2016年07月04日
病院でコントロールできている潰瘍性大腸炎のご相談
2009年7月5日のボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母
【 ブログへ掲載の可否 】:転載応諾(ブログへ転載させて頂く場合があります。)
【 年 代 】:60〜69歳の女性
【 地 域 】:九州地方
【 具体的なご職業 】:普通の主婦。自分の目標のためにしていることをいろいろ持っています。疲れてもやりたいです。
【 お問い合せ内容 】:
初めてメールします。
潰瘍性大腸炎です。平成6年に発病して、7〜8回位入退院を繰り返しています。
最近では、平成25年5月に退院して1年近く通院して薬(ペンタサ)と治療(レミケード)を受けていたのですが、だんだん気力も体力も落ちて、病院に行くのをやめました。(レミケードをやめたいと言ったら叱られました)
しばらく症状もなく落ち着いていたのですが、無理をすると軟便になり、腹痛が起こると『やばい』と思って、たくさんいただいていた「ペンタサ」を時々飲んでしのいできました。
少し症状が落ち着くと飲みませんでした。(尿が出にくくなるため)
そろそろペンタサもなくなり、どこか病院に・・・と思いつつ、ネットでいろいろ探していたら、そちらの「村田漢方薬局」さんと出会いました。
病院との併用と書かれていましたので、どんな検査をしてそちらの薬局に行けばいいのかを教えていただきたくて、メールしました。
今は、症状はないのですが、体は疲れやすくこのままだとまた同じことを繰り返しそうな気がします。
よろしくお願いいたします。
2009年7月5日のボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母
お返事メール:
病院の薬でコントロールできている人が、わざわざ体力を失いかねない海峡を渡って、こちらに来られる必要はありません。
主治医の指示をしっかりお守りください。
当方では、病院治療でしっかりコントロールできる人まで受け入れできるほど暇な薬局ではありません。
ご年齢も考えますと、私と同年代に近いようで、お互いこの年齢になると毎日が疲れやすいのは齢のせいがあるかもしれません。
西洋医学治療だけではコントロール不能な疾患の人達が日々やって来られているのに、こちらの体力的な問題もあって、貴女のように主治医の指導を守っていればコントロールできている人まで、受け入れる気にはなれませんので、悪しからずご了承下さいませ。
以上、そっけないお返事で恐縮に存じます。
2010年7月5日のボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母
折り返し頂いたメール:
ご連絡ありがとうございました。
とても残念です。もっともっと大変な方がいらっしゃることと思います。
一言だけ付け加えます。
前回の入院で、前腸に潰瘍ができて摘出手術と言われましたが、泣いて断りました。
1日15錠位ステロイドを飲みました。本当に「運」に助けられたと思います。
とても痩せています。プラス思考で頑張っています。
すれすれのところで、症状が抑えられているのは幸運だと思います。
病院より、漢方治療を探したいと思っています。
ありがとうございました。 感謝です。
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2010年7月5日のボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母
posted by ヒゲジジイ at 22:55| 山口 ☁| 潰瘍性大腸炎・クローン病
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2016年03月19日
漢方内科医の先生からのご報告:潰瘍性大腸炎で治療中 4 年にわたる渋り腹に漢方薬が著効した一例
2009年03月19日の茶トラのボクチン(4歳) posted by (C)ボクチンの母
東海地方の漢方内科医の先生からのおたより
3?歳 女性
平成 x 年 2 月 16 日 初診されました。
「 9 年前に潰瘍性大腸炎と診断されて、某大学病院へ通っていて投薬 ( アサコール ) を受けていましたが、血便はなくなりました。でも、 4 年ほど前からおなかが渋るように痛くなることがしょっちゅうです。今、 3 ヶ月の乳児いますが、妊娠が判明したときにアサコール中止になりました。この腹痛について担当の先生にお伝えしてありますが、血便がなく血液検査で異常がないので、あまり取り合ってくださいません」とのこと。
臍部左側に圧痛があり、腹直筋が緊張していて、他に、血虚を観察しました。
桂枝茯苓丸と、真武湯合人参養栄湯を処方し、腹痛のときに芍薬甘草湯を頓服で使うようにお伝えしました。
3 月 1 日
「なおりそうです。次の日からおトイレに行かなくて済むようになりました。しぶるような腹痛はなくなりましたね、驚きです。ただ、前からですが、排便が週に一度で、足先がすごく冷えてコメカミがおかしくなることがあり、そのときにおなかがぎゅーっと握られるような感じがします」
当帰四逆加呉茱萸生姜湯を追加しました。
3 月 16 日
「おなかはスッキリよくなりました。便通は 3 日一度くらいです。例年は花粉がひどかったですが、今年は全然よいです」
継続処方としました。
初診から 2 週間で、患者さんの一番困った訴えは改善し、約 4 週間でほぼいろいろな症状が消失ないしは改善しました。結構漢方薬の効果が早く現れたケースです。しかし、このような症例は決して稀ではない感じです。 1 ヶ月単位の処方ではもっと時間がかかったものと想像されます。村田さんがご指摘のように 2 週間程度のペースで投薬の効果を評価するのが妥当と感じています。
それにしても、こちらとしては花粉を治療するつもりは全くありませんでしたが、患者さんから「花粉もぜんぜんいいです。先生!」と言ってもらえるというのは漢方内科をやっている医師冥利に尽きるという感じで感謝ですね。
やはり、漢方おそるべし、です。
2009年03月19日の茶トラのボクチン(4歳) posted by (C)ボクチンの母
お返事メール:
素晴らしい症例報告、いつもながら、ありがとうございます。
かなりデリケートな疾患でもある潰瘍性大腸炎に対して、綿密な方剤の運用には驚かされます。
お見事としか言いようがありません!
同じ病名でも、適応する漢方薬は体質と病状によって様々に異なるところを、的確に証候を把握され、状況によってなされる微調整の見事さ。
いつの間にか、神業の域に達してしまわれたご様子。
先生のようなレベルの医師の人達が増えれば増えるほど、日本全国の漢方薬局の必要性が少なくなって行くはずなのですが、まだまだ、それほど増えているようには思えません。
現実には、相当に有名な医療機関でも、どうしようもない乱暴な漢方投与が行われている現実には、目に余るものがあります。
だから、いつまでたっても、こちらは引退できないのですが・・・(苦笑。
また、この度もブログへのご協力、ありがとうございました。
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2009年03月19日の茶トラのボクチン(4歳) posted by (C)ボクチンの母
ラベル:潰瘍性大腸炎
posted by ヒゲジジイ at 00:02| 山口 ☔| 潰瘍性大腸炎・クローン病
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2013年10月08日
クローン病は潰瘍性大腸炎と同類の疾患とはいえ
2007年3月3日2歳半のボクチン posted by (C)ボクチンの母
クローン病は潰瘍性大腸炎と同類の疾患とはいえ、後者は炎症が大腸に限定されるが、クローン病では大腸から小腸など広い範囲の消化管に炎症が勃発する。
また炎症範囲が後者では粘膜層に留まるが、クローン病では腸管の筋層まで炎症が達する。
このような困難な疾患でも、過去の潰瘍性大腸炎の相談事例で得た多くの寛解例をヒントに、若いご相談者と互いに奮闘努力の甲斐あって、まず微熱が軽減して、CRPもやや低下して体調も少し持ち直している。
ほどほど遠方の人であるので通うのは無理ではないかと心配していたが、昨今では10日毎に通うのを楽しみにされているくらいだから、少しホッとしている。
といっても初期に附子瀉心湯をヒントにした去大黄の清熱剤とともに併用してもらってよく奏効した真武湯が急転直下で謀反を起こし、急遽、桂枝芍薬湯に切り替えてことなきを得たが、附子剤が必要な時でも、多くの場合、延々と使うのは危険で、油断していると激しく熱化をもたらす。
日本の漢方界でも病気の原因は冷えであると短絡的に断じる考えがブームとなっているようだが、これほど危険なことはない。
病気の原因は複雑多変であるから、適材適所で適宜臨機応変にその時点における病機をしっかり把握する必要がある。
たとえ寒証が主体にみえても、附子剤を延々と投与していると、急転直下、激しく熱化する場合もあることを忘れるべきではないし、また熱証が主体にみえても、急転直下、寒証が主体に入れ替わることも珍しくはない。
ともあれ、まだまだ油断ができない状況ではあるが、関東から通って来られた乾癬性関節炎という難治性疾患を過去の豊富な関節リウマチの根治例や寛解例の経験を元に、数年がかりとはいえ、ここ1年くらいはほとんど寛解状態が続くまでに持ち込めている例もあるので、このやっかいなクローン病も同様な結果が得られるよう、互いに奮闘努力しているところである。
2007年3月3日2歳半のボクチン posted by (C)ボクチンの母
posted by ヒゲジジイ at 00:28| 山口 ☁| 潰瘍性大腸炎・クローン病
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2012年07月12日
中草薬で潰瘍性大腸炎がほぼ完全寛解した人
KSC_6762 posted by (C)ヒゲジジイ
今回も現在進行形で追跡調査が常時可能な人。
本日も電話で受付嬢に感激のお礼を述べられていた様子。内視鏡検査の結果が出て、どこに潰瘍性大腸炎があったのか、まったく痕跡を残さず消えていると医師に告げられたという。
中草薬の効果は歴然としているが、内容があまりにシンプル、単味の中草薬だから唖然とする。
他の人にも再現性があるかどうかは不明である。
陰部ヘルペスに五苓散にその筋の中草薬を加えたものが、意外にも、あるいは案に相異せず、ついでに持病の潰瘍性大腸炎も速効が得られた。恐らく五苓散とは無関係だろう。
それ以後、数年以上継続服用されているが、昨今ますます絶好調で、本日の検査でも痕跡を残さず患部が完全に消滅しているという主治医の診断である。
ところで、今回とはまったく異なる他の中草薬ではあるが、そも中草薬で下肢静脈瘤が短期間で消滅して、予定していた手術を免れた事例があり、このケースも何年も前のことであるが、そのままずっと継続服用されているので現在も追跡調査可能である。
但し、こちらのケースは他の人に同様に効果があるとは思えない。
過去の潰瘍性大腸炎の寛解例の記憶では、真武湯+イオン化カルシウムで1例、補中益気丸(党参配合)+六味丸で1例、槐角丸+開気丸+帰脾湯で1例などであったが、中草薬単味の例は珍しい。
中草薬単味とはいっても、別の目的で正しく白朮の配合された加味逍遥散製剤やササヘルスなど他の漢方薬類も併用しているが、中草薬を追加して以後に劇的に寛解しているのだった。
KSC_6596 posted by (C)ヒゲジジイ
posted by ヒゲジジイ at 23:42| 山口 ☁| 潰瘍性大腸炎・クローン病
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2012年01月20日
特殊例が多い村田漢方堂薬局では真武湯を・・・
ESC_8502 posted by (C)ボクチンの母
真武湯で過去、潰瘍性大腸炎をウチダのイオン化カルシウムと併用で根治に至り、その後の追跡調査も十数年、まったく再発は見られない。
その後、潰瘍性大腸炎で真武湯が適応する人にはいまだに遭遇しないが、脊髄小脳変性症など比較的特殊な難病にしばしば応用される。
線維筋痛症では即効を得たケースもある。
しかしながら、もともと真武湯は一般的には虚寒性の水様便や水分の多い泥状便に適応が多い。
その中でも昨今珍しい例では、頭痛・眩暈・水様性下痢に悩む人に、五苓散と加味逍遥散製剤で目眩と下痢はやや軽減するも、頭痛にはほとんど効果がない。
上熱下寒の兆候は明らかであるから、清熱舒筋の方剤を追加すると、頭痛は軽減するが水様性下痢が再開してもとの木阿弥になる。
そこでさらに真武湯とイオン化カルシウムを追加すると、下痢はほどなく緩解し、数十年ぶりでまともな大便を見ることが出来た。
これでようやく配合バランスが整い、頭痛、目眩・下痢ともに比較的順調に回復中である。
滅多に見られない典型的な上実下虚、上熱下寒の興味深い症例である。
ESC_8503 posted by (C)ボクチンの母
posted by ヒゲジジイ at 00:54| 山口 ☔| 潰瘍性大腸炎・クローン病
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2009年08月23日
潰瘍性大腸炎に対する漢方薬
トンビ posted by (C)ヒゲジジイ
ブログへの転載の可否 : ブログへ転載を許可します
年齢 : 30歳〜39歳の男性
簡単なご住所 : 日本国
具体的な御職業: 病院勤務薬剤師
お問い合わせ内容 : サイトで勉強させていただいています貴重な中医薬学理論のアップありがとうございます。
大変恐縮なお願いですが、妻が潰瘍性大腸炎にかかっており、それについてアドバイスいただけると助かります。もしお時間がございましたらお願い致します。
3?歳 女 昨年9月に出産(経産経膣) 現在授乳中
昨年12月頃より、水様便、消化管出血今年4月に大腸内視鏡、組織検査によりUC確定診断横行結腸にポリープもあり切除直腸および下部結腸の一部に炎症軽症〜中等症、授乳中を考慮しペンタサ注腸 1g/dayラックビーN 3g/dayとなっています。
これに加え自分の判断でムコスタ 2T/dayイスクラ帰脾錠 12T/dayツムラ87六味丸 2P/dayササ葉緑素の液体(松寿仙)適宜で様子を見ています。
一時期だいぶよくなり便も形になっていましたが初発にみられる改善だったのかも知れません悪化しています、腹痛、粘液便、出血(黒色も見られるように舌質は淡、舌苔は薄白、やや亀裂がみられます。
腹部の深部に冷えが感じられることがあります。会社勤務のためストレスや疲れはある状況です他体質としては喘息を起こしやすかったですが最近は出ていません。
脾虚、腎虚と考え上記を足してみました村田先生のサイトをみると痰毒を考えるのかと思うのですが正直よくわかりません。
ペンタサを続けつつなんとか根本的なところにもアプローチしたいのですが知識不足のため方向性がいまひとつです、抗炎症、腹部お血の改善、等が足りないのかと考えています。
免疫異常にもアプローチするような方法もあるのでしょうか?それとサイト等で青タイ(リュウキュウアイの葉)がUC一般に有効であるとの情報もありましたがどうなのでしょうか?
これだけの情報では判断難しいかとは思いますが、処方まではいかなくとも方向性等アドバイスいただけると助かります。
ちなみに当方の知識の程度ですが、貴サイトで中医学の重要性を知り重視しています。ツムラ等の医療用漢方はよい面が多いですがやはり日本漢方的な使用法は限界があると考えていました。
意味不明な漢方理論と述べられていますがまさにその通りだと思います。漢方薬の成分の薬理作用等みて勉強したこともありましたが系統だった理解は得られるものではありませんね、勉強にはなりますが。
中医学の知識は医学一般の理解にも適応できるものが多く理論的です。
長くなりましたが、よろしくお願いいたします。
トンビ posted by (C)ヒゲジジイ
御返事メール:潰瘍性大腸炎はとてもデリケートな疾患ですので、適切な方剤を考える上ではかなり慎重を要します。それゆえ、メールの御報告程度では大したヒントを差し上げることは不可能です。
実際に通って来られる人でも、かなり進行している場合には処方を固定できずに、アトピー性皮膚炎の重症者に行うように日毎の配合変化が必要なことも珍しくありませんでした。
これまで安定した方剤で寛解に導けたケースを思い出しても、開気丸と帰脾湯と槐角丸の三者の併用で固定できたケースや、補中益気湯と六味丸の併用、あるいは真武湯にイオン化カルシウムの併用など、それぞれ適応する方剤はまったく異なっていました。
今年の著効例では、瓢箪からコマの興味深いケースがありました。
貴方のご指摘の「青黛(セイタイ)」とも関連する話です。
昔から時々来られていたお馴染みさんで、かなり重度の潰瘍性大腸炎を患う方が、同時に繰り返し生じる婦人科のヘルペスの疼痛がしばしば病院治療では治まらず、なんとかこの疼痛を消して欲しいという依頼でしたので、もともと持病の潰瘍性大腸炎に少しでも連動できるような配慮から五苓散料エキス製剤に板藍根のエキス製品(板藍茶)を併用してもらったところ、ヘルペスによる激痛は2回の服用で解消です。
これからがメインの話ですが、半月くらい継続服用したところで潰瘍性大腸炎の諸症状が消えており、定期検査に行ったところ炎症反応も完璧に消えているとのことでした。
この調子では根治に近づくのではないかと、ご本人が体感からそのような感想を述べられています。
諸検査の急な改善には驚かされているのは医師や患者さんだけでもなく、小生も思いがけない速効には驚いているところです。
青黛と板藍根は同一植物が原料ですので、板藍根にも同様な可能性があるのかもしれません。
難病指定を受けるような疾患でも、時にはシンプルな方剤で寛解するケースもあり、三種合併の膠原病でさえ、わずか一方剤の継続で即効的に寛解したまま一年以上が経過している幸運な女性もおられます。
しかしながら、やはり多くは複数の方剤を併用しなければ不可能なようです。
トンビ posted by (C)ヒゲジジイ
折り返し頂いたメール早速の返信ありがとうございました。貴重な症例を教えていただき恐縮です。バンラン茶は試してみます。
また経過等報告いたします。
バンラン茶と天津感冒片は風邪対策に常備してあります、先生のサイトで 知り、流通しているギンキョウ散との効力の差には驚きました、良く効きます。
トンビ posted by (C)ヒゲジジイ
ラベル:潰瘍性大腸炎
posted by ヒゲジジイ at 00:33| 山口 ☀| 潰瘍性大腸炎・クローン病
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