ペットのﾀﾋが絡んだ話なので苦手な方は飛ばして下さい。

自分が中学生の頃、二階の自室でゲームをしていたら
庭から妹と母の絶叫が聞こえてきた。何事かと見に行くと、
庭で飼っていたウサギが大型犬に食い杀殳されていた。
高いとは言えない塀を飛び越えて侵入してウサギに食い付き、
咥えたまま再度塀を飛び越えて逃亡、妹も母も当然大泣き。
数時間後に犬の飼い主が骨も内蔵も露出したウサギのﾀﾋ骸を
持って来て、謝罪しつつも我が家の庭の塀の低さを非難し、
飼い主を探しだした自分は偉いと自画自賛していたのが
まず最初の衝撃だった。それから数ヶ月後、町内の広報誌の
「我が家の自慢のペット」的なコーナーに
その犬と飼い主一家が堂々とインタビューに答えて
掲載されているのを発見したのが第二の衝撃。
そして自分はそんな犬の飼い主に対して怒りを覚えたものの、
中二病真っ盛りで特にウサギに思い入れは無かったので悲しみなどは無かったのだが、
家族の前では笑う事すら殆どなかった昭和親父の父が
夜中に台所で独り、ウサギの名前を口にしながら泣いていたのを見たのが一番の衝撃だった。
見なかった事にするのが親父の為だと思い、未だに言っていない。