべきか?

ジョウビタキ(メス)
ジョウビタキ(メス) posted by (C)ヒゲジジイ

ブログへの転載の可否 : ブログへ転載を許可します
年齢 : 30歳〜39歳の女性
簡単なご住所 : 九州地方
お問い合わせ内容 : はじめまして。

 現在、●●市内の漢方薬局にて漢方薬を処方して頂いておりますが、村田先生のお考えを聞かせて頂きたく、メール致しました。

 症状は胃酸過多・胃下垂・便秘・汗かき・のぼせ・浮腫・頭痛・頭重です。
 少しでも症状が緩和出来ればと思い、胃腸科・産婦人科等で検査をしましたが特に異常は無く、対症療法で薬を処方されるばかりでした。最終的に心療内科へ行き、緊張が原因だからと抗不安薬を勧められ、病院での限界を感じ、漢方薬局へ伺った次第です。

 五年前にB型急性肝炎を患い、抗体が出来て完治に至り肝機能の数値も正常に戻ったのですが、出来るだけ肝臓に負担をかけたくないという理由からです。現在、処方されているのは桂皮・芍薬・干薑・大そう・甘草・膠飴・黄耆で、脾の陰虚熱によるのぼせ他に効果があるとの事です。

 朝晩の空腹時に飲み始めてまだ一ヶ月ですが、身体の変化は良くも悪くも何もありません。

 先生へ聞いたところ「長年の積み重ねがあるので、なかなか効果は出ない。子供でも三ヶ月、大人だともっと長い期間を要する。悪い影響が出ない限り、今の処方で飲み続けて下さい。」との事でした。
 自分の見立てが間違っているとは思えないとの事で、村田先生の様に十日ごとの微調整はされない方針の様です。

 そこで質問なのですが、このように最初の見立てのまま長期間飲み続けなければ効果を発揮しない場合があるのでしょうか?

 村田先生のおっしゃる渡り鳥にならない様に、しかし、しっかりした漢方薬局へ通いたいという思いとの間で、どう行動すべきか分からず困っています。今の漢方薬局がしっかりしている薬局なのか、他の薬局へ行くならどの段階なのか、自分で判断出来ないでいます。

 村田漢方堂薬局へ伺いたい気持ちもあるのですが、実はネットで先生のブログを発見してちゃんと読み進める前に、ちょっとお尋ね電話をしてしまい勿論お断りされたという経緯があり、未だ勇気が出ないのが現状です。

 その節は御手を煩わせてすみませんでした。お時間のある時で結構ですので、返信頂けると助かります。宜しくお願い致します。

コムクドリ
コムクドリ posted by (C)ヒゲジジイ

お返事メール: ちょっとお訊ね電話を下さったことがあるそうですが、どの電話であったか受付嬢も記憶がないことでしょう。すべてお断りの対象となる「ちょっとお訊ねですが」のお電話は日々尽きることがありません(笑。

 ところで貴女が現在、服用されている漢方薬の処方名は黄耆建中湯(オウギケンチュウトウ)という処方ですが、九州では処方名を教えてくれない薬局さんが多いようですね。配合成分を教えてもらえるだけまだマシかもしれません。
 現在の症状は、いわゆる不定愁訴症候群のようですが、女性であることにも配慮した弁証論治が必要であると思います。

 症状の中に浮腫とありますが、浮腫の程度と内容によっては、黄耆建中湯の場合、甘草や膠飴や大棗によって余計に浮腫が悪化する場合もありえます。
脾陰虚による虚熱があると解釈されているようですが、それがどうして脾胃の虚寒証に対応した黄耆建中湯となるのか疑問ですが・・・。

 前置きが長くなりましたが、ご質問の「最初の見立てのまま長期間飲み続けなければ効果を発揮しない場合があるのでしょうか?」に対するお返事。

 不定愁訴症候群のような様々な症状がある場合、すくなくとも一ヶ月以内に一つ二つくらいの改善がみられなければ、その後も、そのまま同じ方剤を続けても効果が出るとは考えにくい、ほとんどありえないことでしょう。

 残念ながら、もしかしたらロクデモない先生に出くわしたのかもしれません。

 なお、当方では7〜20日毎(関東地方の場合では内容によっては一ヶ月毎くらい)のペースでしばらく通える人でなければ、一部の例外(常連さんやお馴染みさんのご家族の場合は例外)を除いて、すべてお断りさせて頂いています。
 当然、安定した効果が得られ、配合パターンが決まってからは遠方ゆえに、一ヶ月毎に、あるいは数ヶ月毎のまとめ買いペースに切り替える人もザラです。

 もちろん今現在でも近畿地方や中国地方や九州を含めた隣県レベルでは7〜15日毎に通われて順調に寛解中の人はたくさんおられます。
 関東地方の人達は一ヶ月毎のペースの人もおられますが、たまたまその方が都合の良い病状でもあったりします。

 さいわいなことに、現在のところ渡り鳥らしき人は僅少です。
 もしも渡り鳥さんが混じっていても、結局は渡り鳥さんでうまく行くケースは希です。
 渡り鳥さんたちは、少しくらいの効果ではなかなか忍耐が続かず、直ぐに息切れして去ってしまいます。

 貴女の場合、当方に遠路はるばる来られることを考えなくとも、よくある不定愁訴症候群のようで、あまりにもありきたりな症状ばかりのように思えますので、地元の漢方薬局でも十分、見立てのできる漢方薬局があるはずです。(但し、配合には数種類の方剤が必要になる可能性が高いと思います。)

 以上、取り急ぎお返事まで。

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IMG_9798 posted by (C)ヒゲジジイ

posted by ヒゲジジイ at 23:18| 山口 ☁| 更年期障害・自律神経失調症や不定愁訴症候群 | 更新情報をチェックする

2010年07月27日

月経前緊張症(PMS)および美容的な悩み

朝、ゴミだしの帰り(笑
朝、ゴミだしの帰り(笑 posted by (C)ヒゲジジイ

ブログへの転載の可否 : ブログへ転載を許可します
年齢 : 30〜39歳の女性
簡単なご住所 : 九州地方
お問い合わせ内容 : 月経前緊張症(PMS)、下半身の脂肪過多で悩んでいます。

 主な症状は生理前は全身が脂っぽくなり自分が汚い存在に思えたり、人の言葉に敏感になったり、落ち込み(涙が出る)、ヤル気の低下、無気力、イライラ、ミスや勘違いが増える。全体的な浮腫(特に下半身)、過食などです。

 上半身に比べ下半身が異常に脂肪がついています。その他には、慢性的な膀胱炎と皮膚の痒みに悩んでいます。体温は通常、36度いかず低体温です。生理が始まると少しスッキリとしますが、2週間、月の半分が私にとって辛い日となっています。
 日ごろから、時より人と話すのが怖くなったり、気を遣いすぎ、無気力になってしまう傾向もあります。

 若甦という漢方?を人から頂いて飲むと、前向きになる気がして、ここ一番な時は飲んでいます。根本的な解決にはなっていないような気がしてます。

 何か良いアドバイスなどありましたら、よろしくお願いします。

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IMGP3774 posted by (C)ヒゲジジイ

お返事メール:たいしたアドバイスはできないと思います。

 それだけの症状でお悩みの場合、漢方薬を利用されるにしても、きっと複雑な配合を必要とし、しっかりピントが合うまでにはしばらくの期間を要し、経費的にも一定の出費を余儀なくされます。

 気合を入れて病気を治そうという、みずからの信念および根気と一定の出費の覚悟。

 当然、このようなメールだけで解決できる問題ではないので、地元で漢方薬局に行かれるにしても、しばらくは10日毎くらいのペースで通い詰める必要があります。

 それだけの症状を解決するには、漢方薬をされるにしても相当な覚悟と忍耐が必要ですよ、というアドバイスが関の山です。

 但し、重大な疾患があるわけでもなく、不定愁訴的な問題や美容的な問題の複合のようですので、過去の経験に基づく一般論から言えば、なかなかそこまでの治療意欲と根気はは湧かないであろうと推察します。

 以上、こちらは漢方専門薬局ですので、上記のような漢方的なアドバイスしかできません。悪しからず御了承下さいませ。


編集後記:月経前緊張症(PMS)については、漢方の得意分野であるから本気で取り組めば、多くの場合、スムーズに改善される。

 これに付随した性格的な問題まで芋蔓式に連鎖して(美容的な問題以外は)容易に解決する可能性も高いが、ピントの合った漢方薬の配合をしばらく根気よく続けて継続服用することは必須である。

 このことをお返事メールに書かなかった理由は、一定の経費と根気を必要とする漢方薬を強く奨めることには躊躇したからである。

朝、ゴミだしの帰り(笑
朝、ゴミだしの帰り(笑 posted by (C)ヒゲジジイ

posted by ヒゲジジイ at 20:28| 山口 ☁| 更年期障害・自律神経失調症や不定愁訴症候群 | 更新情報をチェックする

2008年12月10日

不眠の夜

 この二日間、過労が祟って却って眠れない。こんな時間まで目がカッカと冴えている。
 本業が忙しいのはよいが、新人さんが続くと無い頭を振り絞りに振り絞るので、休日にはあり得ないフラツキに見舞われる。

 それでも昨今は、頓服の牛黄製剤がシャープに奏功してくれるので、何とか倒れずにやっている。
 そんな多忙の日でも、寸暇を盗んで裏庭にカメラを持って昆虫やヒヨドリの撮影である。
 
 お馴染みさんが車をとめるのに気が付いて慌てて入ろうとすると、「先生いいよっ、今日は薬の補充だけだから〜〜」と労わってくれる気遣いには感謝。
 
 その短時間のストレス解消もあまり効果がないほど多忙で神経を使い過ぎて・・・自律神経関連の次は重大な器質性疾患、またその次は自律神経関連と続くいた日だが、むしろ重大な器質性疾患の方が基本方剤は直ぐにみつかるのに、不定愁訴症候群の場合は一発で見つかるとは限らない。

 命に関わる重大な疾患の人達の方が腹が据わっているのに、一部の不定愁訴や自律神経関連の人達の中には、焦りばかりが出てせっかちで数ヶ月ももたず頑張れない人が毎年何人もいる。(アトピーでも一部、諦めの早過ぎる人もいるが・・・)

 敢えて言えば、本物の病気の人達の方がしっかり頑張ってくれるが、自律神経や不定愁訴関連の人達の半数近くは腹が括れず、常に心がフラフラで、性根が座ってない。つまり根性が無い。

 迷いの多い人や焦り捲くる人達は、本来、村田漢方堂薬局に来るべきではない。
 焦ってせっかちな人は来なくいい。せっかちなのはヒゲジジイだけにしておいて欲しい(苦笑。

 こんなくだらんことを書いていたら、ますます眠れなくなってしまった(涙
posted by ヒゲジジイ at 02:30| 山口 ☁| 更年期障害・自律神経失調症や不定愁訴症候群 | 更新情報をチェックする

2008年10月03日

意味不明の訳がわからん症状の訴えの女性なら、多くは加味逍遙散?!

 いまさら日本流の漢方をされる人なら、上記のタイトルは常識中の常識だから、タイトルにしてまで述べるまでもないことなのである。
 それをあえてここで書いてしまうのは、一昨年までは販売量が激減していた加味逍遙散製剤が、昨年頃から激増しているからである。

 古方でもないのに古方派が好んで使用される加味逍遙散ではあるが、それだけにヒゲジジイの古方派時代はしばしば使用したし、また当時は意味不明な症状を訴えて、いわゆる「血の道症」の女性が多く訪れていた。

 ところが、中医漢方薬学に目覚めた頃から、世の中も漢方ブームに沸き立ち、テレビでは医療用の漢方が派手に宣伝される時代に至って、加味逍遙散証を呈する女性達が、漢方専門の当方では激減していたのが実情である。

 もともと不定愁訴というものは、大変把握しにくいところがあるので、訴える多種類の症状の一つ一つに囚われ過ぎると、いつのまにか五里霧中に陥って、気がついてみると何のことは無い、加味逍遙散を主軸に運用すればよかったというケースが稀ではないのである。

 加味逍遙散証を呈する序章としての肝気鬱結を起こすからには様々な原因や誘引が存在するが、器質的な疾患と異なって、症状を真面目に聞いていたら、時にこちらがノイローゼになりそうなほどである。

 転移癌の患者さんたちが、様々な苦痛を堪えながら、ひたすら通い続けられる静かなる闘志と不屈の精神が滲み出る雰囲気と比べると、加味逍遙散証を呈する不定愁訴症候群やホットフラッシュの人達の方が、遥かに難病をかかえているような錯覚を起こすほどである。

 加味逍遙散という製剤こそ、世の中には五万とあるはずなのに、昨年から当方のような漢方専門薬局に多数の人が訪れるようになった原因は、品質のよい製剤しか販売しないからという理由だけではなさそうで、それに併用すべき適切な方剤の選択がかなり的確だからかもしれない(笑。

 ここで本音を言えば、一部の不定愁訴症候群の御相談は、死に病でもないのに時にはぜんぜん理屈に合わない症状の多さに閉口して、本当は決して得意分野ではなく、精神的には大いに不得意分野である ことを宣言しておきたいのであるっ(苦笑。
posted by ヒゲジジイ at 22:43| 山口 ☁| 更年期障害・自律神経失調症や不定愁訴症候群 | 更新情報をチェックする

2008年09月15日

不定愁訴症候群の漢方薬のピントが合う前から一ヶ月分単位の投与はいかがなものか?

性別 : 女性
年齢 : 30歳〜39歳
簡単なご住所 : 関東地方
お問合せ・ご連絡内容 : はじめまして。
 数年前から不定愁訴に悩んでいます。最初喉の違和感というか、吐き気のような感覚に苦しみ、耳鼻科で検査しましたが、異常なしでした。
 次に内科で胃カメラや血液検査も問題なかったのですが胃酸が少し逆流してるかもしれないと言われ、一年ほど、胃酸を抑える薬を何種類か飲みましたが、改善しなかったので通院を止めました。その後、緊張性頭痛で、デパスと、ロキソニンを飲むようになりさらに一年ほど前から、生理前になると、吐き気や不眠、いらいらや、腰痛や下痢などに悩まされるようになり、婦人科で内診を受けましたが異常なしで四ヶ月前から漢方内科に通い出しました。

 そこでは「お腹に血が回っていない。」と言われ、桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)を試したのですが合わず「数日飲み続けると下痢をしてしまい」今は、半夏厚朴湯(ハンゲコウボクトウ)と女神散(ニョシンサン)を飲んでいます。

 半夏厚朴湯は生理前以外は効いてる感じですが、女神散の効果がわかりません。それどころか、最近は生理痛は悪化し、常に胃やお腹の調子がおかしく、上半身に熱が隠った感じがします、ということを、病院でもお話させていただいてはいるのですが。

 長くなってしまいもうしわけありません。全身が常に酷い緊張状態で、血流が悪いのてはと言われ、マッサージを受けましたが合わず、鍼灸も効果が実感できず、これから、こんな体とどう向き合って行けばよいかわからずにいます。

 お忙しいところ申し訳ありませんが、何かアドバイスをいただきたく、メールいたしました。
 (後略)


お返事メール:メール拝見しました。
 既に漢方薬をはじめられて四ヶ月経つそうですが、体質と症状に合った漢方薬を早くみつけてもらう必要があると思います。

 半夏厚朴湯は一定の効果があるようですが、女神散は明らかに合ってないようですね。
 女性の不定愁訴症候群は、時になかなかピントの合った漢方薬が見つからない場合があります。文面だけでは重要な寒熱の偏在状況と程度が類推すら出来ませんので、大したアドバイスはできませんが、女神散の部分を他の処方に変えてもらい、ピントがあうまで根気よく通い詰めることです。

 もしもせっかく通い詰めても合わない漢方薬をいつまでも出されるのでは困りますので、合わないと判明する都度、処方を変えてもらう必要があります。
 不定愁訴症候群の場合、ピントが合っていればなんとなくご本人が感じるものですから、7〜15日服用してもやや逆効果に感じるものは、それ以上続けても無駄です。ピントがあうまで繰り返し処方の配合変化を行ってもらう必要があるということです。

 ところで、上半身に熱がこもった感じがするとのことですが、もしかしたら案外、加味逍遥散などが合っているのかもしれませんが、あくまで文面からの類推のことですので、このアドバイスもあてになりません。

 もしも処方をいつまでも変えて下さらないようでしたら、先生を変える必要があると思います。
以上、簡単ながらお返事まで。


おり返し頂いたメール:夜遅くに失礼いたします。
 先ほどメールさせていただいた●●です。こんなに早くご丁寧なお返事をいただきまして本当にありがとうございました。

 私の場合漢方薬の処方が一ヶ月単位なのですが、それでは無理がありますよね。私が服用している漢方薬の効果は、いったいどれくらいで出てくるのだろうかと思っていたのですが、HPを拝見いたしますと、先生は十日ごとに微調整をされていらっしゃるとのことなので。

 私も効き目の感じられない物を飲み続けていないで、もっとまめに通院し、早く自分に合った漢方薬に出会いたいと思っています。お忙しい中お返事をくださいましてありがとうございました。


ヒゲジジイのお返事メール:適切な漢方薬がしっかりと定まる前から一ヶ月分単位というのは、いくらなんでも儲け主義と言われても仕方がないのではないかと愚考します。

 漢方薬の反応はそれほど鈍く遅いものではありません。本当に合っている漢方薬であれば、10日以内になんとなく服用者が感じ取れるものです。
 こちらでも最近、しっかりと効果が出る配合の基本骨格が決まるまでに5ヶ月間を要した人がいましたが、1〜2週間毎に熱心に通い続けて下さってもこのような期間がかかる場合もあるわけです。

 もしもこれが一ヶ月単位だったら、おおよそのピントが合うまでに単純計算でも二年半もかかることになります。それまで堪えられる人は少数だと思います。
posted by ヒゲジジイ at 00:11| 山口 ☁| 更年期障害・自律神経失調症や不定愁訴症候群 | 更新情報をチェックする

2008年07月09日

漢方薬局の選び方

性別 : 男性
年齢 : 50歳〜59歳
簡単な御住所 : 九州地方
具体的な御職業 : 会社員
ご意見やご質問をどうぞ : 6年前原因不明の体調不良が起こり、●大病院で検査を受けましたが特に異常はなく、自律神経失調症と診断を受け安定薬をのみ始めました。
 症状は体が締め付けられるような感じや不眠、めまい、ふらつきといったものでしたが、デパスがよく効いて何とか仕事もできる状況でした。

 しかし2年前から薬が効かなくなり、大変つらい状況になり、思い切って会社を休み、デパスの断薬を行いました。
 その後軽い不安薬(リーゼ、ドグマチール)にして現在に至っていますが、平行して漢方薬治療を始めました。

 疑問に思うのは
 1、ある漢方薬局では安定剤をやめないと漢方薬は効かないといわれました、一方では平行して飲んでかまはないと指導されました。どちらが正しいのでしょう。

 2、ある漢方薬局ではエキス剤ではききめがうすい、煎じ薬が正しい漢方の服用の仕方であるといわれました。どちらが正しいのでしょう。

 3、ある漢方薬局では、あなたに合っている漢方薬はハンゲコウボクトウであるといわれました。違うお店ではオリジナル処方でないと治らないよといわれました。どうなっているのでしょう。

 これまで、四、五件の漢方薬局で薬をもらってのみましたが一向に改善しません。

 夜熟睡ができていないのか朝からすっきりせず昼間の眠気が強く、倦怠感、やる気のなさ、抑うつ感に苦しんでいます。

 正しい漢方薬服用の道と私の病気は漢方で改善できるのか切に知りたいと思います。
 納得できれば先生のところに出かけてみようと思っています。よろしくお願い致します。


お返事メール: ご質問に御返事するまえに、まずお断りしておきますが、ご納得できようができまいが、当方へワザワザお越しいただくには及びません。こちらの方とてお問い合わせの応答内容をブログに利用させて頂く訳ですから、ギブ・アンド・テイクと割り切って頂いて結構ですので、義理立されて遠くから来られるには及ばないということです。
  加えて二年間に4〜5件もの漢方薬局を次々に、些か根気が無さ過ぎると感じます。

 強弱はあれ六年も続いたものを治すのに、石の上にも三年くらいの根気がなく、平均半年も我慢できずに薬局を変えていてはな〜〜〜と感じた次第。
 但し、人間の相性というものもありますから、その中には感覚的に相性の合いそうなところはなかったのでしょうか?

 それほど難病とも思えないので、信頼関係さえ築ければ、5〜8割くらいの寛解は得られそうに思えるのですが、100パーセントの理想的な治り方を追い求めているとしたら、それは不可能な場合があります。
 年齢から考えても小生と同年代に近いはずで、数十年後にはあの世です。完全治癒は無いものと観念するくらいの方が気が休まるのではないでしょうか?

 お悩みの内容から考えても、せめて現在の半分でも楽になれば、というくらいのつもりで、お近くの相性の合いそうな薬局を信頼して通い詰めるのが最善なように思われます。

1)安定剤を止めないと効果が無いという話は全くのうそです。急に中止することによるリバウンドの方が心配です。

2)エキス剤も煎じ薬も、そのような剤型は次元の低い問題で、何よりも貴方に適した方剤を見つけることが先決です。
 エキス剤の方が臨機応変に日毎に、あるいは1回毎に配合変化が行えて、却ってとても便利なものです。
 これを利用して村田漢方堂薬局では、症状の激しいアトピー性皮膚炎患者さんの場合には日毎に、あるいは必要に応じて毎回配合変化を行って、短期間?に痒みを半減させる方法を取って喜ばれています。煎じ薬だったらこうも短期間に痒みを取ってあげることは不可能でしょう。

3)半夏厚朴湯かどうかは貴方に会ったことが無いのでサッパリ御返事不能ですが、そのように断言されるのなら、間違っても大きな副作用が出る心配はありませんので、一度試してみたらよかったのではないでしょうか?

 違うお店ではオリジナルの処方でないと・・・といわれるのこそマユツバで、どうせ無表示医薬品を堂々と販売して、ネット販売や他店に逃げられない営業上の防衛策の可能性も高いのです。
 この業界もネット通販や医療用漢方の乱立に悲鳴を上げている厳しい業界でもあります。

 だから、逆にお客さんの方も足元を見る人もおられ、昨日なども当方のような頑固オヤジのところへ来て、一時間以上の相談を終えて三処方で五千円くらいの価格であっても、経費面でゴチャゴチャ同じことを何度も繰り返し難癖をつけるので、出していた薬を引っ込めて販売せず、二度と来ないように追い返したばかりです(苦笑。

 このようにゴネる場所を完全に間違っているクレマーもどきの中年女性もおり、病人の娘さんが可愛そうな結果でした。(本人は真剣でも、付き添いの母親が邪魔をして難癖をつけるという成人の娘さんにとって最も残酷な構図かも。)

 以上、とんでもない方向に漂流してしまいましたが、是非とも相性の合いそうな薬局さんを見つけて下さい。貴方と同様の症状に悩まれている方が日本全国大変多く、信頼できる病院や薬局を見つけて足繁く通えることが、回復を促進するものと思います。

 もしもしばしば遭遇する真面目系の人達がよく陥る古典的な鬱病であれば、必ずや適切な漢方薬が見つかるものです。
 といっても数処方の併用が必要になることも珍しくありませんし、体質によっては牛黄や麝香などの高貴薬も必要とすることも珍しくありません。人によってはかなり経費を必要とする場合もあり得るのが現実なのです。

 以上、取り急ぎお返事まで。


追記:同業者で、こんなチマチマした仕事なんてアホらしくってやってられない、と考えたかどうかは知らないが、サッサと転職して大学教授におさまった奇特な人もいる。
 ヒゲジジイも今さらボクサーを目指すにはとっくにトウが立ち過ぎたので、さしずめ太公望におさまるのが関の山だろう(苦笑。
posted by ヒゲジジイ at 00:08| 山口 | 更年期障害・自律神経失調症や不定愁訴症候群 | 更新情報をチェックする
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